日本では、新たに起業した企業の5社に1社が5年以内に廃業しています。多くの若い企業にとって、資金力の弱さは大きな課題のひとつです。
小規模事業者の創業を支援する「小規模事業者持続化補助金<創業型>」は、地域経済の活性化と雇用創出を目指す制度です。創業後1年以内の事業者を対象に、補助率2/3・最大250万円の補助金が交付されます。
第4回公募の申請受付開始は2026年11月5日(木)、締切は2026年12月15日(火)17:00です。商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書の受付締切は12月4日(金)と一足早く到来します。GビズIDプライムや特定創業支援等事業の証明書など外部手続きには数週間かかるため、まだ着手していない方はすぐに動き出す必要があります。
対象になるかどうかの分かれ目は、開業日です。第4回は2025年12月15日〜2026年12月15日に開業(設立)し、かつ同じ期間内に特定創業支援等事業の支援を受けた事業者に限られます。
今回は、小規模事業者持続化補助金<創業型>の対象者・補助額・申請要件から、第4回公募での7つの変更点、採択率41.2%の内訳と審査の観点、そして受付開始までにやるべき準備までを整理して解説します。
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・小規模事業者持続化補助金とは?【4つの類型・対象者・補助額・公募スケジュールを解説
・小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉第20回|第19回からの変更点を解説
・続化補助金の申請書類の書き方|経営計画書・補助事業計画書コツと必要書類一覧
・小規模事業者持続化補助金「共同・協業型」最大5000万円で地域連携を支援
この記事の目次
小規模事業者持続化補助金<創業型>とは?対象者・補助額をわかりやすく解説
小規模事業者持続化補助金<創業型>は、創業後1年以内の小規模事業者を対象に、販路開拓等の取組を補助率2/3・上限200万円(インボイス特例適用で250万円)で支援する国の補助金です。実施主体は中小企業庁、事務局は株式会社日本経営データ・センターが運営しています。
対象となるのは、経営計画に基づく販路開拓の取組と、それとあわせて行う業務効率化(生産性向上)の取組です。店舗改装、チラシ作成、EC構築、展示会出展、試作品開発などが典型例です。
- 補助率2/3、補助上限200万円(インボイス特例で+50万円=250万円)
- 対象は2025年12月15日〜2026年12月15日に開業・設立した小規模事業者
- 「特定創業支援等事業」の支援を受けていることが必須。証明書は認定市区町村が発行
- 申請受付は2026年11月5日〜12月15日17:00。様式4の発行受付締切は12月4日
- 第3回の採択率は41.2%(申請1,919件・採択791件)
- 一般型 通常枠との同時申請は不可
「創業枠」と「創業型」は同じ制度?名称が変わった経緯
「創業枠」と「創業型」は同じ支援を指します。かつては小規模事業者持続化補助金の中の「創業枠」という区分でしたが、令和6年度補正予算からの制度再編により、現在は独立した類型「<創業型>」という呼び名になりました。
検索では今も「創業枠」で探される方が多いものの、公募要領や事務局サイトの正式表記は「小規模事業者持続化補助金<創業型>」です。書類や公募要領を探す際は「創業型」で検索するとたどり着きやすくなります。
創業型の対象になる「小規模事業者」の定義は?
小規模事業者かどうかは、業種ごとの「常時使用する従業員数」で判定されます。資本金や売上高ではありません。
| 業種 | 常時使用する従業員の数 |
|---|---|
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 製造業その他 | 20人以下 |
「常時使用する従業員」には、会社役員、同居の親族従業員、日雇労働者、2か月以内の期間を定めて使用される者、季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者、試用期間中の者は含まれません。人数は申請時点の実態で判断します。業種は現に行っている業態、または今後予定している業態で判定します。
なお、法人税法上の収益事業を行い、かつ認定NPO法人でない特定非営利活動法人も対象になり得ます。この場合の従業員基準は「製造業その他」と同じ20人以下です。
創業型・一般型・共同協業型の違いは?
