東京都では、都内中小企業等が他企業や大学等と連携して行う革新的な技術・製品開発を支援する「TOKYO戦略的イノベーション促進事業」が設置されています。これは防災・減災からメタバース技術まで9つの分野を対象とし、最大8,000万円の研究開発費用が助成される制度です。また、コーディネータによるハンズオン支援も受けられます。
今回はTOKYO戦略的イノベーション促進事業の概要や申請方法をまとめました。
▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する
この記事の目次
TOKYO戦略的イノベーション促進事業とは?
TOKYO戦略的イノベーション促進事業は、都内中小企業等が社外の知見やノウハウを活用して行う、革新的な技術・製品開発を支援する助成事業です。
研究開発費用を、3年間で最大8,000万円を助成するとともに、連携コーディネータによるハンズオン支援が行われます。
まずは助成事業の概要をみていきましょう。
対象者
対象となるのは、都内の本店または支店で、実質的な事業活動を行っている中小企業者等です。会社および個人事業者が該当します。また、都内での創業を具体的に計画している個人も対象となります。
そのほか、主な要件は以下のとおりです。
| 主な要件 |
| 同一テーマ・内容で、公社・国・都道府県・区市町村等から助成等を受けていないこと |
| 事業税等や東京都および公社に対する債務の支払い等が滞っていないこと |
| 過去に不正等の事故を起こしていないこと |
| 助成事業の継続性について不確実な状況が存在しないこと |
| 暴力団関係者または風俗関連事業者等でないこと |
| その他、助成事業者として適切でないと判断されるものではないこと |
なお本助成事業の同一年度の申請は、1企業につき1件のみです。
対象事業
本事業の対象となる事業の主な要件は、以下のとおりです。
- イノベーションマップに掲げられた開発支援テーマに合致した技術・製品の研究開発であること
- 他企業・大学・公設試験研究機関等との連携した取組であること
- 早期に事業化を目指す研究開発であること
- 開発に関する情報を公社に開示できること
- 申請者と公社の窓口として、「統括管理者」を1名設置すること
なお支援期間の途中で申請要件を満たさなくなった場合や目標達成の見込みがないと判断された場合には、支援が打ち切られることもあります。
【助成対象期間】
令和8年3月1日から令和11年2月28日まで
最長で3年間、助成が受けられます。
イノベーションマップとは
本事業の対象となるのは、イノベーションマップに基づく取組です。
イノベーションマップは、東京が抱える課題を解決するため、成長産業分野における開発支援テーマと技術・製品開発動向等を示したものです。「『未来の東京』戦略」に掲げられている課題を中心として、都を取り巻く社会経済環境等を踏まえ、抽出した開発支援テーマで策定されます。
具体的には、次の9つの分野に関する技術・製品が該当します。
| 開発支援テーマ | 技術・製品開発の例示 |
| ①防災・減災・災害復旧 | - 安否確認システム - 災害情報収集・自動処理・配信システム - 避難生活に関する技術 等 |
| ②インフラメンテナンス | - インフラ点検・診断技術 - 自己修復材料等の新素材 - 建設現場の生産管理技術 等 |
| ③安全・安心の確保 | - 防犯カメラ・画像解析システム - 情報・ネットワークセキュリティ - 個人認証技術 等 |
| ④スポーツ振興・障害者スポーツ | - 各種スポーツに関する技術 - スポーツチーム運営の効率化に関する技術 - 東京2020大会のレガシーとして活用可能な技術 等 |
| ⑤子育て・高齢者・障害者等の支援 | - 教育ツールに関する技術 - 高齢者・子ども等の見守りに関する技術 - リモートワーク 等 |
| ⑥医療・健康 | - 生体現象計測・監視技術 - メンタルヘルスに関する技術 - 医用検体検査装置 等 |
| ⑦環境・エネルギー・節電 | - エネルギーマネジメントシステム - 蓄電池 - アップサイクル技術 等 |
| ⑧国際的な観光・金融都市の実現 | - メタバース・AR・VR技術 - 観光のパーソナライズに関する技術 - オーバーツーリズム対策に関する技術 等 |
| ⑨交通・物流・サプライチェーン | - カーテレマティクス・コネクティッドカー - シェアリングサービスに関する技術 - 自動配送ロボット 等 |
なお医薬品医療機器等法に規定する医薬品・医薬部外品およびそれに類するものは、原則対象外となります。
助成限度額と助成対象経費
助成率と上限額は、以下のとおりです。
| 助成率 | 2/3 |
| 上限額 | 8,000万円 |
【助成対象経費】
助成対象経費は、以下のとおりです。
- 原材料・副資材費
- 機械装置・工具器具費
- 委託・外注費
- 専門家指導費
- 直接人件費
- 規格等認証・登録費
- 産業財産権出願・導入費
- 展示会等参加費
- 広告費
なお本助成で所得した財産に関しては、5年間の間、目的外使用・売却・譲渡・交換・貸付・担保に供すること・廃棄に際、あらかじめ公社の承認が必要になります。
TOKYO戦略的イノベーション促進事業の申請について
申請時には、エントリーが必要です。その後、申請書類を提出し、審査を受けます。
出典:令和7年度 TOKYO戦略的イノベーション促進事業 公募要領
助成対象者が決定するのは、3月上旬頃の予定です。事業実施後、報告書の提出を受けて、助成金が支払われます。
そのほか、申請の方法や必要な書類をみていきましょう。
申請の方法
ホームページから申請エントリー後、Jグランツで電子申請を行います。なお申請エントリーをされていない場合、申請書類の受付ができません。
申請書類は、公社ホームページよりダウンロードしてください。持参、郵便、電子メール等、Jグランツ以外の方法による提出はできません。
【必要な書類】
申請時に必要な主な書類は、以下のとおりです。
- 申請書
- 申請前確認書
- 申請に係る誓約書
- 事業成果の広報活動について
- 社歴(経歴)書(個人・創業の場合は代表者の経歴書)
そのほか、事業形態などによって必要な書類が異なります。必ず公募要領等で確認してください。
審査
申請書類に基づき、一次審査(書類審査)が行われます。その後一次審査を通過した申請者には、現地調査および二次審査(面接審査)があります。
総合審査会を経て、助成対象者が決定する流れです。
審査の視点は、以下のとおりです。
| 経理審査 |
| - 財務内容 - 事業予算 - 資金確保状況 等 |
| 技術審査 |
| - イノベーションマップとの適合性 - 新規性(従来技術にない新しい開発要素など) - 優秀性(従来技術に対する優位性など) - 市場性(市場動向、ニーズの把握、販売見込みなど) - 実現性(技術的能力、社内外体制など) - 計画の妥当性(事業計画や資金計画の適切性など) |
審査結果は、書面にて告知されます。
まとめ
TOKYO戦略的イノベーション促進事業は、都内中小企業等の革新的な技術・製品開発を支援する東京都の助成制度です。防災・減災やインフラメンテナンス、安全・安心の確保などのテーマで、他企業・大学等との連携した研究開発が対象となります。申請はホームページでのエントリー後、Jグランツでの電子申請です。
防災や子育て・高齢者支援、交通・物流といったテーマは、持続可能な都市運営にとっても欠かせない観点です。東京が将来にわたって住みよく、人にも環境にも優しい街であり続けるために、TOKYO戦略的イノベーション促進事業を始めとする支援策を上手に活用していきましょう。
▼▼▼日々配信中!無料メルマガ登録はこちら▼▼▼
メルマガ会員登録する


