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テレワーク導入を検討中の事業主の皆さまへ!人材確保等助成金(テレワークコース)の詳細を紹介

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新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防から、多くの企業が導入してきたテレワーク。しかしながら、ICT機器やセキュリティなど環境整備に手間がかかることもあり、導入をためらう事業主も多く見られます。

そこで活用を検討してもらいたいのが、人材確保等助成金(テレワークコース)のようなテレワーク導入を目的とした助成金です。この記事では、概要や助成対象となる経費などをご紹介します。導入を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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この記事の目次

人材確保等助成金(テレワークコース)でテレワークの課題を解決

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行から、日本企業でも多くが導入を図ったのが、テレワークでありリモートワークです。実際、「令和2年度テレワーク人口実態調査結果」でも、テレワーク導入率が1割弱(9.8%)から倍増に近い19.7%となっています。

ただ、そもそもテレワークができない業種・職種がある、生産性やリモートアクセスツールやコミュニケーションがすくなくなりやすい、労務管理システムの構築などICT環境の整備に関する問題のような多くの課題があることも確かです。しかしながら、子育て中の女性社員など出勤が難しい人の積極的な登用、働き方のフレキシビリティが高まるなどのテレワークならではの効果もあります。これまで二の足を踏んでいた事業主も、本助成金を活用してテレワークを導入してみてはいかがでしょうか。

人材確保等支援助成金(テレワークコース)とは

人材確保等支援助成金とは厚生労働省が制定した助成金で、魅力ある人材の確保・定着を目的としています。労働環境の向上等を図り、魅力ある職場づくり・魅力ある雇用創出を行った事業主・事業協同組合などに支給されます。本記事では9コースある中から、テレワークコースについてその詳細を紹介します。

テレワークコースの概要・目的

中小企業事業者のうち就業規則などでテレワークが未整備の企業を対象として、良質なテレワークを制度として導入・実施することにより、人材確保や雇用管理改善などの観点から効果をあげた中小企業事業主を支援することを目的に、令和3年度から創設されました。

さらに令和3年12月からは、これまで対象外だったテレワーク用サービス利用料も助成対象になって使いやすくなりました。

対象事業者

中小企業事業主のうち、以下の事業者が対象です。

・テレワーク勤務を新規に導入する事業主
・テレワークを試行的に導入している事業主
・テレワークを試行的に導入していた事業主

助成対象となる取り組み

人材確保等支援助成金(テレワークコース)で助成対象となる取り組みには、以下の5つがあります。

1.就業規則・労働協約・労使協定の作成・変更
2.外部専門家によるコンサルティング
3.テレワーク用通信機器等の導入・運用
4.労務管理担当者に対する研修
5.労働者に対する研修

対象経費

助成対象となる取り組みのうち、助成対象となる経費と助成対象外となる経費について説明します。

1.就業規則・労働協約・労使協定の作成・変更
①就業規則・労働協約の作成・変更費用(合計11万円を限度)
②労使協定の作成・変更費用(合計1万1000円を限度)

2.外部専門家によるコンサルティング
①コンサルティングを行う専門家への謝金、専門家の移動にかかった旅費、資料作成・印刷費(合計33万円を限度)

3.テレワーク用通信機器等の導入・運用
①ネットワーク機器
ネットワーク機器(VPNルータ・Wi-Fiルータなど)および付随する機器の購入・設置・設定・保守費用(合計16万5000円を限度)

②サーバ機器
サーバ機器については下記のいずれかが支給対象です。(合計55万円を限度)
※物理サーバ1台およびサーバに付随する機器などの購入・設置・設定・保守費用
※仮想サーバの導入・構築・設定・保守費用

③NAS機器
NAS機器1台および付随する機器(HDD、SSDなど)の購入・設置・設定・保守費用(合計11万円を限度)

④セキュリティ機器
セキュリティ機器(アプライアンス型統合脅威管理装置、ワンタイムパスワードトークンなどの認証装置など)および付随する機器(専用ユーティリティなど)の購入・設置・設定・保守費用(合計33万円を限度)

