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有事の事業継続には、備えが重要!令和4年度BCP実践促進助成金を活用しよう

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帝国バンクの調査では、2022年8月1日時点での新型コロナウイルス関連倒産は3,813件に上りました。2020年2月には2件だった倒産件数が、わずか2年半で大きく増加していることがわかります。

ワクチンの普及や治療薬の開発等、新型コロナウイルスへの医療的な対策が急がれていますが、経済的な復旧にはまだ時間がかかりそうです。こうした有事において、企業の事業継続計画が重要な役割を果たします。

令和4年度も東京都のBCP実践促進助成金の公募が始まりました。今回は令和4年度BCP実践促進助成金について、その助成額や手続き方法などをまとめました。

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この記事の目次

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なぜBCP対策が必要なの?

BCP対策は企業規模に関わらず、すべての企業にとって必要な計画です。まずはその概要や重要性について、確認していきましょう。

BCPとは

BCPとは、自然災害や感染症などの不測の事態に備え、企業にとって中核となる事業の継続のために平常時から行うべき行動などに関する事業継続計画のことです。緊急時にも事業を継続させるための方法や手段等を、事前に取り決めておきます。

BCPの重要性

新型コロナウイルスの流行やウクライナ情勢の悪化に加え、サル痘の感染が世界的な広がりを見せるなど、先行きの予測できない事態が続いています。さらに近年、地球温暖化を背景にした気候変動や水害も日本各地で増えています。

こうした緊急時にも事業を継続させるための計画がBCP対策です。緊急事態が発生すると、企業は大きなダメージを受けます。復旧までに時間がかかれば、そのまま廃業する可能性もあります。

出典:中小企業庁

平常時から有事に備えた事業計画を立てておき、復旧に要する時間をできるだけ短縮することで、企業と社会活動の持続的な継続を図るのがBCPの役割です。

BCP実践促進助成金とは

BCP実践促進助成金とは、中小企業者等が策定したBCPを実践するための経費の一部を助成するものです。BCPの補完として、防災力を強化するための基幹システムのクラウド化費用も助成対象となります。まずは、助成額や対象経費について、見ていきましょう。

助成限度額・助成率

BCP実践促進助成金の助成金額には、上下限度額があります。助成金の申請額が下限額に届かない場合は助成の対象となりません。助成金額や助成率は以下のとおりです。

【助成上限額】
1,500万円(うち、クラウド化の助成額の上限は450万円)

【下限額】
10万円

【助成率】
・中小企業者等…助成対象経費の1/2以内(「電力の確保に資する機器」については4/5以内)
・小規模企業者…助成対象経費の2/3以内(「電力の確保に資する機器」については4/5以内)

なお「電力の確保に資する機器」とは、策定したBCPに記載がある緊急時用の自家発電装置や蓄電池が想定されています。

BCP実践促進助成金の助成対象事業

助成対象事業は、次の(1)および(2)に該当するものです。

(1)助成対象場所
原則として東京都内の事業所への設置が必要ですが、東京都内に本店を有する場合は茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、神奈川県及び山梨県の都外設置も助成の対象となります。

(2)助成対象事業
助成対象事業はBCPで定めた、地震、風水害、感染症拡大、電力の確保など発生が予見できないリスクに対する防災・減災を目的とした以下①~⑨の事業のうち、申請事業者が使用する分が対象になります。(グループ会社などとの共用は不可)

①緊急時用の自家発電装置、蓄電池

  • 太陽光パネル・蓄電池は可搬式で、非常時に設置して使用するもの
  • 太陽光パネル・蓄電池・自家発電システムは平常時の売電・節電に使用するものでないこと

②従業員等の安否確認を行うためのシステムの導入・サブスクリプション契約によるサービスの利用
③クラウドサービス等によるデータのバックアップ
④制震・免震ラックへの買い替え、飛散防止フィルム、転倒防止装置の設置等
⑤緊急時用の従業員用非常食、簡易トイレ等の備蓄品
⑥災害対策用物品設備の購入(ハザードマップの提出が必要です)
⑦マスク、消毒液等の感染症を想定したもの
⑧BCPの補完として実施する基幹システムのクラウド化
⑨耐震診断