持続化補助金には複数の類型があり、創業型と一般型 通常枠は同時に申請できません。どちらか一方を選ぶ必要があります。
| 類型 | 対象者 | 補助率・上限額 |
|---|---|---|
| 創業型 | 創業後1年以内の小規模事業者 | 2/3・200万円(インボイス特例で250万円) |
| 一般型 通常枠 | 創業年数の限定なし | 2/3・50万円(インボイス特例・賃金引上げ特例の上乗せで最大250万円) |
| 共同・協業型 | 商工会議所・商工会や中小企業支援機関等 | 類型により異なる(最大5,000万円) |
創業型は対象を創業後1年以内に絞り込む代わりに、一般型 通常枠の50万円に対して基本上限が200万円と4倍に設定されています。創業直後で設備投資や販促投資がかさむ時期に、特例なしでもまとまった額を確保できる点が最大の特徴です。逆に、開業から1年を超えている場合は一般型 通常枠が選択肢になります。
一般型の詳しい要件や第20回公募の変更点は、次の記事で解説しています。
自分は創業型の対象になる?第4回の対象期間は2025年12月15日〜2026年12月15日
第4回公募の申請要件は、「特定創業支援等事業による支援を受けた日」と「開業日(設立年月日)」の両方が、2025年12月15日〜2026年12月15日の間にあることです。どちらか一方だけでは要件を満たしません。
これは「公募締切時から起算して過去1か年」という要件を、第4回の締切日(2026年12月15日)に当てはめたものです。事務局が公表している対象期間そのものなので、まずは自社の開業日がこの期間に入っているかを確認してください。
判定に使う日付は書類の発行日や提出日ではありません。法人は現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書の「会社成立の年月日」、個人事業主は開業届の「開業・廃業等日」で判断されます。
| 確認項目 | 第4回の基準 |
|---|---|
| 開業日・設立年月日 | 2025年12月15日〜2026年12月15日 |
| 特定創業支援等事業の支援を受けた日 | 2025年12月15日〜2026年12月15日 |
| 法人の確認書類 | 現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書の「会社成立の年月日」 |
| 個人事業主の確認書類 | 開業届の「開業・廃業等日」(開業日の記載がないものは無効) |
なお、特定創業支援等事業を受けた地域と創業した地域が違っても対象になります。過去に創業型で採択され事業を実施した事業者は、法人・個人を問わず再申請できません。代表が複数いる法人が創業型で採択済みの場合、代表者を変えても申請対象外です。
「特定創業支援等事業」とは?証明書はどこでもらう?
特定創業支援等事業とは、産業競争力強化法に基づいて「認定市区町村」または「認定連携創業支援等事業者」が実施する創業支援のことです。経営・財務・人材育成・販路開拓の4分野を、原則1か月以上・4回以上にわたって継続的に支援するセミナーや個別相談が該当します。
申請には、認定市区町村が発行した「支援を受けたことの証明書」の写しが必須です。認定連携創業支援等事業者が実施した支援を受けた場合でも、証明書を発行するのは認定市区町村です。発行に時間がかかる場合があるため、開業予定の市区町村の創業支援窓口や商工会・商工会議所へ早めに相談してください。証明書の有効期限が切れていても、要件に適合していれば提出書類として認められます。
法人の場合は代表取締役・代表社員など「代表者本人」が、個人事業主の場合は「事業主本人」が支援を受けていることが条件です。家族専従者や後継予定者、代表者以外の役員が受けた場合は対象外となります。
なお「認定連携創業支援等事業者」は支援を実施する側の機関を指す呼び名です。創業者本人がこの名称で申請する補助金ではないため、混同しないよう注意してください。
創業型の対象にならない事業者は?
以下に該当する事業者は、創業型に申請できません。
- 申請時点で開業・設立が完了していない創業予定者(開業届上の開業日が申請日より後の場合も対象外)
- 小規模事業者持続化補助金<創業型>に申請中・採択済み、または採択を受けて補助事業を実施した事業者
- 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>に申請中・採択済み、または採択を受けて補助事業を実施した事業者
- 資本金または出資金が5億円以上の法人に直接または間接に100%の株式を保有されている法人
- 医師・歯科医師・助産師、系統出荷による収入のみの個人農業者(個人の林業・水産業者も同様)
- 協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)、一般社団法人・公益社団法人・一般財団法人・公益財団法人