⑤ウェブ会議関係機器
テレワーク実施対象労働者が使用する機器のうち、下記に関する購入費用が支給対象です。
・ウェブカメラ
・マイク
・スピーカー
・ヘッドセット
・ヘッドフォン
・イヤフォン
(テレワーク実施対象労働者1人あたり合計1万1000円を限度)

⑥サテライトオフィス利用料
評価期間(機器等導入助成)におけるサテライトオフィス利用料のうち、下記金額を上限として支給対象とします。
対象期間・上限額:最大3か月分・合計33万円

⑦テレワーク用サービス利用料
下記のサービスに関する初期費用・利用料が支給対象です。

・リモートアクセスおよびリモートデスクトップサービス
・仮想デスクトップサービス
・クラウドPBXサービス
・Web会議等に用いるコミュニケーションサービス
・ウイルス対策およびエンドポイントセキュリティサービス

初期費用:上限5万5000円
利用料:合計38万5000円

4.労務管理担当者に対する研修
労務管理担当者に対する研修のうち、下記経費が支給対象となります。

・研修を行う専門家への謝金
・研修を行う専門家の旅費
・参加対象となる労務管理担当者の旅費
・研修会場の借料
・資料作成・印刷費
(合計11万円を限度)

5.労働者に対する研修
労働者に対する研修のうち、下記経費が支給対象となります。

・研修を行う専門家への謝金
・研修を行う専門家の旅費
・参加対象となる労働者の旅費
・研修会場の借料
・資料作成・印刷費
(合計11万円を限度)

全体の注意点

◆PC、タブレット、スマートフォンの購入費用・レンタル、リース費用は支給対象外です。
◆計上できる経費は、計画認定日以降支給申請書提出日までに実施が完了した取り組みに関する費用で、かつ計画認定日以降支給申請書提出日までに支払いが完了したものに限ります。
◆支払い方法は、原則として銀行振込とします。
◆クレジットカード・小切手・約束手形などで支払った場合、支給要領に定める申請書提出日までに口座引落がなされたことが確認できるものが対象です。

【対象外となる経費】
PC、タブレット、スマートフォンの購入費用・レンタル費用以外で、支給対象外となる経費は下記のとおりです。ここでは、一部について紹介いたします。
◆サテライトオフィスとして利用する物件の賃料など、不動産賃借料
◆サテライトオフィスに設置する機器などの購入費用
◆通信回線工事費(事業所・自宅の光回線やLANなどの整備費用) など
詳細は、支給要領を参照してください。

補助率、上限額

人材確保等支援助成金(テレワークコース)は、それぞれの支給要件を満たすと支給申請ができます。その支給要件と補助率・上限額は、下記のとおりです。

【注意点】
生産性要件には、下記の要件を満たしていることが求められます。
◆助成金の支給申請を行う直近の会計年度における生産性が、下記のいずれかを満たしていること
・3年度前と比べて6%以上伸びていること
・3年度前と比べて1%以上6%未満伸びており、かつ金融機関より一定の事業性評価を得ていること
◆生産性要件の算定期間中に、事業主都合による離職者を発生させていないこと

人材確保等支援助成金(テレワークコース)の申請方法

【公募期間】
令和4年4月1日~令和5年3月31日

申請の流れ

1.テレワーク実施計画の作成・提出
テレワーク実施計画(以下、実施計画)を作成して、提出してください。提出期限日は、下記のとおりです。
【提出期限日】
①テレワークをできるようにする取り組みの実施予定日のうち、もっとも早い日の1か月前の前日
②評価期間(機器等導入助成)開始予定日の1か月前の前日

