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育休手当(育児休業給付金)でもらえるお金はいくら?計算ツールの使い方や申請方法を解説!

公開日:2024/11/18 更新日:2026/4/23
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育休手当(育児休業給付金)は、会社等で働いて雇用保険に加入している人であれば、男女問わず活用できる制度です。給与とは金額が異なるため、一体いくらもらえるのか知りたい人も多いのではないでしょうか。
本記事では、育休手当の計算方法やいつもらえるのか解説します。2025年4月に創設・定着した、休業前賃金の実質10割相当が支給される「出生後休業支援給付」についても紹介するので、育休手当の金額が気になる方はぜひ参考にしてください。

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この記事の目次

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育休手当について

育休手当とは、雇用保険に加入している人が育休を取る際に給付を受けられる制度で、正式には「育児休業給付金」といいます。原則として子どもが1歳になるまで支給されますが、「保育所等に申し込んだが入所できなかった」等の一定の要件を満たすことで、最大2年まで延長可能です。

休業は2回に分けて取得できるため、父母が交互に休むなど柔軟な取得が可能となり、夫婦で協力して育児に参加しやすくなります。なお、出生後8週間の期間内に合計4週間分(28日)を限度として、産後パパ育休を取得すると、「出生時育児休業給付金」の支給も受けることができます。

産後パパ育休(出生後育児休業)とは?育休との違いや給付金、手取り10割も解説

2025年4月より実質的に給与の10割相当に【定着】

2025年4月から、一定の要件を満たすと休業前賃金の13%分が上乗せされ、実質的に10割相当の給付となる「出生後休業支援給付」が創設され、2026年4月現在は本格的に定着・普及しています。

詳しくは以下の図をご覧ください。
出生後休業支援給付金の仕組みを示した図
出典:出生後休業支援給付金

出生後休業支援給付は、出生直後の一定期間に両親ともに14日以上の育児休業を取得した場合に、最大28日間給付率が休業前賃金の80%となる制度です。
育児休業中は社会保険料が免除されるため、80%へ引き上げられると、実質的に休業前の給与と同程度が支給される計算になります。ただし、休業開始時賃金日額に上限が設定されているため、すべての方が10割相当の給付を受けられるわけではない点にご留意ください。
13%加算が適用される要件は、以下のとおりです。

■男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内((つまり子どもの出生後16週間以内)に育児休業を取得すること
■被保険者とその配偶者の両方が14日以上の育児休業を取得すること
※ひとり親家庭や配偶者が自営業・フリーランス等の場合は、配偶者の育児休業取得は要件とされません

本制度を活用すると、妻だけが育児休業を取得するよりも、夫婦で取得したほうが給付額が増えることになります。

育休復帰後に時短勤務をする場合も給付金あり【2025年4月〜】

2025年4月からは、復職後に時短勤務を選択した場合にも、子が2歳になるまで「育児時短就業給付金」が受け取れます。支給額は、時短勤務中に支払われた賃金額の10%相当です。
育休から職場に戻る際の収入減少を一部補う制度なので、時短勤務を検討している方は活用を検討してみましょう。

【2025年4月施行】育休手当が実質10割になる「出生後休業支援給付金」完全ガイド

2025年4月1日から、育児休業中の給付率が最大80%に引き上げられる「出生後休業支援給付金」制度が施行されました。通常の育児休業給付金(67%)に加えて13%が上乗せされ、休業前賃金の80%が給付される仕組みです。社会保険料免除と非課税を合わせると、実質的に休業前の手取りとほぼ同額を受け取れます。

「育休手当10割」はいつから?制度開始の経緯

時期内容
2024年5月改正育児・介護休業法、改正雇用保険法が成立
2025年4月1日出生後休業支援給付金の制度が施行
2026年4月現在制度として定着・運用中

2025年4月1日以降に子の出生日(予定日を含む)が到来する世帯が対象です。つまり2025年4月以降に子が生まれたパパ・ママは、要件を満たせば10割相当の育休手当を受給可能です。

