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TOKYO戦略的イノベーション促進事業とは?スタートアップの成長を支援する制度

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東京は国際的な産業都市として、これまで日本経済を牽引してきました。しかし、近年のグローバル化や少子高齢化などによって、産業分野は揺れ動いています。また、原油・原材料高などの変化にも見舞われていることから、東京は産業力を高め新たな成長軌道に乗せることが求められています。

そんな中、東京都では、都内中小企業やスタートアップの成長を支援する「TOKYO戦略的イノベーション促進事業」を実施しています。次世代の技術・製品開発を促進させ、産業分野で持続的に成長したいとお考えの都内対象事業者は、ぜひこの記事を参考にしてください。

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この記事の目次

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戦略イノベとは

戦略イノベとは、都内中小企業・スタートアップ等が革新的な研究開発を実施するため、必要な費用を支援する事業です。都内中小企業が「イノベーションマップ(※)」に基づき、自社のコア技術を基盤として社外の知見・ノウハウ等を活用することで、東京の産業の活性化を図るのが目的です。

(※)イノベーションマップとは、東京が抱える問題を取り除くため、東京都が策定した技術開発方針です。

成長産業分野は国内外での競争が激しく、技術革新のスピードが速いことに加え、求められる技術・製品の内容が高度で複雑化しています。イノベーションマップの策定は、中小企業が成長産業分野への参入を検討する際の指針となるよう、都市課題と技術・製品開発動向を示すことを目的としています。

9つの開発支援テーマと、それぞれの技術・製品開発の動向等の具体的な内容については、後述の「開発支援テーマ」をご参照ください。

助成内容

【助成対象期間】
令和6年1月1日~令和8年12月31日(最長3年)

【助成限度額】
8,000万円(申請下限額1,500万円

【助成率】
2/3以内

【連携コーディネータによる支援】
各事業を効率的に支援するため、連携コーディネータを設置し、助成事業のアドバイスや中間・完了検査に対するフォローを行います。

助成事業の要件

下記の要件を全て満たすものとします。

  • 技術・製品の研究開発が、イノベーションマップで定められた開発支援テーマに合致している。
  • 他企業・大学・公設試験研究機関等との連携(委託、外注、共同研究によるノウハウ等の活用)を含むものである。
  • 早期の事業化を目的とした研究開発である。
  • 開発についての情報を公社に開示可能である。
  • 事業全体の進捗管理や必要書類の管理等の担当者を1名設置する。

開発支援テーマ

開発支援テーマ 技術・製品開発の例示
①防災・減災・災害復旧 安否確認システム、分散型非常用電源 等
②インフラメンテナンス インフラ点検・診断、リノベーション 等
③安全・安心の確保 防犯カメラ・画像解析システム、感染症などの衛生対策 等
④スポーツ振興・障害者スポーツ 各種スポーツ、eスポーツ振興・バーチャルスポーツ 等
⑤子育て・高齢者・障害者等の支援 教育ツール、リモートワーク、介護支援 等
⑥医療・健康 生体現象計測・監視、治療・手術支援 等
⑦環境・エネルギー・節電 再生可能エネルギー、食品ロス削減 等
⑧国際的な観光・金融都市の実現 観光のパーソナライズ、資産の管理・運用システム 等
⑨交通・物流・サプライチェーン 自動運転支援装置・システム、次世代産業用ロボット 等

医薬品・医薬部外品やそれに類するものは原則対象外です。「技術・製品開発の例示」はあくまでも一例であり、「開発支援テーマ」に基づいた内容であれば対象とします。

各機器・システムの構成部品や部材等の周辺技術・製品の開発、また複数の開発支援テーマにまたがる技術・製品開発も対象とします。

※「技術・製品開発の例示」の詳細は、7月下旬にホームページで公開予定です。

申請者の申請要件とは

下記①~④の要件を全て満たすものとします。

申請要件
①下記のいずれかに該当する。
- 中小企業者
- 中小企業団体等
- 中小企業グループ(共同申請)
- 都内で具体的な創業を計画している者(創業予定の個人)
②組織形態が下記のいずれかに該当する。
- 法人
- 個人事業主
- 創業予定者
③下記に該当する研究開発実施場所を保有している。
- 自社の事業所、工場等である。
- 原則として都内である。
- 助成事業における成果物等が確認可能である。
④下記の要件全てに該当する。
- 同一テーマ・内容で助成等を受けていない。
- 同一年度の申請は一企業あたり一件である。
- 同一テーマ・内容で公社の助成事業に申請していない。
- 事業税等を滞納(分納)していない。
- 賃料・使用料等の債務支払いが滞っていない。
- 助成事業等に関する不正等の事故を起こしていない。
- 過去に助成金交付を受けている場合は「企業化状況報告書」や「実施結果状況報告書」等を提出済みである。
- 助成事業の継続性に関して不明瞭な状況(民事再生法による申立て等)が存在しない。
- 助成事業に必要な許認可を取得している。
- 暴力団関係者、風俗関連業、ギャンブル業、賭博等の業態を営んでいない。
- 連鎖販売取引、送り付け商法等、公的資金の助成先として不適切とみなされる業態を営んでいない。
- 申請に必要な書類を全て提出可能である。
- その他、公社が不適切とみなすものでない。