【注意点】
テレワークを可能とする取り組みの実施予定日とは、下記に定める日を指します。

2.テレワーク実施計画の審査・認定
実施計画が提出されたら、管轄労働局にて内容の審査を実施します。基本的には、実施が難しいと思われる計画を提出するなどの問題がない限り認定されます。認定後に通知される「テレワーク実施計画認定通知書」により確認可能です。テレワーク実施計画が認定されるためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • テレワークを可能とする取組を1つ以上行う計画となっていること
  • テレワークを可能とする取組が労働者のテレワークの実施に資するものであり、労働者の職場への定着を促進するものであること
  • 支給対象となる経費の見込み額が適正な水準であり、かつ適切に計算されていること
  • テレワーク実施対象労働者が適切に指定されていること
  • テレワーク実施計画提出日時点で、申請事業主の全ての事業所において、就業規則又は労働協約により支給要領0301ニ (イ)及び(ロ)のいずれの項目についても規定していないこと
  • テレワーク実施計画の認定日以降に、支給要領0301ニ (イ)及び(ロ)の内容を規定した就業規則又は労働協約を新たに整備する計画となっていること
  • テレワーク実施計画を提出する事業主が、過去に、本助成金等を受給していないこと
  • 国又は地方公共団体等から、同一の経費に係る助成金等を受給していないこと
  • 対象事業所に所属する労働者の離職等に関する情報を記載し、計画時離職率を算出していること

3.テレワークを可能とする取り組みの実施
認定された実施計画に基づいて、テレワークを可能とする取り組みを実施します。取り組みの実施期間は、計画認定日を起点として、7か月以内です。

4.テレワーク実施状況の評価
評価期間(機器等導入助成)において、テレワーク実施対象労働者に在宅もしくはサテライトオフィスでテレワークを実施します。その後、設定した期間内に実施したテレワークに関する実績を確認してください。実績については、下記のいずれかを満たすことが必要です。条件を満たしていなければ、機器等導入助成の対象外となります。

◆テレワーク実施対象労働者全員が、1回以上テレワークを実施していること
◆テレワーク実施対象労働者の週間平均テレワーク実施回数が1回以上であること

【評価期間】
計画認定日を起点として6か月以内において、任意に設定した3か月間

5.機器等導入助成の支給申請
機器等導入助成の支給申請期限は、計画認定日を起点として7か月以内です。

6.テレワーク実施状況の評価
評価期間(目標達成助成)において、テレワークを実施して評価を行います。目標達成助成の評価期間は、下記のとおりです。
【評価期間】
機器等導入助成における評価期間の12か月後を起点として3か月間

【注意点】
目標達成助成については、下記の条件を満たしていることの確認が必要です。
目標達成助成の評価期間内に1回以上テレワークを実施した労働者の数が、「機器等導入助成の評価期間初日から12ヶ月を経過した日における対象事業所の労働者数×計画認定時点における対象事業所の労働者全体に占めるテレワーク実施対象労働者の割合」以上であること。

7.目標達成助成の支給申請
目標達成助成の支給申請期間は、評価時離職率算定期間の最終月の末日から起算して1か月以内です。

必要書類

ここでは、申請時に必要な書類と支給申請時に必要な書類についてまとめました。

【申請時に必要な書類】
申請時に必要となる基本書類は、下記の8種類です。ただし、審査の際に下記以外の書類提出を求められた場合は、必ず対応してください。

  • 中小企業事業主であることを確認するための書類
  • 人材確保等助成金(テレワークコース)テレワーク実施対象経費内訳書(様式第1号別紙1)
  • テレワーク実施対象労働者名簿(様式第1号別紙3)
  • 事業所確認票(様式第1号別紙3)※テレワーク事業計画書・変更書提出時に必要
  • 支給要領0303イに定める取組に要する費用の詳細を確認することのできる資料 ※資料の例(見積書・価格表・テレワーク用通信機器のカタログなど)
  • テレワーク実施計画提出日時点における全事業所に係る就業規則及び労働協約(写)
  • 対象事業所における計画時離職率算定期間の労働者の離職状況がわかる書類※提出書類の例((雇用保険一般被保険者については離職証明書の写し、雇用保険被保険者資格喪失確認通知書など)
  • テレワーク全体構成図