出生後休業支援給付金の給付額・計算方法

通常の育児休業給付金の67%に13%が上乗せされ、合計80%となります。計算式は以下のとおりです。

休業開始時賃金日額 × 休業期間日数 × 13%(加算分)
※通常の育休手当(67%)と合算して合計給付率は80%

さらに育児休業中は社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料)が免除され、給付金自体も非課税のため、実質的に手取り10割相当となります。
給付額の上限・下限(令和7年8月1日〜令和8年7月31日)は以下のとおりです。

項目月額(30日分)
出生後休業支援給付金の上限額5万8,640円
出生後休業支援給付金の下限額10,970円

通常の育休手当(67%期)の上限32万3,811円と合算すると、月額38万2,451円が実質10割相当の上限となります。

出生後休業支援給付金をもらえる条件

以下のすべての条件を満たす必要があります。

  • 【男性】子の出生日(出産予定日含む)から8週間以内に、通算14日以上の育児休業を取得
  • 【女性】産後休業終了後8週間以内に、通算14日以上の育児休業を取得
  • 配偶者も14日以上の育児休業を取得している(共働き夫婦の場合)
  • 通常の育児休業給付金の受給要件を満たしている
  • 有期雇用の場合、子が1歳6か月になるまでに雇用契約が満了することが明らかでない

ひとり親家庭や配偶者が自営業・専業主婦(主夫)の場合は、配偶者の育休取得なしに本人だけで10割給付の対象となります。

10割給付の「最大28日間」とは

出生後休業支援給付金は、「出生直後の最大28日間」のみ80%給付が適用されます。28日を超えた期間は、通常の育児休業給付金の給付率(67%または50%)に戻ります。

期間給付率備考
産後パパ育休の最大28日間80%(67%+13%加算)出生後休業支援給付金の対象期間
その後〜育休180日目67%通常の育児休業給付金
育休181日目以降50%通常の育児休業給付金

育休手当の計算方法

支給額の計算式は、以下のとおりです。

【育児休業開始から180日間】
休業開始時賃金日額×休業期間日数×67%

【育児休業開始から181日目以降】
休業開始時賃金日額×休業期間日数×50%

上記の休業開始時賃金日額とは、原則として、育児休業開始前6か月間の総支給額(賞与・保険料等は除く)を180で割った額です。休業開始時賃金日額の上限額は16,110円、下限額は3,014円となります(令和8年7月31日までの額)。
出生後休業支援給付(産後パパ育休)を活用する場合は、上記の67%の給付率に13%が上乗せされ、最大28日間は合計80%の給付率となります。なお、この上乗せが適用されるのは産後8週間以内の最大28日間のみです。育休開始181日目以降の50%給付期間に13%が加算されるわけではありません。

育休手当は「いつの給与」で計算されるのか?

育休手当の計算で最も多い疑問が、「どの時期の給与を基準に計算されるのか?」というものです。基本ルールと、イレギュラーなケース(産休前・月の途中・賞与など)の扱いを整理します。

原則:育児休業を開始する日の直前6か月間の賃金で計算

育休手当の「休業開始時賃金日額」は、育児休業を開始した日の直前6か月間に支払われた賃金の総額を180で割った金額です。対象となるのは通勤手当・時間外手当・職能手当などを含む総支給額で、以下は除外されます。

  • 賞与(ボーナス)は計算に含まれない
  • 健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料などの保険料は差し引く前の金額
  • 所得税・住民税などは差し引く前の金額
  • 臨時に支払われる手当(結婚祝金・慶弔見舞金など)は含まない

計算例として、月収30万円の会社員Aさん(男性)が2026年6月1日から育児休業を開始した場合、計算のベースとなるのは2025年12月〜2026年5月の6か月間に支払われた賃金です。6か月間の賃金総額180万円÷180=休業開始時賃金日額1万円となり、育休開始180日間の月額(30日分換算)は20万1,000円(67%)、181日目以降は15万円(50%)となります。

