デジタル化・AI導入補助金の1次採択率は46.3%!半分以上は不採択 次回で通す対策は?

公開日:2026/6/19 更新日:2026/6/19
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デジタル化・AI導入補助金2026の第1次締切の採択結果が、2026年6月18日に事務局から公表されました。採択率は全体で46.3%、通常枠では43.94%、インボイス枠(インボイス対応類型)46.88%という結果です。「事業計画を丁寧に作ったつもりが採択されなかった」という声も聞かれます。

本記事では、デジタル化・AI導入補助金2026の1次採択結果の詳細とあわせて、中小企業庁が公開する公募要領をもとに、不採択となる条件や減点項目、見落としやすい加点項目をわかりやすくまとめました。次の締切に向けて準備を進めている方は、ぜひ参考にしてください。

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デジタル化・AI導入補助金とは?【2026年・令和8年度】補助率や申請枠・変更点についても解説

この記事の目次

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デジタル化・AI導入補助金2026 1次締切分の採択結果

2026年6月18日に事務局から公表された、第1次締切の採択結果は以下のとおりです。

申請数交付決定数採択率
通常枠2,02889143.94%
インボイス枠
(インボイス対応類型)
4,3242,02746.88%
インボイス枠
(電子取引類型)
00
セキュリティ対策推進枠886472.73%
合計6,4402,98246.30%

全体の採択率は46.3%となり、半数以下という結果でした。

セキュリティ対策推進枠は72.73%と高めの数字が出ていますが、申請数自体が88件と少なく、参考程度の指標と捉えるのがよいでしょう。実質的には通常枠とインボイス枠(インボイス対応類型)が大半を占めており、いずれも半数程度しか採択されていない状況です。

前回最終公募との比較

採択率の傾向を読み解くうえで参考になるのが、前身制度である(旧)IT導入補助金2025の第8次締切(最終回・2026年2月17日公表)との比較です。制度名変更前の最後の結果と、変更後の最初の結果を見比べると、次のようになります。

2025 第8次2026 第1次
通常枠35.9%43.94%+8.04pt
インボイス対応類型45.0%46.88%+1.88pt
セキュリティ対策推進枠52.9%72.73%+19.83pt
全体42.6%46.30%+3.70pt

数字を見ると、いずれの枠も前回最終よりも採択率は上がっています。「採択率が大幅に下がった」とは言いきれない結果です。

ただし、楽観できる状況ではありません。IT導入補助金2025の通年推移を見ると、年度の途中で採択率が大きく動いていたことが分かります。

IT導入補助金2025 通年の採択率推移

IT導入補助金2025の通常枠における、各締切回の採択率は以下のとおりです。

締切回通常枠採択率
1次50.7%
2次41.1%
3次30.4%
4次34.1%
5次37.1%
6次43.6%
8次35.9%

参考:IT導入補助金2025の採択率・対策結果

IT導入補助金2025の採択率・対策結果 採択のポイントと見落としがちな減点項目を解説

2025年は年度を通して採択率が低水準で推移し、もっとも低かった3次締切では30.4%まで下がりました。今回の2026年1次の43.94%は、この推移のなかで見れば比較的高めの水準でスタートしたと言えます。一方で、2025年と同じパターンを辿るなら、年度後半にかけて採択率が下がる可能性も考えられます。

次の締切で確実に採択を目指すには、減点要因や加点項目を正しく理解したうえで準備を進めることが大切です。次章から、具体的な対策を解説します。

公募要領に書かれている「不採択」「減点」の条件

「不採択」と「減点」は、公募要領(通常枠)のなかで明確に区別されています。混同して説明されているケースもありますが、両者の違いを正確に理解しておくことが、対策を立てるうえで大切です。

明確に「不採択」と明示されている条件

公募要領には、以下の条件で明確に不採択になると定められています。

IT導入補助金2024またはIT導入補助金2025で交付決定を受けたソフトウェアのプロセスと、今回導入するソフトウェアのプロセスが重複する場合は減点となり、プロセスが完全に一致する場合は不採択

ここでいう「プロセス」とは、「共P-01 顧客対応・販売支援」「共P-02 決済・債権債務・資金回収」など、業務プロセスの分類のことです。

過去にIT導入補助金で交付決定を受けた事業者が、同じプロセスを担うITツールをもう一度導入しようとすると、プロセスが完全一致した時点で不採択になります。プロセスが一部重複するだけでも減点対象となるため、注意が必要です。

対策はシンプルで、前回採択時のプロセスと今回のプロセスが重ならないように選ぶことです。IT導入支援事業者と事前に確認しておきましょう。

減点措置となる5項目

公募要領で明示されている減点措置は5項目あります。それぞれの条件と対策をまとめました。

(1)過去採択者ペナルティ

・条件:IT導入補助金2022〜2025のいずれかで交付決定を受けた事業者
・対策:申請枠の選択を慎重に行い、プロセスをずらすか、事業計画でカバーする

(2)同年度内重複ペナルティ

・条件:デジタル化・AI導入補助金2026のインボイス枠で申請中、または交付決定済みの事業者
・補足:(1)(2)で同一機能(会計・受発注・決済)のITツールを導入する場合はさらに減点
・対策:複数枠の同時申請は、機能の重複に注意する