【機器等導入助成時】
機器等導入助成時に求められる提出書類は、下記の12種類です。ただし、別途提出を求められた場合は、該当する書類を速やかに提出してください。

  • 人材確保等助成金(テレワークコース)テレワーク実施対象経費内訳書(様式第1号別紙1)
  • 人材確保等支援助成金(テレワークコース)テレワーク用通信機器販売証明書(様式第6号)
  • テレワークを可能にする取り組みを実施したことが分かる資料
  • 費用を支出したことがわかる資料
  • 支払い実態を確認できる書類
  • テレワーク実施対象労働者のテレワークの実施状況、助成要件の達成状況が分かる資料
  • テレワーク実施対象労働者がテレワークを実施したと申請する日の業務時間に就業していたことが確認できる資料
  • テレワーク実施対象労働者がテレワークを実施したと申請する日の業務時間に在宅していた、又はサテライトオフィスにいたことが証明できる資料
  • 就業規則又は労働協約の写し
  • 支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)
  • 振込口座が確認できる書類
  • 労働者がテレワークを実施しやすい職場風土作りの取組について、労働者に周知した日付が分かる書類

【目標達成助成】
目標達成助成で支給申請する際に必要な書類は、下記の9種類です。ただし、審査にあたってこれ以外に提出を求められることがあります。

  • 評価期間(目標達成助成)においてテレワークを実施した労働者名簿(様式第8号別紙1)
  • 事業所確認票 様式第8号別紙2
  • テレワークの実施状況、助成要件の達成状況が分かる資料 様式第9号
  • 労働者がテレワークを実施したと申請する日の業務時間に就業していたことが確認できる資料
  • 労働者がテレワークを実施したと申請する日の業務時間に在宅していた、又はサテライトオフィスにいたことが証明できる資料
  • 離職率算定期間における、対象事業所の労働者の離職状況が分かる書類
  • 支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)
  • 生産性要件算定シート(共通要領様式第2号)及び算定の根拠となる証拠書類(損益計算書、総勘定元帳等)※生産性要件適用を希望する場合のみ
  • 振込口座が確認できる書類

▼様式については、下記URLよりダウンロードできます。

・人材確保等支援助成金(テレワークコース)の様式
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000199292_00010.html

・共通要領の様式
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/index_00018.html

人材確保等助成金(テレワークコース)活用のメリット

もともとテレワークは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防の観点から、各企業で導入されるようになった制度でした。しかし、現在では規模の大小を問わず、多くの企業で導入されています。特にこれまで制度として定めていなかった事業主にとって、就業規則の整備や必要な機器に関する費用などの関係で、導入に二の足を踏む企業は多いのではないでしょうか。

人材確保等助成金(テレワークコース)のようなテレワーク導入を目的とした助成金は、一部とはいえかかった経費を助成してもらえます。これまで導入をためらっていた企業には、特に申請をおすすめしたい助成金です。なお、テレワーク導入の効果として、総務省の「テレワーク先駆者百選 取り組み事例」より事例を2つご紹介します。

事例1.コンサルティングサービスを完全オンライン・クラウドサービス化

従来企業への直接訪問を中心に行っていたコンサルティング業務について、オンラインミーティングとクラウドサービスを活用した完全オンライン化に踏み切りました。
テレワーク導入にあたっては、沖縄県に設けたサテライトオフィスや完全在宅での業務を可能にしたことで、これまで活用できなかった子育て世代の女性やシニア世代のコンサルタント・業務補助職で優秀な人材の確保に成功しました。

事例2.テレワーク導入により家族との時間が増加

テスト運用という形で、スタートは部署単位でテレワークを導入。製品開発部でテストをして、徐々に対象を拡大していきました。3ヶ月間検証した結果、テレワークでも問題ないことがわかり、現在は全社で在宅によるリモートワークを実施中です。生産性の向上、残業時間の2割削減などの効果をあげるとともに、地方に住んでいる人から中途採用への応募や新卒採用への応募など、人材確保にも大きな成果をあげています。

参考:令和元年度 テレワーク先駆者百選 取り組み事例

まとめ

本記事では、人材確保等助成金(テレワークコース)についてご紹介しました。

テレワークは情報セキュリティやコミュニケーションなどの点から多くの課題があることも確かです。しかし、規模の大小を問わず、対策を立てることで優秀な人材確保につなげている企業も多く見られます。

これまで導入をためらっていた事業主の皆さまこそ、本補助金を活用してテレワーク環境を整備してみるのはいかがでしょうか。

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