今年の10月1日から飲食店や小売店を中心とした町中の至るところで「POINT還元5%」という看板やのぼりが掲げられているのをご存じでしょうか?
この表示は、そのお店が政府のPOINT還元制度に参加していることを表すもので、消費者は支払い時に専用アプリを使ったキャッシュレス決済を行うことで料金の5%分のPOINT還元を受ける事ができ、貯まったPOINTは全国の加盟店で支払い時に利用する事ができます。
以前からクレジットカードによるキャッシュレス決済等は広く利用されていましたが、ここ数年はスマートフォンによるQRコード決済や交通系ICカードによるキャッシュレス決済等も普及しています。
政府は2017年に発表した「未来投資計画2017」において、インバウンドの増加と利便性の向上のため、キャッシュレス決済普及率を現在の約20%から、2027年までに40%程度まで引き上げることを目標としています。
今回紹介するのは、政府がキャッシュレス決済普及に向けて現在実施している「キャッシュレス・POINT還元事業」です。
この補助金制度では事業者の「キャッシュレス端末導入の支援」、キャッシュレス決済利用者への「POINT還元に対する支援」の2種類の支援を行っています。
キャッシュレス端末導入については導入費用の全額が補助されますので、事業者の方はこの機会に、是非導入をご検討ください。
この記事の目次
知らないだけで損をする!?キャッシュレス決済の基礎知識をおさらい
以前はクレジットカードを利用した後払いが主流でしたが、近年は交通系ICカードの普及に伴いプリペイド型のキャッシュレス決済利用者も増えてきました。
更に今年に入ってからはスマートフォンを利用したキャッシュレス決済の利用者も増えているようで、コンビニに行く程度なら財布すら持ち出す必要がなく、買い物履歴が専用のアプリで管理できるなど、これまでのキャッシュレス決済にはなかった新たな機能等が高い評価に繋がっているようです。
【キャッシュレス決済の種類】
大きく分けると「前払い」「即時払い」「後払い」の3種類で、下記のようなものが例になります。
①前払い方式
プリペイド方式を採用するもので、交通系ICカードが代表格と言えます。従来のオレンジカードやテレフォンカードとはチャージできる点が異なります。
②即時払い方式
銀行口座から直接代金が引き落とされる方式で、銀行が発行するデビットカードがこれにあたります。クレジットカードとは違い審査は無く、15歳以上で銀行口座があればどなたでも利用できます。
③後払い方式
クレジットカードによる「信用払い」がこれに当たります。高額利用時のメリットは非常に大きいですが、カードの発行には返済が可能かどうかの審査が必用で、どなたでも利用できるわけではありません。
それぞれ異なるメリットがありますので、用途によって使い分けるという方も多いようです。
世界規模で加速するキャッシュレス化のメリットとは?
キャッシュレス決済導入による消費者のメリットは「スマホだけで買い物に出かけられる」「会計時に手間がかからない」「ポイントが付く」「買い物履歴が専用アプリで確認できる」など様々で、今後も利用が拡大していくことは確実です。
日本では若い20代30代の男性を中心に、キャッシュレス決済の支持率が高く、ビジネスシーンやデートなど、会計をスマートに済ませたい場面等でも重宝されているようです。
政府が主導でキャッシュレス化を推進している理由としては、来年のオリンピック・パラリンピックに向けてキャッシュレス決済による利便性と効率性の向上を図ることや、顧客情報の蓄積による「ビッグデータ」の利活用(例えばどの国の観光客がどの地域でどんなものを購入しているか等がわかります。)などが挙げられます。
事業者はキャッシュレス化によって、消費者への訴求効果の向上と、業務の効率化、生産性の向上などが同時に行えるため、導入のメリットは非常に大きいのではないでしょうか。
キャッシュレス決済端末が無料で導入できる「キャッシュレス・ポイント還元事業」
経産省が実施している「キャッシュレス・POINT還元事業」は、今年10月1日からの消費税率引上げに伴って、消費者への需要喚起と事業者の生産性向上を目的に実施されている補助金制度です。
【事業は下記の4種類の補助金で構成】
なかなか複雑な仕組みの制度となっていますが、要点をまとめると下記のようになります。
①キャッシュレス端末の導入費用を「決済事業者」が負担する場合に【決済端末補助(2/3以内)】と【事務経費補助(10/10以内)】が行われる。
②事業期間中キャッシュレス決済時に手数料を払う「加盟店」に【加盟店手数料補助(1/3以内)】が行われる※加盟店=キャッシュレス決済を導入する事業者
③消費者がPOINTを「加盟店」で使用した場合に、原資に【消費者還元補助】が行われる。
【キャッシュレス決済端末の導入について】
