結婚後のお金のやりくりをどうするかは、結婚にまつわる大きな悩みの1つです。実は、結婚を機に「もらえるお金」は1つではなく、国の交付金を活用した結婚助成金(結婚新生活支援事業)をはじめ、自治体独自の祝い金、移住支援金など複数の選択肢があります。
なかでも結婚助成金(結婚新生活支援事業)は、年齢等の要件を満たせば、家賃や引越し費用等の新生活にかかる費用を最大60万円まで支援してもらえる制度です。この記事では、結婚したらもらえるお金の全体像から、金額・対象者・申請方法、対象になる自治体までをまとめて解説します。
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この記事の目次
結婚したらもらえるお金は?【2026年度版】
「結婚助成金」「結婚補助金」などと呼ばれることもありますが、結婚を機にもらえるお金は1つではありません。代表的なものは次の4つ。いずれも、自分が住む(または住む予定の)自治体が対象かどうかで利用可否が変わるため、まずは全体像をつかんでおきましょう。
| 制度・支援 | もらえる目安額 | 主な対象・ポイント |
|---|---|---|
| ① 結婚新生活支援事業(結婚助成金) | 最大60万円 | 新婚世帯の家賃・引越・住宅取得費などを補助。実施自治体のみ。本記事のメインテーマ |
| ② 自治体独自の結婚祝い金・結婚手当 | 数万円〜 | 市区町村が独自に支給。商品券などの形のことも。一部自治体のみ |
| ③ 移住支援金(結婚を機に地方移住する場合) | 世帯最大100万円+子ども加算 | 東京23区から地方へ移住し就業・起業等をする世帯が対象。①とは別制度 |
| ④ 東京都「TOKYOふたり結婚応援パスポート」 | 協賛店の優待 | 都内の結婚予定/新婚カップル向け。年齢・所得要件なし |
※金額・要件は自治体や年度によって異なります。上記はいずれも目安です。
このうち、もっとも金額が大きく、多くの人が対象になりうるのが①の結婚新生活支援事業です。まずはこの制度を詳しく見ていき、②〜④は記事後半の「結婚を機にもらえるその他のお金」でまとめて紹介します。
結婚新生活支援事業(結婚助成金)とは
結婚新生活支援事業とは、これから夫婦として新生活をスタートさせる世帯を対象に、結婚に伴う新生活にかかる費用を支援する制度です。「結婚助成金」「結婚補助金」と呼ばれることもあります。
この事業は、国(こども家庭庁)が「地域少子化対策重点推進交付金」で自治体を支援し、その交付金を使って各自治体が独自に実施するものです。つまり「国から直接もらう」のではなく、住んでいる自治体が実施していれば申請できるという仕組みです。
そのため、お住まいの地域で実施されているかどうかの確認が欠かせません。気になる方は、市区町村の役所に問い合わせるか、「結婚新生活支援 〇〇市(お住まいの市区町村)」で検索してみてください。
なお、国の交付金は今後さらに拡充される方針が示されており、結婚に伴う新生活への支援は国としても強化される流れにあります。
結婚助成金はいくらもらえる?
支援額は地域や世帯の条件によって異なりますが、国の基準は年齢によって次のように分かれます。
・夫婦ともに婚姻日時点の年齢が29歳以下の世帯…1世帯あたり最大60万円
・夫婦ともに婚姻日時点の年齢が39歳以下の世帯…1世帯あたり最大30万円
ただし、これは「かかった対象経費に対して」支給されるもので、一律に60万円(30万円)が交付されるわけではありません。上限額や対象範囲は市区町村によって異なります。
対象者・条件
対象世帯や対象費用・上限額の条件などは、それぞれの自治体により異なります。以下は一例として、岡山県内の対象市町村の支援内容です。
| 結婚新生活支援事業(岡山県の例) | 内容・詳細 |
|---|---|
| 対象世帯 | 以下をすべて満たす場合 ・世帯所得500万円未満 ・夫婦ともに婚姻日時点の年齢が39歳以下 ・新規に婚姻した世帯 |
| 対象経費 | 新生活に係る費用 (住宅取得費用、住宅賃借費用、リフォーム費用、引越費用) |
| 1世帯あたりの上限額 | 夫婦ともに婚姻日時点29歳以下…60万円 上記以外…30万円 ※市町村により異なる |
このほか、自治体によっては次のような要件が設けられている場合があります。
・対象となる住宅が市(区町村)内にあること
・暴力団員および暴力団関係者でないこと
・一定期間以上定住する意思があること
・過去にこの補助金(他自治体実施分を含む)の交付を受けていないこと
申請前に知っておきたい3つのポイント
●「所得」と「収入」は別物
要件の「合計所得500万円未満」は年収ではなく所得です。会社員の場合、年収では650万円前後が目安になります。所得は収入から給与所得控除などを差し引いた額です。
●奨学金返済中なら控除できる
貸与型奨学金を返済している場合、その年間返済額を合計所得から差し引いて判定できる自治体が多くあります。所得が少し超えていても対象になることがあるので諦めないでください。
