日本では、新たに起業した企業の5社に1社が5年以内に廃業しています。多くの若い企業にとって、資金力の弱さは大きな課題のひとつです。
小規模事業者の創業を支援する「小規模事業者持続化補助金(創業型)」は、地域経済の活性化と雇用創出を目指す制度です。創業後1年以内の事業者を対象に最大250万円の補助金が交付されます。
第4回公募の申請受付は2026年11月5日(木)に開始され、2026年12月15日(火)17:00に締め切られる予定です。事業支援計画書の発行受付締切は2026年12月4日(金)となります。
今回は、小規模事業者持続化補助金(創業型)と一般型との違いや概要、申請方法をみていきましょう。
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・小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉前回からの変更点も解説
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・小規模事業者持続化補助金の採択率まとめ!採択の傾向と申請のポイント
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この記事の目次
小規模事業者持続化補助金(創業型)とは
小規模事業者持続化補助金(創業型)は、地域の雇用や産業を支える創業後1年以内の小規模事業者の生産性向上と持続的発展を図ることを目的としています。持続的な経営に向けた経営計画に基づく販路開拓等の取組が、支援の対象です。
なお、かつては持続化補助金の中の「創業枠」という区分でしたが、令和6年度補正予算からの制度再編により、現在は独立した類型「創業型」という呼び名になっています。今も「創業枠」で探される方が多いですが、いずれも同じ支援を指します。
まずは一般型との違いや各要件を見ていきましょう。
申請要件のポイント(前回からの主な変更点)
創業後1年以内・過去1か年以内といった基本的な申請要件は、第3回から引き続き第4回でも同じです。そのうえで、第4回公募要領(第8版)では経費まわりを中心に次の見直しが行われています。
【①相見積(2者以上の見積)が必要になる金額の引き下げ】
発注総額(1件あたり)が「100万円超(税込)」から「50万円超(税込)」に引き下げられました。機械装置等の購入も同様で、第3回よりも少額の発注から2者以上の見積が必要になります。
【②広報費に申請上限(30万円)が新設】
広報費の補助金交付申請額に、30万円(税込)の上限が設けられました。第3回までは広報費そのものに上限の定めはありませんでした。
【③ウェブサイト関連費の上限の見直し】
ウェブサイト関連費の申請上限が、第3回の「補助金交付申請額の1/4(最大50万円)」から、第8版では「30万円(税込)」と記載されています。なお交付規程の様式には従来どおり1/4を上限とする記載も残っているため、最終的な取り扱いは公開予定の様式集・参考資料でご確認ください。
【④新商品開発費に「テストマーケティング・市場調査」の要件が追加】
新商品開発費は、テストマーケティングや市場調査の結果を踏まえた(またはそれらを伴う)取組が対象とされ、その内容と結果を補助事業計画(様式2)または実績報告書に記載することが必要になりました。記載が確認できない場合は補助対象外となります。
【⑤事業効果等状況報告に関する申請制限の拡大】
事業効果等状況報告を提出していない事業者に加え、提出が完了してから1年が経過していない事業者も、次回以降の申請に制限が課されることが明記されました。
広報費の上限新設やウェブサイト関連費の上限縮小により、広報・ウェブに重心を置いた計画は前回よりも補助を受けにくくなっています。販促やサイト制作を中心に検討している場合は、経費配分を早めに見直しておくと安心です。
なお、図書等の資料購入費が補助対象外経費に含まれる点は第3回から引き継がれています。
一般型との違い
小規模事業者持続化補助金(一般型)は、広く小規模事業者を支援する類型です。創業型との主な違いは以下の2つです。
| (1)対象者の違い | |
|---|---|
| 一般型 | 創業年数の限定なし |
| 創業型 | 創業後1年以内の小規模事業者 |
| (2)補助率・補助額の違い | |
|---|---|
| 一般型 | ・補助率:2/3(赤字事業者の賃金引上げ特例は3/4) ・補助上限額:50万円 ・以下の場合は上乗せあり:インボイス特例対象事業者50万円、賃金引上げ特例対象事業者150万円(両特例の対象事業者は総計200万円の上乗せ) |
| 創業型 | ・補助率:2/3 ・補助上限額:200万円(インボイス特例対象者は250万円) |
創業型は、対象を創業後1年以内の事業者に限定しつつ、一般型よりも基本的な補助額が大きく設定されています。
申請要件
主な申請要件は以下のとおりです。
| 以下の両方が、過去1か年以内であること |
|---|