なお、いずれも緊急事態に際しての事業継続を目的としたものであり、事業用としてのみ使用するものであることが必要です。

BCP実践促進助成金の助成対象経費

助成対象経費は、以下の(1)~(3)です。なお対象となる品目数は、20品目が上限です。

(1)物品購入費
(2)設備購入費 ※設置に伴う工事に係る経費は(3)工事費等に計上されます。
(3)工事費等

  • 工事費…設備の設置に必要な、材料・消耗品・雑材料費、直接仮設費、労務費、設備運搬費などが対象です。ただし労務費において、東京都が定める「公共工事設計労務単価」の上限を超えた部分は対象外になります。また機器の設置経費の場合、助成対象額は機器本体の25%が上限です。
  • クラウドサービス利用料等…「従業員等の安否確認を行うためのシステムの導入・サブスクリプション契約によるサービスの利用」や「クラウドサービス等によるデータのバックアップ」の初期費用・利用料が対象です。なお、助成対象となる利用料の範囲は最低契約期間分または12か月分のいずれか低い額が上限となります。また「1年未満での中途解約ができない」、「中途解約した場合でも返金しない」という旨の条項があるものに限ります。

【対象外経費】
以下の費用は助成対象外です。

  • 建物・構築物の建築、増築、改築などにかかる経費
  • 保険料
  • 人件費
  • 維持管理費、機器等の保守費
  • 運営、業務等委託費、通信費
  • ドキュメントの作成費、操作等の教育費用
  • 設計費、改修費、開発費、契約にかかる保証金
  • 消費税その他の租税公課、光熱費、事務費等
  • 既存設備等の撤去・処分のための工事関連費用
  • 消耗品、汎用性の高い備品、機器等にかかる経費
    ※ただし感染症対策に要するマスク、消毒液等は対象になります。
  • 借入金などの支払利息および遅延損害金
  • 親会社、子会社、グループ企業等、関連会社との取引により発生する経費
  • 普通預金・当座預金からの振込以外の方法で支払った経費
  • 現在の事業遂行に使用可能と判断されるもの・事業拡大のための投資に該当するもの
  • 5年間保存、使用ができないもの
  • リスク対策として適切でないもの
  • 設置が義務付けられているもの
  • その他公社が公的資金を投入する助成金の対象として適さないと判断されるもの
  • 医師、医療機関でのみ使用可能な医薬品・医療用品等、検査薬、検査サービス 等

BCP実践促進助成金の申請要件

助成金の申請には、以下の(1)~(4)をすべて満たすことが必要です。

(1)法人・個人に関する要件
中小企業者、中小企業団体、個人事業主、小規模企業者区分で申請の場合小規模企業者のいずれかであること

(2)BCPの認定に関する要件
下記のうち、いずれか1つのBCPを提出できること

  • 平成29年度以降に公益財団法人東京都中小企業振興公社総合支援課が実施する「BCP策定支援事業(BCP策定講座・BCP策定コンサルティング)」による支援を受け、受講内容を踏まえたBCP
  • 中小企業強靱化法に基づく「事業継続力強化計画」の認定を受け、その内容に基づいて作成したBCP
  • 平成28年度以前の東京都又は公社が実施したBCP策定支援事業等の活用により策定したBCP

(3)都内での事業継続に関する要件
申請日の時点で以下のすべてに該当していること

  • 法人の場合…東京都内に登記簿上の本店又は支店を有している
    個人の場合…開業届を提出して東京都内で営業している
  • 東京都内で実質的に1年以上事業を行っている

