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地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)とは|対象地域の市町村一覧と申請の流れ【2026年版】

公開日:2020/1/9 更新日:2026/5/13
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地域雇用開発助成金の「地域雇用開発コース」は、雇用機会が特に不足している地域で事業所を設置・整備し、その地域に住む求職者を雇い入れた事業主に対して支給される助成金です。

設置・整備費用と雇い入れ人数に応じて最大800万円が1年ごとに最大3回(合計最大2,400万円)支給され、中小企業や創業の場合はさらに上乗せがあります。

本記事では、対象となる3つの地域区分、令和8年4月以降の最新支給額、3つの特例措置、申請の流れを解説します。「自社の所在地が対象か」「いくらもらえるのか」を確認したい方は、ぜひ参考にしてください。

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この記事の目次

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地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)とは

地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)は、雇用情勢の厳しい地域で事業所を設置・整備した上で、地域の求職者をハローワーク等の紹介により雇い入れた事業主に支給される厚生労働省の助成制度です。

制度の目的は、地域における求職者の雇用環境の改善にあります。事業主の単なる開業支援が目的ではないため、雇用環境の改善に役立ったと認められない場合(労働者の定着率が悪い、解雇が頻発するなど)は支給対象になりません。

支給回数と判定スケジュール

計画書を労働局長に提出した後、計画期間(最長18か月)内に設置・整備と雇入れを完了させ、完了日から1年ごとに最大3回(3年間)支給を受けます。各回の支給判定では、被保険者数の維持、対象労働者数の維持、対象労働者の定着が確認されます。

対象となる3つの地域区分

この助成金の対象地域は、次の3つに区分されています。自社の事業所所在地が、いずれかの区分に該当する市町村にあるかを最初に確認してください。

① 同意雇用開発促進地域

求職者数に比べて雇用機会が著しく不足している地域です。最近3年間の有効求人倍率や有効求職者の割合が一定基準を下回り、厚生労働大臣が同意した地域が指定されます。

2025年(令和7年)10月1日現在で15道県29地域が指定されています。代表例は次のとおりです(指定期間は地域ごとに異なります)。

都道府県主な指定地域
北海道函館地域(函館市、北斗市、松前町など17市町)、江別等地域
青森県むつ公共職業安定所地域、五所川原公共職業安定所地域、黒石公共職業安定所地域
岩手県宮古地域、久慈地域
宮城県県南地域、登米地域
福岡県京築地域、福岡東地域、福岡西地域、福岡南地域
沖縄県本島中部地域、本島南部地域

このほか、茨城・山梨・静岡・京都・兵庫・奈良・広島・徳島・高知の各府県にも指定地域があります。完全な一覧と指定期間は同意雇用開発促進地域一覧(厚生労働省)でご確認ください。

② 過疎等雇用改善地域

若年層・壮年層の流出が著しい過疎地域などです。指定期間は全地域一律で令和9年3月31日まで(令和8年4月1日現在の指定)となっています。北海道から沖縄まで全国に広く分布しており、市町村ごとに「○○町全域」または「旧△△村の区域」のように細かく指定されています。

代表例として次のような地域が含まれます。

エリア主な指定市町村の例
北海道夕張市、芦別市、深川市、富良野市、松前町、奥尻町、礼文町、利尻町ほか
東北青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の多数の市町村(福島市・郡山市・いわき市など県庁所在地・主要市も含む)
関東東京都檜原村・奥多摩町、伊豆諸島の各町村、神奈川県真鶴町など
中国・四国山口県下関市の一部離島・萩市の一部離島・周防大島町、高知県の多数の市町村など
九州・沖縄長崎県の離島、鹿児島県の奄美群島・離島など

「旧○○町の区域」のように合併前の旧自治体エリア単位での指定が多いため、必ず過疎等雇用改善地域一覧(厚生労働省)で正確な範囲を確認してください。

③ 特定有人国境離島等地域

有人国境離島地域の保全・振興のため、特に指定されている離島です。固定的な指定で、主な離島は次のとおりです。

都道府県主な指定離島
北海道礼文島、利尻島、奥尻島
東京都三宅島、御蔵島、八丈島、青ヶ島、小笠原諸島
新潟県佐渡島
石川県舳倉島
島根県島後、中ノ島、西ノ島、知夫里島
山口県見島
長崎県対馬、壱岐島、五島列島など
鹿児島県奄美群島、種子島、屋久島、トカラ列島など