| ・「認定市区町村」または「認定市区町村」と連携した「認定連携創業支援等事業者」が実施した「特定創業支援等事業による支援」を受けた日 |
| ・開業日(設立年月日) |
申請時点でまだ事業活動を開始していない創業間もない事業者(店舗オープン準備中、EC出店準備中など)も補助対象となりえますが、補助事業終了までに商品またはサービスの提供を開始し、事業活動を開始することが必要です。この要件を満たさない場合、補助金は交付されません。
対象者の要件
補助の対象者は、日本国内に所在する小規模事業者等です。ただし、以下の場合は対象外となります。
・小規模事業者持続化補助金<創業型>において、申請中・採択済み、または採択を受けて補助事業を実施した事業者
・小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>において、申請中・採択済み、または採択を受けて補助事業を実施した事業者
・資本金または出資金が5億円以上の法人に直接または間接に100%の株式を保有されている法人
・開業・設立が完了していない完全な未開業状態の創業予定者(ただし、開業・設立後であれば未だ事業活動を開始していない事業者は補助対象となりえます)
対象事業の要件
| ■「経営計画」に基づいて実施する、販路開拓等のための取組、あるいは、販路開拓等の取組とあわせて行う業務効率化(生産性向上)のための取組であること |
| ■商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む事業であること |
なお以下の場合は、対象外です。
| 対象外となる事業 |
|---|
| ■国が助成する他の制度(補助金、委託費、公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬等)と同一または類似内容の事業 |
| ■本事業の終了後、概ね1年以内に売上げにつながることが見込まれない事業 |
| ■公的な支援を行うことが適当でないと認められるもの |
| ■射幸心をそそるおそれがある事業、または公の秩序もしくは善良の風俗を害するおそれがある事業(例:マージャン店・パチンコ店・ゲームセンター・性風俗関連など) |
なお、1次産業に関しては、系統出荷による収入のみの個人農業者(個人の林業・水産業者も同様)は対象になりませんが、農作物の加工や農作物を用いた料理の提供等にかかる経費は補助対象となりえます。
対象経費と活用事例
【対象経費】
・機械装置等費
・広報費
・ウェブサイト関連費(ウェブサイト関連費のみでの申請は不可)
・展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)
・旅費
・新商品開発費
・借料
・委託・外注費
【活用事例】
| (1)金属加工事業者が、ロボット溶接機械を導入することで、技術革新による事業の拡大および生産性の向上を図る。 | |
| 対象経費の例 | ロボット溶接機械 |
| (2)開業後間もない食品小売業者が、厨房設備の導入および店舗リニューアルを行うことで、新規顧客獲得による売上拡大を図る。 | |
| 対象経費の例 | ・厨房設備の導入 ・店舗リニューアル |
補助率・上限額
| 補助率 | 2/3 |
|---|---|
| 上限額 | 200万円(インボイス特例対象者は250万円) |
小規模事業者持続化補助金(創業型)申請の流れとスケジュール
申請には、まず事前準備が必要です。商工会・商工会議所へ相談し、事業計画を作成してください。
申請方法
申請は電子システム(Jグランツ)にて行います。GビズIDプライムのアカウントを取得してください(取得まで2〜3週間かかる場合があります。マイナンバーカードを利用した場合は即日〜数日で可能です)。GビズIDの取得はGビズID公式サイトから行えます。
あわせて読みたい:GビズIDとは?補助金申請などの際に必要となる種類や具体的な取得フローなどを解説
https://hojyokin-portal.jp/columns/gbiz_id_summary
申請のおおまかな手順は、以下のとおりです。
| (1)事業計画の作成 |
|---|
| 電子申請システムで「経営計画」および「補助事業計画」を入力して申請内容を印刷し、必要書類を添付して、地域の商工会・商工会議所に「事業支援計画書」の発行依頼を行います。 |
| (2)電子システムにて申請 |
| 地域の商工会議所から発行を受けた「事業支援計画書」のPDFファイルを、電子申請システムへアップロードします。 |
| (3)必要書類の提出 |
| 受付締切までに、必要な提出物を揃えて申請してください。 |
| (4)採択後 |
| すべての経費について見積書等を提出後、補助金事務局での審査を経て交付決定となります。採択から交付決定まで概ね1〜2か月かかります。 |
申請に必要な書類
以下の書類は、システム上で入力します。
・持続化補助金事業に係る申請書
・経営計画兼補助事業計画①
・補助事業計画②
・補助金交付申請書
・宣誓・同意書
