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ZEH補助金いくらもらえる?ZEH支援事業の対象者、申請方法を解説

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断熱性能と太陽光発電などの再生可能エネルギーシステムなどを組み合わせることで、年間消費エネルギーが実質ゼロになることを目指すのがZEH(通称ゼッチ)です。

ZEHは、環境に配慮されている点で注目されている他、新築で家を建てるもしくは新築建売を購入することで補助金申請ができる点で注目されています。

しかし、申請には専門知識を求められることもあり、一般の人には何かとわかりにくい点も多いのではないでしょうか。そこで、この記事ではZEH補助金の概要・申請方法についてわかりやすくまとめました。検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

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この記事の目次

国がZEHの普及を進める理由

ZEHは米国で2008年より次世代型住宅として注目されていました。日本では2014年の「第4次エネルギー基本計画」にてはじめて取り上げられ、その際、2020年までに「ハウスメーカー等が新築する注文戸建住宅の半数以上で、ZEH化を目指す」という目標が掲げられました。

実際の達成状況はハウスメーカーでは56.3%まで上昇したものの、一般工務店では1割弱(9.5%)、全体では4分の1弱(24.0%)。国内で供給される新築戸建の3分の1を占める建売では、ZEH化された住宅はわずか2.5%にとどまっているのが現状です。そのため、国の調査研究会でも「さらなるZEHの普及が必要」と結論づけられています。

そこでZEH関連の補助事業実施、太陽光発電パネルを第三者が保有するTPO型ZEHなどのモデル確立も含めたZEH普及を進めているところです。

ZEHとは?わかりやすく

ZEH(ゼッチ)とは、「net Zero Energy House」の略称です。つまり、「減らしたエネルギー量創り出したエネルギー量の合計が、年間一次エネルギー消費量と実質的に同等以上となる住宅」のことを指します。

これだけではわかりにくいので、それぞれを具体的に説明しましょう。

【減らしたエネルギー量】
高断熱・高気密な素材を使うことで、家全体の省エネ性能を向上

【創り出したエネルギー】
太陽光発電・燃料電池などで創った再生可能エネルギーの自家消費

【使用する一次エネルギー量】
冷暖房+換気+給湯+照明にかかる設備の高効率化(高燃費の設備)による一次エネルギー消費量の削減(20%~25%以上削減)

これらを実現することで、下記のような状態を目指すのがZEHです。

省エネ性能の向上+再生可能エネルギー≧年間一次エネルギー消費量

国の政策目標として、「新築住宅の平均で、住宅における年間一次エネルギー消費量が正味(ネット)ゼロになる住宅(ZEH)の実現を、2030年までに目指す」と発表しており、ZEH補助金が交付されています。執筆時点(2022年7月)では、令和7年度(2025年度)まで実施される予定となっているので、ZEH支援事業補助金が支給されている間の建築がおすすめです。
参考:ZEHの普及促進に向けた政策動向と令和4年度の関連予算案

ZEH補助金の対象者は?

戸建住宅を対象としたZEH補助金は3種類、対象となる住宅性能は4タイプあります。
まず、ZEH補助金の全体像を把握しましょう。

申請対象者

ZEH補助金のうち、戸建て住宅を対象とした補助事業の申請対象者は下記のとおりです。

  • ZEH支援事業:新築住宅を建築・購入する個人
  • 次世代ZEH+(注文住宅)実証事業:新築住宅を建築する個人
  • 次世代HEMS実証事業:新築住宅を建築する個人

対象となる住宅性能

次に、対象対象となる4つの住宅性能をそれぞれ見ていきましょう。

【ZEH】
必須性能として求められるのは、下記の要素です。
・断熱性能(窓・外皮など)
・太陽光発電
・省エネ設備
※上記の結果、省エネ基準より基準一次エネルギー消費量から20%以上削減

追加で、下記の要素がつけられます。
・蓄電システム(定置型)
・直交集成板(CLT)
・地中熱ヒートポンプ・システム
・PVTシステム(液体式・空気式)
・液体集熱式太陽熱利用温水システム

