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【2026年・令和8年度】業務用エアコン・換気設備の補助金まとめ|空調更新に使える国と自治体の制度

公開日:2022/6/21 更新日:2026/8/7
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電気料金の高止まり、エアコンの「2027年問題」、そして2050年カーボンニュートラルに向けた脱炭素の流れ——いま、業務用の換気・空調設備を「更新するなら今」と考える事業者が増えています。実際、大阪府の高効率空調機補助金には2026年8月3日時点で1,201件(暫定値)の申請が集まり、うち481件(40.0%)が交付決定に至りました。

東京都の「ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業」も、令和8年度は事業規模102.3億円で年6回の受付を実施しており、第3回申請は2026年8月14日(金)17時が締切です。国の制度でも、環境省の脱炭素ビルリノベ2026事業が2026年11月30日まで公募中です。

さらに、2025年6月施行の改正労働安全衛生規則で職場の熱中症対策が義務化されたことも、空調環境の見直しを後押ししています。この記事では、業務用の換気・空調設備の導入・更新に使える補助金を、国の制度と自治体の制度に分けて、2026年(令和8年度)時点の最新情報で整理します。「換気扇の補助金はあるのか?」というよくある疑問にも、最初にお答えします。

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この記事の目次

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換気・空調設備に使える補助金とは?2026年度に使える制度の全体像

換気・空調設備に使える補助金は、CO2排出量の削減や省エネルギー化を目的とした「省エネ補助金」が中心です。2026年度(令和8年度)は、国の制度として経済産業省の省エネ・非化石転換補助金と環境省の脱炭素ビルリノベ2026事業があり、これに東京都・大阪府・埼玉県などの自治体制度が加わります。

対象になるのは、主に業務用エアコン(高効率空調機)や全熱交換器(高機能換気設備)など、省エネ効果を数値で示せる設備です。逆にいえば、「CO2削減量や消費電力の削減量を数字で示せるか」が対象選定の軸になっている、と理解しておくと制度を選びやすくなります。

【換気・空調設備の補助金 早見表(2026年度)】
・国(設備単位で更新したい)… 省エネ・非化石転換補助金 設備単位型(Ⅲ型)/補助率1/3〜1/2
・国(工場・事業場全体で計画を立てる)… 省エネ・非化石転換補助金 工場・事業場型(Ⅰ型)/補助率最大2/3
・国(建物まるごと断熱+設備更新)… 脱炭素ビルリノベ2026事業/補助率1/2〜1/3・上限10億円
・東京都… ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業/助成率最大3/4・上限4,500万円
・大阪府… 中小事業者高効率空調機導入支援事業補助金/補助率1/2・上限500万円(令和8年度は受付終了)
・埼玉県… スマートCO2排出削減設備導入事業/補助率1/3〜1/2・上限300万〜1,000万円

なぜいま空調設備の更新が急がれているのか

空調設備の更新が急がれている理由は、「2027年問題」による価格上昇の懸念、冷媒規制による修理リスク、職場の熱中症対策の義務化という3つが重なっているためです。

まず、エアコンの「2027年問題」です。2027年4月から家庭用エアコンの省エネ基準(トップランナー基準)が引き上げられ、低価格帯モデルの減少と価格上昇が懸念されています。ただし、資源エネルギー庁は「2027年度以降に基準値を満たさない製品の製造・出荷を禁止するものではない」と明言しています。トップランナー制度はメーカーが年度ごとに出荷する製品全体の加重平均で評価する仕組みだからです。

なお、新基準が適用されるのは2027年度が壁掛形エアコン、壁掛形以外やマルチタイプは2029年度からです。業務用のパッケージエアコンやGHP(ガスヒートポンプ式冷暖房機)は別の基準で管理されており、「2027年4月に業務用エアコンが買えなくなる」わけではありません。とはいえ、市場全体が高効率機へシフトする流れは確実で、更新を前倒しする判断には合理性があります。

もうひとつの後押しが、職場の熱中症対策の義務化です。2025年6月1日施行の改正労働安全衛生規則により、一定の暑熱環境での作業について、事業者の熱中症対策が罰則付きの義務となりました。空調・換気設備の更新は、省エネと職場環境の改善を同時に進められる取り組みといえます。