完全な一覧は特定有人国境離島地域等一覧(厚生労働省)をご覧ください。

自社の所在地が対象か確認する方法

対象地域は指定期間が地域ごとに異なる場合があるため、最も確実な確認方法は事業所の所在地を管轄する都道府県労働局またはハローワークへの問い合わせです。市町村役場では把握していないこともあるため、労働局・ハローワークへ直接確認するのが確実です。

対象となる事業主の要件

助成を受けるためには、次の主な要件をすべて満たす必要があります。

・設置・整備した施設が雇用保険適用事業所であること
・各支給要件判定期間に、事業主都合で被保険者を解雇等していないこと
・特定受給資格者の離職者が一定基準を超えていないこと
・過去1年間に労働関係法令の違反がないこと
・労働保険料を滞納していないこと
・風俗営業や暴力団との関わりがないこと
・労働関係帳簿・会計関係帳簿を適正に管理していること
・地域の雇用構造の改善に資する事業主であること

中小企業事業主の判定基準

中小企業事業主に該当する場合、初回支給時に通常額の1/2が上乗せされます。判定は「主たる事業」ごとに行い、次のAまたはBどちらかを満たせば該当します。

主たる事業A:資本金または出資総額B:常時雇用する労働者数
小売業(飲食店を含む)5,000万円以下50人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
卸売業1億円以下100人以下
その他の業種3億円以下300人以下

対象労働者の要件

計画期間内に雇い入れる対象労働者は、次の要件をすべて満たす必要があります。

・雇入れ日時点で対象地域に居住する求職者であること
・ハローワーク等の紹介で雇い入れられた求職者であること
・雇入れ当初から雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者であること
・継続して雇用される見込みがあること(原則65歳以上に達するまで、かつ完了日の2年後以降まで)
・過去3年間に事業主の事業所で就労等の経歴がないこと
・事業主と3親等以内の親族でないこと

新規学校卒業者も対象になりますが、対象労働者数の1/3までという上限があります。

助成額

設置・整備費用と対象労働者の増加人数に応じて、次の額が1年ごとに最大3回支給されます。

設置・整備費用対象労働者の増加人数(カッコ内は創業の場合)
3(2)〜4人5〜9人10〜19人20人以上
300万円以上1,000万円未満50万円
(100万円)
80万円
(160万円)
150万円
(300万円)
300万円
(600万円)
1,000万円以上3,000万円未満60万円
(120万円)
100万円
(200万円)
200万円
(400万円)
400万円
(800万円)
3,000万円以上5,000万円未満90万円
(180万円)
150万円
(300万円)
300万円
(600万円)
600万円
(1,200万円)
5,000万円以上120万円
(240万円)
200万円
(400万円)
400万円
(800万円)
800万円
(1,600万円)

中小企業事業主の場合、初回の支給時にこれらの額の1/2が上乗せされます。創業の場合は、対象労働者2人から対象とし、初回支給時にカッコ内の金額が支給されます(中小企業の1/2上乗せとは併用しません)。

対象となる経費・対象外の経費

助成対象となる設置・整備費用は、1点あたり20万円以上、合計300万円以上であることが必要です。

【対象となる経費の例】
・事業所の新設・増設工事費用、内装工事費用
・不動産の購入費用
・機械・装置・工具・器具・備品・車両等の動産の購入費用
・事業所や動産の賃借・リース費用(1年以上の契約かつ更新見込みがあるもの)

一方で、以下の経費は対象外となるのでご注意ください。

【対象外の経費の例】
・土地の購入費用・土地賃借料
・各種税金(消費税を除く)、各種保険料、振込手数料
・計画期間外に引き渡し・支払いがあった費用
・賃貸借契約で賃料を得る施設・設備(賃貸用住宅、有料老人ホーム等)
・事業主と密接な関係者との取引による費用
・無形固定資産(特許権、商標権、ソフトウェア等)

3つの特例措置

通常の地域雇用開発コースに加え、特定の条件を満たす場合は次の3つの特例措置を活用できます。

①同意雇用開発促進地域における大規模雇用開発特例

同意雇用開発促進地域で、次のすべてを満たす大規模な雇用開発を行う事業主への特例です。対象労働者数等に応じて1億円〜2億円が1年ごとに最大3回支給されます。

・大規模雇用開発計画を作成し、厚生労働大臣の認定を受けている
・雇用開発期間(最大2年間)内に50億円以上の設置費用をかけて新たに事業所を設置
・地域に居住する求職者等を雇用保険の一般被保険者として100人以上雇い入れる

