「不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース」は、両立支援等助成金のコースの1つです。これまでの「不妊治療両立支援コース」を拡充し、女性の健康課題にも対応するコースとして2025年度より創設されました。
女性従業員が安心して働き続けられる環境を整えることで、人材の定着や企業イメージの向上にもつながります。この記事では、不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースの要件や申請方法、申請対象となる企業について紹介します。
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この記事の目次
両立支援等助成金について
両立支援等助成金は、厚生労働省が実施する、仕事と育児・介護等の両立支援に取り組む事業主を支援する制度です。現時点では、全部で、以下の6コースが用意されています。
・出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)
・介護離職防止支援コース
・育児休業等支援コース
・育休中等業務代替支援コース
・柔軟な働き方選択制度等支援コース
・【★本記事】不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース
本記事では、不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースについて解説します。両立支援等助成金の制度概要については、以下の記事で詳しく解説しています。
合わせて読みたい:両立支援等助成金とは 各コースを徹底解説
不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースとは?
不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースは、不妊治療・月経・更年期といった、主に女性の健康課題に対応する両立支援制度を整備する事業者を助成するコースです。具体的には、事業主が制度を整備し、対象となる労働者が 1年以内に合計5日(または5回)以上制度を利用した場合に、助成金が支給されます。
詳しい支給額は、以下のとおりです。
| 区分 | 助成額 |
|---|---|
| 不妊治療 | 30万円 |
| 女性の健康課題対応(月経) | 30万円 |
| 女性の健康課題対応(更年期) | 30万円 |
最初の対象労働者が制度を利用した際に、不妊治療・月経・更年期の各制度について、それぞれ1回限り助成金を受け取れます。申請対象となるのは、中小企業に限られます。
申請対象となる企業
不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースの対象となるのは、以下の「資本金の額」または「常時雇用する労働者の数」のいずれかに該当する事業者です。
| 業種 | 資本金の額または出資の総額 | 常時雇用する労働者の数 |
|---|---|---|
| 小売業(飲食店を含む) | 5,000万円以下 | 50人以下 |
| サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
| その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
なお、資本金等のない事業主については、常時雇用する労働者の数により判定します。
詳しい要件
不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースの詳しい要件は、以下のとおりです。
| ①不妊治療・月経起因症状・更年期の心身の不調にする支援制度について、各制度及び制度利用の手続きや賃金の取扱い等を労働協約又は就業規則に規定し、運用している。また、各制度について、労働者に周知している |
| ②労働者からの相談に対応する両立支援担当者を選任している |
| ③制定したいずれかの制度又は各制度を組み合わせて、当該制度利用開始日から1年以内に合計して5日(回)以上利用させた |
| ④対象労働者を、制度利用開始日から申請日において、雇用保険被保険者として雇用している |
①の不妊治療・月経起因症状・更年期の心身の不調にする支援制度とは、具体的に以下の制度の制定を指します。
・所定外労働制限制度
・時差出勤制度
・短時間勤務制度
・フレックスタイム制
・在宅勤務等
上記すべての制度を導入する必要はなく、1つ以上の制度を導入することでもかまいません。また、各支援制度は、女性のみが利用できるものではなく、制度によっては以下のように全ての労働者を対象とする必要があります。
・不妊治療のための両立支援制度…性別を問わず利用できる制度であること
・月経症状への対応のための支援制度…女性が利用できること
・更年期の心身の不調への対応のための支援制度…少なくとも女性が利用できることが必要だが、全ての労働者が利用できるものが望ましい
制定した制度の内容を労働協約または就業規則に明記し、社内で周知するとともに、労働者からの相談に対応できる両立支援担当者を配置する必要があります。雇用保険加入者以外も制度利用者に含める必要がありますが、雇用保険加入者が利用しなければ助成対象にはなりません。
申請タイミングと申請方法
不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースの申請は、対象となる労働者の各制度利用期間が合計5日(回)を経過する日の翌日から2ヶ月以内に行います。申請するタイミングのイメージは、以下のとおりです。

出典:両立支援等助成金支給申請の手引き(2025(令和7)年度版)(パンフレット)
申請の際は、支給申請書や各制度の利用実績が確認できる書類、対象労働者の労働日等が確認できる書類の提出が求められます。書類の様式を両立支援等助成金の公式サイトで確認した上で、各都道府県の労働局雇用環境・均等部(室)まで提出してください。
不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースに関するよくある質問
最後に、不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コースに関するよくある質問を紹介します。短時間勤務のパートも対象従業員になる?
雇用保険料を支払っていない短時間勤務のパートタイム労働者が、制度を5日以上利用した場合は、助成金の支給対象となりません。雇用保険料を支払っている方が、制度を利用した場合が対象となります。
ただし、助成金を申請するためには、雇用保険料の支払い対象とならない短時間勤務のパートタイム労働者も、休暇等の支援制度の対象とする必要があります。
無給の月経休暇も対象となる?
月経休暇については法律上は無給でも良いとされていますが、本制度では無給の月経休暇は助成対象となりません。
女性のみを対象とした不妊治療のための特別休暇制度を制定すれば対象になる?
対象になりません。男女問わず、不妊治療のための制度の対象とする必要があります。
出典:両立支援等助成金(不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース)Q&A (2025 年度版)
まとめ
本コースは、主に女性が安心して働き続けられる環境づくりを支援する、新しい助成制度です。不妊治療や月経、更年期特有の症状に対し支援環境を整え、従業員が5日(回)以上利用すると、それぞれ30万円が支給されます。
この助成金を活用することで、制度整備にかかるコストを抑えながら、社内の環境改善を進めることができます。多様な働き方への対応を進めたい事業者にとって、有効な支援策となるでしょう。
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