【ZEH+】
ZEHの要件を満たした上で、下記のうち2つ以上を選択して導入することが必要です。
・さらに高断熱化された外皮
・高度エネルギーマネジメント
・電気自動車を活用した、充電設備または充放電設備
※上記の結果、省エネ基準より基準一次エネルギー消費量から25%以上削減

追加で、下記の要素がつけられます。
・蓄電システム(定置型)
・直交集成板(CLT)
・地中熱ヒートポンプ・システム
・PVTシステム(液体式・空気式)
・液体集熱式太陽熱利用温水システム

【次世代ZEH+】
ZEH+の要件を満たした上で、かつ下記のうち1つ以上の導入が求められます。
・蓄電システム
・V2H充電設備(充放電設備)
・燃料電池
・太陽熱利用温水システム
・太陽光発電システム10kW以上

下記の追加が可能です。
・蓄電システム(定置型)
・燃料電池
・V2H充電設備(充放電設備)
・太陽熱利用温水システム(液体式・空気式)

【次世代HEMS】
ZEH+の要件を満たし、かつ下記の導入ができていることが必要です。
・蓄電システムまたはV2H充電設備のいずれか(蓄電システム、V2H充電設備(充放電設備)、燃料電池、太陽熱利用温水システムの設備を導入することも可)
・太陽光発電システムによって創られたエネルギーの最大活用、自家消費量の拡大を目的とするAI・IoT技術などによる最適制御を行う仕組み

追加で、下記をつけることもできます。
・蓄電システム(定置型)
・燃料電池
・V2H充電設備(充放電設備)
・太陽熱利用温水システム(液体式・空気式)

ZEH支援事業とは

全体像を把握したところで、ここからは新築住宅を建築・購入する個人が使える「ZEH支援事業」について、掘り下げていきます。住宅の高断熱化と高効率設備化による省エネ・省CO2化を検討するなら、まず知っておきたい支援事業です。

対象者

補助対象となる申請者は、下記4つの条件をすべて満たした者を指します。

  • 新築戸建住宅の建築主、もしくは新築戸建建売住宅の購入予定者(個人)であること
  • 「暴力団排除に関する制約事項」に記載されている事項に該当しない者であること
  • 政府が推進する国民活動「COOL CHOICE」の趣旨に賛同して、「COOL CHOICE賛同登録」を行っていること(※1)
  • 本事業で得られる温室効果ガス排出削減効果のJクレジット化(自己負担見合い分のみ)について、J-グリーン・リンケージ倶楽部等の国、地方公共団体または民間団体等が運営・管理するJ-クレジット制度に基づく排出削減事業で、その実施に関する意思表明を行うこと(※2、3)


1.特設サイトにて「賛同登録」を行ってください。
URL:https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/join.html

2.意思表明をした場合、「J-グリーン・リンケージ倶楽部」への入会に必要な手続きは、SIIが代行して行います。
URL:https://j-greenlinkage.go.jp/

3.入会の際、J-グリーン・リンケージ倶楽部および国へ申請者に関する個人情報を提供するので了承すること。

対象住宅

補助対象住宅は、下記5つの条件を満たしていることが条件です。

  • 申請者が常時居住する住宅であること。
  • 専用住宅であること。
  • 新築戸建建売住宅の場合、該当建売住宅の購入予定者であること。ただし、交付決定日以前に支払い・引き渡しを終えている新築建売住宅については、補助金対象外です。
  • 賃貸・集合住宅は対象外です。ただし、その一部に申請者が居住し、かつその住戸が公募要件を満たす場合は、その自宅部分のみ申請できます。
  • 住宅の敷地が「土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律」第9条第1項の規定に基づく「土砂災害特別警戒区域」に掛かっておらず、かつ交付要件のZEHまたはZEH+の要件を満たしていること。

