「結婚したら、国や自治体から何かお金がもらえるの?」――入籍を控えて、そう考える方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、結婚した人全員に国が一律で配るお金はありません。ただし、申請すればもらえるお金はいくつもあります。代表が、新居の家賃や引越し費用を最大60万円まで補助する「結婚新生活支援事業(結婚助成金)」です。
この制度は令和8年度(2026年度)から、国の要領上の名称が「結婚・妊娠・共育ての相談機会提供・支援プログラム」に変わりました。あわせて、夫婦ともに講座の受講などを行うことが新たな必須要件になっています。去年の情報のまま申請すると、思わぬところでつまずくかもしれません。
この記事では、結婚・入籍したらもらえるお金の全体像を整理したうえで、結婚助成金の金額・対象者・申請方法と、2026年10月時点で実施している自治体を一覧で解説します。
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この記事の目次
結婚したらもらえるお金は?国・自治体・会社の5種類【2026年度版】
結婚・入籍を機にもらえるお金は、大きく分けて次の5種類です。どれも自分で申請しないともらえない点は共通しています。
| もらえるお金 | 金額の目安 | 出どころ・ポイント |
|---|---|---|
| ① 結婚新生活支援事業(結婚助成金) | 最大60万円 | 国の交付金で市区町村が実施。新居の家賃・住宅購入・引越し費用などが対象 |
| ② 自治体独自の結婚祝い金 | 数万円程度〜 | 市区町村が独自に支給。商品券や施設利用券のこともある |
| ③ 移住支援金 | 世帯最大100万円+子ども加算 | 東京圏から地方へ移住し、就業・起業などをする世帯が対象 |
| ④ 会社・共済会の結婚祝い金 | 会社分の平均39,562円 | 勤務先の福利厚生。就業規則で確認 |
| ⑤ 配偶者控除・配偶者特別控除 | 最大38万円の所得控除 | 現金給付ではなく、税金が安くなる |
※金額は上限・目安です。自治体や勤務先、年度によって異なります。
5つを出どころ別に整理すると、次の図のようになります。現金の額が最も大きいのは結婚新生活支援事業、条件が合えば移住支援金はさらに大きな金額になります。
結婚したら国から直接もらえるお金はある?
国が結婚した人に直接、一律で支給する給付金や祝い金は、2026年10月時点ではありません。
「国からもらえる結婚のお金」として紹介されることが多い結婚新生活支援事業も、国はお金を出す側です。実際に申請を受け付けて補助金を払うのは市区町村で、国は「地域少子化対策重点推進交付金」でその費用の1/2〜2/3を負担しています。そのため、住んでいる市区町村が実施していなければ受け取れません。
国の制度として全国どこでも使えるのは、税金が安くなる配偶者控除・配偶者特別控除です。こちらは現金が振り込まれるのではなく、所得税・住民税が軽くなる仕組みです。
入籍・婚姻届を出すだけでもらえるお金はある?
婚姻届を出しただけで自動的にもらえるお金はありません。結婚新生活支援事業も自治体の祝い金も、婚姻届とは別に申請が必要です。
申請には期限があります。たとえば東京都青梅市の「お祝い金」は、婚姻日から1年以内の申請が必要です。結婚新生活支援事業は年度ごとの予算制で、先着順に受け付けて予算がなくなった時点で終了する自治体がほとんどです。入籍が決まったら、早めに住む市区町村の制度を調べておきましょう。
結婚新生活支援事業(結婚助成金)とは?最大60万円の新婚補助
結婚新生活支援事業は、新婚世帯の新居の家賃・住宅購入費・リフォーム費・引越し費用を、1世帯あたり最大60万円まで補助する制度です。
国(こども家庭庁)が交付金で費用の一部を負担し、市区町村が実施します。令和7年度は全国894市区町村が実施しました。令和8年度は国の要領上「結婚・妊娠・共育ての相談機会提供・支援プログラム」という名称になりましたが、多くの自治体は引き続き「結婚新生活支援事業」の名前で募集しています。
参考:こども家庭庁「令和8年度 地域少子化対策重点推進交付金」
結婚助成金はいくらもらえる?
