総務省統計局の発表によると、2026年に入っても消費者物価指数は前年比3%台の上昇が続いており、年金で生活する世帯にとって家計の負担感は増すばかりです。「毎月の食費や光熱費が重くなった」「年金の増額では追いつかない」と感じている方も多いのではないでしょうか。
こうした状況を受けて、2026年4月から「年金生活者支援給付金」が月額5,620円(前年度比+170円、+3.2%)に増額されました。これは、年金を含めても所得が低い方の生活を支えるために、年金に上乗せして支給される給付金です。老齢・障害・遺族の3種類があり、条件を満たせば年金受給資格がある限り恒久的に受け取れます。
ただしこの制度には、見逃せない落とし穴があります。それは申請しないと1円も受け取れない「申請主義」であること、そして「ハガキが届かないから対象外かも」と諦めてしまうケースが少なくないことです。
この記事では、2026年度の最新給付額と対象者3条件、「ハガキが届かない」ときの対処法、すでに受給しているかの確認方法、申請手順までを網羅的に解説します。ご自身やご家族が対象になる可能性がある方は、ぜひ最後までご確認ください。
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この記事の目次
年金生活者支援給付金とは?2026年度の最新情報
年金生活者支援給付金は、公的年金等の収入と所得が一定基準以下の年金受給者の生活を支援するため、年金に上乗せして支給される給付金です。2019年10月、消費税率10%への引き上げに合わせて創設された比較的新しい制度で、財源は消費税の引き上げ分が充てられています。
一時的な支援金ではなく、「年金生活者支援給付金の支給に関する法律」に基づく恒久的な制度である点が大きな特徴です。一度支給が決定すれば、支給要件を満たす限り年金と同じ口座に継続的に振り込まれます。
年金生活者支援給付金の3つの種類
年金生活者支援給付金は、受給している基礎年金の種類によって以下の3つに分かれます。加えて、老齢年金生活者支援給付金の補完的な位置づけとして「補足的老齢年金生活者支援給付金」が用意されています。
| 種類 | 対象となる年金 | 主な対象者 |
|---|---|---|
| 老齢年金生活者支援給付金 | 老齢基礎年金 | 65歳以上で所得が基準以下の方 |
| 補足的老齢年金生活者支援給付金 | 老齢基礎年金 | 所得がわずかに基準を超えた方 |
| 障害年金生活者支援給付金 | 障害基礎年金 | 障害等級1級または2級の方 |
| 遺族年金生活者支援給付金 | 遺族基礎年金 | 遺族基礎年金を受給している方 |
それぞれ支給要件や給付額が異なります。自分がどの種類の対象になるかは、受給している年金の種類によって決まる仕組みです。
2026年度(令和8年度)の改定ポイント【+3.2%増額】
2026年4月、年金生活者支援給付金は物価スライド改定により前年度から3.2%引き上げられました。これは物価の上昇に合わせて給付額を調整する仕組みで、2025年度の月額5,450円から170円増の5,620円に改定されています。
| 種類 | 2025年度 | 2026年度 | 増加額 |
|---|---|---|---|
| 老齢年金生活者支援給付金(基準額) | 月額5,450円 | 月額5,620円 | +170円 |
| 障害年金生活者支援給付金(1級) | 月額6,813円 | 月額7,025円 | +212円 |
| 障害年金生活者支援給付金(2級) | 月額5,450円 | 月額5,620円 | +170円 |
| 遺族年金生活者支援給付金 | 月額5,450円 | 月額5,620円 | +170円 |
月170円と聞くと小さく感じるかもしれません。しかし年間にすると2,040円、夫婦それぞれが対象なら年間4,080円の増加です。物価高が続く中、家計を支える貴重な上乗せ分と言えるでしょう。
なお、改定は2026年4月分から適用されますが、年金と同様に2ヶ月分が後払いされる仕組みのため、実際に増額後の金額が口座に反映されるのは2026年6月15日支給分(4月・5月分)からです。