換気扇の交換に補助金は使える?対象になる「換気設備」の考え方

事業者が換気扇そのものをピンポイントで交換する場合、それだけを対象とする補助金は国・自治体ともにほとんどありません。省エネ・脱炭素を目的とした補助金はCO2削減効果を評価の軸としているため、消費電力の小さい換気扇単体では、その効果を示しにくいからです。

ただし、「換気にまつわる設備」が補助の対象になるケースは確実に存在します。押さえておきたいのは、次の3つの考え方です。

事業者は「全熱交換器(高機能換気設備)」なら対象になりやすい

補助金の世界で「換気設備」として想定されているのは、多くの場合、全熱交換器(高機能換気設備)です。全熱交換器は、給気と排気の両方を機械で行い、その際に排気側の熱と湿気を給気側に移すことで、換気をしながら冷暖房のロスを抑えられます。

一般的な換気扇が「室内の空気を外に出すだけ(出た分は外気がそのまま入る)」なのに対し、全熱交換器は「換気しても室温・湿度を保ちやすい」点が違いです。この省エネ効果が評価され、東京都のゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業をはじめ、国や都道府県の省エネ補助金で対象設備に含まれることが一般的です。単なる換気扇ではなく、全熱交換器への更新・新設として検討するのがポイントになります。

住宅の換気設備は「みらいエコ住宅2026事業」で第一種換気設備が対象に

住宅(個人)の換気設備については、2026年度から状況が変わりました。国土交通省・環境省・経済産業省が連携するみらいエコ住宅2026事業のリフォーム部門で、補助対象製品に「第一種換気設備」が追加されたためです。あわせて、空気清浄機能・換気機能付きエアコンも新たに補助対象に加わりました。

ただし、換気設備やエアコンの単独申請はできません。開口部の断熱改修などの要件化工事と組み合わせ、合計補助額が5万円以上になることが条件です。また、申請は事務局に登録された住宅省エネ支援事業者が行うため、個人が直接申請することはできません。

住宅のリフォームで換気設備の更新を考えている方は、こちらの記事をご覧ください。

省エネリフォーム補助金2026は最大いくら?4事業の対象工事・金額・申請期間を徹底解説【令和8年度】

家庭用エアコンの買い替えに使える制度を探している方は、個人向けの制度をまとめた記事が参考になります。

【2026年9月】エアコン設置に使える補助金まとめ!申請方法や国・自治体の支援制度を紹介

飲食店の厨房ダクト・有圧換気扇は省エネ補助の対象になりにくい

飲食店の厨房で使われる業務用の排気設備(有圧換気扇やダクトなど)は、全熱交換器とは異なる設備のため、省エネ補助金の主な対象からは外れます。排気専用の設備であり、冷暖房のロスを抑える省エネ効果を数値で示しにくいことが理由です。

こうした設備の更新は、小規模事業者持続化補助金のように販路開拓や店舗改善を主目的とする制度で、工事費の一部として認められるかを個別に確認するのが現実的です。この場合は「換気扇のための補助金」ではなく、取り組み全体に付随する費用としての扱いになります。

補助金制度は自治体ごとに内容が大きく異なり、年度によって新設・終了もあります。「(自治体名)+補助金」で検索するか、補助金ポータルの検索機能から対象エリア・設備で絞り込み、最新情報を確認することをおすすめします。

業務用エアコン・空調設備の更新に使える国の補助金【2026年度】

業務用エアコンの更新に使える国の補助金は、経済産業省の「省エネ・非化石転換補助金」と、環境省の「脱炭素ビルリノベ2026事業」の2本柱です。設備を単体で入れ替えたいのか、事業場全体で省エネ計画を立てるのか、建物まるごと改修するのかによって、選ぶべき制度が変わります。

①省エネ・非化石転換補助金 設備単位型(Ⅲ型)

設備単位型(Ⅲ型)は、業務用エアコンだけをピンポイントで更新したい事業者に最も使いやすい制度です。事業所全体の省エネ計画を組まずに、設備単位で申請できる点が特徴です。

