2026年1月19日、高市早苗首相は首相官邸で記者会見を行い、1月23日に衆議院を解散する意向を正式に表明しました。今回の解散は、事実上の「高市カラー」と、新たな連立の枠組みに対する信認を問う初めての国政選挙となります。本記事では、首相が語った解散の決断理由、注目の経済政策、および確定した選挙日程について、会見内容をまとめました。
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この記事の目次
高市首相が解散を表明した理由
高市早苗首相は、衆議院解散の理由について、「高市政権の在り方と、進めようとしている大きな政策転換について、国民に是非を問う必要がある」と説明しました。
解散の時期が今でなければならない最大の理由として挙げたのが、現在の政権が、国民の審判を経ていない枠組みで成り立っているという点です。
前回の衆議院選挙では、自民党と公明党による連立政権を前提に選挙が行われましたが、その後、公明党との連立は解消され、日本維新の会との新たな連立体制に移行しました。あわせて、経済・財政政策や安全保障政策など、国の根幹に関わる分野で大きな方針転換が進められています。
国民に問いかけるための「政権選択選挙」
首相は、これらの政策の多くが、前回の衆院選の政権公約には記載されていなかった点を強調しました。また、当時は自身が内閣総理大臣として国家運営を担うこと自体、想定されていなかったとも述べています。
こうした状況のまま長期の国会審議に入るのではなく、国会が本格化する前に、国民の意思を確認するべきだとの判断が、解散に踏み切った理由だとしています。
「強い経済」を実現するための取組とは
首相は会見で、これまでの財政規律を重視する姿勢から転換し、責任ある積極財政によって税率を引き上げなくても税収が伸びる経済をつくる考えを示しました。2つの投資で狙う成長戦略
まず示されたのが、戦略的な財政出動による2つの投資の柱です。
【2つの投資の柱】
| 危機管理投資 | 食料・エネルギー・資源などの安全保障を強化し、暮らしの不安を減らす |
| 成長投資 | 新技術やスタートアップを育て、将来の稼ぐ力を高める |
このうち危機管理投資では、食料やエネルギー、重要鉱物、医薬品原料などを特定の国に過度に依存することが、経済や国民生活に直結するリスクになるとの認識が示されました。そのため、資源や原材料の国産化や調達先の多角化を進める方針が説明されています。
あわせて、国土強靱化、医療・健康安全保障、サイバーセキュリティの強化なども危機管理投資に含まれます。日本の技術や製品を国内で社会実装し、海外展開につなげることで、国民の安心を確保するとともに、経済成長にも結びつける考えです。
成長投資では、「戦略17分野」への重点投資やスタートアップ支援を通じて、技術力を世界水準に引き上げるとともに、全国各地で産業クラスターを形成し、「どこに住んでいても働く場所がある日本列島」を目指すと説明しました。
既に執行中の物価高対策は
一方で首相は、将来の成長だけでなく、今の暮らしを守る対策も同時に進めていると強調しています。令和7年度補正予算では、標準的な世帯で年間8万円を超える支援となる物価高対策が盛り込まれました。
【年間8万円超の支援】
| 支援内容 | |
|---|---|
| ガソリン・軽油の値下げ | 補助金による価格抑制 |
| 電気代・ガス代支援 | 光熱費負担を軽減 |
| 重点支援地方交付金 | 地域の実情に応じた物価高対策 |
| 子育て応援手当 | 物価高に直面する子育て世帯を支援 |
首相は、これらの対策は「待ったなしの課題」としてすでに執行段階にあり、解散によって止まることはないと説明しています。
消費税減税案も?手取りを増やす追加策
さらに、家計を支える施策として、次の取組もあわせて進める考えを示しました。
(令和7年度補正予算にて措置。月1万円~最大1.9万円の支援)
- 飲食料品の消費税を2年間ゼロとする案
(軽減税率の対象品目を想定し、今後国民会議で検討)
- 中低所得層の手取りを増やす「給付付き税額控除」
(制度設計を進め、減税と給付を組み合わせる仕組み)
当面の家計支援(8万円規模)と、賃上げ・減税といった構造的な施策を組み合わせることで、消費を下支えし、経済の好循環につなげる狙いです。
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衆議院解散で何が変わるのか
衆議院が解散されると国会はいったん区切りを迎え、総選挙を経て新たな国会が構成されます。ただし、解散によって行政や生活支援が止まるわけではありません。
高市首相は会見で、物価高対策を含む令和7年度補正予算はすでに成立しており、現在は執行段階にあると説明しました。ガソリンや電気・ガス代の支援、子育て支援などは、選挙期間中も継続して実施されるとしています。
衆議院が解散したら総理大臣はどうなる?