●パートナーシップ宣誓も対象に
近年は、同性カップルなどのパートナーシップ宣誓をした世帯を対象に含める自治体が増えています。
結婚助成金が対象になる自治体は?【2026年度版】
結婚新生活支援事業は、多くの場合、主に地方の自治体で行われています。令和7年度の結婚新生活支援事業の交付決定一覧を調べたところ、全国894の市区町村で実施されたという結果でした。
参考:令和7年度 地域少子化対策重点推進交付金(結婚新生活支援事業) 交付決定一覧(4ページ目以降)
ただ、実施しているのは主に地方・小規模の市町村が中心で、東京23区や大都市では実施していない(または独自制度に置き換えている)ケースが多いです。そのため、「自分の街は対象か」を最初に確認確認するのがおすすめです。
自治体別の実施状況
2026年5月時点で、全国の主な自治体別の、結婚新生活支援事業の実施状況を紹介します。
金額は世帯あたりの上限です。年齢区分は「29歳以下=最大60万円/39歳以下=最大30万円」が国の基準で、自治体により上限額や区分が異なる場合があります。
【首都圏】
| 自治体 | 上限額 | 年齢要件 | 所得要件 |
|---|---|---|---|
| 東京都・立川市 | 最大30万円 | 夫婦ともに39歳以下 | 合計所得500万円未満 |
| 東京都・青梅市 | 最大60万円(条件により) | 39歳以下 | 合計所得500万円未満 (奨学金控除あり) |
| 千葉県・市川市 | 最大29万円/年 (初期費用+家賃補助) | 夫婦ともに39歳以下 | 合計所得500万円未満 |
| 神奈川県・相模原市 | 引越し費用 最大15万円 | 夫婦ともに39歳以下 | 合計所得500万円未満 (奨学金控除あり) |
【主要政令市・市部】
| 自治体 | 上限額 | 年齢要件 | 所得要件 |
|---|---|---|---|
| 愛知県・名古屋市 | 最大60万円/30万円 (△金額要確認) | 夫婦ともに39歳以下 | 合計所得500万円未満 |
| 静岡県・浜松市 | 29歳以下60万円/39歳以下30万円 | 上記区分 | 500万円未満 (奨学金返済額を控除可) |
| 千葉県・船橋市 | 29歳以下60万円/39歳以下30万円 | 上記区分 | 500万円未満 |
| 兵庫県・姫路市 | 29歳以下60万円/39歳以下30万円 | 夫婦ともに39歳以下 | 令和7年合計所得500万円未満 |
| 埼玉県・上尾市 | 29歳以下60万円/39歳以下30万円 | 夫婦ともに39歳以下 | 500万円未満(奨学金控除あり) |
| 宮城県・仙台市 | 29歳以下60万円/39歳以下30万円 | 夫婦ともに39歳以下 | 500万円未満 |
東京都にお住まいの場合(23区は要注意)
東京都内では、23区はこの結婚助成金(結婚新生活支援事業)を実施していないのが基本です。都内で現金補助を実施しているのは立川市・青梅市など一部の市にとどまります。
23区在住で「結婚助成金 東京」を探している方は、次の選択肢を確認しましょう。
| 制度・項目 | 内容 |
|---|---|
| TOKYOふたり結婚応援パスポート | 年齢・所得の要件なし。結婚予定または結婚1年以内のカップル向けで、協賛店の優待が受けられる東京都の独自制度。 |
| 近隣自治体の制度 | 転居先が市部・近県(市川市・相模原市など)なら対象になる場合がある。 |
| 移住を伴う場合 | 23区から地方へ移る結婚なら「移住支援金(世帯最大100万円+子ども加算)」の対象になることがある。 |
結婚新生活支援事業の申請方法
最後に、結婚新生活支援事業の一般的な申請の流れを紹介します。実際の流れは自治体ごとに異なるため、必ず公式の案内をご確認ください。なお申請は年度内など期限が決まっており、書類が揃った人から先着順で受付し、予算額に達した時点で締め切られるのが一般的です。対象になりそうな方は、早めに準備・相談しましょう。
①内容や申請方法、申請期間を確認する
まずは、お住まいの自治体が結婚新生活支援事業を実施しているかを確認します。あわせて、支援内容や条件、申請方法、申請期間などを自治体の公式案内で確認しておきましょう。
②申請する
申請期間内に、交付申請書や必要書類を提出します。必要書類は、婚姻届受理証明書や住民票、賃貸借契約書、領収書などが一般的ですが、自治体によって異なります。
③交付(不交付)決定の通知
提出書類の内容が確認されると、自治体から交付決定または不交付決定の通知が送付されます。書類に不備がある場合は、追加提出や修正を求められることもあります。
④申請者から市へ請求
補助金交付請求書に必要事項を記入し、自治体へ提出します。あわせて、振込先口座の確認書類などの提出を求められる場合があります。
⑤市から申請者へ支払い
補助金交付請求書に記入した口座へ、自治体から補助金が振り込まれます。支払いまでの期間は自治体によって異なるため、あらかじめ目安を確認しておくと安心です。
よくある質問
結婚助成金がもらえないのはどんなケース?