業務用エアコン、制御機能付きLED照明、変圧器、冷凍冷蔵設備、業務用給湯器、工作機械など15区分の指定設備が対象で、SIIが公表する指定設備一覧に型番が登録されていることが要件になります。2026年度(令和7年度補正予算)からは、GXに取り組むメーカーの設備を対象とする「GX設備単位型」(メーカー強化枠・トップ性能枠)が新設されました。

項目内容
対象設備空調設備(業務用エアコン)、冷凍・冷蔵設備、制御機能付きLED照明、変圧器、産業用モータなど、SIIが定める指定設備
補助率従来枠は1/3、GX設備単位型トップ性能枠は更新事業で1/2
補助上限額最大3億円
1次公募2026年3月30日〜4月27日(終了)
2次公募2026年6月1日〜7月9日(終了)
3次公募概要・スケジュールは詳細が決まり次第SIIホームページで公表予定

対象設備や申請の流れは、こちらの記事で詳しく解説しています。

【2026年】業務用エアコン・制御機能付きLED照明・変圧器の更新で使える省エネ補助金「設備単位型(Ⅲ型)」を解説

②省エネ・非化石転換補助金 工場・事業場型(Ⅰ型)

工場・事業場型(Ⅰ型)は、工場や事業場全体で省エネ計画を立て、空調・ボイラ・生産設備をまとめて更新する場合に使う制度です。「工場にエアコンを導入したい」「製造ラインの設備と一緒に空調も入れ替えたい」というケースが該当します。

中小企業者等は補助率最大2/3、補助金限度額は単年度15億円(非化石転換は20億円)で、複数年度事業や連携事業では事業全体で30〜40億円までの支援を受けられます。設備単位型より規模が大きい一方、事業所単位の省エネ計画の策定と、投資回収年数の要件を満たす必要があります。2026年度は1次・2次とも受付を終了しており、3次公募の詳細はSIIホームページで公表される予定です。

【2026年度】工場のボイラ・エアコン・生産設備更新で使える省エネ補助金「工場・事業場型(Ⅰ型)」を解説

なお、省エネ・非化石転換補助金は2つの申請型と4つの事業区分で構成されており、自社がどこに当てはまるか迷いやすい制度です。まず全体像を把握してから申請型を選ぶのがおすすめです。

【2026年】省エネ・非化石転換補助金とは?2つの申請型と4つの事業区分をわかりやすく整理

③脱炭素ビルリノベ2026事業(環境省)

脱炭素ビルリノベ2026事業は、既存のビル・店舗・学校などを「建物まるごと」脱炭素改修する事業者向けの制度です。正式名称は「業務用建築物の脱炭素改修加速化事業」で、外皮(窓・断熱)の高断熱化と高効率機器の導入をまとめて支援します。

項目内容
対象設備断熱窓、断熱材、高効率空調(業務用エアコン等)、制御機能付きLED照明器具、業務用給湯器、BEMS
主な要件改修後の外皮性能(BPI)が1.0以下であること。一次エネルギー消費量を省エネ基準から用途に応じて削減すること(ホテル・病院・百貨店・飲食店等は30%、事務所・学校等は40%程度以上)。BEMS等によるエネルギー管理を行うこと
補助率補助対象となる設備費・工事費・設計費の1/2〜1/3
補助上限・下限上限10億円/1事業、下限200万円/1事業(予算は令和10年度までで95億円)
公募期間(令和8年度)2026年6月4日〜2026年11月30日23時59分まで。交付決定額が予算額に達した場合、期間内でも受付を終了
申請方法jGrantsで申請。GビズIDプライム(メンバー)アカウントが必要。契約・発注は必ず交付決定後に行う

複数年度にまたがる大規模改修を年度の切れ目なく実施できる点が特徴で、特別養護老人ホームや学校体育館、事務所などの活用事例が公表されています。

【2026年度・令和8年度】脱炭素ビルリノベ事業の補助率・対象・申請手順を徹底解説

自治体の空調・換気設備補助金【東京都・大阪府・埼玉県】

自治体の空調・換気設備補助金は、地域・年度ごとに内容が大きく異なります。ここで挙げる3制度は代表例として、お住まいの地域の制度を確認する手がかりにしてください。国の制度より補助率が高い一方、予算規模が小さく受付期間が短い傾向があります。