産前産後休業を取得した女性(ママ)の特殊ルール

女性の場合、育児休業の前に産前産後休業を取得するのが一般的です。この場合、「育児休業開始日の直前6か月」ではなく、「産前産後休業開始日の直前6か月」の賃金が計算の基礎となります。
この仕組みによって、産休中に無給になった期間が育休手当の計算に不利に働かないよう配慮されています。

パパ(男性)が育休を取る場合のポイント

男性の場合は産前産後休業がないため、育児休業を開始した日の直前6か月間の賃金がそのまま計算基準になります。父親が出産直後に産後パパ育休を取得する場合は、配偶者の産前休業とほぼ同時期の給与が計算ベースとなるため、夫婦で計算時期が大きくズレることはありません。

月の途中で育児休業を開始した場合の扱い

育児休業の開始日が月の途中だった場合、「直前6か月」は歴月(月初〜月末)ではなく、育休開始日からさかのぼった6か月間で計算します。賃金支払基礎日数が11日未満の月はスキップされるため、産休期間や病気による欠勤月は計算対象外となります。

賞与(ボーナス)・残業代・手当は計算に含まれる?

項目計算に含まれるか備考
基本給○ 含まれる計算のメインとなる
残業代(時間外手当)○ 含まれる毎月の給与に含まれる分のみ
通勤手当○ 含まれる税法上の非課税分も含む
職能手当・役職手当○ 含まれる毎月支給されるもの
家族手当・住宅手当○ 含まれる毎月の給与に含まれるもの
賞与(ボーナス)× 含まれない3か月を超える期間ごとに支払われるもの
結婚祝金・慶弔見舞金× 含まれない臨時的な支給
退職金× 含まれない雇用保険の賃金定義外

ボーナスが育休手当の計算に含まれないことで、「ボーナスの多い会社員は育休手当が相対的に低くなる」という構造になっています。年収が高くても、毎月の基本給が控えめな場合は育休手当の金額も控えめになる点に注意が必要です。

計算ツールを活用するのもおすすめ

育休手当の計算は複雑であるため、ネット上の計算ツールを活用するのもおすすめです。厚生労働省が公表している計算ツールでは、出産予定日などを打ち込むだけで、受け取れる給付金の種類や概算金額がわかるようになっています。

育休手当計算ツールのスクリーンショット
出典:働く女性の心と体の応援サイト

2025年12月1日に出産予定で、休業前賃金が額面30万円(交通費含む)だった場合、ツールでの計算結果は以下のようになります。

産休・育休を取得した場合の給付額(概算)
■出産育児一時金(概算)50万円
■出産手当金(概算)65万3,333円
■育児休業給付金(概算)182万6,000円

ツールを使うと「産前休業期間」や「産後休業期間」、「育児休業期間」「育児休業の申出期間」も確認できます。

【給与別】育休手当はいくらもらえる?具体シミュレーション

「自分の給与だと育休手当はいくらになるのか?」を具体的に知るために、給与レンジ別のシミュレーションをご紹介します。計算に当たっては、毎月の賃金が一定で、残業代や手当を含めた額面月額を前提としています。

月収15万円(基本給レベル)の場合

項目金額
休業開始時賃金日額5,000円(15万円 × 6 ÷ 180)
育休開始〜180日間の月額(67%)10万500円
181日目以降の月額(50%)7万5,000円
出生後休業支援給付金併用時(最大28日間:80%)12万円
1年間の育休手当の総額(概算)約108万円

月収15万円の場合、手取りで考えると育休前よりも8〜9割程度の金額が受け取れる計算になります。

月収20万円(手取り約16万円)の場合

項目金額
休業開始時賃金日額6,666円(20万円 × 6 ÷ 180)
育休開始〜180日間の月額(67%)13万3,995円
181日目以降の月額(50%)9万9,990円
出生後休業支援給付金併用時(最大28日間:80%)15万9,984円
1年間の育休手当の総額(概算)約144万円

「手取り20万円」で育休を取る方は、育休手当の月額が13.4万円前後となり、社会保険料免除と非課税の効果を加味すると、実際の手取り額は育休前とほぼ変わらない水準になるケースが多いです。