年金生活者支援給付金の対象者【3条件チェックリスト】
「自分は対象になるのだろうか」と気になっている方のために、まずは3つの条件を整理します。老齢年金生活者支援給付金の場合、以下の3つすべてを満たす方が対象となります。②世帯全員が市町村民税非課税である
③前年の公的年金等の収入金額とその他の所得の合計が909,000円以下(昭和31年4月1日以前生まれは906,700円以下)である
それぞれの条件の意味や、よくある勘違い、関連制度との違いを詳しく見ていきましょう。
条件①:65歳以上で老齢基礎年金を受給している
老齢年金生活者支援給付金の対象になるのは、65歳以上で、老齢基礎年金(国民年金)を受給している方です。旧法の老齢年金、旧共済の退職年金など、政令で定められた年金の受給者も対象となります。
ここで注意したいのは、「老齢基礎年金」という点です。厚生年金(老齢厚生年金)のみを受給している方は対象外ですが、実際には厚生年金受給者の多くが老齢基礎年金も同時に受け取っているため、結果として対象になるケースは多いです。この点は次の段落でさらに詳しく解説します。
条件②:世帯全員が市町村民税非課税である
2つ目の条件は、同じ世帯にいる家族全員が住民税非課税であることです。ここが最もつまずきやすいポイントで、本人の年金収入が少なくても、同居する家族に住民税が課税されていると対象外になる可能性があります。
具体的には、以下のようなケースで要件を満たさない場合があります。
- 夫婦で暮らしており、配偶者に住民税が課税されている
- 同居している会社員の子どもが住民税を支払っている
- 世帯を分けずに親子三世代で同居している
「収入が少ないのに対象外になった」というご相談の多くは、この世帯要件が原因です。住民税非課税世帯向けの給付金制度については、以下の記事でも詳しく解説しています。
条件③:前年の年金収入とその他の所得の合計が909,000円以下
3つ目の条件は所得基準です。前年の公的年金等の収入金額とその他の所得との合計額が909,000円以下であることが必要です。生年月日によって基準額が若干異なります。
| 生年月日 | 老齢年金生活者支援給付金の基準 | 補足的老齢年金生活者支援給付金の範囲 |
|---|---|---|
| 昭和31年4月2日以後生まれ | 809,000円以下 | 809,000円超〜909,000円以下 |
| 昭和31年4月1日以前生まれ | 806,700円以下 | 806,700円超〜906,700円以下 |
「その他の所得」とは、給与所得や事業所得、不動産所得などを指します。ただし障害年金や遺族年金などの非課税収入は、この判定に含まれません。また「収入」ではなく「所得」で判定される点にも注意が必要です。給与収入の場合は給与所得控除を差し引いた金額が所得となります。
障害年金生活者支援給付金の対象者
障害基礎年金を受給している方が対象で、老齢年金生活者支援給付金とは要件が異なります。前年の所得が「4,794,000円+扶養親族の数×38万円」以下であれば対象です。
②前年の所得が「4,794,000円+扶養親族の数×38万円」以下である
注意したいのは、障害厚生年金のみを受給している方は対象外という点です。この給付金はあくまで「障害基礎年金」の受給者向けです。また障害年金等の非課税収入は、所得判定の計算に含まれません。扶養親族の数によって加算額が変わる仕組みもあり、70歳以上の同一生計配偶者または老人扶養親族がいる場合は1人につき48万円、特定扶養親族または16歳以上19歳未満の扶養親族は63万円が加算されます。
遺族年金生活者支援給付金の対象者
遺族基礎年金を受給している方が対象で、障害年金生活者支援給付金と同じ所得基準が適用されます。
②前年の所得額が「4,794,000円+扶養親族の数×38万円」以下である
遺族厚生年金のみを受給している方は対象外となる点に注意が必要です。また、2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合には、給付額を子の数で按分して支払われる仕組みになっています。
厚生年金を受給していても対象になる?
