1. 補助金ポータルTOP
  2. 補助金・助成金・給付金コラム
  3. 賃上げ重点コースとは?賃上げと設備投資を両立できる東京都の助成金|最大600万円・助成率3/4【令和8年度】

賃上げ重点コースとは?賃上げと設備投資を両立できる東京都の助成金|最大600万円・助成率3/4【令和8年度】

公開日:2026/7/8 更新日:2026/7/13
image

2025年春闘の主要企業の平均賃上げ率は5.52%(厚生労働省調べ)となり、2年連続で5%を上回る過去にない水準を記録しました。しかし、この賃上げ機運に追随できない中小企業では「賃上げ難型」の人手不足倒産が急増しており、2025年度の人手不足倒産は441件(前年度比26.0%増)と年度ベース初の400件超えを記録しています(帝国データバンク調べ)。2020年から2025年の5年間で最低賃金は902円から1,121円へ24.3%も上昇し、中小企業経営者にとって「賃上げ原資の確保」と「設備投資の両立」は喫緊の課題ではないでしょうか。

こうした都内中小企業を支援するため、公益財団法人東京都中小企業振興公社は令和8年度(2026年度)から「経営力強化に向けた創意工夫チャレンジ促進事業」の賃上げ重点コースをスタートさせました。既存事業の「深化」「発展」に取り組む事業者が賃金引上げ計画を策定する場合、助成率を通常の2/3から3/4(小規模事業者は4/5)に引き上げ、上限600万円まで助成する制度です。

この記事では、賃上げ重点コースの対象者、助成率、賃上げ計画の要件、令和8年度の申請スケジュール、注意点までを詳しく解説します。

無料で相談する

▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する

この記事の目次

\ 制度やどの補助金が使えるか知りたい! /
お問い合わせ
\ 申請サポートをお願いしたい! /
専門家を探す
補助金対象商品を調べる
導入したい商材が補助金に対応しているかチェック!
ITトレンドへ

賃上げ重点コースとは?助成率3/4・最大600万円で賃上げと設備投資を支援

賃上げ重点コースは、経営力強化に向けた創意工夫チャレンジ促進事業の3コースの一つで、既存事業の「深化」「発展」に取り組む都内中小企業に対して、賃金引上げ計画の策定を条件に助成率を3/4(小規模事業者は4/5)まで引き上げるコースです。助成上限額は600万円で、業務改善コースと同額ですが、助成率が引き上げられる分、実際に受け取れる助成金額が増える設計となっています。

【賃上げ重点コースの概要】
・正式名称:経営力強化に向けた創意工夫チャレンジ促進事業(賃上げ重点コース)
・実施主体:公益財団法人 東京都中小企業振興公社
・助成上限額:600万円
・助成率:対象経費の3/4以内(小規模事業者は4/5以内)※賃上げ計画未達成時は2/3
・対象取組:既存事業の「深化」「発展」+賃金引上げ計画の策定
・申請回数:年4回
・申請方法:Jグランツによる電子申請(GビズIDプライム必須)
・問い合わせ:経営力強化に向けた創意工夫チャレンジ促進事業事務局 TEL:03-4405-0707

経営力強化に向けた創意工夫チャレンジ促進事業|業務改善・賃上げ重点・新市場進出3コースの違いと選び方【2026年度・東京都】

【2026年最新】最低賃金はいくら?全国47都道府県一覧・2026年度改定予想・引き上げ対策を徹底解説

業務改善コースとの助成額の違い

賃上げ重点コースは業務改善コースと助成上限額が同じ600万円ですが、助成率が異なるため、実際に受け取れる助成金額に差が出ます。同じ600万円の助成対象経費で比較すると、以下のように大きく差が広がります。

助成対象経費業務改善コース(2/3)賃上げ重点コース(3/4)賃上げ重点コース小規模事業者(4/5)
300万円200万円225万円240万円
600万円400万円450万円480万円
800万円533万円600万円(上限)600万円(上限)