- 医療法人・学校法人・社会福祉法人・農事組合法人・宗教法人・任意団体など
個人事業を法人化した場合は注意が必要です。個人事業の開業日から1年を経過していると、法人の設立日が直近であっても申請できません。法人化した方は、申請時に個人事業の開業日が記載された開業届もあわせて提出する必要があります。
一方で、開業届を提出済みで、まだ商品・サービスの提供を始めていない事業者は対象になり得ます。店舗オープン準備中、ECモール出店準備中、営業活動開始前といったケースです。ただし補助事業終了までに商品・サービスの提供を開始し、事業活動を開始することが条件で、これを満たさない場合は補助金が交付されません。
補助対象事業の4つの要件は?第4回で「売上増加の見込み」が追加
補助対象となる事業は、次の4要件をすべて満たす必要があります。このうち(4)は第4回公募(公募要領第8版)で新たに追加された要件です。第3回までは(1)〜(3)の3要件でした。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| (1)取組内容 | 策定した「経営計画」に基づく販路開拓等の取組、または販路開拓等とあわせて行う業務効率化(生産性向上)の取組であること |
| (2)商工会・商工会議所の支援 | 事業支援計画書(様式4)の発行を受け、助言等の支援を受けながら実施すること |
| (3)実施期間 | 補助事業実施期間内(交付決定日〜2028年3月31日)に終了すること |
| (4)事業効果【第4回で新設】 | 事業効果等状況報告書の提出時に、売上高・売上総利益が補助事業終了時と比べて増加する見込みがあること |
(4)が加わったことで、申請時に客観的データを用いた市場・顧客ニーズの分析や、新規取引・値上げの見込みなどの根拠とともに、定量的な成果を補助事業計画(様式2)へ記載することが求められます。「売上が伸びると思う」といった定性的な記述だけでは要件を満たしません。
反対に、次のような事業は対象外です。
- 国が助成する他の制度(補助金、委託費、公的医療保険・介護保険からの診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度等)と同一または類似内容の事業
- 事業終了後、概ね1年以内に売上げにつながることが見込まれない事業
- 射幸心をそそるおそれがある事業、公の秩序もしくは善良の風俗を害するおそれがある事業(マージャン店・パチンコ店・ゲームセンター・性風俗関連特殊営業など)
なお1次産業については、系統出荷のみの個人農業者は対象外ですが、農作物の加工や農作物を用いた料理の提供などに必要な経費は補助対象となり得ます。
創業型の対象経費は?広報費・ウェブサイト関連費は各30万円まで
創業型の補助対象経費は8種類です。「広報費のみ」「ウェブサイト関連費のみ」での申請はできず、必ず他の経費と組み合わせて申請する必要があります。
| 経費区分 | 内容・上限 |
|---|---|
| ①機械装置等費 | 補助事業に必要な機械装置等の購入費。単価50万円(税抜)以上は処分制限財産に該当 |
| ②広報費 | チラシ・看板・ネット広告・SNS広告等。補助金交付申請額の上限は30万円(税込) |
| ③ウェブサイト関連費 | ウェブサイト・ECサイト・システムの開発、構築、更新、改修、運用。上限は30万円(税込) |
| ④展示会等出展費 | 展示会出展料・商談会参加費(オンライン含む)、関連する運搬費・通訳料・翻訳料 |
| ⑤旅費 | 販路開拓を行うための出張旅費。国の支給基準に基づき算出 |
| ⑥新商品開発費 | 試作品・包装パッケージの試作開発にともなう原材料費、デザイン費等 |
| ⑦借料 | 補助事業に直接必要な機器・設備等のリース料・レンタル料 |
| ⑧委託・外注費 | 店舗改装工事、バリアフリー化工事など、自ら実行することが困難な業務の委託・外注費 |
補助対象になるのは、①使用目的が本事業の遂行に必要と明確に特定できる、②交付決定日以降に発生し補助事業実施期間中に支払が完了した、③証憑資料等によって支払金額が確認できる、の3条件をすべて満たす経費です。交付決定前の発注・契約・支払いは補助対象外になります。
第4回公募(公募要領第8版)の変更点は?7つのポイント
第3回から第4回にかけて、基本的な申請要件は変わっていません。一方で経費と加点まわりを中心に、次の7点が見直されています。
【①相見積が必要になる金額の引き下げ】
発注総額(1件あたり)が「100万円超(税込)」から「50万円超(税込)」に引き下げられました。機械装置等の購入も同様で、第3回よりも少額の発注から2者以上の見積が必要になります。中古品の購入は金額にかかわらず2者以上の見積が必須で、理由書による随意契約は一切認められません。
【②広報費に申請上限(30万円)が新設】