よくある誤解のひとつが、「厚生年金をもらっているから対象外だろう」というものです。結論から言うと、厚生年金の受給者でも、老齢基礎年金を同時に受給していれば対象になる可能性があります。
日本の公的年金制度は2階建て構造で、会社員や公務員として働いた方の多くは1階部分の老齢基礎年金と2階部分の老齢厚生年金を両方受給しています。老齢年金生活者支援給付金は、この1階部分である老齢基礎年金を受給している方が対象となる制度です。
ただし、厚生年金の収入額も所得基準の判定に含まれます。「前年の公的年金等の収入金額」には老齢基礎年金と老齢厚生年金の合計額が含まれるため、厚生年金を多く受け取っている方は所得要件を超えて対象外になるケースもあります。
世帯に住民税課税者がいる場合の注意点
対象者判定で最もつまずきやすいのが「世帯全員非課税」の条件です。世帯員のうち誰か1人でも課税されていると、本人の所得がどれだけ低くても対象外となってしまいます。
同居していても住民票上の世帯を分ける「世帯分離」により、非課税世帯となり対象になる可能性があります。ただし世帯分離は国民健康保険料や介護保険料の算定、子の扶養控除などに影響する場合があり、必ずしもメリットばかりではありません。実施する際は、お住まいの市区町村の窓口や、社会保険労務士などの専門家に相談のうえ慎重に判断することをおすすめします。
収入や所得、課税・非課税の判定は複雑で、自己判断が難しいケースも少なくありません。対象になるかどうか確信が持てない場合は、年金事務所または給付金専用ダイヤル(0570-05-4092)に問い合わせることをおすすめします。
年金生活者支援給付金はいくらもらえる?2026年度の給付額
「結局、自分はいくら受け取れるの?」という疑問に、ここでお答えします。2026年度の給付額は、給付金の種類ごとに基準額が決まっており、老齢年金の場合はさらに保険料の納付期間によって個別の支給額が計算される仕組みです。
2026年度の給付額【早見表】
2026年4月分から適用される給付額の基準額は以下のとおりです。
| 給付金の種類 | 月額(基準額) | 年額(満額) |
|---|---|---|
| 老齢年金生活者支援給付金 | 5,620円 | 67,440円 |
| 障害年金生活者支援給付金(1級) | 7,025円 | 84,300円 |
| 障害年金生活者支援給付金(2級) | 5,620円 | 67,440円 |
| 遺族年金生活者支援給付金 | 5,620円 | 67,440円 |
ここで示したのは「基準額」または「満額」です。実際の給付額は、老齢年金の場合は保険料納付済期間や免除期間に応じて計算されるため、人によって金額が変わります。
老齢年金生活者支援給付金の計算方法
老齢年金生活者支援給付金の給付額は、保険料納付済期間に基づく額と、保険料免除期間に基づく額の合計で決まります。計算式は以下のとおりです。
保険料納付済期間に基づく額(月額)
= 5,620円 × 保険料納付済期間(月数)÷ 480月
保険料免除期間に基づく額(月額)
= 11,768円 × 保険料免除期間(月数)÷ 480月
※保険料1/4免除期間は5,884円で計算
上記2つの合計額が月額の給付額となります。
具体的な計算例を2パターン見てみましょう。
・納付済期間に基づく額=5,620円×480÷480=5,620円
・免除期間に基づく額=0円
・合計:月額5,620円(年額67,440円)
【例2】納付済月数240カ月、全額免除月数60カ月の場合
・納付済期間に基づく額=5,620円×240÷480=2,810円
・免除期間に基づく額=11,768円×60÷480=1,471円
・合計:月額4,281円(年額51,372円)
このように、保険料を納めていた期間が長いほど給付額は大きくなります。計算結果に50銭未満の端数が生じた場合は切り捨て、50銭以上1円未満の端数は1円に切り上げて計算します。
補足的老齢年金生活者支援給付金の計算方法
