新型コロナウイルス感染拡大で経営に大きな影響を受けた、農林漁業者に向けて
農林水産省から【経営継続補助金】の2次募集の受付が開始しました。
2次の受付締切は2020年11月19日(木)までで、採択結果の公表は審査終了後と予定されています。
持続化給付金を利用した方、持続化給付金が受けられなかった方も申請が
可能となりますので、今回の受付分での採択を是非目指していただきたいと思います。
今回は「販路開拓・回復」「生産・販売方式の確立・転換」などの経営継続に向けた農林漁業者の取組を支援する「経営継続補助金」について紹介します。
この記事の目次
令和2年度第2次農林水産関係補正予算 経営継続補助金
本補助金「経営継続補助金」は、新型コロナウイルス感染症の影響を克服する為に、
感染拡大防止対策を行いつつ、販路回復・開拓や事業継続・転換のための機械・設備の導入や人手不足解消の取組を総合的に支援することによって、
地域を支える農林漁業者の経営の継続を図ることを目的としています。
地域を担う農林漁業者の経営の継続(令和3年度までに利益又は売上が増加する農林漁業者の割合が80%以上)を事業の目的とし、前年の収入との比較要件はなく、かかった経費の一部を補填する補助金となります。
【事業イメージ 農林水産省 経営継続補助金の概要より】
※留意点※
本事業は、給付金ではありません。
一定の行為に対して補助するものである為、自己負担が発生します。
例えば
単独申請では、最大150万円の補助を受ける場合の自己負担は約33万円。
共同申請では、最大1,500万円の補助を受ける場合の自己負担は約330万円
となります。
経営継続補助金の受付期間
受付期間は下記の通りになります。
2次の受付は2020年10月19日~スタートしています。
1次受付締切 | 2次受付締切 | |
---|---|---|
受付締切 | 2020年7月29日 | 2020年11月19日 |
採択発表 | 2020年10月16日 | 審査終了後 |
※採択、不採択、補助対象外経費、書類の不備について郵便より通知
*(必要に応じて)書類修正後に補助金交付決定が通知
採択計画に基づく事業の実施期限
下記の実施期限を基に機器の導入時期や実施期間の時期をご検討ください。
また、支援機関の支援を受けながら申請することが必須となります。
※支援機関については「支援機関について」の項目を参照してください。
1次募集
* 12月末(原則):事業実施期間の終了
※機械の納品が遅れるなどやむを得ない事情があると
支援機関が認めた場合は2月末まで延長が可能です。
* 令和3年1月29日(原則)「支援機関」の確認を受けて、実績報告書を提出
* 実績確認後、順次 補助金の受領
2次募集
* 令和3年2月末(原則):事業実施期間の終了
※事業の実施期限については、
機械等の納品が遅れるなど個別に農林漁業者の事情を踏まえた対応を検討します。
* 令和3年3月19日(原則) 「支援機関」の確認を受けて、実績報告書を提出
* 実績確認後、順次 補助金の受領
経営継続補助金の補助対象者
農林漁業者(個人・法人)
※常時従業員数が20人以下
・個人の農林漁業者
・農事組合法人
・社会福祉法人
・一般社団法人・公益社団法人
・NPO法人
・農業法人(会社法に基づく法人)
・農林漁業を営む協同組合等の組合 等
経営継続補助金の補助対象経費
対象経費について、下記の条件をすべて満たす経費が対象になります。
また取組毎によっての経費も記載しているので参考にしていただければと思います。
1.使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
2.令和2年5月14日以降に発生し、実施期間中に支払いが完了した経費
3.証拠資料等によって支払金額が確認できる経費
(1)経営継続に関する取組に要する経費
① 機械装置等費
② 広報費
③ 展示会等出展費
④ 旅費
⑤ 開発・取得費
⑥ 雑役務費
⑦ 借料
⑧ 専門家謝金
⑨ 専門家旅費
⑩ 設備処分費
⑪ 委託費
⑫ 外注費
(2)感染拡大防止の取組に要する経費
① 消毒費用
② マスク費用
③ 清掃費用
④ 飛沫対策費用
⑤ 換気費用
⑥ その他の衛生管理費用
⑦ PR費用