そのほか、提出する主な書類は以下のとおりです。
・事業支援計画書(様式4)
・「特定創業支援等事業」による支援を受けたことの証明書
・開業届の写し(個人事業主)または現在事項全部証明書・履歴事項全部証明書(法人)
・直近の確定申告書・決算書類等(決算期を一度も迎えていない場合は売上台帳等で代替)
・創業計画書等(作成していない場合は提出不要)
採択後の計画変更申請について
補助金の交付決定後に事業内容や経費の配分を見直したい場合は、「計画変更申請」を行う必要があります。変更前に承認を得ていない取組や経費は補助対象として扱われません。
計画変更申請は電子申請システム(Jグランツ)から提出します。事業計画に記載していない新しい費目の追加は原則認められておらず、事業終了日の延長を希望する場合も事前にJグランツ上での申請が必要です。
いずれの変更も、必ず事前に承認を受けてから進めてください。
スケジュール(第4回)
第4回公募のスケジュールは以下のとおりです。予定は変更される場合がありますので、最新情報は補助金事務局の公式サイトでご確認ください。
| 公募要領公開 | 令和8(2026)年5月27日(水) |
|---|---|
| 申請受付開始 | 令和8年11月5日(木) |
| 事業支援計画書 発行受付締切 | 令和8年12月4日(金) |
| 申請受付締切 | 令和8年12月15日(火)17:00 |
| 採択発表予定 | 2027年3月頃(予定) |
| 補助事業実施期限 | 2028年3月31日(金) |
| 実績報告書提出期限 | 2028年4月10日(月) |
公募開始を待っている方は、事前にGビズIDプライムのアカウント取得や事業計画書の作成準備、特定創業支援等事業の受講、商工会・商工会議所への相談を進めておくことをおすすめします。
よくある質問
個人事業主でも対象になる?
商工業者である個人事業主は対象です。ただし申請時点で開業済みであることが必要で、開業日が公募締切時から過去1か年以内であること、個人事業主本人が特定創業支援等事業による支援を受けていることが要件となります。
開業したばかりでも申請できる?
開業日が公募締切時から過去1か年以内で、その期間内に特定創業支援等事業の支援を受けていれば対象です。店舗オープン準備中やEC出店準備中など事業活動の開始前でも対象となりえますが、補助事業終了までに商品・サービスの提供を開始することが条件です。
創業前でも申請できる?
いいえ。申請時点で開業・設立が完了していない創業予定者は対象外です。すでに開業届を提出していても、開業日が申請日より後の場合は対象外となります。
創業枠と創業型は違う?
同じ制度を指します。検索では「創業枠」と呼ばれることが多いですが、正式名称は「小規模事業者持続化補助金<創業型>」です。
一般型と創業型は同時に申請できる?
できません。どちらか一方のみの申請となります。また、一般型通常枠で採択を受けて補助事業を実施した事業者は、創業型に申請できません。
審査結果はいつわかる?
第4回公募の採択発表は2027年3月頃が予定されています。採択後、交付決定まではさらに概ね1〜2か月かかります。
特定創業支援等事業はどこで受けられる?
産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定連携創業支援等事業者」が実施するセミナーや個別相談等が対象です。お住まいの市区町村の創業支援窓口や商工会・商工会議所、よろず支援拠点などに相談してみましょう。
ウェブサイト制作費だけで申請できる?
できません。ウェブサイト関連費のみでの申請は不可とされています。機械装置等費・広報費・展示会出展費など、他の補助対象経費と組み合わせて申請する必要があります。
採択後に経費を変更できる?
変更前にJグランツから計画変更申請を行い、承認を得れば可能です。事前承認のない変更は補助対象として扱われず、申請時に計上していない新しい費目の追加は原則認められません。
まとめ
小規模事業者持続化補助金(創業型)は、創業間もない小規模事業者の生産性向上と持続的発展を支援する重要な制度です。創業後1年以内に限定される代わりに補助上限額は200万円(インボイス特例対象者は250万円)と、一般型と比較して額が大きいのが特徴です。
第4回公募は2026年11月5日(木)に申請受付が開始され、2026年12月15日(火)17:00に締め切られる予定です。GビズIDプライムの取得・特定創業支援等事業の受講・商工会や商工会議所への相談など、事前準備を今から進めておくとスムーズです。
申請には、産業競争力強化法に基づく特定創業支援等事業による支援を受けていることが条件です。開業日と支援を受けた日の両方が「過去1か年以内」という条件は、前回より厳しくなっているため、タイミングの確認を特に注意してください。
変動の時代こそ、ぜひ資金調達方法のひとつとして、小規模事業者持続化補助金(創業型)をはじめとする支援策を活用してください。
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