所得が基準額をわずかに超えた場合、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。これは所得が少ない人の方が総収入で上回ってしまう「逆転現象」を防ぐための仕組みです。
対象となるのは以下の方です。
- 昭和31年4月2日以後生まれ:年金収入+所得の合計が809,000円超〜909,000円以下
- 昭和31年4月1日以前生まれ:年金収入+所得の合計が806,700円超〜906,700円以下
計算式は「5,620円×保険料納付済期間÷480月×調整支給率」となり、調整支給率は所得が基準額に近づくほど減る仕組みです。所得ギリギリで対象外と諦める前に、補足的給付の対象になる可能性がないかを確認しましょう。
障害・遺族年金生活者支援給付金の給付額
障害年金生活者支援給付金と遺族年金生活者支援給付金は、保険料納付期間に関係なく定額で支給されます。
・障害等級1級:月額7,025円(年額84,300円)
・障害等級2級:月額5,620円(年額67,440円)
【遺族年金生活者支援給付金】
・月額5,620円(年額67,440円)
※2人以上の子が遺族基礎年金を受給している場合は、5,620円を子の人数で割った金額を各子に支給
例えば3人の子が遺族基礎年金を受給している場合は、5,620円÷3=1,873円(月額)がそれぞれの子に支給されます。障害等級1級が2級より約1.25倍の金額になるのは、障害基礎年金本体の設計(1級は2級の1.25倍)と同じ考え方です。
夫婦で受給する場合の給付額シミュレーション
夫婦ともに条件を満たす場合、それぞれが給付金を受け取れます。例えば夫婦それぞれが老齢年金生活者支援給付金を満額受給するケースでは、月額11,240円、年額134,880円の上乗せとなります。
物価高が続く中、年間13万円超の支援は家計にとって大きな支えです。「自分は年金以外に収入がないから」と諦めず、夫婦それぞれで対象になるかを確認することをおすすめします。
年金生活者支援給付金のハガキが届かない時の対処法
「対象になるはずなのにハガキが届かない」「緑の封筒を見かけない」というご相談は非常に多く寄せられます。ハガキが届かない理由はひとつではなく、複数の原因が絡んでいるケースも少なくありません。ここでは原因と対処法を網羅的に解説します。
そもそもハガキはいつ届く?送付時期の基本
日本年金機構から送付される「年金生活者支援給付金請求書(ハガキ型)」は、毎年9月の第1営業日から対象者に順次送付されます。緑色の封筒に入っており、対象となる可能性のある方に届く仕組みです。
ただし、これから年金を受給する方や、すでに年金を受給中の方でも、タイミングや状況によってハガキが届く時期は異なります。
| 該当する方のパターン | ハガキが届く時期 |
|---|---|
| これから65歳になり老齢基礎年金を新規請求する方 | 65歳になる3カ月前 |
| 特別支給の老齢厚生年金を受給中で65歳を迎える方 | 65歳の誕生月の初旬 |
| すでに年金を受給中で、所得が下がって新たに対象になった方 | 毎年9月の第1営業日から順次 |
| すでに給付金を受給中で、継続して対象の方 | 2年目以降は原則ハガキ不要(自動継続) |
対象となる可能性があるのに10月になっても届かない場合は、次に解説する理由を確認してみてください。
ハガキが届かない7つの理由
ハガキが届かない主な理由は、以下の7つに整理できます。
①住所変更の届出が済んでいない
②対象外と判定された(所得超過・世帯課税など)
③市町村からの所得情報の連携ができていない
④世帯員に住民税課税者がいる
⑤すでに受給中で手続き不要(2年目以降)
⑥年金が全額支給停止になっている
⑦郵便事故・配達遅延
もっとも多いのが①と②のケースです。引っ越しをしたのに年金関連の住所変更を忘れていると、旧住所にハガキが送られてしまいます。また、前年の所得が基準を超えた場合や、世帯に課税者が加わった場合は、対象外判定となりハガキが届かなくなります。
③の所得情報連携の問題は、例えば市町村をまたいで引っ越した直後など、情報が整わないタイミングで起きることがあります。この場合は、ハガキ型ではなく「年金生活者支援給付金請求書(A4型)」や所得状況届が送付されることもあります。
