最近よく耳にするようになってきた「テレワーク」という働き方は、人手が欲しい企業や社員の多様な働き方を支援したい企業と、「在宅で働きたい」「時間と場所にしばられず柔軟に働きたい」と思っている人を結びつける新しい働き方のことです。
テレワークは通勤・通学のラッシュ対策としても関心を集めており、2020年の東京オリンピック・パラリンピック期間中の交通機関の混雑緩和へ向け、テレワークの導入がますます注目されるようになってきています。都では企業のテレワーク環境構築の推進を図るため、はじめてテレワーク(テレワーク導入促進整備補助金)として最大で110万円(補助率10/10)の補助金を交付しています。今回はそんな「はじめてテレワーク」についてご紹介します!
この記事の目次
はじめてテレワーク(テレワーク導入促進整備補助金)概要
事業概要
東京都が実施するテレワーク導入に向けたコンサルティングを受けた企業等に対して、テレワークをトライアルするための環境構築経費および制度整備費を補助する事業です。
補助事業の内容
①テレワーク環境の構築
②就業規則へのテレワーク制度整備
①は在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務を行うための環境構築(機材購入費等)、②は就業規則へのテレワークに関する規則の整備を指し、補助を受けるには両事業について新たに取り組む必要があります。
補助金支給額
こちらの補助金の支給額は一補助対象事業者に対してのものになります。テレワークの環境を構築するために従業員規模が300~999人であれば最大で100万円の補助を受けることができます。また制度を整えるための取り組みに対しては10万円の補助となります。
補助対象事業者の主な要件
1、都内に勤務している常時雇用する労働者を2人以上999人以下、かつ6か月以上継続して雇用していること
2、都税の未納付がないこと
3、就業規則を作成して労働基準監督署に届出を行っていること
4、就業規則にテレワークに関する規定がないこと
5、都が実施する「2020TDM推進プロジェクト」に参加していること
6、都が実施するテレワーク導入に向けたコンサルティングを受けたこと
参考: 募集要項https://www.shigotozaidan.or.jp/koyo-kankyo/boshu/documents/telework_r1_boshuyoukou.pdf
「2020TDM推進プロジェクト」とは?
都が実施する、東京 2020 大会開催時の交通混雑緩和を目指すプロジェクトで、ホームページから参加申し込みができます。申し込みフォームに、企業名・ホームページURL・所在地・担当者情報(氏名、連絡先など)を入力し、送信すると仮申し込みとなり、特に問題がなければそれで登録が終了します。登録すると大会時の混雑予測情報などがいち早く手に入ります。登録に際して、義務を課したり、金銭的負担等を求めることはございません。
https://2020tdm.tokyo/
テレワーク導入に向けたコンサルティングとは?
以下のいずれかのコンサルティングを受ける必要があります。
①ワークスタイル変革コンサルティング
都内の中堅・中小企業等を対象に、業務改善と ICT に精通した専門家により、テレワーク導入の前提として必要となる、業務の洗い出しやワークスタイルの見直し・改善を支援するもの。
https://consulting.metro.tokyo.jp/workstyle/
②業界団体連携によるテレワーク導入促進事業
業界団体が取り組む、会員企業に向けたテレワーク導入を目的とした支援において実施するコンサルティング。
http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/hatarakikata/telework/gyoukai/
事業の流れ
http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/hatarakikata/telework/gyoukai/
流れとしてはまずテレワークを実施するにあたりコンサルティングの実施を行い、次に導入機器の選定を行います。その後テレワークの申請を行うことが可能です。最大で環境構築プラス制度整備に対して110万円の補助金が支給されます。
補助対象になるモノ、ならないモノ
対象になるモノ
①都が別途作成する「テレワーク導入プラン」より選定した、機器等の購入費用、システム構築費用、関連ソフト利用料
②モバイル端末等整備費用
③テレワークに関する規定を就業規則に定めることに要する専門家への委託料
①はビジネスチャットやWeb会議システム、勤怠管理ツールなどが対象になります。②のモバイル端末(ノート型パソコン、携帯情報端末等、画面と入力装置があるもの)は「テレワーク導入プラン」に含まれないものも補助対象になりますが、モバイル端末の購入のみですと補助対象外となります。
対象にならないモノ
①テレワーク導入パッケージ提案書・テレワーク導入プランの内容に合致しないもの
②間接経費(消費税・振込手数料・収入印紙代・事務手数料等)・旅費・光熱水費・物品購入に係る送料
③通信費(携帯電話通話料金、Wifi月額料金、インターネット回線・プロバイダー料金等)
申請受付期間
令和元年 5月29日~令和2年 3月31日(予算終了まで)
郵送または持参(締切日必着)
申請提出書類
①事業計画書兼支給申請書(様式第1号)
②誓約書(様式第2号)
③その他補助事業申請に係る書類
申請書様式は、(公財)東京しごと財団雇用環境整備課ホームページからダウンロードできます。
https://www.shigotozaidan.or.jp/koyo-kankyo/boshu/telework.html
①事業計画書兼支給申請書(様式第1号)に記載する内容は以下の通りです。
・補助事業実施予定期間
・企業の概要
・事業計画
・経費内訳書兼補助金額計算書
・事業所一覧
補助事業実施予定日は、提出日の1か月後を目安に、余裕を持って設定してください。(ただし、実際に開始できるのは支給決定日からとなります。)
事業計画書兼支給申請書(様式第1号)記入例
就業規則を委託で作成する場合
就業規則を自社で作成する場合
事業所一覧
記入例(募集要項)
https://www.shigotozaidan.or.jp/koyo-kankyo/boshu/documents/01_telework_bosyuyoukou_mihon.pdf
③その他補助事業申請に係る書類は、以下の通りです。
・雇用保険被保険者資格取得等確認通知書
・就業規則
・テレワーク導入パッケージ提案書
・「2020TDM 推進プロジェクト」への参加に関する資料
・会社案内または会社概要
・商業・法人登記簿謄本
・印鑑登録証明書
・法人都民税・法人事業税の納税証明書
・導入予定機器等一覧表
・見積書
・製品カタログ等
事業実施の注意点
支給決定日以後、事業計画書兼支給申請書に基づき、申請内容のとおりに事業を開始してください。支給決定後から3か月以内に事業を完了させる必要があります。※支給決定日以前に取り組んだ事業は対象外となりますのでご注意ください。
実績報告
事業が完了したときは、実績報告書(様式第8号)を作成し報告を行います。郵送または持参により、報告書類および添付書類を支給決定日から4か月以内に提出してください。事業実施に伴い発生した契約および支出、履行確認についてはその証明書類を提出してください。(見積書、発注書、契約書、納品書、請求書、領収書、導入機器等の写真、テレワーク勤務規定整備後の就業規定など)
まとめ
今回は、東京都のはじめてテレワーク(テレワーク導入促進整備補助金)についてご紹介しました。生産性やワークライフバランスの向上、多様な人材の活躍推進などの効果が期待されるテレワーク、導入を検討されている方も多いのではないでしょうか。しかし導入にあたって、「社内の理解」「テレワーク対象業務の整理」「必要なITツールの選定」など、どこからはじめたら良いのかわからず、取り組みが進んでいないケースもあると思います。はじめてテレワークはテレワークを試してみたい方へ向けた支援制度ですので、テレワークのことがよく分からないとお困りの方にこそ、利用していただきたい補助金制度です。ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。