このように、賃上げ計画を策定できる場合は賃上げ重点コースの方が助成金額を最大化できます。

賃上げ重点コースの対象者|賃金引上げ計画の策定が必須要件

賃上げ重点コースの対象者は、業務改善コースと同じく直近決算期の営業利益が前期比で減少している、または損失を計上している都内中小企業等で、加えて賃金引上げ計画の策定が必須要件となります。

対象者の共通要件

賃上げ重点コースの対象者は、以下の要件をすべて満たす必要があります。

・東京都内に本店または支店等の登記があり、実質的に事業を行っている中小企業者等
・中小企業基本法に規定する中小企業者に該当すること
・直近決算期の営業利益が前期比で減少している、または損失を計上していること
・賃金引上げ計画を策定・提出できること
・事業税・都民税等の税金を滞納していないこと
・暴力団関係者、風俗営業等の事業者でないこと
・令和8年度中小企業収益力強化サポート事業のハンズオン支援決定を受けていないこと

賃金引上げ計画の内容

賃上げ重点コースで求められる賃金引上げ計画では、次の要件をすべて満たす必要があります。

【賃上げ計画の要点】
①賃金引上げ計画期間における常時使用する従業員の給与等総額を、基準期間と比べて2.0%以上増加させること
②助成事業実施場所内の最低賃金を地域別最低賃金に30円を加えた額以上の水準にすること

賃金引上げ計画期間は助成事業完了日の属する月の翌月から起算した最大12か月間、比較対象となる基準期間は基準日(令和8年4月1日)の属する月の前月から遡った12か月間と定義されています。詳細は必ず最新の募集要項でご確認ください。

【賃上げ計画未達成時のリスク】
賃金引上げ計画を達成できなかった場合、助成率は3/4(小規模事業者4/5)から2/3に引き下げられます。すでに交付された助成金の一部返還が発生する可能性もあるため、余裕を持った実現可能な賃上げ計画の策定が不可欠です。

小規模事業者は助成率4/5に拡大

小規模事業者(製造業その他は従業員20人以下、商業・サービス業は従業員5人以下)に該当する場合、賃上げ重点コースの助成率は3/4ではなく4/5まで拡大されます。賃上げ原資の確保が特に困難な小規模事業者ほど恩恵が大きくなる設計です。

「深化」「発展」に該当する取組の具体例

賃上げ重点コースで対象となる取組は、業務改善コースと同様に既存事業の「深化」または「発展」を目指すものに限定されます。「深化」は既存事業の質を高める取組、「発展」は既存事業を基に新たな事業展開を図る取組です。

区分取組例
既存事業の「深化」高性能な機器・設備の導入による競争力強化/既存の商品・サービスの品質向上/高効率機器・省エネ機器の導入による生産性向上/自動化・省人化設備の導入
既存事業の「発展」新たな商品・サービスの開発/商品・サービスの新たな提供方法の導入/既存事業で得た知見等に基づく新たな取組

対象外となる取組

以下のような取組は賃上げ重点コースの対象外です。事業計画書の策定前に自社の計画が該当しないか確認してください。

・申請者が営んできた事業内容との関連性が薄い、または全く無い取組
・法令改正への対応など、義務的な取組
・単なる老朽設備の維持更新など、競争力や生産性の向上に寄与しない取組

新製品・新サービス開発と新市場・新分野進出を同時に行う取組は、賃上げ重点コースではなく新市場・新分野進出コース(助成上限1,000万円)の対象となります。

助成対象経費|11経費区分と単独申請の可否

賃上げ重点コースの対象経費は、業務改善コースと共通で以下の11区分となっています。一部の経費区分は単独申請ができないため、単独申請可の経費区分を主軸に事業計画を組み立てる必要があります。

経費区分単独申請
原材料・副資材費
機械装置・工具器具費
委託・外注費可(うち市場調査費は不可)
産業財産権出願・導入費
規格等認証・登録費
設備等導入費
システム等導入費
専門家指導費不可(他区分と組み合わせ必須)
不動産賃借料
販売促進費不可(他区分と組み合わせ必須/既存事業分は対象外)
その他経費不可(他区分と組み合わせ必須)

