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農林水産省 令和9年度概算要求は3兆1,377億円!新たな水田政策・農業構造転換集中対策2,904億円を解説

公開日:2026/9/7 更新日:2026/9/7
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農林水産省は2026年8月31日、令和9年度(2027年度)農林水産予算の概算要求を公表しました。要求総額は3兆1,377億円。令和8年度当初予算の2兆2,956億円から8,421億円増え、対前年度比136.7%となりました。

背景にあるのは、政府が令和9年度予算から新設した『「強く豊かな日本」投資枠』です。農林水産省はこの枠に4,272億円を計上し、農地の大区画化やスマート農業、フードテック、林業・水産業の成長産業化などに活用する方針を示しました。加えて、新たな水田政策の実施など7項目については「事項要求」とし、追加的な内容や必要な金額を予算編成過程で検討するとしています。

この記事では、農林水産省が公表した令和9年度概算要求の総額と内訳、投資枠4,272億円の主な活用先、新たな水田政策の中身、農業構造転換集中対策2,904億円の内訳、農業者・林業者・漁業者に関係する主な支援策の要求額、今後の予算成立スケジュールまでを、公式資料をもとに解説します。

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この記事の目次

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農林水産省の令和9年度概算要求はいくら?総額3兆1,377億円の内訳

令和9年度農林水産予算の概算要求総額は3兆1,377億円で、令和8年度当初予算の2兆2,956億円に対し136.7%となりました。内訳は公共事業費が9,003億円(対前年度比128.1%)、非公共事業費が2兆2,374億円(同140.4%)です。

伸び率で見ると、非公共事業費は令和8年度当初予算比40.4%増となり、公共事業費の伸び率を上回っています。非公共事業費には補助・交付事業をはじめ多くの支援策が含まれており、令和8年度当初予算と比べて要求額が大きく増えています。

令和9年度 農林水産予算概算要求の総括表
区分令和9年度概算要求令和8年度当初予算対前年度比
農林水産予算総額3兆1,377億円2兆2,956億円136.7%
公共事業費9,003億円7,026億円128.1%
 一般公共事業費8,823億円6,846億円128.9%
 災害復旧等事業費180億円180億円100.0%
非公共事業費2兆2,374億円1兆5,931億円140.4%

公共事業費9,003億円の内訳|農業農村整備・森林整備が一律3割増

公共事業費の柱は農業農村整備事業の4,375億円で、令和8年度当初の3,365億円から130.0%に拡大しました。林野公共(治山・森林整備)は2,469億円、水産基盤整備は960億円で、いずれも前年度比130.0%と足並みをそろえています。

公共事業費の内訳
区分令和9年度概算要求令和8年度当初予算対前年度比
農業農村整備4,375億円3,365億円130.0%
林野公共(治山・森林整備)2,469億円1,899億円130.0%
 治山816億円628億円130.0%
 森林整備1,653億円1,271億円130.0%
水産基盤整備960億円738億円130.0%
海岸105億円81億円130.0%
農山漁村地域整備交付金915億円762億円120.0%

なお、農業農村整備事業関係の予算を合算すると5,949億円になります。農業農村整備事業4,375億円に、農山漁村地域整備交付金のうち農業農村整備分701億円、農地耕作条件改善事業などの非公共関連事業873億円を加えた額です。

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「強く豊かな日本」投資枠4,272億円は農林水産分野で何に使われる?

農林水産省が『「強く豊かな日本」投資枠』に計上したのは4,272億円です。この投資枠は日本成長戦略等を踏まえた潜在成長率の引き上げを目的に、令和9年度から新設された予算枠で、要求上限を設けず事項要求も認められている点が特徴です。

農林水産分野では、以下の6分野が投資枠の活用項目として位置づけられました。

「強く豊かな日本」投資枠の活用項目
項目 令和9年度概算要求 令和8年度当初予算
農業構造転換集中対策 2,904億円+事項要求 494億円
フードテックの推進 502億円 1億円
食農分野におけるGX投資拡大 48億円 ー(新規)
2027年国際園芸博覧会に向けた対応 82億円 81億円
「森の国・木の街」創造連携イニシアティブ事業 83億円 ー(新規)
協業化等による経営基盤の強固な漁業経営体の創出 130億円
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新たな水田政策の創設に3,565億円+事項要求|水活交付金は抜本見直しへ