広報費の補助金交付申請額に、30万円(税込)の上限が設けられました。第3回までは広報費そのものに上限の定めはありませんでした。あわせて「広報費のみでの申請は不可」も明記されています。
【③ウェブサイト関連費の上限の見直し】
ウェブサイト関連費の申請上限が、第3回の「補助金交付申請額の1/4(最大50万円)」から、第8版では「30万円(税込)」と明記されました。
【④ネット広告・SNS広告が広報費へ移動】
第3回まではウェブサイト関連費で計上していたインターネット広告・バナー広告・SNS広告・運用代行費・インターネットでのプレスリリース配信・電子パンフレット作成・宣伝用の画像や動画の作成が、第4回では広報費の対象例として整理されました。ウェブサイト関連費はサイト・ECサイト・システムの開発や構築に純化しています。
【⑤新商品開発費にテストマーケティング・市場調査の要件が追加】
新商品開発費は、テストマーケティングや市場調査の結果を踏まえた取組(またはそれらを伴う取組)が対象とされ、その内容と結果を補助事業計画(様式2)または実績報告書(様式8)に記載することが必要になりました。いずれにも記載が確認できない場合、当該経費は補助対象外となります。
【⑥重点政策加点に「健康経営優良法人加点」が新設】
重点政策加点が4種類から5種類に増え、「健康経営優良法人」の認定を受けている事業者への加点が加わりました。この加点はGビズIDに登録された情報と認定情報をもとに自動判定されるため、GビズIDの登録内容が古いままだと加点されません。
【⑦事業効果等状況報告に関する申請制限の拡大】
事業効果等状況報告を提出していない事業者に加え、提出が完了してから1年が経過していない事業者にも、補助金申請に際して制限が課されることが明記されました。
広報費の上限新設とウェブサイト関連費の上限縮小により、広報とウェブを合計しても最大60万円までしかカバーされません。販促やサイト制作を中心に検討している場合は、機械装置等費や委託・外注費を含めた経費配分の見直しを早めに進めておくと安心です。
インボイス特例で250万円にするための条件は?
補助上限を250万円にするインボイス特例の要件は、2023年10月1日以降に創業した事業者で、補助事業の終了時点において「適格請求書発行事業者」の登録を受けていることです。創業型は創業後1年以内が対象なので、実質的にはインボイス登録の有無が分かれ目になります。
申請時は、様式2でインボイス特例の希望欄にチェックを入れ、「インボイス特例の申請に係る宣誓・同意書」(様式9)を提出します。すでに登録済みなら適格請求書発行事業者の登録通知書の写し、e-Taxで手続中なら登録申請データの「受信通知」画面の写しを添付します。郵送で手続中の方や、まだ登録申請をしていない方は申請時の提出は不要です。
注意したいのは、補助事業の終了時点で要件を満たさない場合、上乗せ分だけでなく補助金全体が交付されないという点です。上限を250万円で計画するなら、補助事業の終了までに確実に登録を完了させる段取りが欠かせません。
創業型で対象外になりやすい経費は?
創業直後の事業者がつまずきやすいのが、「買いたいものが補助対象外だった」というケースです。第4回公募要領では、次のような経費が明確に対象外とされています。
| 対象外となる主なもの | 補足 |
|---|---|
| 自動車等の車両 | キッチンカー、キッチントレーラー、フォークリフト、除雪車を含む。ブルドーザー等の自走式作業用機械設備は対象 |
| パソコン・タブレット・プリンター等 | WEBカメラ、モニター、ルーター、電話機など汎用性が高いものは対象外 |
| 事務所等の家賃・光熱水費・通信費 | 駐車場代、保証金、敷金、仲介手数料も対象外 |
| 不動産の取得に係る費用 | 建物の増築・増床、コンテナハウス等の設置 |
| 消耗品・名刺・図書等の資料購入費 | 文房具、段ボール、梱包材、雑誌購読料、団体等の会費も対象外 |
| 役員報酬・直接人件費・アルバイト代 | 謝金、派遣労働者の派遣料も対象外 |
| コンサルティング・アドバイス費用 | インボイス制度対応のための専門家への相談費用のみ例外的に対象 |
| 販売する商品の仕入・既存機械の取替え費用 | 通常の事業活動に係る経費は対象外 |
| 親族・関係会社への発注 | 3親等以内の親族や、親会社・子会社・関連会社・関係会社への発注は対象外 |
支払方法にも制限があります。1取引10万円超(税抜)の現金支払いは認められず、原則として銀行振込です。小切手・手形・相殺による支払いも不可で、クレジットカード払いは補助事業期間内に引き落としが完了している必要があります。
小規模事業者持続化補助金 創業型の採択率は?第3回は41.2%
創業型第3回公募の採択率は41.2%でした。2026年7月29日に中小企業庁が公表したもので、申請1,919件に対して採択は791件です。
| 公募回 | 申請件数 | 採択件数 | 採択率 |
|---|---|---|---|