国の基準では、夫婦の年齢によって上限額が2段階に分かれます。
・夫婦ともに婚姻日時点で39歳以下の世帯(上記以外)…1世帯あたり最大30万円
上限額は「実際に払った対象経費」に対するもので、一律に60万円・30万円が振り込まれるわけではありません。家賃や引越し費用の合計が20万円なら、もらえるのは20万円までです。
また、上限額は自治体ごとに異なります。たとえば東京都立川市と新潟市は年齢に関係なく一律30万円、神奈川県相模原市は引越し費用のみ最大15万円です。
結婚助成金の対象者・条件は?
国の基準による対象者の条件は次のとおりです。
| 項目 | 国の基準(令和8年度) |
|---|---|
| 対象世帯 | 申請する年度の前年1月1日以降で、自治体が定める日以降に婚姻した夫婦 |
| 年齢 | 夫婦ともに婚姻日時点で39歳以下 |
| 所得 | 夫婦の合計所得が500万円未満(貸与型奨学金の年間返済額を差し引いて判定) |
| 講座受講など | 夫婦ともに、申請する年度内に指定の講座受講などを行うこと(令和8年度から追加) |
| 上限額 | 夫婦ともに29歳以下は60万円、それ以外は30万円 |
| 過去の受給 | 過去にこの補助金を受けた夫婦は対象外 |
このほか、自治体によって次のような条件が加わります。
・対象となる住宅がその市区町村内にあり、夫婦ともに住民登録していること
・一定期間以上、その市区町村に住み続ける意思があること
・暴力団員またはその関係者でないこと
・勤務先から住宅手当が出ている場合は、その分を差し引くこと
令和8年度から必須になった「講座の受講」とは?
令和8年度から、夫婦ともに申請する年度内に講座の受講などを行うことが要件に加わりました。国の要領で定められているのは、次のいずれか1つです。
- ライフデザイン支援講座の受講(乳幼児とのふれあい体験や子育て世帯との意見交換を含む)
- プレコンセプションケア(将来の妊娠・出産に向けた健康管理)に関する講座の受講
- 医療機関での妊娠・出産に関する相談
- 共家事・共育て講座(男性の家事・育児参画講座を含む)の受講
多くの自治体では、指定された講座動画を視聴してアンケートに答え、受講証明書や受講報告書を申請書類と一緒に提出します。仙台市のように「申請年度内に受講したものに限る」と明記している自治体もあるため、前年度に受けた講座は使えない点に注意しましょう。
結婚助成金の対象になる費用・ならない費用は?
対象になるのは、新居に関わる「住まい」と「引越し」の費用です。結婚式や指輪の費用は対象になりません。
| 対象になる費用 | 対象にならない費用 |
|---|---|
| 住宅の購入費(婚姻前の取得は婚姻日から1年以内) | 結婚式・披露宴・指輪・新婚旅行の費用 |
| 家賃・敷金・礼金・共益費・仲介手数料 | 勤務先から住宅手当が出ている分の家賃 |
| 住宅のリフォーム費 | 外構・車庫などのリフォーム費 |
| 引越業者・運送業者に払った引越し費用 | 家具・家電の購入費、自分で運んだ場合のレンタカー代など |
鍵の交換費・保証料・火災保険料・更新料も、賃貸の契約条件になっていれば対象にできると国の要領で定められています。ただし、実際に対象にするかは自治体の判断です。
自分は対象?結婚助成金の対象判定チャート
結婚新生活支援事業の対象になるかは、次の4つの質問で判定できます。すべて「はい」なら、年齢に応じて最大60万円または30万円の補助を受けられる可能性があります。
「所得500万円未満」は年収いくら?
所得要件の「500万円」は年収ではなく、夫婦2人の「所得」の合計です。会社員の所得は、給与収入(額面年収)から給与所得控除を差し引いた額になります。
編集部で給与所得控除を使って試算すると、目安は次のとおりです。
・共働きで2人が同じくらいの収入…世帯の給与収入 約720万円未満(1人あたり約360万円)
※給与所得以外の所得がない場合の編集部試算です。正確な判定は自治体が所得証明書で行います。
さらに、貸与型奨学金を返済中なら、年間の返済額を所得から差し引いて判定できます。たとえば2人の所得が合計520万円でも、奨学金の返済が年30万円あれば490万円として扱われ、対象になります。少し超えていてもあきらめず、返済額の証明書を用意しましょう。
パートナーシップ宣誓や再婚の場合も対象になる?
