観光庁では、訪日外国人旅行者数2020年に4,000万人、2030年6,000万人の実現に向けて、受入環境整備を通じた訪問時・滞在時の利便性向上を図ることを目的に、地域の宿泊事業者が実施するインバウンド対応事業の支援を行っています。
今回は、wifiやトイレの洋式化、自社サイトの多言語化を行った際にもらえる補助金「宿泊施設インバウンド対応支援事業」についてご紹介します。
この記事の目次
1.宿泊施設インバウンド対応支援事業とは?
5つ以上の宿泊事業者が集まり、「訪日外国人宿泊者受入体制拡充計画」を策定、国土交通大臣の認定を受けた後にwifiの整備やトイレの洋式化、自社サイトの多言語化、国際放送設備の整備、段差の解消、タブレット端末の整備などを行った場合、1つの事業者に対して補助率1/3、上限100万円として補助金が支給される制度です。
この事業は、平成27年度から募集されており、今回で5回目。
第1次締切は2018年8月10日ですが、最終締め切りは2018年9月28日のため、活用したい事業者様は必見ですね!
2.補助対象事業者
補助対象事業者は、下記の①および②の事業者になります。
①宿泊事業者等団体(複数の宿泊事業者やその他関係する事業者等により構成される団体)
②構成員宿泊事業者(宿泊事業者等団体の構成員である宿泊事業者)
宿泊事業者単独で申請することは出来ないため、5以上の宿泊事業者が共同することが必要になります。
※宿泊事業者とは
旅館業法(昭和23年法律第138号)第3条第1項に規定する許可を受けた者をいう。
ただし、風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条第6項に規定する店舗型性風俗特殊営業を営む者を除く。
3.補助要件
宿泊施設の稼働率及び訪日外国人の宿泊者数を向上させるための計画(訪日外国人宿泊者受入体制拡充計画)を策定し、当該計画について国土交通大臣の認定を受けること
その訪日外国人宿泊者受入体制拡充計画とは、訪日外国人宿泊者受入体制拡充計画認定申請書(様式1-1)へ記載し国土交通大臣へ提出します。
※記載内容(抜粋)
・構成員宿泊事業者の宿泊施設の稼働の現状とその分析及びそれらを踏まえた今後の取組と目標
・全体稼働率の現状及び目標
・合計外客宿泊者数の現状及び目標
・団体事業又は個別事業の実施により上記目標達成が見込まれる理由 など
4.補助対象事業
(1)館内共用部のWi-Fi整備※1
(2)館内共用部のトイレの洋式化
(3)自社サイトの多言語化(宿泊予約の機能を有するサイトに限る。)
(4)館内共用部のテレビの国際放送設備の整備
(5)館内共用部の案内表示の多言語化
(6)館内共用部の段差解消
(7)オペレーターによる24時間対応可能な翻訳システムの導入又は業務効率化のためのタブレット端末の整備
(8)クレジットカード決済端末の整備
(9)ムスリムの受入のためのマニュアルの作成
(10)その他宿泊施設の稼働率及び訪日外国人の宿泊者数を向上させるために必要であると大臣が認めた事業(宿泊事業者等団体の運営費、宿泊事業者の人件費など経常的経費は補助対象外)
※1
上記(1)の事業を申請する場合は、機器の運用開始後に観光庁・総務省が連携し運営している「無料公衆無線LAN整備促進協議会」で導入した共通シンボルマーク「Japan.Free Wi-Fi」の掲出に関しての登録申請をすることが条件。
5.補助対象経費
下記の3要件を満たすことが条件です。
また、宿泊事業者等団体の運営費や宿泊事業者の人件費など経常的経費は対象外、ランニングコストやレンタル・リース費用も対象外となります。
【3要件】
①使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
②補助金交付決定以降の契約・発注により発生した経費
③証拠書類・見積書等によって契約・支払金額が確認できる経費
6.補助率・補助金額
○ 補助率:3分の1
○ 補助金の額:補助対象経費に補助率を乗じて得た額以内。
ただし、訪日外国人宿泊者受入体制拡充計画に基づき事業を行う宿泊事業者等団体又は構成員宿泊事業者に対する補助金の合計額は、宿泊事業者等団体又は構成員宿泊事業者の数に100万円を乗じた額を上限とします。
また、宿泊事業者等団体又は一の構成員宿泊事業者に対する補助金の額は100万円を上限とします。
※補助金交付(精算払い)は、補助対象事業の完了確認後となりますので、補助事業期間中は必要な資金を自己調達する必要があります。
7.募集期間
平成30年6月27日(水)~8月10日(金)【必着】(第1次締切)
~9月28日(金)【必着】(最終締切)
参考:観光庁 宿泊施設のインバウンド対応支援事業(第5回)募集要領
8.まとめ
民間の宿泊施設でwifiの導入やトイレの洋式化などをした際に、1事業所あたり上限100万までもらえる補助金として、宿泊施設インバウンド対応支援事業についてまとめてみました。
5つの事業者が共同で申請を行う必要がありますが、受付期間は2018年9月28日までと、まだ間に合う補助金です。
インバウンドを強化したい!訪日外国人が快適に利用できる宿泊施設にしたい!とお考えの事業者様がいらっしゃれば、補助金が活用できるタイミングで一度検討してみることをお勧めします!
その他、補助金ポータルでも、ご相談等受け付けております。
不明点など何でもお気軽にご連絡ください。
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