令和9年度概算要求で最大の政策転換となるのが、新たな水田政策の創設です。要求額は3,565億円に加えて事項要求とされ、最終的な規模は予算編成過程で決まります。

新たな水田政策の4つの柱
  • 水田活用の直接支払交付金等の抜本的見直し:加工用米・米粉用米・新市場開拓用米などについて、生産性向上の取組に対し「収量に応じた面積払い」で支援
  • 中山間地域等直接支払の見直し:傾斜によらない不利性を有する農地についても、地方公共団体が必要と認める場合に集落協定の対象農地へ位置づけ
  • 多面的機能支払の見直し:外部人材の確保や先進技術の活用による作業の省力化を図る取組への支援を充実
  • 新たな環境直接支払の創設:現行の環境保全型農業直接支払交付金を見直し、みどりの食料システム法の計画認定に基づく支援へ再編

注目すべきは、麦・大豆や飼料作物について「水田・畑にかかわらず」収量に応じた面積払いで支援する方針が明記された点です。これまで水田を前提としていた支援の枠組みが、畑地を含めた形へ組み替えられようとしています。

また、産地交付金についても効果検証に基づく支援内容の見直しを適時実施し、地域の実情に応じた産地形成が促される仕組みへ改めるとされています。

農業構造転換集中対策2,904億円の内訳は?農地・施設・スマート農業・輸出に集中投資

農業構造転換集中対策の要求額は2,904億円+事項要求で、令和8年度当初予算494億円と令和7年度補正予算2,410億円を合わせた規模に相当します。補正予算で措置してきた大型の投資支援を、当初予算に組み込む形になりました。

農業構造転換集中対策の内訳
項目令和9年度概算要求令和8年度当初予算
農業農村整備(農地の大区画化等)739億円166億円
共同利用施設の再編集約・合理化等1,048億円238億円
スマート農業技術・新品種の開発、農業機械の導入951億円54億円
輸出産地の育成165億円37億円

スマート農業技術・新品種の開発と農業機械の導入には951億円を要求しています。これは、令和8年度当初予算54億円と令和7年度補正予算897億円を合わせた951億円と同額です。担い手やサービス事業者の農業機械導入に加え、農業高校・農業大学校や研修農場におけるスマート農業教育・研修環境の整備、畜産・酪農の施設整備や機械導入、飼料生産組織の省力化機械の導入までが支援対象に位置づけられています。

共同利用施設については、老朽化した施設や卸売市場の再編集約・合理化に1,048億円を要求。食肉・食鳥処理施設、家畜市場、レンダリング施設、乳製品加工基幹施設なども対象です。

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フードテックの推進に502億円|植物工場・陸上養殖・食品機械・新規食品が対象

令和9年度概算要求で要求額の伸びが大きい項目のひとつが、フードテックの推進です。要求額502億円は、令和8年度当初予算1億円の約500倍です。なお、令和7年度補正予算5億円を含めた前年の当初・補正合計6億円と比べても、約84倍の規模となります。

フードテックとは、植物工場・陸上養殖・食品機械・新規食品といった、食と農の分野に新しい技術を持ち込む産業領域を指します。農林水産省は、生産性向上に向けた基盤技術の研究開発に加え、優良な技術の事業化に向けたスタートアップの大規模実証、フードテック企業の海外展開、人材育成などを総合的に支援し、官民投資を促す方針です。

このほか、食農分野におけるGX投資拡大に48億円を新規計上。環境負荷低減、気候変動への適応、国産バイオマスの活用による地域循環経済の実現などに取り組むプロジェクトに対し、関係企業や生産者が一体となって進める形での支援が想定されています。

