いよいよ今年から通信事業者各社より5G(第5世代移動通信システム)サービスの提供が始まり、これから数年は5Gを活用したIoT(モノのインターネット)によって、国内産業のあり方も大きく変わっていく事が予想されています。
こうした状況の中、東京都は都内中小製造事業者による5G導入のモデル事例となる取組やその成果を広く情報発信し、先端技術の活用による生産性向上、ビジネスモデルの革新等を促進するため、先駆的に自社工場へ「ローカル5G」を導入し、工場のスマート化を図る中小企業者等に対し、5Gの導入や運用に必要となる経費の一部への助成を行う「5Gによる工場のスマート化モデル事業」を実施します。
次世代通信インフラの導入・活用によって生産性向上を目指す都内中小製造事業者の方々は、是非今回紹介する「5Gによる工場のスマート化モデル事業」の活用をご検討ください。
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この記事の目次
5Gによる工場のスマート化モデル事業
「5Gによる工場のスマート化モデル事業」は、リモート操作による工場の自動化、ロボットの調整作業の省力化、熟練工の技能伝承などへの活用など、工場のスマート化に向けた先駆的な5Gの活用を支援する東京都の助成事業です。
5Gとは「高速・大容量」「低遅延」「多数端末の同時接続」を特徴とする通信規格で、遠隔地からインターネットを通じてあらゆる端末を接続する「IoT(Internet of things=モノのインターネット)」という概念の中核を担う技術です。
移動通信システムの歴史
1G:アナログ式携帯電話(通話のみ)
2G:デジタル式携帯電話、E-mail、インターネット
3G:スマートフォン、アプリ、データカード
4G:VoLTE、通信の高速化
5G:高速・大容量(10倍)、低遅延(1/10)、多数端末の同時接続
※GはGeneration(世代)の頭文字
製造業においては各拠点の設備やシステムをインターネット接続することで、遠隔地の製造現場の現状を可視化することが可能になり、測定器やセンサーなどで集めた膨大な情報は工場の自動化(FA=ファクトリー・オートメーション)を通し、これまでにない劇的な生産性の向上の実現を可能にします。
申請期間
令和2年11月17日(火) から 令和3年2月15日(月) まで
助成対象者
令和2年12月1日現在で、東京都内で2年以上事業を継続している中小製造事業者等
対象事業所
原則として東京都内の自社製造工場における敷地内(テナント入居や借地含む。)
※基準日(令和2年12月1日)現在で都内に本店がある場合、首都圏(千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県)に所在する工場も対象となります。
助成対象事業
自社の製造工場において「ローカル5G」を活用し、生産方式の改善や効率化ビジネスモデル革新等、都内ものづくり中小企業のモデルケースとなるような先駆的な事業
ローカル5Gとは?
工場内の工作機械や製造ラインをネットワーク接続する「スマート工場」は、5Gが持つ「高速・大容量」「低遅延」「同時接続」という特徴を最大限活用することができる分野の1つと言われています。
この「スマート工場」を通信事業者が提供する5Gではなく、「自営の5G通信システム」で実現するものがローカル5Gです。
※5Gについて更に詳しく知りたい方は、本助成金の実施に向けて「ローカル5G」の可能性、導入にあたってのポイントなどをお伝えする「ローカル5G導入セミナー」並びに本助成事業説明会が開催されますので、そちらへの参加も是非ご検討ください。
ローカル5G導入セミナー及び事業説明会
日時 :12月1日(申込期間11月17日~11月30日)
定員 :会場定員50名 WEB定員100名
内容 :
①ローカル5Gの特徴と導入にあたってのポイント
②ローカル5Gの現状と製造業におけるユースケース
参加費:無料
申込はこちら
https://www.tokyo-kosha.or.jp/topics/2010/0009.html
助成対象経費
5Gの導入や運用に直接必要となる経費
(1)干渉調整費
設置場所の現地調査、干渉調査、地権者調整等に要する経費
(2)免許申請費
電気通信事業者登録、届け出指導、仮・本免許申請書作成指導等にようする経費
(3)免許申請手数料
免許申請手数料、免許申請に付随する検査費用等に要する経費
(4)購入、リース、レンタル費
アンテナ、コア装置、端末、関連センサー・ロボット、サーバー、サーバールーム、システム、ソフトウェア、アプリケーション(改良・カスタマイズ含む)等に要する経費
(5)設計・構築費
5Gの導入・運用に必要となる構築マネジメント(プロジェクトの立案、進捗管理、コスト管理等)アンテナ設置場所の選定、ユースケースの決定、5G構成(基地局、コア装置、システム、端末、アプリケーション、クラウド等の選定等)に要する経費
(6)設置・工事費
アンテナ等の設置工事、端末、関連センサー、サーバー等の据付費、その他の物理工事(サーバールーム創設のための造作工事、電気工事、建設工事、LAN・光施設等の5Gの導入・運用に直接関係する付帯工事)等に要する経費
(7)電波使用料
助成事業実施期間中に生じる5G電波の利用料
(8)保守・運用費
操作指導や責任者研修、モニタリング、定期点検、維持管理委託費等に要する経費
※上記に掲げる区分のうち、自社で直接設置することが困難又は適当でないものについては、外部の専門事業者等へ委託することが出来ます。
助成対象外となる事業の例
・助成事業実施期間に5Gの運用、検証が見込めない事業
・5Gの導入、運用に対する結果の検証について、十分に行われない事業
・5Gの通信環境整備のみを目的とし、生産性の向上やビジネス革新への貢献に直結しない事業
・令和3年度末までに申請した機器の設置をすることができない事業
・公序良俗に反するなど、事業の内容について適切ではないと判断される事業 など
事業管理コーディネータの派遣
本事業で実施する5Gの導入、運用及び検証や助成金交付の実現を効果的かつ効率的に進めるため、事業管理コーディネータが定期的に事業者を訪問し、プロジェクト管理支援や進捗状況に合わせた経営面や技術面等でのアドバイス、専門領域における専門相談員の派遣などを行います。
助成事業実施期間
令和3年1月1日から令和5年12月31日まで(最長3年間)
※交付決定は3月下旬頃を予定していますが、1月1日以降に実施した事業については訴求して助成対象とすることが可能です。
助成率
5分の4
助成限度額
1億2,000万円
事業の流れ
事前に電話で日時を予約し、申請書提出期間(令和2年11月17日~令和3年2月15日)に対面で書類を提出します。
申請書類の受付時に、記載漏れや提出漏れなどの確認及び申請受付後のスケジュール説明などを行うため、1時間程度かかります。
【東京都中小企業振興公社HPより】
まとめ
今回は新たな通信技術として期待が高まる5Gを活用した、中小製造事業者の先駆的な取り組みを支援する「5Gによる工場のスマート化事業」について紹介しました。
国内製造現場で急務となっている少子高齢化による人手不足の解消や、感染症対策としての業務の非接触化などを進めるためにも、工場の自動化や生産性向上による「スマート工場」の実現は、全ての国内製造事業者にとって共通の課題といえます。
製造業の未来を担う新しい工場の実現に向け、都内事業者の方は是非「5Gによる工場のスマート化事業」をご活用ください。