交付要件

建築(購入)予定の住宅が、ZEH対応かZEH+対応かで異なります。ここでは、それぞれのケースにわけて交付要件を説明します。

ZEHの交付要件は下記のとおりです。

ZEHの交付要件(Nearly ZEH、ZEH Orientedも同様)
(1)ZEHロードマップに示した定義を満たしていること。
  • 外皮性能が地域区分ごとに定められた強化外皮基準(UA値)以上であること。
  • 設計一次エネルギー消費量が、基準一次エネルギー消費量から20%以上削減されていること(再生可能エネルギー等を除く)。
  • 太陽光発電システム等の再生可能エネルギーシステムを導入していること。売電を行う場合は、余剰買取方式のみ可能。
  • 設計一次エネルギー消費量は、再生可能エネルギー等を加え、基準一次エネルギー消費量から100%以上削減されていること。
(2)SIIに登録されたZEHビルダー・プランナーが関与(設計・建築または販売)する住宅であること。
(3)建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(『建築物省エネ法』)第7条に基づく省エネルギー性能表示にて、「ZEH」であることを示す証書を原則として中間報告前に取得し、その写しを中間報告時に提出できるようにすること。
(4)導入する設備が本事業の要件を満たすものであること。
(5)要件を満たすエネルギー計測装置(HEMS)を導入すること。

ZEH+の交付要件は下記のとおりです。

ZEH+の交付要件(Nearly ZEH+も同様)
(1)ZEHロードマップに示した定義を満たしていること。
  • 外皮性能が地域区分ごとに定められた強化外皮基準(UA値)以上であること。
  • 設計一次エネルギー消費量が、基準一次エネルギー消費量から25%以上削減されていること(再生可能エネルギー等を除く)。
  • 太陽光発電システム等の再生可能エネルギーシステムを導入していること。売電を行う場合は、余剰買取方式のみ可能。
  • 設計一次エネルギー消費量は、再生可能エネルギー等を加え、基準一次エネルギー消費量から100%以上削減されていること。
(2)SIIに登録されたZEHビルダー・プランナーが関与(設計・建築または販売)する住宅であること。
(3)建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(『建築物省エネ法』)第7条に基づく省エネルギー性能表示にて、「ZEH」であることを示す証書を原則として中間報告前に取得し、その写しを中間報告時に提出できるようにすること。
(4)導入する設備が本事業の要件を満たすものであること。
(5)ZEH+の選択要件として、下記2つ以上を選択して導入すること。
  • 地域区分ごとに定められた強化外皮基準(UA値)以上の外皮
  • 太陽光発電設備等の発電量等を把握した上で、住宅内の段冷房設備、給湯設備等を制御可能なHEMSの導入
  • 再生可能エネルギーシステムによって発電された電力について、電気自動車(プラグインハイブリッド車を含む)に充電可能な設備、または電気自動車と住宅間で電力の充放電を可能とする設備の導入

補助金額

補助金額は、ZEHかZEH+かで異なります。

【ZEH】ZEHの補助金額は、定額55万円です。

【ZEH+】ZEH+の補助金額は、定額100万円です。

補助対象住宅に以下に記載する設備等を導入する場合は、補助金額が加算されます。
①蓄電システム(定置型)
・2万円/kWh
・補助対象経費の1/3
・20万円
上記のうち、いずれか低い額

②直交集成板(CLT):90万円

③地中熱ヒートポンプシステム:90万円

④PVTシステム
・液体式:65万円もしくは80万円
・空気式:90万円

⑤液体集熱式太陽熱利用温水システム:12万円もしくは15万円

ZEH支援事業の申請方法

ここからは、ZEH支援事業の申請方法について説明します。まず申請の流れを確認しましょう。

ZEH認定ビルダー・プランナーに相談

ZEH住宅にしようと決めたら、認定ビルダー・プランナーに相談してください。ビルダーは主に建設会社、プランナーは主に設計事務所です。住宅の建築自体は認定ビルダーでなくてもできますが、補助金を受け取るためには認定ビルダーまたはプランナーが依頼を受けて、設計・建築・改修しなければならないと決められています。

また、認定ビルダー・プランナーは、ZEH普及目標や施工実績が公表されており、評価制度もあるので、その点でも安心して相談できるでしょう。現在、ZEHビルダー・プランナーは大手から地域の工務店まで、全国に7,500社以上登録されています。大手は全国的に建築実績を有している点が特徴です。一方、地域の工務店は各地域の特徴を知っている場合が多い点に特徴があります。

SIIのホームページより検索できるので、さまざまな選択肢を見すえつつ検討するといいでしょう。
URL:https://sii.or.jp/zeh/builder/search