再婚は、過去にこの補助金を受けていなければ、多くの自治体で対象になります。
パートナーシップ宣誓をした2人を対象に含めるかは自治体次第です。船橋市は宣誓証明書で申請でき、青梅市のお祝い金も東京都パートナーシップ宣誓制度の届出をした2人を対象にしています。国の交付金の対象は婚姻した世帯のため、宣誓世帯への補助は自治体の独自財源で行われています。住む自治体の募集要項で確認しましょう。
結婚助成金がもらえる自治体はどこ?【2026年10月時点の一覧】
結婚新生活支援事業は令和7年度に全国894市区町村で実施されました。内訳は、都道府県と連携する「都道府県主導型市町村連携コース」が643市区町村、「一般コース」が251市区町村です。
参考:令和7年度 地域少子化対策重点推進交付金 交付決定一覧
実施しているのは地方の市町村が中心で、東京23区や一部の政令指定都市では実施していません。令和8年度の全国一覧は2026年10月時点でこども家庭庁のサイトに掲載されていないため、以下は各自治体の公式サイトで確認した内容です。
首都圏で結婚助成金がもらえる自治体
首都圏で令和8年度の実施を確認できた主な自治体は次のとおりです(2026年10月時点)。市川市・相模原市・千葉市は国の基準と内容が異なるため、注意してください。
| 自治体 | 上限額 | 年齢・所得 | 受付期間・状況 |
|---|---|---|---|
| 東京都立川市 | 一律30万円 | 夫婦とも39歳以下・合計所得500万円未満 | 2027年3月31日まで。10月1日時点で予算残あり |
| 千葉県船橋市 | 29歳以下60万円・それ以外30万円 | 夫婦とも39歳以下・合計所得500万円未満 | 2027年3月31日まで(予算に達し次第終了)。パートナーシップ宣誓の2人も対象 |
| 埼玉県上尾市 | 29歳以下60万円・それ以外30万円 | 夫婦とも39歳以下・合計所得500万円未満 | 2026年4月1日〜2027年3月31日(先着順) |
| 千葉県市川市(市独自) | 初期費用5万円+家賃月2万円×12か月(最大29万円) | 夫婦とも39歳以下・合計所得600万円未満 | 2026年6月12日〜2027年3月31日。引越し費用は対象外 |
| 神奈川県相模原市 | 引越し費用のみ最大15万円 | 夫婦とも39歳以下・合計所得500万円未満 | 2026年6月1日〜2027年3月31日(先着順)。家賃は対象外 |
| 千葉県千葉市 | 29歳以下60万円・それ以外30万円 | 夫婦とも39歳以下 | 市が指定する団地に住む場合のみ(団地住替え支援事業)。2027年2月28日まで |
政令市・主要都市の結婚助成金の実施状況
政令指定都市・中核市で令和8年度の実施を確認できた自治体は次のとおりです(2026年10月時点)。いずれも夫婦ともに39歳以下・合計所得500万円未満(奨学金控除あり)が条件です。
| 自治体 | 上限額 | 受付期間・状況 |
|---|---|---|
| 愛知県名古屋市 | 29歳以下60万円・それ以外30万円 | 2026年8月8日〜2027年3月31日 |
| 静岡県浜松市 | 29歳以下60万円・それ以外30万円 | 2026年9月1日〜2027年1月29日(予定) |
| 兵庫県姫路市 | 29歳以下60万円・それ以外30万円 | 2026年6月1日〜2027年3月31日。2026年1月1日以降の支払いが対象 |
| 宮城県仙台市 | 29歳以下60万円・それ以外30万円 | 2026年12月31日まで(他市より早い)。9月30日時点の執行率17.2% |
| 新潟県新潟市 | 一律30万円 | 2026年7月15日〜2027年3月31日。家賃は3か月分まで、窓口持参のみ |
結婚助成金を実施していない大都市は?