農業者が使える主な支援策の要求額は?就農・機械導入・経営安定の一覧

農業の現場に直接関わる支援策では、地域計画に基づく農地の集約化に291億円、新規就農者の育成に217億円、スマート農業技術活用促進集中支援プログラムに796億円が要求されました。経営安定対策は所要額計上で、収入保険532億円、農業共済808億円などが並びます。

農業者向けの主な支援策と要求額
支援策令和9年度概算要求令和8年度当初予算
スマート農業技術活用促進集中支援プログラム796億円185億円
地域農業の将来像の実現に向けた取組1,290億円407億円
地域計画に基づく農地の集約化291億円174億円
新規就農者の育成217億円114億円
農業労働力等の確保(雇用就農・外国人材)42億円31億円
女性の活躍推進3億円1億円
農地耕作条件改善事業285億円203億円
大区画化等加速化支援事業67億円5億円
果樹・茶生産飛躍的拡大事業(新規)31億円
肥料の国産化・安定供給100億円0.3億円
畜産クラスター事業等547億円(所要額)
和牛肉の持続可能な需要確保支援事業170億円
鳥獣被害防止対策とジビエ利用の推進199億円100億円
農山漁村振興交付金100億円70億円
みどりの食料システム戦略推進総合対策76億円6億円
収入保険制度の実施532億円(所要額)327億円
農業共済事業の実施808億円(所要額)793億円
畑作物の直接支払交付金1,974億円(所要額)1,924億円
畜産・酪農経営安定対策2,307億円(所要額)2,307億円

新規事業として注目されるのが「果樹・茶生産飛躍的拡大事業」の31億円です。国内外の高い需要に応えきれていない果樹・茶について、「果樹・茶生産飛躍的拡大プロジェクト」として認定された取組に対し、省力樹形や多収品種への大規模な改植・新植、園地整備などを支援します。

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林業・水産業向けの主な支援策は?「森の国・木の街」83億円、漁業経営体創出130億円

林業分野の目玉は「森の国・木の街」創造連携イニシアティブ事業の83億円(新規)です。都道府県が策定する「森の国・木の街創造連携計画」(仮称)に基づき、森林の集積・集約化、スマート林業技術の実装、路網整備、木材製品の付加価値向上、都市の木造化・木質化といった川上から川下までの連携取組を、関連施策の優遇措置により重点的に支援します。

このほか林業分野では、林業適地における路網整備・再造林等の推進に254億円(新規)、森林循環利用・付加価値創出対策に186億円、花粉症解決に向けた総合対策に73億円、森と木の人材育成・確保総合対策に57億円が要求されました。

水産分野では、協業化・法人化等による経営基盤の強固な漁業経営体の創出に130億円を要求しています。令和8年度当初予算には計上されていませんが、令和7年度補正予算では65億円が計上されています。漁船・漁具のリース方式による導入や共同利用施設の再編集約・合理化、大規模沖合養殖システムの実証などが対象です。

林業・水産業向けの主な支援策と要求額
支援策令和9年度概算要求令和8年度当初予算
「森の国・木の街」創造連携イニシアティブ事業(新規)83億円
林業適地における路網整備・再造林等の推進(新規)254億円
森林循環利用・付加価値創出対策186億円92億円
花粉症解決に向けた総合対策73億円0.4億円
森と木の人材育成・確保総合対策57億円49億円
協業化等による漁業経営体の創出130億円
水産物サプライチェーンの強靱化(新規)90億円
海洋環境の変化に対応した漁業・養殖業の推進88億円
陸上養殖の推進(新規)49億円
スマート水産業の推進14億円1億円
漁業収入安定対策(積立ぷらす)697億円280億円
にぎわい稼げる漁村の実現に向けた海業の振興12億円3億円

事項要求とされた7項目は何?内容・金額は予算編成過程で検討

令和9年度概算要求では、「事項要求」として7項目が挙げられました。事項要求とは、追加的な経費について要求段階では金額を確定せず、予算編成過程で検討するものです。農林水産省は、この7項目について「予算編成過程で検討」としています。