| 第2回(2025年11月28日締切) | 3,220件 | 1,225件 | 38.1% |
| 第3回(2026年4月30日締切) | 1,919件 | 791件 | 41.2% |
※第2回の採択件数は、当初1,226件と公表された後、要件を満たさない1件が判明したため1,225件に修正されています。
同じ日に発表された一般型・通常枠 第19回の採択率が47.2%だったことと比べると、創業型は6ポイント低い水準です。創業直後で実績データが乏しいなかで計画の説得力を求められるため、書類の完成度が採否を大きく左右します。
創業型の審査はどこを見られる?基礎審査・計画審査・加点審査
審査は「基礎審査」「計画審査」「加点審査」の3段階で行われます。有識者等で構成される審査委員会が非公開で書類審査を行い、ヒアリングは実施されません。
| 審査区分 | 見られるポイント |
|---|---|
| 基礎審査 | 必要書類がすべて提出されているか、補助対象者・補助対象事業・申請要件・補助対象経費の要件に合致するか。満たさない場合は失格 |
| 計画審査 | 自社分析の妥当性、経営方針・目標と今後のプランの適切性、補助事業計画の有効性、積算の透明・適切性の4項目で加点評価 |
| 加点審査 | 政策的観点から【重点政策加点】【政策加点】をそれぞれ1種類ずつ、合計2種類まで選択可能 |
第4回の計画審査では、経営方針・目標と補助事業計画のいずれについても「売上高・売上総利益の増加を目指すものか」が明示的に問われます。さらに、デジタル技術を有効に活用する取組が見られるか、補助事業で取得した資産を事業終了後も継続して使い事業展開に役立てることが明確かも評価対象です。特定創業支援等事業で策定した創業計画書等の内容を踏まえた補助事業計画になっているかも確認されますが、創業計画書を策定していない場合でも、そのことを理由に不採択や減点になることはありません。
創業型の加点項目は?第4回から健康経営優良法人加点が追加
加点は【重点政策加点】から1種類、【政策加点】から1種類の合計2種類まで選択できます。同じグループから2種類以上を選ぶと、加点審査の対象外になるため注意してください。
| 区分 | 加点項目 |
|---|---|
| 重点政策加点(1種類まで) | ①事業環境変化加点 ②東日本大震災加点 ③くるみん・えるぼし加点 ④地方創生型加点(地域資源型/地域コミュニティ型) ⑤健康経営優良法人加点【第4回で新設】 |
| 政策加点(1種類まで) | ①経営力向上計画加点 ②事業承継加点 ③過疎地域加点 ④一般事業主行動計画策定加点 ⑤後継者支援加点 ⑥小規模事業者卒業加点 ⑦事業継続力強化計画策定加点 |
創業直後の事業者が現実的に狙いやすいのは、原油価格・LPガス価格等の高騰や米国による相互関税の影響を記載する「事業環境変化加点」と、地域資源の活用や地域課題の解決を計画に織り込む「地方創生型加点」です。いずれも証明書の取得は不要で、様式2への記載で申請できます。
一方、経営力向上計画加点は各回の基準日までに、事業継続力強化計画策定加点は申請受付締切日までに、それぞれ認定を受けている必要があります。申請中では対象になりません。狙う場合は、11月の申請受付開始よりもさらに前から準備を進めてください。
創業型の申請方法とスケジュールは?11月5日受付開始・12月15日締切
申請は電子申請システム(Jグランツ)のみで受け付けられます。郵送での申請は一切受け付けられません。
利用にはGビズIDプライムまたはGビズIDメンバーのアカウントが必要です。取得には数週間程度かかる場合がありますが、マイナンバーカードを利用したオンライン申請であれば即日〜数日で発行されることもあります。暫定GビズIDプライムアカウントは使用できません。すでにアカウントを持っている方も、登録情報が古いままだと補助金額の確定を受けられないため、事前に最新化しておいてください。
受付開始まで何から始める?11月5日までの逆算準備
第4回で時間がかかるのは、申請書の作成そのものではなく「GビズIDプライム」「特定創業支援等事業の証明書」「事業支援計画書(様式4)」の3つの外部手続きです。いずれも自社だけでは完結せず、数週間単位の待ち時間が発生します。
| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| いま(10月中) | GビズIDプライムの取得申請。市区町村の創業支援窓口へ特定創業支援等事業の受講と証明書発行を相談。経営計画書兼補助事業計画書①(様式2)・補助事業計画書②(様式3)の骨子を作成し、加点で認定書が必要な項目は認定申請に着手 |
| 11月5日〜中旬 | 申請受付開始。Jグランツに入力・一時保存し、画面をPDFで印刷。商工会・商工会議所へ様式4の発行を依頼 |
| 12月4日(金) | 事業支援計画書(様式4)発行受付締切。この日を過ぎると理由を問わず発行されない |