令和8年度の申請スケジュール|賃上げ重点コースは年4回

賃上げ重点コースは年4回の申請機会が設けられています。業務改善コースとは異なるスケジュールで運用されており、令和8年度の第1回はすでに受付終了しています。第2回以降のスケジュールは以下のとおりです。

募集回申請受付期間
第1回令和8年6月1日〜6月12日(受付終了)
第2回令和8年9月1日〜9月14日
第3回令和8年12月1日〜12月14日
第4回令和9年3月1日〜3月12日

申請の締切は各回とも締切日の16時です。ただし、募集回ごとの申請上限数に達した場合は期日前に受付が締め切られるため、早めの提出が安全です。

申請の流れ|Jグランツ電子申請と賃上げ計画の実行

賃上げ重点コースの申請は、Jグランツによる電子申請のみで受け付けます。申請にはGビズIDプライムアカウントが必須で、アカウント発行に2〜3週間かかるため、早期の取得準備が必要です。

申請から助成金交付までの流れ

賃上げ重点コースは、助成金交付後も賃上げ計画の実行と実施報告が必要となる点が業務改善コースとの大きな違いです。以下の流れで進みます。

①GビズIDプライムアカウントの取得(申請前)
②賃金引上げ計画の策定
③Jグランツによる電子申請(受付期間内)
④専門家による書類審査
⑤面接審査(書類審査通過者のみ)
⑥交付決定・通知
⑦助成事業の実施(設備導入・システム構築等)
⑧実績報告・完了検査
⑨助成金額の確定・1回目の交付(通常助成率2/3以内で算出した金額)
⑩賃上げ計画の実施(助成事業完了日の属する月の翌月から最大12か月)
⑪実施状況の報告・賃上げ達成の確認
⑫2回目の交付(特例助成率3/4〜4/5で算出した金額と1回目交付額との差額)

このように、特例助成率が反映された助成金を全額受け取れるのは、賃上げ計画期間(最大12か月)の終了・達成確認後です。例えば小規模事業者が助成対象経費600万円で取り組む場合、1回目に400万円、2回目に80万円という受け取り方になります。

助成金は後払いのため、全額受領までの資金計画には注意してください。

3コース重複申請不可

賃上げ重点コース、業務改善コース、新市場・新分野進出コースの3コースを重複して申請することはできません。同一の申請受付期間中に複数コースへ申請した場合、いずれの申請も受け付けられません。取組内容と賃上げ計画の有無に応じて最も適した1コースを選んでください。

また、本事業では1事業者につき交付決定は1度のみで、いずれかのコースで交付決定を受けた場合、同一年度内に再度申請することはできません。過去に業務改善コースや新市場・新分野進出コースで交付決定を受けている場合や、他コースに申請中の場合も申請できません。申請が不採択となった場合は、次回以降の募集回に再度申請することが可能です。

賃上げ重点コース(創意工夫チャレンジ促進事業)に関するよくある質問

賃上げ重点コースと業務改善コースはどちらが有利ですか?

賃上げ計画を策定・実行できる場合は賃上げ重点コースの方が有利です。助成上限額はどちらも600万円で共通ですが、助成率が業務改善コースの2/3に対して賃上げ重点コースは3/4(小規模事業者は4/5)と高いため、同じ助成対象経費でも受け取れる助成金額が増えます。ただし、賃上げ計画を達成できなかった場合は助成率が2/3に引き下げられる点に注意が必要です。

賃金引上げ計画とは具体的にどんな計画ですか?

事業所内の従業員の賃金引上げに関する具体的な計画で、事業所内最低賃金の引上げと平均給与の引上げの両方を満たすことが求められます。詳細な水準・対象者・実施時期は募集要項で規定されているため、必ず最新の募集要項をご確認ください。

賃上げ計画を達成できなかった場合はどうなりますか?

助成率が3/4(小規模事業者は4/5)から2/3に引き下げられ、すでに交付された助成金の一部返還が発生する可能性があります。賃上げ計画は経営状況や事業実施の効果を踏まえて実現可能な水準で策定することが重要です。

小規模事業者の定義は何ですか?