次の都市は、2026年10月時点で結婚新生活支援事業の実施を確認できませんでした。転居先がこれらの都市の場合は、ほかの住宅支援や祝い金を探しましょう。
| 自治体 | 2026年10月時点の状況 |
|---|---|
| 横浜市・海老名市 | 神奈川県の実施市町村一覧に掲載なし |
| 大阪市 | 大阪府の令和8年度一覧に掲載なし。別制度として、新婚・子育て世帯向けの分譲住宅購入融資の利子補給(最大で年10万円×5年)がある |
| 京都市 | 京都府の令和8年度一覧に結婚新生活支援事業の掲載なし |
| 神戸市 | 兵庫県の令和7年度実施27市町に含まれていない |
| 北九州市 | 結婚新生活支援事業はなし。代わりに市外から転入する新婚・子育て世帯向けの家賃支援(最大20万円)がある |
| 札幌市・福岡市・宮崎市・倉敷市 | 公式サイトで実施を確認できず |
| 東京23区 | 東京都の令和8年度区市町村実施事業一覧(2026年7月16日更新)に掲載なし |
※公式サイト・都道府県の一覧で確認できなかったものです。年度途中に開始される場合もあるため、最新情報は各自治体にお問い合わせください。
自分の住む自治体が対象か調べる方法は?
確実なのは、住む予定の市区町村の公式サイトで「結婚新生活支援」と検索することです。Google検索なら「結婚新生活支援 〇〇市」で見つかります。
都道府県のサイトに県内の実施市町村一覧が載っていることも多く、東京都・千葉県・新潟県・大阪府などは令和8年度の一覧を公開しています。迷ったら、市区町村の子育て支援課や企画課に電話で問い合わせましょう。予算の残額を公表している自治体もあります。
東京都・23区で結婚したらもらえるお金は?
東京23区では、2026年10月時点で結婚新生活支援事業を実施している区はありません。東京都の令和8年度区市町村実施事業一覧(2026年7月16日更新)で、都内で結婚新生活支援事業を実施しているのは立川市だけです。
とはいえ、東京都内でも使える支援はあります。
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 立川市 結婚新生活支援事業 | 都内で唯一、令和8年度の都の一覧に掲載。上限30万円の現金補助 |
| 青梅市「お祝い金&応援金」 | 2025年4月1日以降に婚姻した夫婦にお祝い金2.2万円。年齢・所得の制限なし。住宅を取得した世帯には別途応援金(基本10万円、加算で最大50万円) |
| 江戸川区「結婚パスポート」 | 区内在住で婚姻後1年以内の夫婦に、区の施設や銭湯などで使える優遇利用券(2人で3.5万円相当)。現金ではない |
| TOKYOふたり結婚応援パスポート | 1年以内に結婚予定のカップルと、結婚1年以内の新婚カップル向け。協賛店で特典が受けられる。現金ではない |
| 移住支援金 | 23区から地方へ移住して就業・起業などをする場合、世帯最大100万円+子ども加算 |
現金を受け取れるのは立川市・青梅市と、地方へ移住する場合の移住支援金です。豊島区・大田区・足立区・葛飾区・練馬区などでは、2026年10月時点で結婚を理由にした現金給付を確認できませんでした。23区に住む場合は、パスポート型の優待や勤務先の祝い金、配偶者控除を確実に活用しましょう。
結婚新生活支援事業の申請方法と流れ
結婚新生活支援事業の申請は、次の6ステップで進むのが一般的です。令和8年度からは、申請前に夫婦ともに講座を受講しておく必要があります。
①住む市区町村の制度を確認する
まず、住む予定の市区町村が実施しているかを公式サイトで確認します。上限額、対象経費、受付期間、対象になる支払い期間(多くは2026年4月1日以降の支払い分)もあわせて確認しましょう。
②夫婦ともに講座などを受講する
自治体が指定する講座動画の視聴やアンケート回答などを、夫婦ともに行います。受講証明書や受講報告書は申請書類として提出するため、保存しておきます。
③婚姻届の提出・住居の契約・引越し
婚姻届を出し、新居の契約や引越しを行います。契約書・領収書は申請に必要なので、必ず保管しておきましょう。婚姻前に住宅を取得したり引越したりした場合も、婚姻日から1年以内なら対象にできます。
④交付申請書と必要書類を提出する
申請期間内に、交付申請書と必要書類を提出します。一般的な必要書類は次のとおりです。
- 婚姻届受理証明書(または婚姻後の戸籍謄本)
- 夫婦の住民票
- 夫婦の所得証明書
- 賃貸借契約書・売買契約書と、家賃や引越し費用の領収書
- 奨学金の返済額がわかる書類(控除を受ける場合)
- 講座の受講証明書や受講報告書
多くの自治体は先着順で、予算に達した時点で受付を終了します。新潟市のように窓口への持参のみ(郵送不可・電話予約制)の自治体もあるため、提出方法も確認しておきましょう。
⑤交付(不交付)決定の通知を受け取る
書類が審査されると、自治体から交付決定または不交付決定の通知が届きます。書類に不備がある場合は、修正や追加の提出を求められます。
⑥請求書を提出し、振込を受ける
交付決定後に補助金の請求書を提出すると、指定した口座に補助金が振り込まれます。振込までの期間は自治体によって異なります。
結婚を機にもらえるその他のお金
結婚新生活支援事業の対象外でも、次のようなお金や支援を受けられる場合があります。
自治体独自の結婚祝い金はいくら?