ハガキが届かない時の確認手順
10月を過ぎても届かない場合は、以下の順序で確認・問い合わせを進めましょう。
- 給付金専用ダイヤル(0570-05-4092)に電話する
- 最寄りの年金事務所の窓口で相談する
- ねんきんネットで自分の受給状況を確認する
- 住民登録をしている市区町村の窓口で課税状況を確認する
給付金専用ダイヤルは月曜日8:30〜19:00、火〜金曜日8:30〜17:15、第2土曜日9:30〜16:00で受け付けています(050から始まる電話からの場合は03-5539-2216)。問い合わせの際は、基礎年金番号がわかるもの(年金手帳・年金証書など)を手元に用意しておくとスムーズです。
ハガキを紛失・なくした時の再発行手続き
ハガキは届いたものの、どこかに紛失してしまった場合でも再発行が可能です。
①最寄りの年金事務所で「再発行申請書」を提出する
②給付金専用ダイヤル(0570-05-4092)で電話による再発行申請をする
③マイナポータルから電子申請を行う(再発行なしで申請可能)
マイナンバーカードをお持ちの方は、ハガキの再発行を待たずにマイナポータル経由で電子申請する方が早く手続きが完了します。添付書類は原則不要で、スマートフォン1台で完結します。
障害年金・遺族年金受給者のハガキが届かない場合
障害基礎年金や遺族基礎年金を受給している方へのハガキも、基本的な流れは老齢年金受給者と同じです。ただし、障害厚生年金のみ・遺族厚生年金のみを受給している方は、そもそも年金生活者支援給付金の対象外なのでハガキは届きません。
年金生活者支援給付金は「障害基礎年金」「遺族基礎年金」の受給者を対象とする制度です。ご自身がどの種類の年金を受給しているかは、年金証書や年金振込通知書で確認できます。不明な場合は年金事務所にお問い合わせください。
すでに年金生活者支援給付金を受給しているか確認する方法
「自分はすでにこの給付金をもらっているのだろうか?」「年金と一緒に振り込まれているか確認したい」と思う方も多いのではないでしょうか。実は、年金生活者支援給付金の受給状況は、お手元の書類や身近な方法で確認できます。ここでは代表的な4つの方法を紹介します。
年金振込通知書で確認する方法
もっとも確実な確認方法が、毎年6月頃に日本年金機構から送付される「年金振込通知書」を見ることです。
年金振込通知書には、年金本体の振込額とは別に「年金生活者支援給付金」の欄が設けられており、給付金を受給している場合はここに金額が記載されています。記載がなければ、現時点で給付金を受給していない可能性が高いと判断できます。
支給決定時に送られる「年金生活者支援給付金 支給決定通知書」も重要な書類です。過去に受給申請をした方は、この通知書が保管されているか確認してみてください。
ねんきん定期便・ねんきんネットで確認する
毎年誕生月前後に送付される「ねんきん定期便」や、インターネットで利用できる「ねんきんネット」でも、年金関連の情報を確認できます。
ねんきんネットはマイナポータルとの連携も可能で、自宅のパソコンやスマートフォンから年金記録や各種通知書を参照できる仕組みです。利用には登録が必要で、基礎年金番号やアクセスキーを用意します。詳しい使い方は日本年金機構の公式サイトで案内されていますので、併せてご確認ください。
通帳・口座履歴で確認する
年金が振り込まれている口座の通帳を見ることでも、給付金の受給状況がわかります。年金生活者支援給付金は年金と同じ口座に振り込まれますが、年金本体とは別の名目で振り込まれるため、通帳には2行の記載が出ます。
振込名義は金融機関や通帳の記帳方式によって異なりますが、「ネンキンキュウフキン」「コウセイロウドウショウ」などの表記が目印になります。直近の偶数月(2月・4月・6月・8月・10月・12月)の記帳を確認してみましょう。
年金事務所・専用ダイヤルで問い合わせる
書類や通帳で確認できない場合は、直接問い合わせるのが確実です。
・給付金専用ダイヤル:0570-05-4092(ナビダイヤル)
・050から始まる電話からの場合:03-5539-2216