| 12月15日(火)17:00 | 申請受付締切 |
なお現時点で、第4回のガイドブック(第4版)、参考資料、応募時提出資料・様式集、申請時によくあるご質問、Jグランツ申請入力手引き、申請先URLはいずれも準備中です。公開されている確定情報は公募要領(第8版)と交付規程(2026年3月6日改定)で、加点の基準日など細部は参考資料の公開を待つ必要があります。確定情報を待たずに動ける外部手続きから先に着手するのが、第4回で間に合わせるための現実的な進め方です。
申請の流れは?商工会・商工会議所への依頼が先
申請のおおまかな手順は次のとおりです。事業支援計画書の発行依頼が先に来る点が、スケジュール管理上の最重要ポイントです。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| (1)GビズIDプライムを取得 | 数週間かかる場合があるため最優先で着手する |
| (2)事業計画の作成 | 経営計画書兼補助事業計画書①(様式2)・補助事業計画書②(様式3)を作成し、Jグランツに一時保存して印刷する |
| (3)事業支援計画書の発行依頼 | 地域の商工会・商工会議所へ様式4の発行を依頼する。締切は2026年12月4日(金) |
| (4)Jグランツで申請 | 発行を受けた様式4のPDFをアップロードし、必要書類を揃えて締切までに申請する |
| (5)採択・見積書等の提出 | 採択後、計上したすべての経費について見積書等を提出する。提出期限は2028年2月29日(火) |
| (6)交付決定 | 審査を経て交付決定。採択発表から概ね1〜2か月かかる |
本事業は、事業者自身が商工会・商工会議所の支援を直接受けながら取り組む制度です。社外の代理人のみで相談や様式4の発行依頼を行うことはできません。また第三者から支援を受けた場合は、様式2の該当欄に相手方と支援に係る金額(着手金・成功報酬その他名目のいかんを問わず)を記載する必要があり、記載がないと虚偽の報告として不採択・交付決定取消となります。
事務局は2026年8月28日に、補助金事務局を名乗って個別に補助金を紹介・斡旋する事案が発生していると注意喚起しています。事務局が個人へ個別に案内することは一切ないため、不審な電話やメール、訪問には応対しないでください。
創業型の申請に必要な書類は?
Jグランツ上で直接入力するのは、申請書(様式1)と補助金交付申請書(様式5)です。そのほかに添付が必要な主な書類は次のとおりです。
- 経営計画書兼補助事業計画書①(様式2)/補助事業計画書②(様式3)/宣誓・同意書(様式6)
- 事業支援計画書(様式4):商工会・商工会議所が発行
- 特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書の写し(認定市区町村が発行したものに限る)
- 【法人】現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書(申請書の提出日から3か月以内・原本)
- 【個人】開業届の写し(開業日の記載がないものは無効)
- 直近1期分の貸借対照表・損益計算書、または直近の確定申告書
- 創業計画書等(策定していない場合は提出不要)
- 【インボイス特例を希望する場合】宣誓・同意書(様式9)、適格請求書発行事業者の登録通知書の写し等
決算期を一度も迎えていない事業者は、決算書類等に代えて売上台帳等(任意書式)の写しを提出します。申請時点でまだ事業活動を開始していない場合は、実績報告時に提出する形でも構いません。
添付ファイルには「様式2(事業者名)」のように指定のファイル名を付ける必要があります。パスワードを設定すると事務局が内容を確認できず審査対象外となるため、設定しないでください。
第4回公募のスケジュールは?
第4回公募のスケジュールは以下のとおりです。予定は変更される場合がありますので、最新情報は補助金事務局の公式サイトでご確認ください。
| 公募要領公開(第8版) | 2026年5月27日(水) |
|---|---|
| 申請受付開始 | 2026年11月5日(木) |
| 事業支援計画書(様式4)発行受付締切 | 2026年12月4日(金) |
| 申請受付締切 | 2026年12月15日(火)17:00 |
| 採択発表予定 | 2027年3月頃(予定) |
| 見積書等の提出期限 | 2028年2月29日(火) |
| 補助事業実施期限 | 2028年3月31日(金) |
| 実績報告書提出期限 | 2028年4月10日(月) |
事業支援計画書の発行受付締切(12月4日)を過ぎると、いかなる理由があっても発行を受けられません。商工会・商工会議所は締切直前に依頼が集中するため、11月中旬までには相談を始めておくのが安全です。第4回の受付締切以降の公募予定については、締切後に案内されるとされています。
採択後に計画を変更したいときは?