月収30万円(手取り約24万円)の場合

項目金額
休業開始時賃金日額1万円(30万円 × 6 ÷ 180)
育休開始〜180日間の月額(67%)20万1,000円
181日目以降の月額(50%)15万円
出生後休業支援給付金併用時(最大28日間:80%)24万円
1年間の育休手当の総額(概算)約215万円

月収40万円(手取り約31万円)の場合

項目金額
休業開始時賃金日額1万3,333円(40万円 × 6 ÷ 180)
育休開始〜180日間の月額(67%)26万7,993円
181日目以降の月額(50%)19万9,995円
出生後休業支援給付金併用時(最大28日間:80%)31万9,992円
1年間の育休手当の総額(概算)約286万円

月収50万円以上の場合(上限額に注意)

月収が約49万円(休業開始時賃金日額16,110円相当)を超えると、育休手当の計算は上限額で頭打ちになります。令和7年8月1日〜令和8年7月31日までの上限額・下限額は以下のとおりです。

項目上限額(月30日分)下限額(月30日分)
給付率67%(育休開始〜180日)323,811円60,581円
給付率50%(181日目以降)241,650円45,210円
出生後休業支援給付金(13%加算分・最大28日)5万8,640円10,970円

高所得層は育休前に資金計画を立てておくことが重要です。

なぜ「育休手当は実質8〜10割」と言われるのか?

給付率は67%ですが、実際の手取りベースで計算すると8〜10割近い水準になる理由は、以下の3つの要素が組み合わさるためです。

  • 育休手当は非課税:所得税・住民税がかからない
  • 社会保険料が免除:健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料が0円になる
  • 出生後休業支援給付金で+13%:夫婦ともに育休取得で最大28日間は80%給付率

例えば月収30万円の方の場合、育休前の手取りが約24万円、育休中の手取りが約20.1万円(非課税・保険料免除のため全額受取)となり、比率は約84%。出生後休業支援給付金を活用すれば、最初の28日間は24万円の給付で実質的に育休前と同水準の手取りとなる計算です。

パート・公務員・派遣・契約社員の育休手当はどうなる?

育休手当(育児休業給付金)は、雇用保険に加入していれば雇用形態を問わず受給できます。ただし、働き方によって受給できる条件や金額が変わるため、立場別のポイントを整理します。

パート・アルバイトの育休手当

パート・アルバイトの方も、次の2つの条件を満たせば育休手当を受け取れます。

  • 雇用保険に加入している(週20時間以上の勤務、31日以上の雇用見込みなど)
  • 育休開始前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月(または就業時間80時間以上の月)が12か月以上ある

「夫の扶養に入っているパート勤務だが、育休手当をもらえるのか?」という疑問は非常に多く寄せられます。結論からいうと、税法上の扶養と雇用保険の加入・育休手当の受給は別物です。税法上の扶養(配偶者控除)内でも、雇用保険に加入していれば育休手当の対象になります。「扶養に入っていると育休手当はもらえない」という情報はよく見かけますが、これは雇用保険未加入のパートのケースを指している場合がほとんどです。

公務員の育休手当(育児休業手当金)

国家公務員・地方公務員の方は雇用保険の被保険者ではないため、雇用保険の「育児休業給付金」は受けられません。代わりに、共済組合から「育児休業手当金」という同等の制度が支給されます。

区分民間会社員公務員
制度名育児休業給付金(雇用保険)育児休業手当金(共済組合)
給付率(180日まで)67%67%(同じ)
給付率(181日以降)50%50%(同じ)
出生後休業支援給付金(13%加算)あり共済組合でも同等の制度あり
支給期間子が1歳になるまで(最大2歳まで延長可)子が3歳になるまで(一部は無給期間あり)

派遣・契約社員の育休手当

派遣社員の場合、派遣元(派遣会社)の雇用保険に加入していれば育休手当の対象です。育休取得の申し出は派遣先ではなく派遣元に対して行います。

契約社員・嘱託社員など有期雇用の方も、2022年4月の育児・介護休業法改正により育休取得の要件が緩和されました。現在は「子が1歳6か月に達する日までに雇用契約が満了することが明らかでないこと」を満たせば、育休手当を受け取れます。入社直後でも要件を満たせば対象です。

