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子育てパパ支援助成金は最大127万円|男性育休の助成金・要件をわかりやすく解説【2026年度】

公開日:2025/10/16 更新日:2026/8/6
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男性の育児休業取得率が、ついに5割を超えました。厚生労働省が2026年7月31日に公表した「令和7年度雇用均等基本調査」によると、男性の育休取得率は50.9%。前年度の40.5%から10.4ポイント上昇し、初めて50%台に到達しました。政府目標の「2025年度までに50%」を、実績値としてクリアした形です。

数字が動いた背景にあるのが、企業側への公的支援です。厚生労働省「両立支援等助成金 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)」は、男性労働者が産後パパ育休(出生時育児休業)を取得した場合や、自社の男性育休取得率を引き上げた場合に、1人最大30万円・取得率上昇で60万円を支給する制度。すべての区分と加算を組み合わせれば、1事業主あたり最大127万円の受給が可能です。

2026年度(令和8年度)の改正では、「男性労働者の育児休業取得率の上昇等」の対象が中小企業から「常時雇用労働者300人以下の企業全体」に拡大されました。本記事では、最新の支給要領(令和8年4月8日改正)とQ&A(2026年度版)に基づき、対象事業主・助成額・支給要件・申請の流れを整理します。

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この記事の目次

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出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)とは?3つの区分と助成額

出生時両立支援コースは、男性労働者の育児休業取得を進める事業主に助成金を支給する制度です。「子育てパパ支援助成金」の通称でも知られ、男性が産後パパ育休(出生時育児休業)を取得しやすい職場環境を整えた中小企業事業主や、男性の育児休業取得率を引き上げた特定事業主が対象となります。

2026年度(令和8年度)は、次の3つの区分で構成されています。

区分内容助成額
男性労働者の育児休業取得(旧:第1種)男性労働者が産後8週間以内に育児休業を取得1人目:20万円(雇用環境整備措置を4つ以上実施で30万円)/2人目:10万円/3人目:10万円
男性労働者の育児休業取得率の上昇等(旧:第2種)男性の育児休業取得率を一定以上引き上げ60万円(プラチナくるみん認定事業主は+15万円で75万円)
育児休業等に関する情報公表加算自社の育児休業等取得状況をサイトで公表+2万円

「男性労働者の育児休業取得」は1事業主あたり3人目まで、「男性労働者の育児休業取得率の上昇等」と「情報公表加算」はそれぞれ1事業主1回限りの支給です。なお助成金は事業所単位ではなく事業主単位で支給されるため、複数の事業所を持つ法人でも1事業主として扱われます。

給付金と助成金は何が違う?

産後パパ育休をめぐる公的支援には「給付金(労働者向け)」と「助成金(事業主向け)」の2種類があり、両者は受給者も支給機関も異なります。

制度名受給者支給機関主な内容
出生時育児休業給付金男性労働者本人ハローワーク休業中の所得補償(出生後休業支援給付金と合わせ最大手取り10割相当)
出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)事業主(企業)都道府県労働局男性育休に取り組んだ企業への助成(1人最大30万円等)

本記事で解説するのは事業主向けの助成金です。労働者本人が受け取る給付金の金額や申請方法を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

育休手当(育児休業給付金)の計算方法は?いくらもらえるか月収別早見表・計算ツールで解説【2026年最新】

2026年度(令和8年度)の改正ポイントは?

令和8年度の最大の改正点は、「男性労働者の育児休業取得率の上昇等(旧・第2種)」の対象が、中小企業から「常時雇用労働者300人以下の企業全体」に拡大されたことです。中小企業の定義(業種別の資本金・労働者数基準)に当てはまらない事業主でも、労働者数が300人以下であれば申請できるようになりました。

そのほかの主な変更点は次のとおりです。

  • 「第1種・第2種」の呼称が公式から外れ、「男性労働者の育児休業取得」「男性労働者の育児休業取得率の上昇等」が正式名称になった
  • 取得率の算定における「配偶者」に、婚姻の届出をしていないものの事実上婚姻関係と同様の事情にある者(事実婚)が含まれることが明記された
  • 厚生労働省の案内ページ名称が「子ども・子育て両立支援等助成金」に変更された
  • 支給申請書が様式第1〜4号に統一され、区分ごとの様式区分が整理された

対象となる事業主は?中小企業と特定事業主の違い

本制度では、区分によって対象となる事業主の範囲が異なります。「男性労働者の育児休業取得」は中小企業事業主のみ、「男性労働者の育児休業取得率の上昇等」は特定事業主が対象です。

区分対象事業主
男性労働者の育児休業取得中小企業事業主のみ
男性労働者の育児休業取得率の上昇等特定事業主(常時雇用労働者300人以下の企業全体)
情報公表加算上記いずれかの区分の支給対象事業主