交付決定後に事業内容や経費の配分を見直したい場合は、Jグランツから「計画変更申請」を行い、事前に承認を得る必要があります。変更前に承認を得ていない取組や経費は、補助対象として扱われません。
原則として、補助事業計画に記載のない新しい費目の追加は認められません。補助事業の目的達成のために必要不可欠と認められる場合に限り、費目の追加と経費の流用が承認されることがあります。
また「業務効率化(生産性向上)の取組」による経費支出は、申請時に様式内へ内容を記載し、経費明細表に計上していることが前提です。変更承認手続で事後に補助対象経費へ加えることはできません。
創業型の対象外だった場合、創業期に使える他の補助金は?
開業から1年を超えている、特定創業支援等事業を受けていないといった理由で創業型に該当しない場合でも、創業期に使える支援策は複数あります。
| 制度の種類 | 特徴 |
|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金 一般型 通常枠 | 創業年数の制限なし。第20回は創業型と同じ2026年11月5日〜12月15日が受付期間 |
| 自治体の創業助成金 | 東京都の創業助成事業など、地域独自に上限数百万円規模の助成を行う自治体がある |
| 日本政策金融公庫の創業融資 | 補助金と違い返済は必要だが、事業開始前でも資金を確保できる |
| 信用保証制度 | スタートアップ創出促進保証制度など、創業時の個人保証を不要にする仕組みがある |
補助金は後払いのため、事業実施中は自己負担が発生します。融資や自治体の助成と組み合わせることで、創業期の資金繰りの選択肢は広がります。国・自治体の創業向け補助金を横断して探したい方は、次の記事で整理しています。
小規模事業者持続化補助金 創業型に関するよくある質問
第4回の対象になる開業日はいつからいつまで?
2025年12月15日から2026年12月15日までです。この期間内に開業日(法人は設立年月日)があり、かつ同じ期間内に特定創業支援等事業による支援を受けていることが要件となります。判定に使うのは、法人は現在事項全部証明書等の「会社成立の年月日」、個人事業主は開業届の「開業・廃業等日」で、書類の発行日や提出日ではありません。
個人事業主でも創業型に申請できる?
商工業者である個人事業主は対象です。ただし申請時点で開業済みであることが必要で、開業日が2025年12月15日〜2026年12月15日の間にあり、個人事業主本人が特定創業支援等事業による支援を受けていることが要件となります。家族専従者や後継予定者が支援を受けた場合は対象外です。
個人事業を法人化した場合、創業型の対象になる?
個人事業としての開業日で判断されます。個人事業の開業日から1年を経過していると、法人の設立日が直近であっても創業型には申請できません。法人化した方は、現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書に加えて、個人事業の開業日が記載された開業届の写しもあわせて提出する必要があります。個人事業の開業日が第4回の対象期間(2025年12月15日〜2026年12月15日)に入っていれば、法人化後でも対象になり得ます。開業から1年を超えている場合は、創業年数の制限がない一般型 通常枠を検討してください。
「創業枠」と「創業型」は違う制度?
同じ制度を指します。かつては持続化補助金の中の「創業枠」という区分でしたが、令和6年度補正予算からの制度再編により独立した類型となり、正式名称は「小規模事業者持続化補助金<創業型>」に変わりました。検索では今も「創業枠」が多く使われています。
創業前・開業前でも申請できる?
申請時点で開業・設立が完了していない創業予定者は対象外です。すでに開業届を提出していても、開業日が申請日より後の場合は申請できません。一方、開業届を提出済みでまだ商品・サービスの提供を始めていない事業者(店舗オープン準備中など)は対象になり得ます。この場合、補助事業終了までに商品・サービスの提供を開始することが条件です。
創業型の採択率はどのくらい?
2026年7月29日に公表された第3回公募の採択率は41.2%(申請1,919件・採択791件)です。第2回は38.1%(申請3,220件・採択1,225件)でした。同日発表の一般型・通常枠 第19回が47.2%だったことと比べると、創業型はやや厳しい水準で推移しています。
一般型と創業型は同時に申請できる?
できません。どちらか一方のみの申請となります。また、一般型 通常枠で採択を受けて補助事業を実施した事業者や、申請中・採択済みの事業者は、創業型に申請できません。同一事業者からの同一受付締切回への応募も1件のみで、複数応募が判明した場合はすべて不採択となります。
インボイス特例で250万円にするには何が必要?