・受付時間:月曜8:30〜19:00/火〜金曜8:30〜17:15/第2土曜9:30〜16:00
・最寄りの年金事務所の窓口でも相談可能
問い合わせる際は基礎年金番号がわかるものを手元に用意し、本人確認ができる状態で電話をかけましょう。代理人(二親等以内の家族)が問い合わせる場合は、問い合わせをする方自身の基礎年金番号も必要となります。
年金生活者支援給付金の申請方法
年金生活者支援給付金は申請しないと1円も受け取れません。対象となる方へは日本年金機構から案内が送付されますが、案内を受け取ったら速やかに手続きを行う必要があります。ここではケース別に申請の流れを整理します。
ケース①すでに年金受給中の方(はがき型請求書)
すでに老齢基礎年金・障害基礎年金・遺族基礎年金を受給している方が新たに対象になった場合、日本年金機構から緑色の封筒でハガキ型請求書が届きます。
①緑色の封筒からハガキを取り出す
②氏名・生年月日などの必要事項を記入する
③目隠しシールを貼る
④切手を貼ってポストに投函する
添付書類は一切不要です。所得情報は市町村から日本年金機構へ自動連携されるため、課税証明書などを用意する必要はありません。
記入項目は限られており、数分で完了します。「難しそう」と感じる必要はありません。
ケース②65歳で新規に老齢基礎年金を請求する方
新たに65歳を迎えて老齢基礎年金を請求する方には、65歳の誕生月の3カ月前に「年金請求書(事前送付用)」と「年金生活者支援給付金請求書」が同封されて送られてきます。
年金請求書と一緒に年金生活者支援給付金請求書を提出することで、年金の受給開始と同時に給付金も受け取れる仕組みです。手続きを一本化できるため、65歳を迎える方は書類が届いたら中身をよく確認し、両方の書類を揃えて提出しましょう。
なお、特別支給の老齢厚生年金を受けている方や老齢基礎年金を繰上げ受給している方には、65歳の誕生月の初旬に「年金請求書 兼 年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が送付されます。
ケース③障害・遺族基礎年金を新規に請求する方
これから障害基礎年金や遺族基礎年金を請求する方は、年金の請求手続きと同時に年金生活者支援給付金の請求手続きもあわせて行います。障害・遺族の場合、65歳の区切りはなく、基礎年金の受給権が発生したタイミングで申請します。
年金事務所の窓口で年金請求を行う際に、給付金請求書も併せて提出してください。担当者が手続きの流れを案内してくれます。
電子申請(マイナポータル)の手順
マイナンバーカードとスマートフォンがあれば、マイナポータル経由で電子申請が可能です。紙のハガキを郵送する手間が省け、自宅から申請が完結します。
・マイナンバーカード
・マイナポータルアプリがインストールされたスマートフォン
・マイナンバーカードの署名用電子証明書暗証番号
電子申請で提出した場合、ハガキの郵送は不要です。日本年金機構の公式サイトでは、申請前の準備から提出完了までの手順を説明する動画も公開されています。
電子申請は24時間受付可能で、所要時間は5〜10分程度です。郵便事故の心配もないため、マイナンバーカードをお持ちの方にはおすすめの方法です。
遡及支給を受けるための提出期限
申請は原則として、請求した月の翌月分から支給開始となります。つまり、申請が遅れるとその分だけ受給できる月数が減ってしまいます。
ただし例外として、新たに基礎年金の受給権を得た方は、受給権発生日から3カ月以内に手続きをすれば、受給権発生日にさかのぼって給付金が支給されます。3カ月を過ぎると遡及されなくなるため、ハガキや年金請求書が届いたら早めに手続きを進めることが大切です。
毎年9月に届くハガキについても、10月分から受給開始するには速やかな返送が必要です。「届いたらすぐ出す」を習慣にしましょう。
年金生活者支援給付金はいつ振り込まれる?2026年の支給日
給付金の支給タイミングは、年金と同じスケジュールです。「いつお金が入るのか」をしっかり把握しておけば、家計管理にも役立ちます。
2026年の振込スケジュール早見表