結婚祝い金を独自に出している市区町村の金額は、数万円程度が中心です。現金ではなく、地域の商品券や施設の利用券で渡す自治体もあります。
たとえば東京都青梅市は、2025年4月1日以降に婚姻した夫婦にお祝い金2.2万円を支給しています。年齢・所得による制限はなく、婚姻日から1年以内に申請します。江戸川区は、婚姻後1年以内の夫婦に区の施設などで使える優遇利用券(2人で3.5万円相当)を交付しています。
祝い金は国の交付金の対象外のため、自治体の独自予算で行われ、実施状況は年度によって変わります。「〇〇市 結婚 祝い金」で検索するか、市区町村の窓口で確認しましょう。
会社・共済会の結婚祝い金の相場は?
勤務先の結婚祝い金は、多くの会社が支給しています。労務行政研究所の「慶弔見舞金、慶弔休暇に関する実態調査」(2024年、320社回答)の結果は次のとおりです。
・会社から出る祝い金の平均:39,562円(中位数3万円)
・会社と共済会の両方から出る会社の合計平均:68,667円
申請しないと支給されない会社も多いため、就業規則や福利厚生の規程を確認し、婚姻後に総務・人事部門へ届け出ましょう。
移住支援金(東京圏から地方へ移住する場合)
結婚を機に東京23区など東京圏から地方へ移住する場合は、移住支援金の対象になることがあります。支給額は世帯で最大100万円(単身は最大60万円)、さらに18歳未満の子ども1人につき最大100万円が加算されます。
対象は、転入直前の10年間のうち通算5年以上、東京23区に住んでいたか東京圏から23区へ通勤していた人です。移住先で、マッチングサイトに掲載された求人への就職、テレワークの継続、起業などのいずれかを満たす必要があります。結婚新生活支援事業とは別の制度のため、移住先が両方を実施していれば併用も可能です。
配偶者控除で税金はいくら戻る?
結婚して配偶者の収入が一定以下なら、配偶者控除または配偶者特別控除で所得税・住民税が安くなります。本人の合計所得が900万円以下なら、配偶者控除の控除額は38万円です。
配偶者控除の対象になる配偶者の収入の上限は、年分によって変わりました。
| 年分 | 配偶者控除の対象(配偶者の合計所得) | 給与収入だけの場合 |
|---|---|---|
| 令和7年分(2025年) | 58万円以下 | 123万円以下 |
| 令和8年分(2026年) | 62万円以下 | 136万円以下 |
配偶者の収入が上限を超えても、配偶者の合計所得が133万円以下なら配偶者特別控除を受けられます。年の途中で結婚した場合も、12月31日時点で結婚していれば、その年から控除の対象です。会社員は年末調整で申告します。
家賃補助・住まいの支援は?
結婚新生活支援事業がない自治体でも、新婚・子育て世帯向けの家賃補助や、住宅購入の利子補給などを用意している場合があります。大阪市の分譲住宅購入融資の利子補給や、北九州市の転入世帯向け家賃支援がその例です。勤務先の住宅手当や、国・自治体の家賃補助制度もあわせて確認しましょう。
出産・子育てでもらえるお金は?
結婚後に子どもが生まれると、出産育児一時金(50万円)や児童手当など、もらえるお金が大きく増えます。妊娠・出産のお金と、子育て世帯がもらえるお金は次の記事で詳しく解説しています。
結婚したらもらえるお金に関するよくある質問
結婚したら国から直接もらえるお金はある?
2026年10月時点で、結婚した人全員に国が一律で支給する給付金や祝い金はありません。国の制度で最も金額が大きいのは結婚新生活支援事業(最大60万円)ですが、国の交付金を使って市区町村が実施する補助金のため、住んでいる自治体が実施していなければ受け取れません。
婚姻届を出すだけでもらえるお金はある?
