東京都で「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業(第1回)」の申請予約が5月6日よりスタートします。
この「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」は、これまで東京都で実施されてきた「成長産業など設備投資特別支援助成事業(平成27年度~)」「革新的事業展開設備投資支援事業(平成29年度~)」の後継となる、企業の設備投資を対象とした助成金事業です。
今回からはこれまで原則として対象外であったITツール(ソフトウェア)の単独購入が助成対象経費となっているほか、特定の機器のみを対象としていた器具備品に関する制限の撤廃、助成金の対象となる設備の下限額の引き下げなど多くの変更が加えられており、使い勝手の良さが向上している印象です。
都内の事業所だけでなく、本店が東京都にある場合には東京都内及び神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、山梨県に所在する支店も助成対象となるため、利用できる事業者の方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事の目次
東京都躍進的な事業推進のための設備投資支援事業(助成金)
この事業は、先端技術を活用して持続的発展を目指す中小企業者等が、「更なる発展に向けた競争力の強化」「デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進」「イノベーションの創出」「後継者による新たな取り組み」に必要となる機械設備等を導入するための経費の一部を助成するものです。
都内中小企業の自ら稼ぐ力を強化し、新たな事業展開やイノベーションの創出を促し、「稼ぐ東京」を実現することを目的としています。
申請対象者
令和3年4月1日現在で東京都内に登記簿上の本店または支店があり、都内で2年以上事業を継続している中小企業者等(中小企業者、中小企業団体、小規模企業者)
※東京都内に本店がある場合は東京都内及び神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、山梨県に所在する支店を対象施設とすることが可能です。
【中小企業等の範囲】
・製造業その他: 資本金3億円以下の会社 又は 従業員数300人以下の会社及び個人
・卸売業: 資本金1億円以下の会社 又は 従業員数100人以下の会社及び個人
・小売業: 資本金5千万円以下の会社 又は 従業員数50人以下の会社及び個人
・サービス業: 資本金5千万円以下の会社 又は 従業員数100人以下の会社及び個人
【小規模事業者の範囲】
・製造業その他:従業員数20人以下の会社及び個人
・商業・サービス業:従業員数5人以下の会社及び個人
助成対象事業
以下のⅠ~Ⅳのいずれかに該当する事業であること
Ⅰ.競争力強化
更なる発展に向けて競争力強化を目指した事業展開に必要となる機械設備を新たに導入する事業
具体例・・・
・量産体制の構築
・安定供給体制の確立
・多品種少量生産への対応
・生産工程の改善
・製品、技術の品質向上、信頼性確保
・特殊素材、難加工、複雑形状への対応
・自動化、省力化
・一貫加工の実現
・短納期への対応
・コストダウン
・不良率削減
・感染症対策関連商品の増産要請への対応
Ⅱ.DX推進
IoT、AI、ロボット及びデジタル技術の活用により、新しい製品・サービスの構築や既存ビジネスの変革を目指した事業展開に必要となる機械設備を新たに導入する事業
具体事例・・・
・機械制御の自動化
・生産設備の稼働状況把握
・以上・故障監視
・物流の効率化
・生産ラインの最適化
・ロボット導入による24時間稼働の実現
Ⅲ.イノベーション
都市課題の解決に貢献し、国内外において市場の拡大が期待される産業分野において、新事業活動に取り組むことで、イノベーション創出を図るために必要となる機械設備を新たに導入する事業
具体事例・・・
・防災・減災・災害対策分野(耐震化対策、不燃化対策に関する製品の生産)
・インフラ円手ナンス分野(都市インフラのメンテナンスに関する製品の生産)
・安全・安心の確保分野(セキュリティ対策や、感染症対策等に関する製品の生産)
・スポーツ復興・障碍者スポーツ分野(スポーツ復興や障碍者スポーツに関する製品の生産)
・子育て・高齢者・障害者支援の分野(子育て・高齢者・障害者支援に関する製品の生産)
・医療・健康分野(医療や健康管理に関する製品の生産※医薬品や医薬部外品は対象外)
・環境・エネルギー分野(省エネルギー・再生可能エネルギーに関する製品の生産)
・国際的な観光・金融都市の実現分野(観光客の行動支援に関する製品の生産)
・交通・物流・サプライチェーン分野(次世代自動車、物流機能強化に関する製品の生産)
Ⅳ.後継者チャレンジ
事業承継を契機として後継者による事業多角化や新たな経営課題の取り組みに必要となる機械設備を新たに導入する事業
※基準日の3年前から助成対象期間の起点の前日までに、下記のいずれかの方法により事業承継を行った事業者又は行う予定の事業者が対象です。
①同一法人における代表者後退による承継
②個人事業における廃業、開業を伴う事業譲渡による承継
③個人事業における廃業を伴う、個人事業主から新設法人への事業譲渡による承継
具体事例・・・
・事業転換に向けた新商品の生産
・新たな経営戦略に基づく製品・技術・サービスの高付加価値化
・新たな生産方式のどうにゅうによる品質保証体制の確立
・新事業分野への参入など
助成内容
「Ⅰ.競争力強化」
【中小企業者の場合】
助成率:1/2以内 助成限度額:1億円
【小規模事業者の場合】
助成率:2/3以内 助成限度額:3千万円
※助成下限額:100万円
「Ⅱ.DX推進」「Ⅲ.イノベーション」「Ⅳ.後継者チャレンジ」
助成率2/3以内 助成限度額1億円
※助成下限額:100万円
【助成対象経費】
機械装置、器具備品、ITツール(ソフトウェア)の新たな導入、搬入・据付等に要する経費
※1基あたり50万円以上のものに限る
※ソフトウェアの助成金交付申請額は300万円以上1,000万円以下となります。
【助成対象期間】
令和3年10月1日~最長令和5年3月31日(交付決定日の翌月1日から1年6ヶ月間)
申請について
下記のサイトから申請書をダウンロードし必要事項を記入、申請予約期間中に下記のサイトから「申請エントリー」を行い、公社が指定する日時に申請書類一式を持参して申請受付を行います。
東京都中小企業振興公社HP
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/setsubijosei/yakushin.html
【事業の流れ】
1.申請予約 5/6~5/26
2.申請受付(対面) 6/1~6/8
3.一次審査 6月下旬~7月上旬
4.二次審査(面接) 8月中旬
5.助成対象者決定 9月中旬
6.採択者への事務手続説明会 9月下旬
7.助成対象事業の実施
まとめ
今回は東京都に所在する中小企業者等が設備投資に活用できる助成金制度「東京都躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」について紹介しました。
過去に実施されてきた「成長産業など設備投資特別支援助成事業(平成27年度~)」「革新的事業展開設備投資支援事業(平成29年度~)」は製造業に限定した助成金事業でしたが、今回からは対象となる業種の制限がなくなり、全ての業種で申請が可能となっています。
都内中小事業者の方は、是非活用をご検討ください。