年金生活者支援給付金は偶数月の中旬(原則15日)に2カ月分がまとめて振り込まれます。支払い月と対象月の対応関係は以下のとおりです。
| 支払い月 | 支払い日 | 対象月 |
|---|---|---|
| 2026年2月 | 2月13日(金) | 2025年12月分・2026年1月分 |
| 2026年4月 | 4月15日(水) | 2026年2月分・3月分 |
| 2026年6月 | 6月15日(月) | 2026年4月分・5月分(増額後の初回) |
| 2026年8月 | 8月14日(金) | 2026年6月分・7月分 |
| 2026年10月 | 10月15日(木) | 2026年8月分・9月分 |
| 2026年12月 | 12月15日(火) | 2026年10月分・11月分 |
※支払い日が土日祝日にあたる場合は、その直前の平日に振り込まれます。
2026年度の増額分(月額5,620円)が初めて口座に反映されるのは、2026年6月15日支給分(4月・5月分)からです。2月・4月の支給分は2025年度の基準額(月額5,450円)で計算されています。
初回振込のタイミング
新規に申請した場合、「年金生活者支援給付金 支給決定通知書」が請求から1〜2カ月後に送付され、その後の直近の偶数月の振込日に支給が開始されます。
例えば11月に申請した場合、12月に支給決定通知書が届き、2月支給分(12月分・1月分)から振り込まれるイメージです。申請から初回振込までにタイムラグがある点を念頭に置いておきましょう。
振込先・振込名義について
振込先は年金を受給している口座と同じ口座です。ただし、年金本体と年金生活者支援給付金は別々の名目で振り込まれるため、通帳には2行の記帳がされます。
振込口座を変更したい場合は、年金事務所に「年金受給権者 受取機関変更届」を提出してください。年金本体の口座変更と連動して給付金の振込先も変更されます。
年金生活者支援給付金以外にも受け取れる給付金・支援制度
年金生活者支援給付金だけが、年金生活者向けの支援制度ではありません。所得や世帯の状況に応じて、併用できる他の制度もあります。ここでは代表的な制度を紹介します。
住民税非課税世帯向けの給付金
世帯全員が住民税非課税の場合、年金生活者支援給付金以外にも自治体や国から支給される給付金があります。物価高対策の一環として、2026年度も非課税世帯向けの給付金制度が継続されています。対象になるかどうか、以下の記事で最新情報を確認してみましょう。
高齢者向けのその他の支援制度
65歳以上の方向けには、年金生活者支援給付金以外にも交通費助成や家賃補助などの制度があります。自治体独自の制度も多く、住まいのある地域の窓口で確認することをおすすめします。
また、年金担保貸付制度が終了した現在、生活が苦しい方向けの支援策をまとめた記事もあわせてご覧ください。
2026年にもらえる給付金の全体像をチェック
高齢者向け・子育て世帯向け・非課税世帯向けなど、2026年に受け取れる給付金・支援金を目的別にまとめた記事もあります。自分に合う制度を探したい方は、まず全体像を把握することから始めましょう。
年金生活者支援給付金に関するよくある質問
年金生活者支援給付金についてよく寄せられる質問と回答をまとめました。厚生年金を受けていても対象になりますか?
はい、厚生年金を受給していても老齢基礎年金を同時に受給しており、世帯全員の住民税非課税・所得基準の要件を満たせば対象になります。会社員として働いた方の多くは老齢基礎年金と老齢厚生年金を両方受給しているため、「厚生年金をもらっているから対象外」と諦めずに確認することが大切です。ただし厚生年金の収入額も所得判定に含まれるため、収入が多い方は対象外となる場合があります。
夫婦それぞれで受給できますか?
夫婦それぞれが支給要件を満たしていれば、それぞれが給付金を受け取れます。例えば夫婦ともに老齢年金生活者支援給付金を満額で受給する場合、合計で月額11,240円、年額134,880円の上乗せとなります。それぞれ個別に申請手続きが必要です。
年金生活者支援給付金に確定申告は必要ですか?