婚姻届の提出だけで自動的に振り込まれるお金はありません。結婚新生活支援事業も自治体の祝い金も、すべて自分で申請する必要があります。青梅市の「お祝い金」(2.2万円)のように、婚姻日から1年以内などの申請期限がある制度もあります。
結婚助成金がもらえないのはどんなケース?
主に、住んでいる自治体が実施していない、夫婦のどちらかが婚姻日時点で40歳以上、夫婦の合計所得が500万円以上(奨学金返済額の控除後)、過去にこの補助金を受けたことがある、令和8年度から必須の講座受講などをしていない、予算上限に達して受付が終わった、税の滞納がある、といった場合です。
同棲しているだけでももらえる?
同棲だけでは対象になりません。結婚新生活支援事業は婚姻届の提出が前提です。船橋市や青梅市のように東京都・自治体のパートナーシップ宣誓をした2人を対象に含める自治体はありますが、事実婚・同棲のみは原則対象外です。
再婚でも対象になる?
再婚でも、夫婦ともに年齢・所得などの要件を満たせば対象になる自治体が多くあります。ただし、過去にこの補助金(他の自治体で受けた分を含む)を受給していないことが条件です。
「所得500万円未満」は年収のこと?
年収ではなく、夫婦2人の「所得」の合計です。所得は給与収入から給与所得控除を差し引いた額で、編集部の試算では、片働きなら給与収入約680万円未満、共働きで同じくらいの収入なら世帯年収約720万円未満が目安です。貸与型奨学金を返済中なら、年間返済額をさらに差し引いて判定できます。
令和8年度から必要になった講座受講とは?
夫婦ともに、申請する年度内に、ライフデザイン支援講座、プレコンセプションケア講座、医療機関での妊娠・出産の相談、共家事・共育て講座のいずれかを行うことが要件に加わりました。多くの自治体では指定の動画を視聴し、受講証明を申請書類に添付します。
結婚式の費用や指輪代は対象になる?
対象になりません。結婚新生活支援事業の対象経費は、住宅の購入費、家賃・敷金・礼金・共益費・仲介手数料、リフォーム費、引越し費用に限られます。使い道を限定しない「結婚祝い金」も国の交付金の対象外です。
所得制限なしで結婚を機にもらえるお金はある?
あります。青梅市の「お祝い金」(2.2万円)は所得による制限がありません。現金ではありませんが、東京都の「TOKYOふたり結婚応援パスポート」や江戸川区の「結婚パスポート」も所得要件のない支援です。勤務先の結婚祝い金も所得とは関係なく支給されます。
いつまでに申請すればいい?
自治体ごとに申請期間が決まっており、年度末(2027年3月31日)までが一般的です。ただし仙台市は2026年12月31日、浜松市は2027年1月29日(予定)と早めの自治体もあります。多くは先着順で、予算に達した時点で期限前でも締め切られます。
引越しや家賃の支払いが先でも申請できる?
できます。対象になるのは、自治体が定める期間内に支払った費用で、多くは2026年4月1日以降の支払い分です(姫路市は2026年1月1日以降)。婚姻前の住宅取得や引越しも、婚姻日から1年以内なら対象にできると国の要領で定められています。領収書や契約書は必ず保管しておきましょう。
会社からも結婚祝い金はもらえる?
多くの会社で支給されています。労務行政研究所の2024年調査では、本人の結婚に祝い金を出す会社は93.9%、平均額は39,562円でした。共済会からも出る会社では、合計の平均は68,667円です。就業規則や福利厚生の規程で申請方法を確認しましょう。
まとめ
結婚したら国から一律にもらえるお金はありませんが、申請すればもらえるお金はいくつもあります。最も金額が大きいのは、新居の家賃・住宅購入・引越し費用を最大60万円まで補助する結婚新生活支援事業(結婚助成金)です。
令和8年度からは、夫婦ともに講座の受講などを行うことが必須になりました。対象は、住む市区町村が実施していて、夫婦ともに39歳以下、合計所得500万円未満(奨学金返済額は控除可)の世帯です。東京23区のように実施していない地域もあるため、まずは住む予定の自治体の公式サイトを確認しましょう。
あわせて、自治体の結婚祝い金、勤務先の結婚祝い金、地方へ移る場合の移住支援金、配偶者控除もチェックしておくと、受け取れるお金を取りこぼしません。多くの制度は先着順・予算制です。対象になりそうなら、早めに準備して申請しましょう。
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