東京都:ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業

本制度は、都内の中小規模事業所が、空調・全熱交換器・LEDなどの省エネ設備を更新するときに使える助成金です。令和8年度の事業規模は102.3億円で、令和5年度から令和8年度までの事業として実施されています。

【助成対象設備】
高効率空調設備、全熱交換器、LED照明設備、高効率ボイラー、高効率変圧器、断熱窓、高効率コンプレッサ、高効率冷凍冷蔵設備など(人感センサー等による運用改善も対象)

【助成対象経費】
設計費・設備費・工事費

【助成対象者】
中小企業等(中小企業、学校法人、公益財団法人、医療法人、社会福祉法人等)と、共同で事業を実施するリース事業者・ESCO事業者

助成率・助成上限額は、取り組み内容により次の3段階です。

取り組み内容助成率助成上限額
年間CO2排出量を更新前比28t-CO2以上削減できる省エネ設備の導入・運用改善3/44,500万円
省エネコンサルティング・省エネ診断の提案に基づき、年間CO2排出量を更新前比3t-CO2または30%以上削減2/32,500万円
自ら計画を作成し、年間CO2排出量を更新前比3t-CO2または30%以上削減2/31,000万円

令和8年度の申請受付は年6回で、第3回申請は2026年7月31日(金)から8月14日(金)17時必着です。第4回は9月16日〜10月2日、第5回は11月9日〜11月20日、第6回は令和9年1月18日〜1月29日が予定されています。

【重要】東京都の制度は先着順ではありません
各回の交付申請で予算を超過した場合、受付期間中に申請のあったものを対象に抽選が行われます。早く出した順ではないため、書類を整えて確実に期間内に提出することが重要です。なお、交付申請後に申請区分を変更することはできません。

【令和8年度】東京都ゼロエミ省エネ補助金とは?最大4,500万円・助成率3/4|第3回申請は7月31日開始

助成率2/3・上限2,500万円の区分を狙う場合は、事前にクール・ネット東京の省エネ診断または省エネコンサルティングを受診する必要があります。診断の仕組みはこちらで解説しています。

光熱費が下がる!省エネ診断とは?最低6,006円で専門家に診断してもらえる中小企業向け制度【2026年版】

大阪府:中小事業者高効率空調機導入支援事業補助金

本制度は、大阪府内の工場・事業場で、既存の空調機を高効率空調機へ「更新」する中小事業者向けの補助金です。令和8年度の申請受付は2026年6月30日をもって終了しました。

項目内容
対象者大阪府内で運営する工場・事業場において、既存の空調機を高効率空調機へ更新する中小事業者。府の脱炭素経営宣言登録制度に基づく宣言が必要。リースの活用でも申請可能
対象設備グリーン購入法の基準を満たすエアコンディショナー、ガスヒートポンプ式冷暖房機(GHP)
対象経費設備費(高効率空調機本体+付帯設備)、工事関連費(設計、工事、既存空調機の撤去・処分)
補助率・上限補助対象経費の1/2以内、上限500万円(1法人あたり)、下限20万円
令和8年度の実績2026年8月3日時点で1,201件(暫定値)の申請を受付、うち481件(40.0%)が交付決定
選定方法予算の範囲内で先着順。申請から交付決定通知書の発送まで4か月程度かかる場合がある

物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用した事業のため、翌年度の実施は国の予算措置に左右されます。令和9年度以降の実施を検討している事業者は、大阪府のページを定期的に確認しておきましょう。

参考:令和8年度 中小事業者高効率空調機導入支援事業補助金(大阪府)

埼玉県:スマートCO2排出削減設備導入事業

本制度は、埼玉県内の中小企業等が高効率空調への更新や太陽光発電の新設などを行うときに使える補助金です。県内の事業所で申請時点で1年以上(再生可能エネルギー利用設備は1か月以上)営業していることが条件で、年間CO2削減量3t以上・補助対象経費30万円以上の事業が対象になります。