年金生活者支援給付金は非課税所得のため、確定申告に含める必要はありません。給付金自体に所得税はかからず、受給することで他の所得への課税が増えることもありません。
国民健康保険料や介護保険料に影響しますか?
年金生活者支援給付金は非課税収入のため、国民健康保険料や介護保険料の算定基礎となる所得に含まれません。給付金を受給しても保険料が上がることはなく、介護保険の所得段階判定にも影響しません。
年金を繰り下げ受給中でも対象になりますか?
年金生活者支援給付金は年金受給者を対象としているため、繰り下げによって年金を受給していない期間中は給付金も支給されません。繰り下げを完了して年金の受給を開始した時点で、改めて給付金の請求手続きを行うことになります。
世帯分離すれば対象になりますか?
同居する家族と住民票上の世帯を分ける「世帯分離」により、世帯全員非課税という要件を満たして対象になる可能性はあります。ただし世帯分離は国民健康保険料や介護保険料の算定、扶養控除などに影響する場合があり、必ずしもメリットばかりではありません。実施する前に、お住まいの市区町村の窓口や社会保険労務士などの専門家に相談のうえ、慎重に判断することをおすすめします。
所得が基準をわずかに超えた場合はどうなりますか?
所得が809,000円超〜909,000円以下(昭和31年4月1日以前生まれは806,700円超〜906,700円以下)の場合は「補足的老齢年金生活者支援給付金」の対象となる可能性があります。これは所得が少ない方との逆転現象を防ぐための仕組みで、所得に応じた調整支給率で給付額が計算されます。基準ギリギリで対象外と諦める前に、補足的給付の対象にならないか確認しましょう。
受給者が亡くなった場合の手続きは?
年金とあわせて手続きできます。「未支給年金」「未支払給付金請求書」「受給権者死亡届(報告書)」は年金と共通の届書のため、給付金だけで別途手続きする必要はありません。ただし共済年金を受けていて年金生活者支援給付金を受給している場合は、「未支払給付金請求書」を年金事務所に提出する必要があります。
支給要件を満たさなくなったらどうすれば良いですか?
「年金生活者支援給付金不支給事由該当届」を年金事務所に提出してください。郵送での提出も可能です。なお、所得超過や世帯員の課税開始などで対象外となった場合は、日本年金機構から「年金生活者支援給付金不該当通知書」が自動的に送付されます。日本国内に住所がなくなったときや刑事施設に拘禁されたときは、必ず届出が必要です。
海外に一時的に滞在する場合は影響しますか?
日本国内に住所がない期間は年金生活者支援給付金は支給されません。海外に長期滞在する場合、住民票を国外に移すと支給が停止されます。短期の旅行などで住民票が日本にあるままであれば、給付金の支給は継続されます。海外赴任や移住の際には事前に年金事務所に相談し、必要な届出を行いましょう。
まとめ
年金生活者支援給付金は、2026年4月から月額5,620円に増額された、年金生活を支える恒久的な制度です。老齢・障害・遺族の3種類があり、条件を満たせば年金受給資格がある限り継続して受け取れます。
この記事のポイントを振り返ります。
・対象者は「65歳以上で老齢基礎年金受給」「世帯全員非課税」「所得909,000円以下」の3条件
・厚生年金を受けていても、老齢基礎年金を受給していれば対象の可能性あり
・ハガキが届かない場合は住所変更や世帯員の課税状況などを確認
・すでに受給しているかは年金振込通知書や通帳で確認可能
・申請しないと1円も受け取れない「申請主義」のため、早めの手続きが重要
「ハガキが届かない」「自分は対象か確信が持てない」という方は、そのまま放置せず必ず確認しましょう。給付金専用ダイヤル(0570-05-4092)は年金事務所の窓口でも相談できます。家族が代わりに確認することも可能です。
物価高が続く今こそ、使える制度をしっかり活用して、安心した年金生活につなげていきましょう。
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