助成対象経費

以下に、助成対象経費と対象内容例をまとめました。

経費区分 対象内容例
原材料・副資材費 鋼材、機械部品、電気部品等の購入費
機械装置・工具器具費 機械装置・工具器具の購入、リース、レンタル、据付に必要な経費
委託・外注費 ①委託費(開発、試験等)
②外注費(製造・改造・加工、試料の製造・分析鑑定等)
③共同研究費(大学や試験研究機関等との間で、共通の課題を分担する研究開発等)
④試作品等運搬委託費
⑤ユーザーテスト費
専門家指導費 外部(専門家)からの技術指導費、外部(専門家)への技術相談費
直接人件費 研究開発に直接携わった社員の人件費、統括管理者の人件費
規格等認証・登録費 ①開発品の規格適合、認証の審査・登録に必要な経費
②開発品の規格等認証・登録に関する外部専門家の技術指導や、研修等に必要な経費
③薬事承認申請に要する臨床・非臨床試験の経費
産業財産権出願・導入費 ①開発した製品の特許・実用新案等に関する調査、出願、審査請求に必要な経費
②特許・実用新案等を他の事業者から譲渡、もしくは実施許諾を受けた際の経費
展示会等参加費 ①出展小間料
②資材費
③輸送費
④通訳・翻訳費
広告費 ①パンフレット・PR映像等の製作に必要な経費
②新聞・雑誌・WEB等の掲載に必要な経費

必要な申請書類と提出方法

必要な書類は組織形態によって異なるため、詳細は募集要項のP.26~をご確認ください。

申請に必要な書類
〈共通〉
- 申請書
- 補足説明資料
- 特許・実用新案等の証拠書類の写し
- 見積書の写し
- 関心表明書
- 申請前確認書
- 申請に関する誓約書
- 事業成果の広報活動について

〈組織形態次第で必要となる書類〉
- 確定申告書の写し
- 源泉徴収票の原本
- 資金繰り表
- 助成事業を遂行可能な資金保有の裏付け書類
- 登記簿謄本原本
- 開業届の写し
- 法人事業税並びに法人都民税の納税証明書原本
- 所得税納税証明書原本
- 住民税の納税証明書原本
- 社歴書

申請書に記載する内容

申請書には、申請者概要のほか、事業説明(研究開発の概要、技術的特徴、市場投入計画、達成目標等)、事業実施計画(スケジュール、資金計画等)、補足説明資料(企画書、関心表明書、特許等公報)を記載します。

申請書類の提出方法

「Jグランツ」による電子申請を行います。なお、Jグランツを利用するには「GビズIDプライムアカウント」を発行する必要があります。

【エントリー期間】
6月30日~8月8日

【申請書提出期間】
8月10日~8月30日

審査方法

申請書類を基に一次審査(書類審査)を実施します。一次審査を通過した申請者へ現地調査と二次審査(面接審査)を実施し、総合審査会を経て助成対象者が決まります。

【審査の視点】
①経理審査(財務内容、事業予算、資金確保状況等)
②技術審査

  • イノベーションマップとの適合性
  • 新規性(従来の技術には見られない新しい開発要素等)
  • 優秀性(従来の技術に対しての優位性等)
  • 市場性(市場動向、ニーズの把握、販売見込み等)
  • 実現性(技術的能力、社内外体制等)
  • 計画の妥当性(事業計画や資金計画の適切性等)

事業の流れと申請スケジュール

①申請エントリー(6月30日~8月8日)
②申請書提出期間(8月10日~8月30日)
③一次審査(9月上旬~11月上旬)
④結果通知(11月下旬)
⑤現地調査(11月下旬~12月下旬)
⑥二次審査(令和6年1月上旬)
⑦助成対象者決定(令和6年3月上旬)
⑧事業実施(実施期間は最長で令和8年12月31日まで)
⑨事業完了・報告書提出
⑩完了検査
⑪助成金交付

まとめ

産業分野は国内外での市場拡大が期待されるため、東京都は都内中小企業の参入を促進する取組に力を入れています。「TOKYO戦略的イノベーション促進事業」は令和3年度から実施され、これまであらゆる分野の企業が採択を受けています。

本事業は、防災、医療、子育て・高齢者支援、交通・物流など幅広いジャンルが助成対象なので、多くの企業に成長できるチャンスをもたらします。これまで資金不足により、自社の技術・製品の研究開発が滞っていた対象事業者は、ぜひこの機会に本事業の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

参考:TOKYO戦略的イノベーション促進事業

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