衆議院が解散されると、衆議院議員は議員の地位を失いますが、内閣総理大臣がただちに職を離れるわけではありません。
内閣総理大臣は「内閣の首長」として内閣を代表し、内閣全体の統一性を確保する立場にあります。そのため、衆議院の解散や衆議院議員の任期満了によって国会議員の身分を失った場合であっても、次の内閣総理大臣が任命されるまでの間は、引き続き総理大臣として職務を行います。
これは日本国憲法第71条に基づくもので、選挙期間中や国会が開かれていない間も、行政が停滞しないようにするための仕組みです。
予算審議の中断と暫定予算の可能性
内閣が存続し、行政運営が継続される一方で、国会での審議は衆議院解散により一時的に中断されます。新たな法律の成立や本格的な政策議論は、総選挙後に召集される国会まで進めることができません。
このため、令和8年度当初予算については、年度内成立が難しくなる可能性も指摘されています。その場合には、暫定予算によって行政サービスを維持する対応が取られます。首相は、高校無償化や給食費無償化など、4月から実施予定の施策については、暫定予算も含めて実現に向けて対応する考えを示しました。
勝敗ラインは「与党過半数」進退かける意向
また、今回の衆議院選挙は、事実上の「政権選択選挙」と位置づけられています。与党が過半数を維持できるかどうかによって、現在の政権体制が続くのか、それとも新たな政権が発足するのかが決まります。高市首相自身も、選挙結果が自身の進退に関わるとの認識を示しています。
解散総選挙の投票日はいつ?今後のスケジュール
衆議院選挙は、1月23日の解散後、1月27日に公示され、2月8日に投開票が行われる予定です。
| 区分 | 日程 |
| 衆議院解散 | 2026年1月23日 |
| 公示 | 2026年1月27日 |
| 投開票 | 2026年2月8日 |
首相は、解散・総選挙によって令和8年度当初予算の年度内成立が難しくなるとの指摘があることを認めたうえで、その影響をできるだけ抑えるため、短期決戦の日程を選択したと説明しました。
野党の反応
今回の早期解散に対し、野党各党からは時期や政策の整合性を問う声が上がっています。
立憲・国民「国会論戦や合意形成が先」
立憲民主党の野田代表は、「信を問いたいならもっと早く国会を開くべきだった」と指摘し、政治とカネの問題や物価高対策などの議論が尽くされていない段階での解散に疑問を呈しています。また、国民民主党の玉木代表も、年収の壁見直しなど「合意した約束が果たされないタイミングでの解散は残念だ」と述べ、政局よりも経済対策を優先すべきだったとの認識を示しました。
消費税減税の扱いが争点化
高市首相が打ち出した「飲食料品の消費税を2年間ゼロにする案」についても議論になっています。自民党内からは「連立合意の範囲内」とする声がある一方、立憲民主党など野党側は「発言がぶれている」「こちらは恒久的なゼロを訴える」と対決姿勢を鮮明にしており、税制のあり方が選挙戦の大きな争点となりそうです。
出典:NHK ONE 【20日の動き】衆議院解散表明で 高市首相は 与野党は 閣僚は
まとめ
今回の衆議院解散は、政権の進め方や政策の方向について、国民の判断をあらためて求めるための選挙と位置づけられています。高市首相は、重要な政策転換を進める以上、早い段階で民意を確認する必要があるとの考えを示しました。
会見では、「強い経済」を目指す中長期の投資と、物価高に対応する家計支援を同時に進める姿勢が語られました。すでに成立している補正予算による支援策は、選挙期間中も継続されるとされています。
一方で、選挙結果しだいでは政権の体制や首相の進退が左右される可能性もあります。今回の総選挙は、個々の政策だけでなく、今後どのような体制で国を運営していくのかを考える機会となりそうです。
出典:高市内閣総理大臣記者会見
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