事業に参加するためには、事前に事業所の審査を受け「加盟店」として承認される必要があります。3週間~1ヵ月程度かかる場合もあるため、参加を希望する場合には早めの申請が必要です。
キャッシュレス端末の導入については決済事業者が補助金申請の対象となるため、加盟店が特別な手続きをする必要はありません。
【POINT還元について】
消費者はキャッシュレス・POINT還元事業の加盟店で買い物をすると、会計時に5%のPOINTが付与され、このポイントは専用のアプリで全国どこの加盟店でも支払い時に利用する事ができます。※コンビニやチェーン店などでは特例としてPOINTの即時還元(2%の割引)が行われています。
【決済事業者について】
キャッシュレス・POINT還元事業の加盟店となる為には、事業に参加している決済事業者との間で契約を結んでいる必要がありますので、事業HP上の検索機能で利用できる決済事業者のプランなどを事前に比較してみるのもオススメです。
キャッシュレス・消費者還元事業に登録された決済事業者のプラン ※事業HP
https://cashless.go.jp/franchise/settlement-company-typeB.html
【対象事業者】
中小企業または小規模事業者
※フランチャイズチェーン・ガソリンスタンドについては2%のPOINT還元のみが対象となります。
【補助内容】
1キャッシュレス決済端末(クレジットカードリーダー等)の導入費用を決済事業者と国が全額負担(決済事業者1:国2の割合)
2加盟店で利用できるPOINTの原資を最大10/10で補助
【申請受付】
2020年4月末日まで
【消費者還元対象期間】
2019年10月~2020年6月末日
キャッシュレス・POINT還元事業HP
https://cashless.go.jp/
キャッシュレス決済をオトクに導入できる「NTT西日本 フレッツ・スマートペイ」を紹介
NTT西日本では自社の通信サービス「フレッツ光」の利用者に限定し、キャッシュレス決済の入金元を一元化できる「フレッツ・スマートペイ」という決済サービスを提供しています。
申し込めるプランは「QRコード決済プラン」と「クレジット決済プラン」の2種類で、フレッツ光に加入している事業者であれば、どちらを利用する場合でも月額費用や工事費用の負担をすることなくキャッシュレス決済を導入する事が可能です。
クレジット決済の場合はカードリーダーの購入費用がかかりますのでご了承ください(QR決済の場合はスマートフォン・タブレットをご用意ください。)
既に複数の決済事業者を利用している事業者の方にとっては、各決済の入金元を一本化できるだけでもメリットは大きいですが、「フレッツ・スマートペイ」にはその他にも下記のような様々メリットがあります。
申込からキャッシュレス決済が実際に利用できるようになるまでに最短でも15営業日が必要となります。
まもなくボーナスシーズンという事もあるため、キャッシュレス・POINT還元事業への加盟を行う場合には少々手続きを急いだほうがよいかもしれません。
オプションプランではレシート用のモバイルプリンターなども利用する事ができますので、興味のある方は下記のHPで詳細の確認をよろしくお願いします。
お問合せ・お申込みはこちら NTT西日本 スマートペイ&スマートペイQR
https://flets-w.com/solution/plan/smartpay/
こんな事業を営む方には特にオススメ、キャッシュレス決済の導入事例を紹介
キャッシュレス・POINT還元事業では小売店や飲食店だけでなく、自動車修理工場や設計・インテリアデザイン、不動産業など、キャッシュレス決済とは余りなじまない分野にも広く補助対象としているのが特徴です。
軽減税率対策補助金(レジ補助金)では対象外となっていたサービス業等ももちろん補助対象となっていますので、既にスマートフォンやタブレット端末を利用したレジシステム等を利用している事業者の方には特にオススメです。
また、スマートフォンやタブレットを利用したQR決済は、飲食店ではテーブル決済としても利用することができるため、他の業種とは一味違うメリットもあります。
まとめ
今回の記事では今年に入り利用者が急増しているQR決済などのキャッシュレス決済導入に活用できる「キャッシュレス決済・POINT還元事業」について取り上げてきました。消費増税で消費の下落が懸念されるなか、「加盟店で買い物をすれば5%のPOINT還元が必ず受けられる」というのは消費者にとって非常に大きなインパクトがあるのではないでしょうか。
逆に言えばキャッシュレス・POINT還元事業に加盟してない店舗などでは、買い物をすることで消費者は明らかに損をしてしまう状況で、ボーナス目前の小売店や、忘年会シーズン目前の飲食店にとっては、この事業に乗り遅れる事はかなり致命的な損害に繋がる可能性もあります。
対応が遅れてしまっている事業者の方は、取り急ぎクレジットカード決済のような与信審査がないQR決済だけでも申請を進めてみるのはいかがでしょうか。