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皆様、キャリアアップ助成金や両立支援等助成金、様々な助成金の申請に取り組もうと思った場合、加算があると嬉しいですよね。
2022年度までは、一部助成金で「生産性要件」というものがありました。
当社でもこちらの要件に当てはまる企業様の申請においては必ず加算で申請を行っておりました。
しかし、2023年度はこの「生産性要件」が廃止となり、代わりに新たに「賃上げ要件」が適用されました。
2023年度では「生産性要件」が廃止!
まず、生産性要件とは何でしょうか?
生産性要件の内容
・生産性要件の背景・趣旨
生産性要件の背景・趣旨として厚生労働所では以下のように書かれていました。
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今後労働力人口の減少が見込まれる中で我が国が経済成長を図っていく
ためには、労働生産性を高めていくことが不可欠です。
具体的には、従業員の能力開発・意欲の向上、働き方や働きやすさの改
革、業務の効率性や成果を高める設備の導入などにより、生産性の向上が
図れます。
事業所における生産性向上の取組みを支援するため、生産性を向上させ
た事業所が労働関係助成金(一部)を利用する場合、その助成額又は助成
率の割増等を行います。
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・生産性要件の内容
助成金の支給申請を行う直近の会計年度における「生産性」が、
3年度前に比べ6%以上伸びていることが必要になります。
・生産性要件の計算式
生産性要件の計算式は以下の通りです。
営業利益+人件費+減価償却費+動産・不動産賃借料+租税公課
生産性 = ―――――――――――――――――――――――――――――
雇用保険被保険者数
・生産性要件の活用例
キャリアアップ助成金では、基本受給金額が57万円ですが、生産性要件を満たすと、
助成金額が15万円加算され、72万円になっていました。
生産性要件廃止となる助成金一覧
生産性要件の廃止
2023年度に生産性要件が廃止となる助成金は以下の通りです。
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・65 歳超雇用推進助成金
・両立支援等助成金(出生時両立支援コース)
・両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)
・両立支援等助成金(育児休業等支援コース)
・両立支援等助成金(不妊治療両立支援コース)
・人材確保等支援助成金(雇用管理制度助成コース)
・人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)
・キャリアアップ助成金(正社員化コース)
・キャリアアップ助成金(賃金規定等共通化コース)
・キャリアアップ助成金(賞与・退職金制度導入コース)
・キャリアアップ助成金(短時間労働者労働時間延長コース)
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生産性要件の代わりに「賃上げ要件」を適用する助成金
生産性要件の廃止と共に、新たに【賃上げ要件】を適用する助成金は以下の通りです。
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・人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース)
・人材確保等支援助成金(テレワークコース)
・人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備コース)
・人材確保等支援助成金(若年者及び助成に魅力ある職場づくり事業コース)
・人材確保等支援助成金(作業員宿舎等設置助成コース)
・人材開発支援助成金(建設労働者認定訓練コース)
・人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)
・人材開発支援助成金(人材育成支援コース)
・人材開発支援助成金(人への投資促進コース)
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では、新たに適用される「賃上げ要件」とはどういう内容でしょうか。
新たな「賃上げ要件」の内容
背景・趣旨
賃上げ要件の背景・趣旨として厚生労働所では以下のように書かれていました。
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今般、企業の付加価値の向上を労働者に賃上げとして還元し、
更なる雇用の安定を実現するため、各助成金の制度趣旨に照らし、
一部の助成金については、賃上げに係る要件に切り替えることとする。
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つまり、今までは企業の付加価値向上に対しての評価のみでしたが、今後は、付加価値が向上した企業が従業員に給与として還元することを重要視するのでしょう。
賃上げ要件の内容
例:人材確保等支援助成金(テレワークコース)
テレワーク実施対象労働者の毎月決まって支払われる賃金(以下「賃金」という。)について、
評価期間(機器等導入助成)の開始日から起算して1年以内に、
5%以上増加させている必要があります。
賃金が5%以上増加していることについては、改定後3か月間の賃金総額と
改定前3か月間の賃金総額を比較し、全てのテレワーク実施対象労働者の賃金が
5%以上増加していることにより判断することになります。
このように、各助成金で賃上げ要件については設定されています。
まとめ
生産性要件は、2023年3月31日までに助成金の対象となる取組を行う企業では
経過措置が適用される可能性がありますので、各種助成金の支給要領を確認する必要があります。
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