対象事業補助率補助上限額
(1)高効率省エネルギー設備への更新(空調・ボイラー・コンプレッサー・変圧器・冷凍冷蔵設備等)補助対象経費の1/3以内300万円
(2)再生可能エネルギー利用設備の導入(蓄電池の設置を伴う太陽光発電等)補助対象経費の1/3以内500万円
(3)CO2排出量の少ない燃料等への設備更新補助対象経費の1/3以内300万円
(4)EMSと(1)〜(3)の同時導入補助対象経費の1/2以内1,000万円

対象事業4(EMSと設備更新等の同時導入)は2026年7月10日で受付を終了しました。対象事業1〜3および対象事業4の二次募集の受付開始時期は、決まり次第、埼玉県のホームページで案内される予定です。照明設備は対象外である点、同一の設備で国等の補助金と併用できない点にも注意しましょう。

参考:令和8年度 スマートCO2排出削減設備導入事業(埼玉県)

補助金が使えないときの選択肢は?リース・税制優遇・熱中症対策の助成金

補助金の公募が終わっている、あるいは要件に合わないという場合でも、空調設備の負担を軽くする手段は残されています。リース活用・税制優遇・熱中症対策の助成金という3つの選択肢を押さえておきましょう。

リースで導入しても申請できる補助金がある

業務用エアコンをリースで導入する場合でも、補助金を申請できる制度があります。東京都のゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業では、中小企業等と共同で事業を実施するリース事業者・ESCO事業者が助成対象者に含まれます。大阪府の高効率空調機補助金でも、リース事業者を代表、利用者を共同申請者とする形で申請が可能でした。

ただし、リース料金の根拠設定資料やリース会社と設備利用者との契約書案など、追加の提出書類が求められます。リースでの申請を検討する場合は、リース会社に補助金申請の実績があるかを早い段階で確認しておくと安心です。

補助金が使えないときはCN税制(税額控除・特別償却)

補助金の代わりに使える制度として、カーボンニュートラルに向けた投資促進税制(CN税制)があります。中小企業なら最大14%の税額控除が受けられる仕組みで、令和8年度税制改正により計画認定の期限が2028年3月31日まで延長されました。

一方で、税額控除率・特別償却率は縮小され、求められる炭素生産性の向上率は引き上げられています。補助金は「もらう」制度、税制優遇は「納税額を減らす」制度という違いがあるため、自社の投資規模と利益状況を踏まえて比較検討しましょう。

【2026年度】カーボンニュートラルに向けた投資促進税制(CN税制)とは?中小企業なら最大14%の税額控除、対象設備や申請方法をわかりやすく解説

スポットクーラー・空調服はエイジフレンドリー補助金の対象

据付型の空調設備ではなく、移動式スポットクーラーや空調服(ファン付き作業服)を導入したい場合は、厚生労働省のエイジフレンドリー補助金「熱中症対策コース」が使えます。令和8年度は独立コースに格上げされ、中小企業事業者に補助率1/2・上限100万円が支給されます。

省エネ補助金では対象外になりがちな設備でも、労働安全衛生の観点から支援を受けられるケースがあるということです。工場や建設現場、屋外作業を伴う事業所では、こちらのほうが実態に合う場合もあります。

【2026年最新】熱中症対策コースとは?空調服・スポットクーラーを補助|エイジフレンドリー補助金

換気・空調設備の補助金を申請するときの注意点

換気・空調設備の補助金で最も多い失敗は、交付決定前に発注してしまうケースです。情報収集から採択までをスムーズに進めるために、あらかじめ次の4点を押さえておきましょう。

着工前(交付決定前)の発注・契約は対象外

今回紹介した制度はすべて、交付決定の前に発注・契約・工事に着手すると補助対象外になります。「申請して交付決定を受けてから動く」が大原則です。

特に注意したいのが、繁忙期の設備トラブルです。夏場にエアコンが故障して急いで入れ替えると、補助金は一切使えません。更新の必要性が見えている設備は、故障を待たずに計画的に申請することが結果的にコスト削減につながります。

先着順か抽選かで戦略が変わる

制度によって選定方法が異なるため、事前の確認が欠かせません。大阪府の高効率空調機補助金や国の脱炭素ビルリノベ事業は予算に達し次第受付終了となる先着順型で、公募開始直後の申請が有利です。

