「地域雇用開発助成金」の「地域雇用開発コース」は、雇用機会が特に不足している地域等の事業主が事業所の設置・整備を行い、その地域に居住する求職者等を雇い入れる場合に助成される制度です。設置・整備費用および対象労働者の増加数に応じて、助成金を受け取れます。
なお、「令和6年能登半島地震の災害に伴う地域雇用開発助成金」の特例措置の延長が発表されました。今回は地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)の概要や、令和6年能登半島地震の災害に伴う地域雇用開発助成金について見ていきましょう。
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この記事の目次
地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)の詳細と対象地域

地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)では、雇用情勢の厳しい地域等で事業所を整備し、求職者を雇い入れる事業者が支援されます。「雇用情勢の厳しい地域等」とは、以下の地域を指します。
上記のほか、特例措置として以下の地域も対象です。
●地域活性化雇用創造プロジェクト参加事業主に対する特例対象地域
●地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)寄附事業主に対する特例対象地域
対象地域に事業所の設置や整備をして、その地域に居住する求職者等を雇い入れた場合、発生した費用や対象労働者の増加数に応じて助成を受けられます。対象労働者の職場への定着状況などを考慮の上、設置・整備が完了した日から最大3回(3年)支給されます。
対象となる事業主の要件
助成の対象となるのは、設置・整備した該当施設の雇用保険適用事業主です。そのほか、事業者の主な要件は、以下のとおりです。
■各支給要件判定期間に、特定受給資格者の離職者の数が3人を超え、かつ、各支給要件判定期間の初日における当該事業所の被保険者の数の6%を超えていないこと
■労働保険料を滞納していないこと
■高年齢者雇用確保措置の勧告または法令に基づいた適切な高年齢者就業確保措置に関して勧告を受け、是正措置を講じていない事業主でないこと
■地域の雇用構造の改善に資する事業主であること
風俗・暴力団等に関連する事業者は対象外となります。また過去1年の間に労働関係法令の違反があったり、助成金の不支給措置がとられていたりする事業主は対象外です。
さらに労働者の雇用環境が良好であるといえない事業所も、不支給となる可能性があります。
創業に対する特別措置の内容
これまで事業を行ったことがなく、新たに事業を始める「創業」の場合、特例措置として雇い入れの人数が少なく設定されています。創業として認められる主な要件は、以下の通りです。
■創業当初から、設立した法人または個人事業の業務に専ら従事する事業主であること
■指定の期間内に、計画書に申請事業主の職歴書を添付し、提出すること
■親会社、子会社または関連会社とほぼ同等の関係にある事業主が存在しないこと
■創業基準日から過去3年以内に、法人の代表者または個人事業主であったことがないこと
■取締役会等の構成員の過半数が、他の事業主の取締役会等の構成員や元構成員でないこと
なお支店や新店舗の設置、分社化、事業主の交代、事業拡大による新分野進出などは認められません。
支給額
事業所の設置・整備費用と増加した対象労働者の数に応じて、以下の額が、1年ごとに最大3回支給されます。
| 設置・整備費用 | 対象労働者の増加人数()内は創業の場合 | |||
|---|---|---|---|---|
| 3(2)~4 | 5~9 | 10~19 | 20~ | |
| 300万円以上 | 50万円 | 80万円 | 150万円 | 300万円 |
| 1,000万円以上 | 60万円 | 100万円 | 200万円 | 400万円 |
| 3,000万円以上 | 90万円 | 150万円 | 300万円 | 600万円 |
| 5,000万円以上 | 120万円 | 200万円 | 400万円 | 800万円 |
なお中小企業事業主の場合は、1回目の支給において1.5倍が支給されます。また、創業の場合は1回目の支給が実質2倍相当となります。
主な支給要件
受給要件は、何回目の支給かによって異なります。それぞれの回数の、主な受給要件は以下のとおりです。
■同意雇用開発促進地域等の事業所において、施設・設備の設置・整備を行うこと
■地域に居住する求職者等の雇い入れに関する計画書を労働局長に提出すること
■必要な施設や設備を、計画期間内に設置・整備すること
計画期間内は、計画日から完了日までの間(最長18か月間)です。なお助成対象となる設置・整備費用は、1点あたり20万円以上で、合計額が300万円以上である場合に限ります。