自営業・フリーランスの育休支援

自営業・フリーランスの方は雇用保険の被保険者ではないため、育児休業給付金の対象外です。ただし、2026年10月から「国民年金の育児期間免除制度」が新設される予定で、子が1歳になるまでの国民年金保険料が免除される見込みです。

育児休業給付金の申請書類・記入例・期限の完全ガイド

育児休業給付金の申請は、原則として事業主(勤務先)経由でハローワークに対して行います。ここでは、申請の条件から書類の記入例、提出期限まで実務のポイントを整理します。

育児休業給付金をもらえる条件

育児休業給付金を受給するためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

  • 雇用保険の被保険者であること
  • 1歳未満の子(延長の場合は1歳6か月または2歳未満の子)を養育するための育児休業を取得していること
  • 育児休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数11日以上の月が通算12か月以上あること
  • 育児休業期間中の1支給単位期間(原則30日)ごとに、就業している日数が10日以下であること
  • 育児休業期間中に休業前賃金の80%以上の賃金が支払われていないこと

育児休業給付金の申請に必要な書類

事業主が用意する書類は、「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」「育児休業給付金支給申請書(2回目以降)」「出勤簿・賃金台帳の写し」です。

被保険者(保護者)が用意する書類は以下のとおりです。

  • 母子健康手帳の写し(出産日・出産予定日の確認用)
  • マイナンバーが確認できる書類(運転免許証・マイナンバーカード等)
  • 金融機関の通帳の写し(給付金の振込先口座確認用)
  • 育児休業申出書(会社への提出用)

育児休業給付金支給申請書は、ハローワークのWebサイトまたは厚生労働省のWebサイトからダウンロードできます。e-Govを利用したオンライン申請も可能です。

申請のタイミングと期限

初回申請の期限は育児休業開始日から4か月後の月末までです。2回目以降は2か月ごとに申請します(被保険者の希望により1か月ごとも可)。申請期限を過ぎると、その期間分の育休手当を受給できなくなる可能性があるため、注意が必要です。

「会社から申請書が来ない」「会社が申請してくれない」ときの対処法

まずは勤務先の人事・総務担当者に直接確認し、申請状況を聞きましょう。会社からの対応がない場合は、被保険者本人が直接ハローワークで申請手続きを行うことも可能です。会社による法令違反の可能性がある場合は、労働基準監督署への相談も検討してください。

2人目・連続育休・ギリギリもらえないケースと対処法

1人目の育休復帰後に間を空けず2人目を妊娠・出産するケースでは、育休手当を「もらえる/もらえない」のギリギリの境目で悩む方が非常に多くいます。ここでは2人目の育休手当の条件と、よくある「もらえないケース」の対処法を解説します。

2人目の育休手当、もらえる条件とは?

2人目以降の育児休業給付金も、基本的には1人目と同じ条件で受給できます。1人目の育休期間は最大4年間、受給要件の「2年間」の期間にプラスして算入できる特例があります。この特例により、1人目の育休から復帰後1か月で2人目の産休に入っても、2人目の育休手当は原則として受給できます。「もらえない」と判断される前に、必ずハローワークで受給資格確認を行いましょう。

育休の延長制度と「延長できなかった」場合の対処

育児休業は原則として子が1歳になる日の前日まで取得できますが、一定の条件を満たすと最大2歳まで延長できます。最も多い延長理由は「保育所等に入所できない」ケースです。

延長するために必要な書類が「育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書」です。保育所入所不承諾通知書などを添付し、ハローワークに提出します。2025年4月からの制度改正により、延長申請の審査が厳格化されており、「延長目的で保育所への入所申請を出した」と判断された場合などは延長が認められないリスクがあります。