中小企業基本法上の小規模事業者は、製造業その他は従業員20人以下、商業・サービス業は従業員5人以下を指します。賃上げ重点コースでは、小規模事業者に該当する場合、助成率が3/4ではなく4/5まで拡大される優遇措置が設けられています。

既に賃上げを実施済みの場合でも申請できますか?

賃上げ重点コースは今後の賃金引上げ計画を策定することが要件です。すでに実施済みの賃上げのみを申請理由とすることはできませんが、今後さらなる賃上げを予定している場合は対象となる可能性があります。詳細は募集要項でご確認ください。

賃上げ重点コースの申請は年何回ですか?

賃上げ重点コースの申請機会は年4回です。令和8年度は第1回(6月)、第2回(9月)、第3回(12月)、第4回(令和9年3月)に設けられています。業務改善コースとは受付期間が異なるため、募集要項でスケジュールを確認してください。

GビズIDプライムの取得にどれくらいかかりますか?

GビズIDプライムアカウントの発行には、書類に問題がない場合でも審査に1週間程度、実際の運用では2〜3週間程度かかります。Jグランツによる電子申請にはGビズIDプライムが必須ですので、申請受付開始の少なくとも1か月前までにGビズIDの取得手続きを始めることをおすすめします。

業務改善助成金(厚生労働省)との併用は可能ですか?

併願申請自体は可能です。ただし、同一テーマ・内容で二重に助成金を受け取ることはできないため、同じ取組で両方に採択された場合は一方を辞退する必要があります。判断の基準は「経費が重複しているか」ではなく「取組のテーマ・内容が同一か」である点に注意してください。テーマ・内容が異なる別々の取組であれば、両制度を併用できる余地があります。なお、公社の他の助成事業との併願申請はそもそも不可です。

直近決算期の営業利益が減少していない場合は申請できませんか?

申請できません。賃上げ重点コースの対象者は、直近決算期の営業利益が前期比で減少している、または損失を計上している都内中小企業等に限定されています。事業環境変化により経営基盤の強化が必要な事業者を支援する趣旨のため、業績が堅調な事業者は対象外となります。

賃上げ重点コースと新市場・新分野進出コースは同時申請できますか?

3コースの重複申請はできません。ただし、新市場・新分野進出コースでも賃金引上げ計画を策定することで助成率を2/3から3/4(小規模事業者は4/5)に引き上げることができます。新製品開発と新市場進出を同時に行い、かつ賃上げも予定している場合は、新市場・新分野進出コース+賃上げ計画の組み合わせで申請するのがおすすめです。


まとめ|賃上げ計画で助成率3/4を勝ち取り、賃上げと投資を両立しよう

賃上げ重点コースは、既存事業の「深化」「発展」に取り組む都内中小企業が賃金引上げ計画を策定することを条件に、助成率を通常の2/3から3/4(小規模事業者は4/5)まで引き上げ、最大600万円を助成する制度です。人手不足倒産が過去最多を更新するなか、賃上げ原資の確保と設備投資を両立させたい事業者にとって、有力な選択肢となります。

同じ助成上限600万円の業務改善コースと比較して、助成率が高い分、実際に受け取れる助成金額は多くなります。ただし、賃上げ計画を達成できなかった場合は助成率が2/3に引き下げられるため、実現可能な計画づくりが不可欠です。

令和8年度は年4回の申請機会があり、第2回は令和8年9月1日〜9月14日、第3回は12月1日〜12月14日、第4回は令和9年3月1日〜3月12日に予定されています。申請にはGビズIDプライムの取得が必須で、2〜3週間かかるため早めの準備を進めてください。

賃上げ計画を策定しない場合は業務改善コース、新製品開発+新市場進出を目指す場合は新市場・新分野進出コースが選択肢となります。取組内容と自社の状況に応じて最適な1コースを選んで申請しましょう。

【最大600万円】業務改善コース(東京都創意工夫チャレンジ促進事業)とは?助成率2/3で既存事業の深化・発展を支援【令和8年度】

【最大1,000万円】新市場・新分野進出コース(東京都創意工夫チャレンジ促進事業)とは?新製品開発+新市場開拓を支援【令和8年度】

公式ページを確認する

無料で相談する

▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する

関連記事