(4)その他の要件
以下のすべてに該当していること

  • 過去にBCP 実践促進助成金の交付を受けていない
  • 東京都に法人事業税・法人都民税等を納税し、その他租税の未申告、滞納がない
  • 東京都および公社に対する賃料・使用料の債務の支払いが滞っていない
  • 営業に関して必要な許認可を全て取得している
  • 過去に公社から助成金の交付を受けている者は、「状況報告書」等を所定の期日までに提出している
  • 過去に公社、国、都道府県、区市町村等から助成事業の交付決定の取消等、または法令違反等の不正の事故を起していない
  • 事業の継続性について不確実な状況が存在していない
  • 休眠会社として解散したものとみなされていない
  • 金融業・保険業の保険媒介代理業を除く保険業、農林水産業を営んでいない
  • 暴力団関係者または風俗営業者等でない
  • その他、公的資金の助成先として適切でないと判断する業態を営むものではない

BCP実践促進助成金の申請方法

次は申請の手続きについて見ていきます。申請は対面のみで行われますが、事前予約が必要です。まずは手続きの流れや締め切りをまとめました。

申請の流れ

申請の流れは以下の通りです。太字に下線を引いた部分が事業者の手続きです。

(1)BCP策定講座受講・事業持続力強化計画認定
(2)BCP策定
(3)助成金申請
(4)審査会
(5)交付決定
(6)事業実施
(7)完了報告
(8)完了検査
(9)助成金確定
(10)助成金請求
(11)助成金支払い

申請方法

申請の前には、電話にて申請受付の予約が必要です。予約した受付日に、秋葉原庁舎設備支援課まで書類一式を持参します。郵送やメール等での申請はできません。

公募期間

次の申請は、10月に募集される予定です。現在のところ、募集期間は以下のようになっています。

【10月募集(予定)】
令和4年10月3日(月)~12日(水)
※予約受付:令和4年9月26日(月)~29日(木)

【1月募集(予定)】
令和5年1月11日(水)~19日(木)
※予約受付:令和4年12月20日(火)~23日(金)

必要書類

申請に必要な書類は以下のとおりです。

  • 申請前確認書
  • 助成金申請書
  • 履歴事項全部証明書
  • 積算根拠書類(見積書)
  • 助成対象の仕様がわかる書類
  • 保管・設置場所関連書類
  • 直近3期分の確定申告書(写し)
  • 納税証明書
  • 会社案内
  • 発注先の会社案内
  • 営業に必要な許認可証(写し)
  • BCP(写し)
  • BCPの認定要件の証明に係る書類
  • 工程表・設計図書類(写し)
  • 建物所有者の承諾書
  • 小規模事業者に該当することの確認書類及び関係書類
  • 導入設備・製品リスト
  • 別途公社が指定する書類

BCP実践促進助成金活用のメリット

BCP対策ができているかどうかは、有事の事業継続に大きな影響を及ぼします。とはいえ、いつ起こるかわからない災害や不測の事態に対する備えは、予算的にも後回しにしてしまいがちです。

しかし、予算的な余裕の少ない企業ほど、天災や社会情勢の悪化に対応する力がないのも事実です。そうした「万一の備え」に対する予算的な問題を解決するために、BCP実践促進助成金は設立されました。本助成金を活用してもしもの備えを整えることは、有事の事業形態について見直すことにもなります。その結果、「備え」だけではなく、企業の在り方全体の改善にもつなげることができるのです。

まとめ

昨今の社会情勢の急激な変化や増加する災害への対応は、すでに企業の在り方そのものを変えているといっても過言ではありません。新しい生活様式の確立は新しいニーズの誕生でもあります。しかしチャンスをピンチに変えるためには、まずは企業の受けるダメージを最小限に抑えなくてはなりません。BCP実践促進助成金は「備え」だけでなく、逆境でこそ成長を目指す企業に活用してほしい助成金です。

参考:令和4年度 BCP実践促進助成金 申請案内

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