一方、東京都のゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業は、予算を超過した場合に受付期間中の申請を対象とした抽選が行われます。この場合、初日に出しても最終日に出しても当選確率は変わりません。焦って書類の精度を落とすより、期間内に不備なく提出することを優先しましょう。

見積は複数社から取り、工事費の割合に注意

多くの制度で、2社以上からの相見積が求められます。加えて、大阪府の制度では「見積金額が市場価格と乖離している場合は補助対象外となることがある」「設備費より工事関連費が高額になっている場合は注意」と明記されています。

「実質0円になります」といったセールストークには注意が必要です。クール・ネット東京も、受注金額の一部をキャッシュバックして自己負担をなくすという勧誘について注意喚起を行っており、助成額をキャッシュバックに利用する行為は不正虚偽にあたるとしています。補助金は対象経費の一部を助成するもので、残りは自己負担になるのが原則です。

採択されないこともある

補助金は審査があるため、申請すれば必ず受け取れるわけではありません。要件を満たすことはもちろん、事業計画書が必要な場合は、補助金の必要性や事業の整合性、企業の優位性・将来性が伝わる内容になっているかを改めて確認しましょう。

また、多くの制度で交付決定後に工事完了届・実績報告書の提出が求められ、期限を過ぎると補助金が受け取れません。申請時点で工事スケジュールと報告期限を照らし合わせておくことが大切です。

省エネ関連の補助金全体の種類と補助率を比較したい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

省エネ補助金とは?種類一覧と補助率まとめ【2027年度の見通しも】

換気・空調設備の補助金に関するよくある質問

換気扇の交換に補助金は使える?

事業者向けでは、換気扇そのものを対象とする補助金はほとんどありません。省エネ・脱炭素を目的とした補助金は省エネ効果で対象を判断するため、消費電力の小さい換気扇単体では対象になりにくいためです。一方、給気と排気の熱を交換して冷暖房のロスを抑える全熱交換器(高機能換気設備)であれば、東京都のゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業など、国や都道府県の省エネ補助金の対象設備に含まれることが一般的です。換気設備の更新を補助金で行いたい場合は、全熱交換器への更新・新設として検討するのがおすすめです。

業務用エアコン(空調設備)の更新に使える補助金はある?

あります。国の「省エネ・非化石転換補助金」では設備単位型(Ⅲ型)で業務用エアコンが対象になり、補助率は従来枠で1/3、GX設備単位型トップ性能枠では更新事業で1/2です。環境省の脱炭素ビルリノベ2026事業でも高効率空調が対象で、2026年11月30日まで公募中です。自治体でも、東京都のゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業(助成率最大3/4・上限4,500万円)などがあります。工場・事業場での既存設備の更新が対象になりやすいので、所在地の自治体制度とあわせて確認しましょう。

工場へのエアコン導入に補助金は使える?

使えます。空調だけを入れ替えるなら省エネ・非化石転換補助金の設備単位型(Ⅲ型)、ボイラや生産設備とまとめて更新するなら工場・事業場型(Ⅰ型)が候補になります。工場・事業場型は中小企業者等で補助率最大2/3、補助金限度額は単年度15億円と規模が大きい一方、事業所単位の省エネ計画の策定が前提です。なお、既存設備の更新が原則で、新たに事業活動を開始する新築・新設の事業所に導入する設備は従来枠では対象外となる点に注意しましょう。

飲食店のダクト工事や厨房の換気扇は補助対象になる?

飲食店の厨房で使う有圧換気扇やダクトなどの排気設備は、全熱交換器とは異なる設備のため、省エネ補助金の主な対象からは外れます。排気専用で、冷暖房のロスを抑える省エネ効果を数値で示しにくいことが理由です。ただし、小規模事業者持続化補助金のように販路開拓や店舗改善を主目的とする制度では、取り組み全体に付随する工事費として認められる場合があります。また、飲食店の客席の空調機を高効率機へ更新する場合は、東京都や大阪府などの自治体制度の対象になり得ます。

業務用エアコンをリースで導入しても補助金は使える?

