大手運送会社であるヤマトホールディングス株式会社およびグループ会社によって運営されている「ヤマト福祉財団」という財団があります。ヤマト福祉財団では障がい者福祉につながる事業を複数展開しており、今回紹介する「ヤマト福祉財団助成金」という助成金制度もその一つです。障がい者を雇用する事業所を支援してくれるため、該当の事業所・施設は今回の記事で詳細をチェックしておきましょう。
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この記事の目次
ヤマト福祉財団について
「ヤマト福祉財団」とは、クロネコヤマトの元社長が個人資産を寄付して設立した財団です。2022年3月末時点で、基本財産約60億円・賛助会員数個人76,004名を誇ります。
心身に障がいを持つ人々の「自立」「社会参加」をサポートすることを目的として、障がい者福祉事業や奨学金支給、障がい者による宅配事業など、さまざまな事業を展開しています。
ヤマトグループの企業姿勢である「地域社会から信頼される企業」を実現するために、多くの障がい者支援に取り組み、理念を体現している財団といえるでしょう。
2023年度ヤマト福祉財団助成金とは
「2023年度ヤマト福祉財団助成金」とは、上記で解説したヤマト福祉財団が展開している助成金制度です。
2023年度ヤマト福祉財団助成金には、以下の2種類があります。
- 障がい者給料増額支援助成金
- 障がい者福祉助成金
いずれの制度も、障がい者のための事業や活動などを支援しています。今回の記事で紹介するのは「障がい者給料増額支援助成金」の詳細についてです。
助成金の目的
2023年度ヤマト福祉財団助成金が展開している「障がい者給料増額支援助成金」では、障がい者の給料を増やす取り組みを実行している事業所・施設に対し、給与増額の手助けとなるような事業資金の助成を行っています。生産性向上に必要な設備・機器の購入資金も助成の対象になります。
募集内容
ヤマト福祉財団助成金の「障がい者給料増額支援助成金」の募集内容は以下の通りです。
①助成対象事業
下記に該当する事業が助成対象です。
- 障がい者の給料増額に関してモデルとなる効果的な事業
- 現在の事業を発展させ給料増額につながる事業
- 新規に行い、給料増額が見込まれる具体的な事業
ただし、現在保有する備品等の代替費用および材料費等の消耗品は助成対象になりません。
②助成金額
50万~上限500万円
③助成件数
30件程度
応募要件
以下の要件を満たす事業所や施設が助成金に応募できます。
1.厚生労働省が発表した令和2年度全国平均工賃額である「15,776円以上(就労継続支援A型事業所は79,625円以上)」を支給している。平均工賃額については、以下のいずれかで試算した月額平均給料が15,776円以上(就労継続支援A型事業所は79,625円以上)となっていれば助成対象となる。
- 年間給料総支給額÷(期末在籍数×12ヶ月)
- 年間給料総支給額÷(期末定員数×12ヶ月)
2.2021年4月から1年間の給料支給実績がある事業所・施設
3.事業を2023年4月以降に開始し、2024年2月末日までに購入を完了し、助成金を受給できる
4.助成対象事業について自己資金を負担する(10%以上)
5.下記の助成対象となる事業所・施設に該当している
- 就労継続支援A型事業所・就労継続支援B型事業所
- 生活介護事業所・地域活動支援センター
*最低賃金減額特例許可申請施設は応募対象外
応募方法
以下の必要書類を規定の宛先に郵送して応募しましょう。
- 障がい者給料増額支援助成金申請書(助成金募集要項P.6を参照)
- 企画書(書式自由。具体的な売上・給料増額計画をA4用紙3枚程度にまとめた書類)
- 障がい者給料増額支援助成金添付資料No.1&2(助成金募集要項P.8、9を参照)。2021年度の収入・給料支給実績、2022年度の収入・給料支給の見通し、2023年度と2024年度の収入・給料支給計画
- 2021年度工賃実績報告書のコピー(利用者の給料支給実績を都道府県へ提出している事業所)。提出していない事業所は、2021年度の給料総支給額と定員数がわかる書類のコピー
- 2021年度収支決算書コピー(就労支援会計と福祉会計の収支が記載された書類)
- 見積書・パンフレットなど価格のわかる資料
【提出先】
104ー8125
東京都中央区銀座2-16-10
公益財団法人ヤマト福祉財団 助成金事務局宛て
TEL:03-3248-0691・FAX:03-3542-5165
応募前に必ず「助成金申請書事前同意事項(助成金募集要項P.3を参照)」に同意をしましょう。選考結果については、2023年3月開催予定の選考委員会で決定し、文書で通知されます。ホームページにも掲載予定です。
【応募期間】
2022年10月1日(土)~2022年11月30日(水) *当日消印有効
助成金活用事例のご紹介
具体的に助成金を活用した機器の導入事例としては以下が挙げられます。
事業所名 | 助成対象設備 |
FarmAgricola(北海道) | 飼養羽数増加に伴う配合飼料量増加対応に向けた攪拌混合機・スクリューコンベア・粉砕機の購入資金 |
ラボラーレ登米(宮城県) | 新規事業に必要となる機器などの購入資金 |
多機能型支援センター大けやきの家(山形県) | スチームコンベクションオーブンとオーブンレンジの購入資金 |
ひまわり工房(埼玉県) | 汚物除去機の購入資金 |
しごとも(東京都) | 新規業務開始のための環境整備および機器購入、年間ライセンス契約の資金 |
就労支援事業所宿花(兵庫県) | 土壌改良に必要な日立バックホークボタトラクタ購入資金 |
障害福祉サービス事業所あんず・あぷりこ(鳥取県) | 作りたてに近い品質を保てるよう急速冷却するブラストチラー&ショックフリーザーの購入資金 |
上記を見るとわかる通り、ヤマト福祉財団助成金は全国にある事業所のさまざまなシーンで活用されています。幅広い事業に助成されているので、自社でも該当しないか一度チェックしてみることをおすすめします。
まとめ
障がい者給料増額支援助成金では、障がい者の雇用環境の改善や生産性向上に取り組む事業所を積極的に支援しています。給与増額や新規設備の導入など、自社だけでは資金面で限界がある取り組みも、助成金制度を活用することでスムーズに実行できるでしょう。