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2度目の緊急事態宣言発令で経営困難が続く中小事業者にお勧めの資金調達は?

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年末以降国内の新型コロナウイルス新規感染者数が爆発的に増加しており、ついに本年度2度目となる緊急事態宣言が全国に発令されました。

中国武漢市での新型コロナ発生から既に1年以上が経過してもなお被害は拡大しており、世界では一日当たりの死亡者数が一日当たり1万5千人を突破しています。

日本は他国に比べ感染者数が抑えられている状況ではありますが、経済の冷え込みは益々加速しており、経済面での課題は膨らむ一方です。

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GoToトラベルの停止により多くの地域事業者の体力は限界に

GoToトラベルの一斉停止によって、書き入れ時を失った地域の飲食業や宿泊業などの観光業、公共交通機関などを初め、国内ではコロナ第3波の到来以降企業の倒産が後を絶ちません。

クラスター感染による風評被害の影響から2020年の飲食店の倒産は過去最多を更新しており、厳しい経営状況にある中小事業者に向けた資金繰り支援は政府にとっても急を要する状況となっています。

下記では、今回はこうした状況のなか中小事業者の方が経営回復に向けて利用する事ができる公的機関による融資制度を紹介します。

資金繰りの改善を目指すなら「日本政策金融公庫」の融資制度がオススメ

日本政策金融公庫(政策金融公庫)は民間金融機関の取組を補完し、事業に取り組む方々等を支援する政策金融機関です。

コロナ禍を初めとする民間の金融機関が融資に積極的になれない経済状況下においては、中小企業に向けた融資のセーフティネットとして機能し、事業の再生や拡大などに向けた支援を通し日本経済の成長・発展に貢献します。

政策金融公庫の融資は国民生活事業(資本金1000万円未満の中小事業者)と、中小企業事業(資本金1000万円以上の中小企業)の2種類に分けられており、同じ制度であっても融資限度額や利率、担保・保証人の有無などが異なります。

下記では対象となる事業者の多い「国民生活事業」を基に紹介いたしますので、中小企業事業に該当する資本金1000万円以上の事業者の方は政策金融公庫のHPにて対応する制度の詳細をご確認ください。

新型コロナウイルス感染症特別貸付(国民生活事業)

コロナの影響を受ける事業者に向けた特別貸付で、一定の要件に該当する場合には当初3年間、上限4000万円を限度として実質無利子での借入を行う事が出来ます。※利息分は一旦返済した後「特別利子補給制度」によって補給されます。

公庫の緊急対応の融資制度は運転資金(人件費や地代家賃等の固定費)のみを対象としたものが多いですが、特別貸付はコロナへの対応に必要な設備資金(手洗い設備や空気清浄機の設置等)にも対応しているのが大きな特徴です。

ご利用いただける方

一時的な業況悪化を来している方で次のいずれかに該当し、中長期的に業況が回復し、発展することが見込まれる方
①最近1ヵ月の売上高が前年または全前年の同期と比較して5%以上減少している方
②業歴3ヵ月以上1年1ヵ月未満の方などは、最近1ヵ月の売上高が「最近1ヵ月を含む過去3ヵ月の平均売上」と比較して5%以上減少している場合 等

使途

新型コロナウイルス感染症の影響に伴う社会的要因等により必要とする「設備資金」および「運転資金」です。

融資限度額

既に公庫の融資を受けている方でも「別枠で8000万円」の融資を受ける事が出来ます。

利率

公庫の基準利率が適用されます。
※当初3年間の利子については「特別利子補給制度」で補給されるため、上限4000万円までの借入について実質無利子となります。

公庫の基準利率についてはこちら
https://www.jfc.go.jp/n/rate/

返済期間

設備資金:20年以内(うち据置期間5年以内)
運転資金:15年以内(うち据置期間5年以内)

担保

無担保で利用する事が出来ます。
※審査の結果ご利用いただけないケースがあります。

申込期限

申込期限は設けられていません。十分な融資規模に対応できる予算が確保されていますので、ご都合の良い融資時期をご検討ください。

POINT

原則として「①最近1ヵ月の売上高が基準期間の売上と比較して5%以上減少している方」というのが条件になりますが、売上高の確認範囲は月の途中などからでも自由に設定することが出来るため、例えば現在が6月15日として最近1ヵ月である5月の売上が前年度の5月よりも増加しているような場合でも「5月15日~6月14日」の比較で売上減少があるのであれば、売上減少の基準はクリアすることが可能です。

コロナで資金繰りが困難な事業者に積極的な融資を行うためこのような対応が取られていますので、融資が必要な状況であれば、まずは窓口にご相談いただければと思います。

新型コロナ対策資本制劣後ローン(国民生活事業)

政府が実施している特定の支援制度、又は融資制度等を利用した方を対象とする資本性劣後ローンです。

元金は最終期限で一括で返済する仕組みとなっているため、それまでの期間は利息のみの支払いを行えばよく、法的倒産時には償還順位が他の全ての債務に劣後することから、金融機関の資産査定では「自己資本」とみなされます。