主に次の場合です。住んでいる自治体が実施していない、夫婦のいずれかが婚姻日時点で40歳以上、合計所得が500万円以上(奨学金返済額の控除後で判定)、過去にこの補助金を受けたことがある、年度内に予算上限に達して受付終了、税の滞納がある——など。まずは自治体の実施有無と要件を確認しましょう。
同棲しているだけでももらえる?
もらえません。結婚新生活支援事業は婚姻届の提出(またはパートナーシップ宣誓を対象とする自治体ではその宣誓)が前提です。事実婚・同棲のみは原則対象外です。
再婚でも対象になる?
多くの自治体で再婚も対象です。ただし、過去にこの補助金(他自治体実施分を含む)を受給していないことが条件になります。
「所得500万円未満」は年収のこと?
いいえ、年収ではなく所得です。会社員の場合、年収では650万円前後が目安です。また、貸与型奨学金を返済中なら年間返済額を所得から差し引けます。
所得制限なしで結婚を機にもらえるお金はある?
結婚新生活支援事業には所得要件がありますが、東京都の「TOKYOふたり結婚応援パスポート」のように年齢・所得の要件がない支援もあります(現金給付ではなく協賛店優待など)。
いつまでに申請すればいい?
自治体ごとに申請期間が定められており、年度内が基本です。予算がなくなり次第、期限前でも締め切られるため、対象になりそうなら早めの申請がおすすめです。
結婚を機にもらえる「その他」のお金
結婚新生活支援事業の対象外でも、次のような支援が使える場合があります。あわせて確認しておきましょう。
移住支援金(東京23区から地方へ移住する場合)
結婚をきっかけに東京23区から地方へ移住する場合、「移住支援金(地方創生移住支援事業)」の対象になることがあります。支給額は世帯で最大100万円、単身で最大60万円、さらに18歳未満の子どもを帯同すると1人につき最大100万円が加算されます。就業・起業・テレワークなどの要件があり、結婚新生活支援事業とは別制度・別申請です。引っ越しを伴う結婚なら要チェックです。
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自治体独自の結婚祝い金・結婚手当
市区町村が独自予算で「結婚祝い金」「新婚手当」などを支給しているケースがあります。金額は数万円程度〜とさまざまで、現金ではなく地域商品券などのこともあります。「○○市 結婚 祝い金」で検索するか、自治体窓口で確認しましょう。
引っ越し・住まいに関する支援
自治体によっては、引っ越し費用や家賃の補助、公社・公営住宅の新婚世帯向け家賃補助などを設けている場合があります。新生活の住まいを決める前に、転居先の自治体の支援制度を調べておくと、受けられる支援を取りこぼしません。
まとめ
結婚を機にもらえるお金は1つではありません。もっとも金額が大きいのは、新婚世帯の家賃・引越費用等を最大60万円まで支援する「結婚新生活支援事業(結婚助成金)」ですが、これは実施している自治体に住んでいることが前提です。あわせて、自治体独自の結婚祝い金、東京都のTOKYOふたり結婚応援パスポート、地方移住なら移住支援金など、複数の選択肢があります。
経済的な不安があっても、こうした公的支援を活用して結婚生活を始めることができます。まずはご自身の市区町村のサイトなどで「結婚新生活支援事業」が実施されているかを確認し、対象になりそうなら予算がなくなる前に早めに申請しましょう。
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