対象となる取組
新型コロナウイルス感染症拡大防止を前提とした「感染拡大防止対策の取組」と
申請時に策定した経営計画に基づいて実施する「経営の継続に向けた取組」の
2つの取り組みが対象となります。
(1)農協、森林組合、漁協等の「支援機関」による計画制作・申請から実施までの
伴走支援を受けた①~③のいずれかを含む経営の継続に向けた取組を支援策。
① 国内外の販路の回復・開拓
② 事業の継続・回復のための生産・販売方式の確立・転換
③ 円滑な合意形成の促進等
※補助対象経費の1/6以上を業種別ガイドライン等に則した
「接触機会を減らす生産・販売への転換」又は「感染時の業務継続体制の構築」に
充てる必要があります。
(2)事業活動別本格化のための業種別ガイドライン等に則した感染防止対策
※業種別ガイドラインは、こちら
※「経営計画」の内容については、[こちら]
経営継続補助金の補助内容・補助上限額
単独申請 | グループ(共同)申請 |
---|---|
150万円 | 1,500万円 |
単独申請のケース
(1)経営継続に関する取組に要する経費
【補助率 3/4、 補助上限額 100万円】
(2)感染拡大防止の取組に要する経費
【補助率、定額、 補助上限額 50万円】
※10人で1,500万円と考えている為、2人のグループ申請の場合は300万円が上限。
11人以上は1,500万円 となります。
経営継続補助金の補助要件
今回の補助金は
補助対象費の1/6以上を感染拡大防止対策の経費に充てる必要がある為、
次のいずれかの類型に係る経費に充てる必要があります。
A:接触機会を減らす生産・販売への転換に要する経費
(例1)生産・出荷現場で作業員間の接触を減らすための省力化機械の導入
(例2)作業場や倉庫等において、作業人員間の距離を広げるため、
別用途に供されていたスペースを統合し、より広い作業空間を確保する場合や
導線等のレイアウトを変更する場合
(例3)人と人との接触機会を減らす販売方法(ネット販売、無人販売など)の開始
B:感染時の業務継続体制の構築に要する経費
(例1)人員削減に備えた方針づくり(「事業継続計画」の策定など)
(例2)感染拡大時に経営継続のための体制づくり(Web会議システムの導入など)
接触機会を減らす省力化機械等の例
農林水産省より補助対象機器についていくつか例が上げられており
一部抜粋しましたので参考にしてください。
1.野菜苗移植機:人手による植付作業を自動化。一人で作業可能に
2.農薬散布用ドローン:上空から農薬を広範囲に効率的に散布。
複数人での作業を解消
3.漁船用高機能無線機:漁場探索、漁獲に係る様々なデータを漁船・漁協関係者が
瞬時に共有。漁獲方針の検討、報告等に係る接触機会を削減。
申請から補助金受領までの流れ
今回の補助金は支援機関から作成支援、実行支援を受けながら申請を行い、
支援の下「経営計画」「事業の実施」の計画を立てていく為、
初めて補助金申請をする方でも安心です。
支援機関について
「支援機関」は、農林水産省より農林漁業の経営指導や6次化推進の業務について
一定の実績のある機関として、以下の機関を指定・公表しています。
※下記の支援機関から伴走支援を受けることが必須になります。
* 農協・農業協同組合号連合会
* 森林組合・森林組合連合会
* 漁協・漁業協同組合連合会
* 農業英英相談所
* その他経営局長が認めた機関(6次産業化サポートセンター、業界団体など)
農林水産省HP
補助金事務局HP
経営継続補助金のまとめ
今回は今般から開始された農林水産省から農林漁業者の
経営継続及び新型コロナウイルス感染症拡大防止を支援する補助金制度「経営継続補助金」について紹介しました。
国事業での農林漁業者向けの補助金制度は経営継続補助金が初めてになりますので、活用したい事業者の方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
また冒頭でも記載した通り今回の補助金は、
持続化給付金を利用した方や今年度から事業を始めた方でも利用可能です。
支援機関から支援を受けながら申請を行っていく為、補助金の申請が初めての方でも安心して進められると思いますので是非ご活用頂きたい補助金になります。