2023年10月1日以降に創業した事業者が、補助事業の終了時点で適格請求書発行事業者の登録を受けていることが要件です。申請時は様式2で希望欄にチェックし、様式9(宣誓・同意書)を提出します。補助事業の終了時点でこの要件を満たさない場合、上乗せ分だけでなく補助金全体が交付されない点に注意してください。
キッチンカーや自動車の購入は対象になる?
対象外です。自動車、キッチンカー、キッチントレーラー、フォークリフト、除雪車などの車両は補助対象経費になりません。ただし、移動販売等を目的とした車の内装・改造工事は委託・外注費として対象になり得ます。ブルドーザー、パワーショベル等の自走式作業用機械設備も機械装置等費の対象です。
SNS広告やネット広告はどの費目で申請する?
第4回公募では広報費で計上します。インターネット広告・バナー広告・SNS広告・運用代行費・インターネットでのプレスリリース配信・電子パンフレット作成・宣伝用の画像や動画の作成は広報費の対象例に整理されました。広報費の上限は30万円(税込)で、広報費のみでの申請はできません。
ウェブサイト制作費だけで申請できる?
できません。ウェブサイト関連費のみ、広報費のみでの申請は不可とされています。機械装置等費・展示会等出展費・委託外注費など、他の補助対象経費と組み合わせて申請する必要があります。第4回ではウェブサイト関連費・広報費ともに30万円(税込)が上限で、合計しても最大60万円までです。
特定創業支援等事業はどこで受けられる?
産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」または「認定連携創業支援等事業者」が実施するセミナーや個別相談等が対象です。お住まいの市区町村の創業支援窓口、商工会・商工会議所、よろず支援拠点などに相談してください。証明書は認定市区町村が発行するため、発行までの日数を見込んで早めに動く必要があります。
加点項目はいくつまで選べる?
【重点政策加点】から1種類、【政策加点】から1種類の合計2種類までです。同じ区分から2種類以上を選択すると、加点審査の対象になりません。第4回では重点政策加点に「健康経営優良法人加点」が新設されました。経営力向上計画加点や事業継続力強化計画策定加点は、それぞれ基準日・締切日までに認定を受けている必要があり、申請中では対象外です。
採択後に経費を変更できる?
変更前にJグランツから計画変更申請を行い、承認を得れば可能です。事前承認のない変更は補助対象として扱われず、申請時に計上していない新しい費目の追加は原則認められません。事業終了日の延長を希望する場合も、事前にJグランツ上での申請が必要です。
補助金はいつ振り込まれる?
補助金は後払いです。交付決定日以降に発注・契約・支払いを行い、補助事業終了後に実績報告書を提出し、補助金額の確定を経てから請求・交付という流れになります。第4回の補助事業実施期限は2028年3月31日、実績報告書の提出期限は2028年4月10日です。事業実施中は自己負担が必要になる点に注意してください。
受け取った補助金に税金はかかる?
かかります。補助金は経理上、補助金の額の確定を受けた事業年度における収益として計上するものであり、法人税・所得税の課税対象です。ただし固定資産の取得または改良に充てた場合は、所得税法第42条または法人税法第42条の圧縮記帳の規定を適用できます。
まとめ
小規模事業者持続化補助金<創業型>は、創業後1年以内の小規模事業者の販路開拓を、補助率2/3・上限200万円(インボイス特例で250万円)で支援する制度です。一般型 通常枠の基本上限50万円と比べて4倍の規模があり、創業直後にまとまった投資を行いたい事業者にとって有力な選択肢となります。
第4回で対象になるのは、2025年12月15日〜2026年12月15日に開業(設立)し、かつ同じ期間内に特定創業支援等事業の支援を受けた事業者です。申請受付は2026年11月5日(木)に始まり、2026年12月15日(火)17:00に締め切られます。事業支援計画書の発行受付締切は12月4日(金)と先に到来するため、逆算した準備が欠かせません。
第4回では、相見積が必要な金額が50万円超(税込)に引き下げられ、広報費に30万円の上限が新設、ウェブサイト関連費の上限も30万円と明記されました。ネット広告やSNS広告は広報費へ整理され、重点政策加点には健康経営優良法人加点が加わっています。補助対象事業にも「売上高・売上総利益の増加見込み」が第4の要件として追加されました。
第3回の採択率は41.2%と、申請すれば通る制度ではありません。GビズIDプライムの取得、特定創業支援等事業の受講と証明書の取得、商工会・商工会議所への相談という3つの準備は、いずれも数週間単位の時間がかかります。ガイドブックや様式集の公開を待つ必要はありません。今から着手しておくことが、そのまま採択可能性につながります。
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