無担保・無保証人で追加の融資を受けた上で、更に民間の金融機関からの融資が受けやすくなるという特徴があります。

ご利用いただける方

①J-Startupに選定された企業
https://www.j-startup.go.jp/

②中小企業基盤整備機構が出資する投資ファンドから出資を受けた方
https://www.smrj.go.jp/

③中小企業再生支援協議会の支援を受けて事業の再生を図る方
https://www.tokyo-cci.or.jp/regene/

④原則として認定経営革新等支援機関の指導を受けて事業計画を策定した方であって、公庫の民間金融機関などとの協調支援により事業の発展又は継続を図る方
https://www.jfc.go.jp/n/collabo/about/index.html

使途

事業を行うのに必要とする「設備資金」および「運転資金」です。

融資限度額

既に公庫の融資を受けている方でも「別枠で7200万円」の融資を受ける事が出来ます。

利率

当初3年間:1.05%
4年目以降:当期純利益が0円未満の場合は1.05%、0円以上の場合は3.4%~4.8%

返済期間

5年1ヵ月、10年、20年のうちいずれか

担保

無担保・無保証人で利用する事が出来ます。
※審査の結果ご利用いただけないケースがあります。

申込期限

申込期限は設けられていません。十分な融資規模に対応できる予算が確保されていますので、ご都合の良い融資時期をご検討ください。

POINT

将来に向けて事業の拡大なども検討している事業者の方には非常に魅力の多い融資制度ですが、新型コロナ特別貸付で利用できる「特別利子補給制度」は利用出来ないため、緊急的な資金繰りが目的で短期間での返済を目指している場合には上述の「新型コロナ特別貸付」の利用がお勧めです。

無担保・無保証である
融資期間の最終回までは利息のみを支払えばよい
赤字の場合は4年目以降も利率が1.05%
資産査定上自己資本が増加するため金融機関からの借入がしやすくなる
倒産時には全ての債務に劣後する

東京都は自治体初のコロナ債を発行し、制度融資を更に拡大

その他の資金調達方法としては、自治体が実施している制度融資も候補に挙がります。

制度融資の予算は自治体によって異なりますが、東京都はコロナ対応の地方債(コロナ債)600億円を発行し、調達した資金を全て制度融資の預託金に充てる方針とのことなので、当面は予算の枯渇による締切などの心配はないようです。

東京都の事業者の方は下記で紹介する「新型コロナウイルス感染症対応緊急融資」の利用もお勧めです。

東京都 新型コロナウイルス感染症対応緊急融資

新型コロナウイルス感染症により、事業活動に影響を受けている東京都内の中小企業者および組合を対象に、事業継続や経営の安定を図るために必要な長期かつ低利での融資による支援を行います。

信用保証協会の信用保証(セーフティネット保証)により、無担保で8000万円(有担保:2.8億円)までの融資を受ける事が可能で、信用保証料及び当初3年間の利息(上限1億円)については利子補給制度により全額が補助されます。

ご利用いただける方

一時的な業況悪化を来している方で次のいずれかに該当し、中長期的に業況が回復し、発展することが見込まれる方
①最近1ヵ月の売上高が前年または全前年の同期と比較して5%以上減少している方
②業歴3ヵ月以上1年1ヵ月未満の方などは、最近1ヵ月の売上高が「最近1ヵ月を含む過去3ヵ月の平均売上」と比較して5%以上減少している場合 等

使途

新型コロナウイルス感染症の影響に伴う社会的要因等により必要とする「設備資金」および「運転資金」です。

融資限度額

既に公庫の融資を受けている方でも「別枠で8000万円」の融資を受ける事が出来ます。

利率

融資期間に応じて、1.7%~2.4%
※当初3年間の利子については「特別利子補給制度」で補給されるため、上限1億円までの借入について実質無利子となります。

返済期間

設備資金:15年以内(うち据置期間5年以内)
運転資金:10年以内(うち据置期間5年以内)

担保

無担保で利用する事が出来ます。
※審査の結果ご利用いただけないケースがあります。

申込期限

申込期限は設けられていません。十分な融資規模に対応できる予算が確保されていますので、ご都合の良い融資時期をご検討ください。

POINT

融資内容については政策金融公庫の「新型コロナ特別貸付」とほぼ同様となっていますが、利子補給の上限はこちらの方が高く設定されているため、設備資金に多くの投資を検討している場合等はこちらの利用もお勧めです。

また、公庫と信用保証協会では融資の際の審査のレベルが異なる(担当者や支店によっても判断は異なります)ため、場合によっては複数の制度で同時に審査を行い無事に通過したものを利用するという選択もあります。

まとめ

今回は経営困難な状況にある中小事業者が安心して利用できる公的な融資制度について紹介しました。

担保などを備えて行う民間機関での融資とは異なるため、融資の申し込みの際には返済プランよりも「新型コロナウイルス感染拡大が、自社の経営にどのように影響しているか」「実際に直近の売上低下につながっているのか」「今後もその影響により売上が減少することが見込まれるのか」といった部分が重視されます。

資金使途や申込金額にも根拠が必要となりますので、そういった点については専門家の意見を聞くか、実際に窓口に伺い担当の方に具体的な相談を行うのがお勧めです。

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