事項要求とされた7項目
  • 新たな水田政策の実施に係る経費
  • 農業構造転換集中対策期間において機動的・弾力的に対応すべき事業の実施に係る経費
  • 「食料安全保障強化政策大綱」を踏まえた食料安全保障の強化に向けた対応に係る経費
  • 「第1次国土強靱化実施中期計画」に係る経費
  • 「総合的なTPP等関連政策大綱」を踏まえた農林水産分野における経費
  • 飲食料品に係る消費税率の引下げに係る対応に係る経費
  • エネルギー・食料等国民生活を支える基盤の戦略的強化に要する経費

飲食料品に係る消費税率の引下げへの対応が事項要求に含まれている点は、食品関連事業者にとって見逃せないポイントです。総額3兆1,377億円には、事項要求として今後追加的に検討される金額は含まれていません。新たな水田政策については3,565億円がすでに要求額に含まれたうえで「+事項要求」とされています。最終的な予算規模は予算編成過程で変動する可能性があります。

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令和9年度予算はいつ決まる?概算要求から補助金公募までの流れ

概算要求は8月末に各省庁が財務省へ提出する予算の見積もりで、そのまま予算になるわけではありません。通常のスケジュールでは、財務省の査定を経て12月末ごろに政府予算案が閣議決定され、翌年1月からの通常国会で審議されたうえで、年度内の成立を目指します。

令和9年度予算の一般的なスケジュール
2026年8月31日農林水産省が令和9年度概算要求を公表(3兆1,377億円)
2026年9月〜12月財務省による査定・各省庁との折衝、事項要求分の金額調整
2026年12月頃政府予算案の閣議決定
2027年1月〜3月通常国会での審議・予算成立
2027年4月以降各事業の実施要領策定、公募開始(時期は制度ごとに異なる)

補助金の公募開始時期は制度ごとに異なり、予算成立と同時に一斉に始まるわけではありません。農林水産省や地方農政局、都道府県の公募情報を継続的に確認する必要があります。

概算要求とは?予算決定から補正予算までのスケジュールを解説


農林水産省の令和9年度概算要求に関するよくある質問


農林水産省の令和9年度概算要求の総額はいくらですか?


総額3兆1,377億円です。令和8年度当初予算の2兆2,956億円に対し、対前年度比136.7%となりました。内訳は公共事業費9,003億円、非公共事業費2兆2,374億円です。このほか7項目が事項要求とされており、追加的な内容や必要な金額は予算編成過程で検討されます。



概算要求はいつ公表されましたか?


農林水産省は2026年8月31日に令和9年度農林水産予算概算要求を取りまとめ、公表しました。詳細は農林水産省ウェブサイトの「令和9年度農林水産予算概算要求の概要」ページで、全体概要・骨子・重点事項・主要項目129件のPDFが公開されています。



『「強く豊かな日本」投資枠』とは何ですか?農林水産省はいくら要求しましたか?


『「強く豊かな日本」投資枠』は、日本成長戦略等を踏まえた危機管理投資・成長投資を対象に、令和9年度予算から新設された予算枠です。要求上限を設けず、事項要求も認められている点が特徴です。農林水産省はこの枠に4,272億円を計上し、農業構造転換集中対策、フードテックの推進、食農分野のGX投資拡大、2027年国際園芸博覧会、「森の国・木の街」創造連携イニシアティブ事業、漁業経営体の創出の6分野に充てる方針です。



水田活用の直接支払交付金はどう変わりますか?


令和9年度概算要求では「新たな水田政策の創設」として3,565億円+事項要求が計上され、水田活用の直接支払交付金等の抜本的見直しが打ち出されました。加工用米・米粉用米・新市場開拓用米などについては生産性向上の取組に対し収量に応じた面積払いで支援し、麦・大豆や飼料作物については水田・畑にかかわらず収量に応じた面積払いで支援する方針が示されています。具体的な単価や要件は今後の制度設計で確定します。



農業構造転換集中対策の2,904億円は何に使われますか?