延長が認められなかった場合は、配偶者の育休への切り替えや、育児時短就業給付金の活用を検討しましょう。

「4月入園・5月復帰」のときの育休手当の扱い

保育園の4月入園が決まった場合、育休手当は入園日の前日まで(3月31日まで)日割りで計算・支給されます。「4月入園が決まったら育休手当は途中で打ち切られる?」と心配される方が多いですが、最後の日割り分もきちんと支払われるので安心してください。

育休手当がもらえない場合の代わりになる支援制度

どうしても育休手当が受給できない場合は、児童手当(0歳〜中学生まで月1〜1.5万円)、出産育児一時金(1児につき50万円)、出産手当金(産休期間中の給与の約3分の2)、自治体独自の子育て支援給付金などの代替支援を検討できます。

育休手当の申請方法

育児休業給付金は、事業主側がハローワークで受給資格確認手続きを行い申請します。被保険者側(育休手当を受ける人)は事業主に育休手当を取得することを申し出るほか、母子健康手帳等の出産日が確認できる書類の写し等の提出が必要です。

事業主側は、以下の書類をハローワークに提出してください。

  • 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
  • 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書
  • 育児休業を開始・終了した日、賃金の額と支払状況を証明できるもの
  • 育児の事実、出産予定日及び出生日を確認することができるもの

なお、受給資格の確認の申請と初回の育児休業給付金の支給申請を同時に行うことも可能です。また、被保険者本人が希望する場合は、本人が申請手続きを行うことも認められています。

育休手当はいつ振り込まれる?支給日・振込タイミング完全ガイド

育休手当がいつ、どのくらいの頻度で、どこから振り込まれるのか──。これらは育休取得者が最も気にする実務的な疑問です。ここでは、育休手当の支給スケジュールを時系列で整理します。

育休手当はいつから支給開始?

育休手当の支給対象期間は、育児休業の開始日からスタートします。ただし実際に口座に振り込まれるのは、育休開始から約2〜3か月後となるのが一般的です。初回振込までの流れは次のとおりです。

時期内容
0日目(育休開始日)育児休業スタート
30〜60日目最初の支給単位期間を経過
60〜90日目事業主(会社)がハローワークへ初回申請
70〜100日目ハローワークでの審査(1〜3週間)
80〜110日目支給決定後、約1週間以内に口座へ振込

育休手当はいつまで支給される?

育休手当の支給期間は、原則として子が1歳になる日の前日までです。条件を満たせば最大2歳まで延長できます。

延長ステージ支給期間延長条件
原則子が1歳になる日の前日まで
1歳→1歳6か月まで延長子が1歳6か月になる日の前日まで保育所入所不承認等
1歳6か月→2歳まで再延長子が2歳になる日の前日まで1歳6か月時点で保育所入所不承認等
パパ・ママ育休プラス子が1歳2か月になる日の前日まで夫婦ともに育休を取得

育休手当は何回に分けて振り込まれる?

育休手当は原則2か月に1回、まとめて振り込まれます。1年間の育休を取得した場合、最大で6回の振込があります。被保険者の希望により1か月ごと(最大12回)に変更することも可能です。

「育休手当はどこから振り込まれる?」振込元の表記

育児休業給付金の振込元は、各都道府県の労働局から振り込まれます。通帳・明細には「コヨウホケン」「ショクギヨウアンテイキョク」「ロウドウキヨク」などと表示されます。会社名からの振込ではないため、初回は気づきにくいことがあります。

「振り込まれない」ときの原因と対処法

育休手当が想定の時期に振り込まれない場合の主な原因と対処法は以下のとおりです。

  • 会社が申請をしていない:勤務先の担当者に直接確認し、申請状況を聞く
  • ハローワークで審査中:管轄のハローワークに直接問い合わせる
  • 書類不備・追加書類の要請:会社に不備の内容を確認し、速やかに追加書類を提出
  • 口座情報の誤り:申請書の記載内容を確認し、誤りがあれば訂正して再申請

育児休業給付金支給決定通知書はいつ届く?