制度によっては使えます。東京都のゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業では、中小企業等と共同で事業を実施するリース事業者・ESCO事業者が助成対象者に含まれます。大阪府の中小事業者高効率空調機導入支援事業補助金でも、リース事業者を代表、利用者を共同申請者とする形で申請できました。ただし、リース料金の根拠設定資料やリース会社と設備利用者との契約書案など追加書類が必要になるため、リース会社に補助金申請の実績があるかを事前に確認しておくと安心です。

GHP(ガスヒートポンプエアコン)は補助対象になる?

なります。大阪府の中小事業者高効率空調機導入支援事業補助金では、グリーン購入法の基準を満たすエアコンディショナーとガスヒートポンプ式冷暖房機(GHP)が明確に対象設備とされていました。国の省エネ・非化石転換補助金の設備単位型でも、SIIの指定設備一覧にガスヒートポンプエアコンが登録されています。いずれの場合も、型番が公表されている対象設備一覧に載っていることが要件になるため、機種選定の段階でSIIの指定設備一覧を確認しましょう。

個人(家庭)の換気扇やエアコン交換に使える補助金はある?

あります。2026年度は、みらいエコ住宅2026事業のリフォーム部門で補助対象製品に第一種換気設備が追加され、空気清浄機能・換気機能付きエアコンも新たに対象になりました。ただし換気設備やエアコンの単独申請はできず、開口部の断熱改修などの要件化工事と組み合わせ、合計補助額が5万円以上になることが条件です。申請は事務局に登録された住宅省エネ支援事業者が行うため、個人が直接申請することはできません。このほか、東京ゼロエミポイントのように自治体独自の省エネ家電支援制度もあります。

2026年度(令和8年度)の空調補助金はいつ申請できる?

2026年8月時点で申請できるのは、環境省の脱炭素ビルリノベ2026事業(2026年11月30日23時59分まで)と、東京都のゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業(第3回は2026年8月14日17時必着、以降第4回9月16日〜10月2日、第5回11月9日〜11月20日、第6回令和9年1月18日〜1月29日)です。国の省エネ・非化石転換補助金は1次・2次の受付が終了しており、3次公募の日程は詳細が決まり次第SIIホームページで公表されます。

交付決定前に業者へ発注してしまった場合はどうなる?

補助対象外となり、その設備については補助金を受け取れません。今回紹介した国・自治体の制度はいずれも、交付決定後に発注・契約・工事を行うことを要件としています。見積を取る段階までは問題ありませんが、契約書の締結や工事の着手は交付決定通知を受けてからにしましょう。なお、交付決定通知書の交付前に工事費用の支払いを求める勧誘は詐欺の可能性があるとして、クール・ネット東京が注意喚起を行っています。不審な連絡を受けた場合は、事業窓口や警察へ相談してください。

国の補助金と自治体の補助金は併用できる?

同一の設備に対して国と自治体の補助金を重ねて受けることは、原則としてできません。埼玉県のスマートCO2排出削減設備導入事業でも「同一の設備で、国等の補助金との併用はできません」と明記されています。ただし、更新する設備が複数ある場合に、空調は国の制度、LED照明は自治体の制度というように対象設備を分けて申請できるケースはあります。判断に迷う場合は、申請前に各制度の事務局へ確認するのが確実です。


まとめ

ここまで、換気・空調設備の導入・更新に使える補助金を、国の制度と自治体の制度に分けて紹介しました。事業者が換気設備の更新で補助金を狙うなら、換気扇単体ではなく全熱交換器(高機能換気設備)として検討するのが基本です。

2026年8月時点で申請できる主な制度は、環境省の脱炭素ビルリノベ2026事業(11月30日まで)と、東京都のゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業(第3回は8月14日17時必着)です。国の省エネ・非化石転換補助金は3次公募の発表を待つ段階にあります。

電気料金の高止まり、エアコンの「2027年問題」、職場の熱中症対策の義務化と、設備更新を後押しする要因は重なっています。制度ごとに対象や期間、補助率は異なり、年度ごとに内容も変わりますので、自社に合った支援制度を見つけて、早めに準備・申請してみてください。

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