(3)プロセス重複ペナルティ

・条件:2024年または2025年のソフトウェアプロセスと今回のプロセスが重複(完全一致なら前述の不採択)
・対策:プロセスを別の軸に変える

(4)賃上げ未達ペナルティ

・条件:IT導入補助金2024以降で賃上げ加点を受けて採択された後、要件未達となった事業者
・対策:未達の場合は申告し、「やむを得ない理由」を効果報告で説明する

(5)横断ペナルティ

・条件:中小企業庁所管の他補助金で賃上げ加点を受けて採択された後、要件未達となった事業者
・対象補助金:ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、小規模事業者持続化補助金、事業承継・M&A補助金、成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業)、事業再構築補助金、中小企業省力化投資補助事業

(5)の横断ペナルティは、見落とされがちな重要なポイントです。補助金は補助金ごとに独立していると思われがちですが、賃上げ未達は18ヶ月間、横断的に減点される仕組みになっています。賃上げ加点での申請は、確実に達成できる計画の場合に限って活用することをおすすめします。

そもそも申請できない「対象外」となる条件

公募要領内の「2-1-2 申請の対象外となる事業者」では、申請以前の段階で対象外となる条件も定められています。主な項目は以下のとおりです。

・発行済株式の1/2以上を同一の大企業が所有する事業者
・発行済株式の2/3以上を大企業が所有する事業者
・課税所得3年平均が15億円超の事業者
・IT導入補助金2022〜2025のインボイス枠等で交付決定を受けた事業者(インボイス枠で再申請する場合)
・風俗営業、宗教法人、任意団体、暴力団等の関係者

採択率を上げる対策の前に、まずは自社が申請対象に該当するかどうかを公募要領で確認しておきましょう。

事業計画書で見られる3つの審査視点

ここまでで、減点・不採択の条件について確認しました。続いて、事業計画書の内容そのものが評価されず不採択となるケースを見ていきましょう。

公募要領「3-3(2)加点項目及び減点項目の審査」には、事業面の審査項目が明記されています。事業計画書は、次の3つの視点で評価されます。

視点1:経営課題の具体的な問題意識

公募要領では、自社の経営課題を理解し、経営改善に向けた具体的な問題意識を持っているかが審査されると示されています。

よくある不採択のパターンは、「労働生産性を向上させたい」「DXを進めたい」といった抽象的な記載に終始することです。これでは、経営課題を具体的に理解しているとは評価されにくいでしょう。

採択につながる書き方のポイントは,現状を定量化することです。たとえば「受注処理1件あたり平均15分かかっており、月間で40時間の手作業が発生している」「これにより営業担当が新規開拓に充てる時間が週5時間しか確保できていない」というように、数字と因果で示すと説得力が高まります。

視点2:課題とITツール機能のマッチング

審査では、自社の状況や課題分析、将来計画に対して改善すべきプロセスが、導入するITツールの機能による導入効果とマッチしているかも見られます。

不採択となりやすいのは、AIツールやRPAツールなど話題のものを選んだものの、自社の課題と直接結びつかないケースです。「とりあえずAIを導入したい」という動機では、採択は難しいでしょう。

「課題A → このITツールのX機能が解決する → 結果として労働生産性Y%向上」というロジックチェーンを明示することが大切です。AI活用の必要性についても、業務の文脈で説明できているかが問われます。「なぜAIが必要なのか」を具体的な業務シーンに落とし込んで説明できるかが、採否の分かれ目となります。

視点3:データ連携・社内横断的な活用

3つ目の審査項目は、内部プロセスの高度化や効率化、データ連携による社内横断的なデータ共有・分析等を取り入れ、継続的な生産性向上と事業の成長に取り組んでいるかです。

単発のツール導入で終わらず、既存システムとのデータ連携や他部門への波及効果を描けているかが評価のポイントとなります。特に、補助金額150万円以上を狙う場合は「4プロセス以上」が必須要件となるため、複数プロセスをまたぐ設計が採否を左右します。

見落としやすい加点項目15個を全部活かす

通常枠の加点項目は、公募要領に15項目が明示されています。「賃上げ」「セキュリティ」「インボイス対応」のみが取り上げられがちですが、残りの12項目も活用しないと採択のチャンスを逃してしまいます。

通常枠の加点項目15個を、取得難易度とあわせて以下の表にまとめました。

No.加点項目取得難易度推奨度
1クラウド製品選定
2サイバーセキュリティお助け隊サービス選定
3インボイス制度対応製品選定
4デジタル化セカンドオピニオン
5〜8賃上げ計画
(条件別4パターン)
中〜高
9IT戦略ナビwith実施
10健康経営優良法人2026認定
11えるぼし/くるみん認定
12成長加速マッチングサービス会員登録+課題登録
13省力化ナビ活用+解決策PDFダウンロード
14最低賃金近傍従業員30%以上
(3ヶ月以上)
補助率2/3に上昇
15直近月の事業場内最低賃金が令和7年7月+63円以上