また対象となる労働者に関する要件は、以下のとおりです。
■被保険者として、ハローワーク等の紹介により3人以上を雇い入れること
■設置・設備事業所における完了日における被保険者数が、計画日の前日より3人以上増加していること
上記に該当する場合でも、短期雇用特例被保険者および日雇い労働被保険者は除きます。また創業の場合、雇い入れ・増加する人数は2人でもかまいません。
次に、2回目・3回目の支給要件は以下のとおりです。
■被保険者数および対象労働者が、第2回目の支給基準日および第3回目の支給基準日において減っていないこと
■第2回目および第3回目の支給基準日までの離職者の数は、対象労働者の1/2以下、または3人以下であること
なお事業主都合以外の理由による離職者が発生した場合、一定の範囲で補充が認められます。
令和6年能登半島地震に伴う特例措置
地域雇用開発助成金(能登半島地震特例)は、令和6年能登半島地震による被災地域の雇用機会を確保するため、事業所を設置・整備して求職者を雇い入れる事業主に対して支給される助成金です。
対象地域は、以下のとおりです。
・七尾市
・輪島市
・珠洲市
・志賀町
・穴水町
・能登町
この特例措置に該当する場合、地域雇用開発コースの通常の要件に比べて支給額が引き上げられるほか、設置・設備費用や対象労働者数に関する要件も緩和されます。詳しくは以下のとおりです。
| 設置・整備費用 | 対象労働者の増加人数(人) | |||
|---|---|---|---|---|
| 2 | 3(2)~4 | 5~9 | 10~ | |
| 100万円以上 | 30万円 | 50万円 | 80万円 | 100万円 |
| 300万円以上 | 60万円 | 100万円 | 160万円 | 300万円 |
| 1,000万円以上 | 80万円 | 120万円 | 200万円 | 400万円 |
| 3,000万円以上 | 120万円 | 180万円 | 300万円 | 600万円 |
| 5,000万円以上 | 160万円 | 240万円 | 400万円 | 800万円 |
上記のうち、創業かつ対象労働者の増加人数が2人の場合は、「3(2)~4人」の金額の支給を受けられます。
地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)の申請について
地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)の申請では、「計画書」を管轄労働局長に提出します。申請の流れや必要な書類をまとめました。
手続きの流れとスケジュール
助成金の支給申請の流れとスケジュールは、以下のとおりです。

参考:地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)支給申請の手引き
| ①「計画書」を管轄労働局長に提出する ※創業の場合は「申請事業主の職歴書」も併せて管轄労働局長に提出する |
| ②地域の雇用拡大のために必要な事業所の設置・整備を300万円以上行う |
| ③要件を満たす労働者を3人(創業の場合は2人)以上雇い入れる |
| ④「完了届(第1回支給申請書)」を管轄労働局長に提出する |
| ⑤「支給申請書(2回目)」を管轄労働局長に提出する |
| ⑥「支給申請書(3回目)」を管轄労働局長に提出する |
支給申請書提出後は、書類審査に加え、原則として事業所の実地調査が行われます。
提出が必要な書類
第1回支給申請時に添付する主な書類は、以下のとおりです。
■事業所状況等申立書
■対象労働者申告書
■対象労働者雇用状況等申立書
■対象労働者の住民票など
■雇用契約書または雇入れ通知書
■賃金台帳
■出勤簿
■職業紹介証明書
■設置・設備費用の証明
■設置・整備費用申告書
■設置・整備費用の見積書・請求書・領収書
■金融機関の振込明細書
■総勘定元帳
■預金通帳または現金出納簿
■現物の写真その他工事・購入・賃借等に関わる指定の書類
そのほか、中小企業や創業にあたる場合は、それを証明する書類が必要です。
まとめ
地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)は、雇用機会が不足している地域で事業所を設置・整備し、地域の求職者を雇い入れる事業主を支援する制度です。費用と増加人数に応じて、最大3年間助成金が支給されます。
令和6年能登半島地震の特例措置では、能登6市町を対象に100万円以上の設置・整備費用から助成対象となるなど、要件が緩和されています。
雇用拡大は、地域の活性化にもつながる取組です。支援を上手に活用し、雇用機会の均等化を目指しましょう。
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