建築プランの決定

断熱材や太陽光発電設備など、ビルダーによって採用するものが異なりますし、間取りなど提案するプランも異なるのが一般的です。上でも書いたように、全国に大手から中小工務店までたくさんあります。申請期間は決まっているので、その兼ね合いもあるものの、できるだけ複数の認定ビルダー・プランナーに相談して、複数のプランから比較検討するといいでしょう。

ZEH支援事業補助金の申請

建築プランが決まったら、ZEH支援事業補助金の申請に入ります。本補助金は、建築プランが決まっていないと申請できません。また、申請後は変更できないので、慎重に選んでください。

令和4年度より、ZEH補助事業補助金の申請は「ZEHポータル」を使った電子申請となります。「ZEHポータルはこちら」というボタンをクリックすると、申請ページが開くので登録後に申請してください。
URL:https://sii.or.jp/moe_zeh04/support/public.html

申請手続きに専門知識が求められることもあり、通常はZEH認定ビルダー・プランナーが申請手続き代行者を兼ね、必要書類を揃えて手続きを行うのが一般的です。そのため、建築主(購入者)が自分で申請書を出すことはありません。なお、公募は先着順に受付が行われ、順次審査が行われます。予算が決まっているため、到達した時点で公募も終了します。その後は原則として受け付けられないので、注意が必要です。補助金申請を希望する際は、早めに動きましょう。審査が完了し、申請を通過すると建築工事が開始されます。

完了報告書提出後に補助金受け取り

建築工事(購入手続き)が完了して、建築主(購入者)へ引き渡しが完了すると、認定ビルダー・プランナーより完了報告書が提出されます。その後、審査が行われて補助金額確定後に、確定通知書が発行されます。その後、指定の銀行口座へ補助金が振り込まれます。補助金支払は、確定通知書発行後に随時実施され、令和5年3月下旬までに完了予定です。

必要書類

「令和4年度 ZEH支援事業」の補助金申請の際は、ZEHポータルにログインして必要な情報の入力および提出書類のアップロードが必要です。書類は必須書類と、申請区分によって追加で必要となる書類があります。


必要書類
必須書類 - 配置図
- 本人確認書類の写し(有効期限内)
ZEH Oriented(狭小住宅)による申請の場合 - 敷地求積図(求積計算も記入)※配置図との兼用も可能
- 平面図
- 立面図(四面)
- 登記事項証明書
- 地積測量図・公図
- 都市計画図等
- 敷地写真(1枚)
補助対象住宅に特定のシステムを導入する場合 - 平面図(兼設備設置図)
- システム構成部材一覧
- システム構成図
※対象となるシステムは、下記のとおりです。
・直交集成板(CLT)
・地中熱ヒートポンプシステム
・PVTシステム
・液体集熱式太陽熱利用温水システム
リースの場合 - リース契約書(案)
- 役員名簿

スケジュール

令和4年度の一般公募は、四次公募まで予定されています。現在は一次公募が終了して、二次公募が受付中です。

【二次公募】
公募期間:令和4年7月4日10時~8月19日17時まで
審査・交付決定:令和4年9月9日完了予定
完了実績報告書提出期限:令和5年1月20日

【三次公募】
公募期間:令和4年8月29日10時~10月7日17時まで
審査・交付決定:令和4年10月28日完了予定
完了実績報告書提出期限:令和5年2月3日

【四次公募】
公募期間:令和4年11月21日10時~令和5年1月6日17時まで
審査・交付決定:令和5年1月27日完了予定
完了実績報告書提出期限:令和5年2月10日

三次公募・四次公募については、現時点での予定です。公募開始前には、詳細な募集要項が開始されるので、SIIのホームページをチェックしておきましょう。公募の申請状況はホームページ上で公開されているので、申請の参考にしてください。
URL:https://sii.or.jp/moe_zeh04/support/public.html#second

まとめ

いかがでしたでしょうか。

この記事では、個人向けの戸建て住宅へのZEH支援事業についての概要、および申請スケジュールについて解説しました。

2014年の「第4次エネルギー基本計画」で取り上げられたZEHも、現時点では令和7年度(2025年度)までの予算計上が予定されています。SIIのホームページの情報も参照して、補助金申請を希望される方は早めに利用するようにしましょう。

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