15項目のうち、特に取り組んでおきたい項目を3つご紹介します。

オンラインで完結する比較的達成しやすい項目

「IT戦略ナビwith」「成長加速マッチングサービス」「省力化ナビ」は、申請者が能動的に動けば誰でも取得できる加点項目です。

加点項目運営元取り組み内容
IT戦略ナビwith中小機構「デジwith」で「IT戦略マップ」を出力し、交付申請時に添付する
成長加速マッチングサービス中小企業庁会員登録し、挑戦課題を「掲載中」ステータスで登録する
省力化ナビ中小機構「省力化ナビ」で診断を実施し、「解決策」のPDFをダウンロードする

いずれもオンラインで完結し、特別な認定や費用は不要です。取り組みやすい項目だからこそ、対応している事業者も多く、申請前に優先して対応しておきたい加点項目と言えるでしょう。

第3回公募回から新設された「デジタル化セカンドオピニオン」

第3回公募回から新設された加点項目です。確認者との面談を完了したうえで、交付申請を提出する必要があります。新しい項目のため認知度が低く、現時点で対応している記事や支援事業者は限られています。いち早く対応することで、他の申請者と差をつけられるでしょう。

賃上げ計画は確実に達成できるか慎重に判断する

賃上げ計画は加点を取りやすい一方で、未達の場合には前述の横断ペナルティが発生します。補助金額150万円以上の申請では必須要件のため避けられませんが、150万円未満で申請する場合は、確実に達成できる計画かどうかを慎重に判断しましょう。

1次で落ちた人がまずやるべきこと

1次締切で不採択となった事業者の方にとって、もっとも悩ましいのは「なぜ落ちたのか分からない」という点でしょう。公募要領では、採択・不採択にかかわらず審査内容・不採択理由は開示しないと明記されています。

そのため、自己点検で原因を推測する必要があります。次のチェックリストで確認してみましょう。

・書類の不備・ミスはないか
・現状の課題と、導入するITツールが論理的につながっていたか
・事業計画全体の整合性が取れていたか
・補助金がなぜ必要なのか、事業計画書から伝わる内容になっていたか
・賃上げ加点を取ったが、計画が現実的であったか
・事業計画書で課題を定量化できていたか
・ITツールと自社課題のマッチングを明確に書けたか

再申請は次回以降の締切で可能です。ただし、まったく同じ内容での再申請は採択されにくいため、改善点を必ず盛り込みましょう。

デジタル化・AI導入補助金の採択率に関するよくある質問

デジタル化・AI導入補助金で不採択となる主な原因は?

公募要領で「不採択」と明示されているのは、IT導入補助金2024または2025で交付決定を受けたソフトウェアのプロセスと、今回導入するソフトウェアのプロセスが完全一致するケースです。それ以外は減点措置や事業計画書の評価で総合的に判断されます。減点の主な原因としては、過去のIT導入補助金で交付決定を受けていること、賃上げ加点を受けて要件未達のまま放置していること、同一機能のITツール導入で重複が発生していることなどが挙げられます。事業計画書では、経営課題の定量化やITツールとのマッチングが弱いと評価が下がる傾向があります。

1次締切で不採択となったが、次の締切で再申請できる?

再申請は可能です。ただし、まったく同じ内容での再申請は採択されにくいでしょう。不採択理由は公表されないため、自己点検でプロセス重複の有無、加点項目の取得状況、事業計画書の具体性などを見直し、改善点を必ず盛り込みましょう。2026年度の公募スケジュールは第4次締切(8月25日)まで公表されており、第2次以降の締切で再挑戦できます。早めの準備が採択率を高める鍵となります。

加点項目は15個すべて満たす必要がある?

すべて満たす必要はありませんが、取得できるものは漏らさず取得することが採択率を高めるポイントです。特に「IT戦略ナビwith」「成長加速マッチングサービス」「省力化ナビ」など、オンラインで完結する加点項目は申請者が能動的に動けば誰でも取得できるため、見落とさないようにしましょう。ただし、賃上げ計画による加点は、未達時に他補助金にも影響する横断ペナルティが発生するため、達成可能な計画かを慎重に判断することが大切です。


まとめ

デジタル化・AI導入補助金2026の1次採択率は46.3%という結果でした。前回の最終公募と比べると持ち直したものの、申請者の半数以上が不採択となっています。

次の締切で採択を目指すためのポイントは、次の3つです。

減点要因を避ける:プロセス重複、過去交付決定、賃上げ未達などの減点項目を事前に潰しておく
加点を取り切る:賃上げ・セキュリティ・インボイスだけでなく、オンラインで完結する加点項目を含めて15項目を漏れなく対応する
事業計画書を3視点で磨く:経営課題の定量化、ツール機能とのマッチング、データ連携の波及効果を意識する

これらを丁寧に押さえることで、採択の可能性は確実に高まります。独学での申請も可能ですが、IT導入支援事業者や補助金申請に強い士業と連携することで、より採択に近づけるでしょう。補助金ポータルでは、自社の状況にあった専門家を無料で検索できます。次の締切に向けて、ぜひご活用ください。

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