内訳は、農業農村整備(農地の大区画化等)739億円、共同利用施設の再編集約・合理化等1,048億円、スマート農業技術・新品種の開発と農業機械の導入951億円、輸出産地の育成165億円です。担い手やサービス事業者の農業機械導入、畜産・酪農の施設整備、農業高校・農業大学校のスマート農業教育環境の整備なども支援対象に含まれます。



令和9年度に新設される事業にはどのようなものがありますか?


農業分野では「果樹・茶生産飛躍的拡大事業」31億円、食農分野におけるGX投資拡大48億円が新規です。林業分野では「森の国・木の街」創造連携イニシアティブ事業83億円、林業適地における路網整備・再造林等の推進254億円、水産分野では水産物サプライチェーンの強靱化90億円、陸上養殖の推進49億円などが新たに計上されています。



新規就農を考えています。関連予算は増えますか?


新規就農者の育成の要求額は217億円で、令和8年度当初予算114億円から約1.9倍に拡大しました。就農準備資金・経営開始資金の交付、経営発展のための機械・施設等の導入、農業高校・農業大学校等における施設整備、研修農場の設置、雇用型経営を目指す就農希望者向けの研修・教育環境の整備などが対象です。ただし概算要求段階の金額であり、交付要件や単価は現行制度から変わる可能性があります。



「事項要求」とは何ですか?


事項要求とは、政策の中身は要求するものの具体的な金額を示さず、予算編成過程で調整する方式です。令和9年度の農林水産予算では、新たな水田政策の実施、農業構造転換集中対策期間の機動的対応、食料安全保障強化政策大綱を踏まえた対応、第1次国土強靱化実施中期計画、総合的なTPP等関連政策大綱、飲食料品に係る消費税率の引下げへの対応、エネルギー・食料等の基盤強化の7項目が事項要求とされています。



令和9年度予算はいつ成立し、補助金の公募はいつ始まりますか?


通常の予算編成では、2026年12月頃に政府予算案が閣議決定され、2027年1月から3月の通常国会での審議を経て年度内の成立を目指します。補助金の公募開始時期は制度ごとに異なるため、2027年4月に一斉に始まるとは限りません。農林水産省・地方農政局・都道府県の公募情報を確認する必要があります。



概算要求の金額がそのまま予算になりますか?


なりません。概算要求は各省庁が財務省へ提出する予算の見積もりであり、査定を経て減額される事業や、統合・廃止される事業もあります。一方で、事項要求とされた項目は編成過程で金額が上乗せされるため、総額が要求時を上回ることもあります。事業名や制度の枠組みも予算案の段階で変わる場合があるため、確定情報は政府予算案および各事業の公募要領で確認してください。



まとめ|令和9年度は「投資枠」と「事項要求」で農林水産予算が大きく動く

農林水産省の令和9年度概算要求は総額3兆1,377億円で、令和8年度当初予算に対して136.7%となりました。『「強く豊かな日本」投資枠』4,272億円を活用し、農業構造転換集中対策2,904億円、フードテックの推進502億円、「森の国・木の街」創造連携イニシアティブ事業83億円などに重点的に予算を要求しています。

現場に関係する支援では、スマート農業技術活用促進集中支援プログラム796億円、新規就農者の育成217億円、肥料の国産化・安定供給100億円、鳥獣被害防止対策とジビエ利用の推進199億円などが、令和8年度当初予算を上回る要求額となっています。新規事業としては果樹・茶生産飛躍的拡大事業31億円、食農分野におけるGX投資拡大48億円、「森の国・木の街」創造連携イニシアティブ事業83億円、陸上養殖の推進49億円などがあり、水産分野では協業化・法人化等による経営基盤の強固な漁業経営体の創出に130億円が要求されています。

一方で、新たな水田政策をはじめとする7項目は事項要求とされ、追加的な内容や必要な金額は予算編成過程で検討されます。今回の要求額や制度名がそのまま最終予算・公募内容になるとは限りません。農業者・林業者・漁業者、食品関連事業者は、政府予算案の閣議決定と、その後に公表される各事業の実施要領・公募情報を確認しながら、設備投資や経営転換の計画を検討していくことが重要です。

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