ハローワークで支給決定がされると、「育児休業給付金支給決定通知書」という書類が会社経由で発行されます。支給決定から1〜2週間以内に発行されますが、会社によっては本人に直接送付されない場合もあるため、届かない場合は人事に確認してください。


育休手当の計算に関するよくある質問

育休手当が10割になるのはいつから?

2025年4月1日以降に育休を開始した方を対象に、一定の要件を満たすと実質的に休業前賃金10割相当の給付となる「出生後休業支援給付」が適用されます。夫婦ともに14日以上の育児休業を取得した場合、最大28日間は育児休業給付金(67%)に13%が上乗せされ、合計80%となります。育休中の社会保険料免除と非課税を合わせると、実質的に手取りで10割相当となる計算です。ただし、休業開始時賃金日額に上限が設定されているため、すべての方が10割相当の給付を受けられるわけではありません。


育休手当に上限はある?

あります。休業開始時賃金日額の上限額は16,110円、下限額は3,014円です(令和8年7月31日までの額)。そのため、支給日数が30日の場合の支給上限額と支給下限額は以下のとおりです。【給付率67%】支給上限額 323,811円 支給下限額 60,581円【給付率50%】支給上限額 241,650円 支給下限額 45,210円。なお、この基準額は毎年8月1日に見直されます。


いつの給与で計算される?

育休手当の休業開始時賃金日額は、育児休業開始前の直近6か月間に支払われた賃金(賞与・保険料等は除く)の総額を180で割って計算されます。産前産後休業を取得した場合は、原則として産前産後休業開始前の直近6か月間の賃金が基準となります。


育休手当の振込日がバラバラなのはなぜ?

育休手当は、2か月に1回事業者側が申請し、支給が決定すると約1週間で振り込まれます。決まった日に振り込まれる仕組みではなく、勤務先のハローワークへの書類提出タイミングによって振込日が変わるため、バラバラになります。


育休手当が振り込まれない時はどうしたらいい?

育休手当は事業者側が申請する仕組みであるため、振り込まれない時はまず事業者(勤務先)に申請状況を問い合わせてみてください。事業者側で申請書類が提出されており、原因がわからない場合は、管轄のハローワークに問い合わせると良いでしょう。


育休手当は課税されますか?

育児休業給付金は非課税です。所得税・住民税はかかりません。また育休中は健康保険料・厚生年金保険料も免除されます(申出が必要)。このため、給付率67%でも、実質的な手取りでは育休前の約80%程度に近い金額となるケースが多くなります。


出生後休業支援給付の13%加算は181日目以降も続きますか?

いいえ、続きません。出生後休業支援給付金の上乗せが適用されるのは、産後8週間以内の最大28日間のみです。育休開始181日目以降の50%給付期間に13%が加算されるわけではありません。28日を超えた期間の給付率は通常どおり67%(〜180日)または50%(181日〜)となります。


育休復帰後に時短勤務を選んだ場合、給付金はありますか?

はい、あります。2025年4月から「育児時短就業給付金」が創設されました。2歳未満の子を養育するために時短勤務を行う場合、時短勤務中の賃金額の10%相当が支給されます。ただし、支払われた賃金額が471,393円以上の場合や、算定された支給額が2,411円以下の場合は対象外となります(令和8年7月31日までの額)。


手取り20万円の場合、育休手当はいくらもらえますか?

月収20万円(額面)の場合、休業開始時賃金日額は約6,666円となり、育休開始から180日間は月額約13万3,995円(67%)、181日目以降は月額約9万9,990円(50%)が支給されます。社会保険料免除と非課税を考慮すると、手取りベースでは育休前とほぼ変わらない水準となるケースが多いです。夫婦ともに14日以上の育休を取得すれば、最大28日間は月額約15万9,984円(80%)の支給を受けられます。


基本給15万円の育休手当はいくらですか?