②地域活性化雇用創造プロジェクト(地プロ)特例

厚生労働大臣が選定した「地域活性化雇用創造プロジェクト」を実施する都道府県の承認を受けた事業主への特例です。地プロが実施される区域内に事業所を設置・整備し、対象労働者を正社員(無期雇用かつフルタイム)として3人以上雇い入れることが要件となります。

通常の支給額に加え、第1回目の支給時に対象労働者1人あたり50万円が上乗せ支給されます(1事業所あたり20人が上限)。同意雇用開発促進地域に該当しない地域でも、地プロ実施都道府県であれば本特例を活用できる点が大きなメリットです。

③地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)寄附事業主特例

認定地方公共団体の認定地域再生計画に記載されている「まち・ひと・しごと創生寄附活用事業」に関連する寄附を行った事業主への特例です。当該事業が実施される地方公共団体の区域内に事業所を設置・整備し、対象労働者を雇い入れた場合に適用されます。

埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県・愛知県・大阪府は対象外です。本特例は1事業所あたり1回のみの適用となります。

申請の流れとスケジュール

地域雇用開発助成金の申請は、次の流れで進めます。

①計画日計画書を管轄労働局長に提出(設置・整備の契約・支払い前、雇入れ前に必須)
②計画期間(最長18か月)事業所の設置・整備(合計300万円以上)と対象労働者3人(創業は2人)以上の雇入れ
③完了日完了届(第1回支給申請書)を提出→ 書類審査・実地調査→第1回支給
④完了日の1年後第2回支給申請(被保険者数・対象労働者数の維持を確認)
⑤完了日の2年後第3回支給申請(同上の維持を確認)

計画書の提出前に行われた設置・整備および雇入れは、すべて算定対象外となります。計画書の提出タイミングが最も重要なため、検討段階で早めに労働局へ相談することをおすすめします。

第2回・第3回支給を受けるための維持要件

2回目以降の支給を受けるには、次の3点を満たし続ける必要があります。

・各支給基準日の被保険者数が完了日における被保険者数以上であること
・各支給基準日において対象労働者数が維持されていること(離職時は4か月以内に補充者を雇入れ)
・離職者数が対象労働者の1/2以下、かつ4人未満であること

よくある質問

既存事業所の増築・設備投資でも対象になる?

対象になります。新設だけでなく、既存事業所の増設や機械設備の導入も対象です。ただし合計300万円以上の設置・整備と、それに伴う対象労働者3人以上の雇入れが必要です。

計画書を提出する前に契約・支払いをしてしまった費用は対象になる?

対象になりません。計画書の提出日(計画日)から完了日までの間に引き渡しと支払いが行われた費用のみが算定対象です。検討段階で必ず労働局へ相談してください。

パート・アルバイトでも対象労働者になる?

雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者となり、継続して雇用される見込み(原則65歳以上まで、かつ完了日の2年後以降まで)があれば対象になります。ただし短期雇用特例被保険者と日雇労働被保険者は対象外です。地プロ特例の上乗せ支給を受ける場合は、正社員(無期雇用かつフルタイム)であることが必要です。

他の補助金・助成金との併用はできる?

雇用調整助成金(休業・教育訓練、出向)、通年雇用助成金(新分野進出)、両立支援等助成金(事業所内保育施設コース)、人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース、作業員宿舎等設置助成コース)など、一部の助成金とは併給できません。国の他の補助金等の交付を受けている施設・設備については、その交付額を差し引いた額が算定対象となります。

受給後にすぐ離職者が出た場合は?

事業主都合以外の離職であれば、離職日の翌日から4か月以内に補充者を雇い入れることで対象労働者数の維持が認められます。補充者も対象労働者と同じ要件(地域居住、ハローワーク紹介など)を満たす必要があります。


まとめ

地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)は、雇用情勢の厳しい地域での事業所設置・整備と雇用拡大を支援する、規模の大きな助成金です。中小企業や創業の場合の上乗せ、3つの特例措置を組み合わせれば、1事業所で数百万円から2億円規模の支援を受けられる可能性があります。

一方で、計画書の提出タイミング、対象地域の細かい指定範囲、対象経費の判定、対象労働者の要件など、注意すべきポイントが多い助成金でもあります。検討する際は、早い段階で事業所の所在地を管轄する都道府県労働局またはハローワークに相談し、自社の計画が要件を満たすかご確認ください。

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