月収15万円の場合、休業開始時賃金日額は5,000円となり、育休開始から180日間は月額10万500円(67%)、181日目以降は月額7万5,000円(50%)が支給されます。通勤手当や時間外手当を含めた月収で計算されるため、実際の手当額は基本給のみの計算より高くなる場合が多いです。


育休手当の計算例を教えてください

育休手当の計算式は「休業開始時賃金日額 × 休業期間日数 × 給付率」です。例として、月収30万円(額面)で30日分を計算すると、6か月間の賃金総額180万円÷180=1万円(賃金日額)、1万円×30日×67%=20万1,000円が月額の育休手当となります。181日目以降は給付率50%に下がり、月額15万円になります。


育休の給付額が50%になるのはいつからですか?

育児休業給付金の給付率は、育児休業開始から181日目(6か月経過後)から67%→50%に引き下げられます。例えば2026年6月1日に育休を開始した場合、2026年6月〜11月は67%、2026年12月〜育休終了日までは50%で計算されます。


育休手当は何割もらえますか?

育休手当の給付率は、育休開始から180日間は67%、181日目以降は50%です。2025年4月からの新制度「出生後休業支援給付金」を活用すると、夫婦で14日以上の育休を取得することで最大28日間は80%に引き上げられます。この場合、社会保険料免除と非課税を合わせて実質的な手取りは休業前の10割相当となります。


育休手当は何回もらえますか?

育休手当は原則2か月に1回、まとめて振り込まれます。1年間の育休を取得した場合、最大で6回の振込があります。被保険者の希望により1か月ごと(最大12回)に変更することも可能です。支給日は決まっておらず、会社のハローワークへの申請タイミングによって変動します。


2人目の育休手当がギリギリもらえない場合はどうすればいいですか?

1人目の育休から復帰後すぐに2人目を妊娠・出産した場合、受給要件緩和特例により1人目の育休期間を「2年間」の計算期間にプラスできます(最大4年間まで)。この特例を活用すれば、復帰後1か月で2人目の産休に入るケースでも2人目の育休手当を受給可能です。「もらえない」と判断される前に、必ずハローワークで受給資格確認を行いましょう。


パートでも育休手当はもらえますか?

はい、雇用保険に加入していればパート・アルバイトでも育休手当を受給できます。雇用保険の加入条件は「週20時間以上の勤務」「31日以上の雇用見込み」です。これらの条件を満たすパート勤務の方は、育休開始前2年間に賃金支払基礎日数11日以上の月が12か月以上あれば、正社員と同じ計算式で育休手当が支給されます。


育休中に扶養に入るともらえなくなりますか?

いいえ、税法上の扶養(配偶者控除)に入っていても、雇用保険に加入していれば育休手当は受給できます。育児休業給付金は非課税所得のため、扶養判定の「収入」にも含まれません。ただし、雇用保険未加入のパート・アルバイトは育休手当の対象外となります。


育休後に退職する場合、失業手当はもらえますか?

育休を取得した後に退職する場合、失業手当(雇用保険の基本手当)を受給できる可能性があります。ただし、育児休業給付金と失業手当は同時に受給できません。育休終了後に退職した場合、退職日の翌日から失業手当の手続きが可能です。育児で求職活動がすぐにできない場合は、受給期間を最大4年まで延長できます。


申請書が会社から来ない場合はどうすればいいですか?

まずは勤務先の人事・総務担当者に直接連絡し、申請状況を確認してください。会社からの対応がない場合は、管轄のハローワークに直接相談することもできます。被保険者本人が申請することも認められており、ハローワークで書類サポートを受けられます。



まとめ

育休手当の金額は、休業の取得前の賃金日額によって異なります。計算方法が複雑なので、ネット上の計算ツールを活用するのもおすすめです。また、決まった日に振り込まれる仕組みではないため、「育休手当が振り込まれない」と慌てないようにしてください。

2025年4月から創設・定着した出生後休業支援給付を活用することで、夫婦ともに育休を取ると最大28日間は実質的に休業前賃金の10割相当を受け取れます。さらに育休後の時短勤務時には育児時短就業給付金(賃金の約10%)も活用できます。パート・派遣・契約社員・公務員など、さまざまな雇用形態の方がそれぞれの制度を活用できるようになっています。制度内容をよく理解しておくことが、安心して育休を取得することに繋がるでしょう。

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