特定事業主とは、資本金の額または出資の総額が3億円(小売業・飲食店・サービス業は5,000万円、卸売業は1億円)を超えない事業主、または常時雇用する労働者数が300人を常態として超えない事業主をいいます。判定は、支給申請日の属する月の初日における資本金等の額または企業全体で常時雇用する労働者数によって行われます。

共通の支給要件は?申請前に整える4つの準備

どちらの区分に申請する場合でも、共通して満たすべき要件が4つあります。いずれも対象労働者の育児休業開始日の前日までに整えておく必要があるため、出産予定の報告を受けた時点から逆算して準備を進めましょう。

①育児休業制度・短時間勤務制度を就業規則に規定する

育児休業(出生時育児休業を含む)と、育児のための短時間勤務制度について、就業規則または労働協約に内容を定めておく必要があります。規定は、支給申請日において施行されている育児・介護休業法の水準を満たしていなければなりません。

注意したいのは、就業規則に「育児・介護休業法に準拠する」と書いただけでは要件を満たさない点です。支給要領でも、単に法に準拠する旨の規定を置くだけでは制度を規定したとは判断しないと明記されています。

なお、常時雇用する労働者が10人未満で就業規則の作成・届出義務がない事業主の場合は、制度の措置が明文化され、労働者に周知されていることを確認できる書類(周知日が分かるメール送信記録・回覧記録・掲示写真など)が必要です。

②一般事業主行動計画を策定し、届出・公表・周知する

次世代育成支援対策推進法に基づく「一般事業主行動計画」を策定し、都道府県労働局長へ届け出る必要があります。一般事業主行動計画とは、従業員の仕事と子育ての両立を進めるために企業が取り組む内容や目標をまとめた計画書のことです。

申請時点で当該行動計画が有効であること、さらに計画を公表し、労働者へ周知する措置を講じていることも求められます。プラチナくるみん認定を受けている事業主は、策定・届出ともに不要です。

【令和8年度】くるみん助成金は最大50万円|対象企業・申請期間・認定要件をわかりやすく解説

③業務代替者の業務見直しに関する規定を策定する

育児休業を取得する労働者の業務を代替する労働者の負担を軽減するため、業務見直しに関するルールを社内で整備する必要があります。具体的には、以下2点を盛り込んだ規定の作成が求められます。

・育児休業取得者の業務の整理・引継ぎに関する事項
・引継ぎ対象となった業務の見直し(休止・効率化等)の検討に関する事項

規定の置き場所は、労働協約・就業規則・労使協定・関連する内規のいずれでも構いません。内規による場合は、内容が明文化され、社内の労働者に周知されていることが書面で確認できることが条件です。対象労働者ごとに作成する「育休復帰支援プラン」に盛り込む形でも認められます。

策定期限は育児休業の開始日の前日まで。規定に基づく実際の業務体制整備(業務分担の変更や効率化など)は、遅くとも育児休業の終了日までに完了させてください。

④雇用環境整備の措置を実施する

男性が育児休業を取得しやすい職場づくりのため、育児・介護休業法に定める次の5つの措置が用意されています。

①育児休業に係る研修の実施
②育児休業に関する相談体制の整備
③育児休業の取得に関する事例の収集・提供
④育児休業に関する制度および取得促進に関する方針の周知
⑤育児休業の取得が円滑に行われるようにするための業務の配分・人員配置に係る措置

これらは、対象労働者の雇用契約期間中かつ申請日から概ね3年以内、さらに育児休業の開始日の前日までに実施する必要があります。②の相談体制の整備のみ、申請日の概ね3年以上前に実施したものも対象です。研修資料や動画は厚生労働省の「両立支援ひろば」内ライブラリで無料公開されており、自社研修にそのまま活用できます。

必要な実施数は区分と何人目かによって異なるため、次章以降で個別に解説します。

不支給になるのはどんな場合?

支給対象事業主であっても、次に当てはまる場合は助成金が支給されません。

・支給申請日の前日から起算して1年前の日から申請日の前日までの間に、育児・介護休業法、次世代育成支援対策推進法、男女雇用機会均等法、パート・有期雇用労働法、労働施策総合推進法、女性活躍推進法の重大な違反があった場合
・支給申請時点で育児・介護休業法に違反し、同法第56条に基づく助言・指導を受けたが是正していない場合

育児・介護休業法の重大な違反には、対象労働者への不利益取扱いが含まれ、支給決定までの間に行われたものも対象となります。申請後の社内対応にも注意が必要です。

男性労働者の育児休業取得(旧・第1種)はいくら?要件は?

男性労働者が子の出生後8週間以内に育児休業を開始し、一定日数以上の連続休業を取得した場合に支給される区分です。中小企業事業主のみが対象で、1事業主あたり3人目まで申請できます。

支給額は?1人目最大30万円・3人目まで通算50万円

対象労働者1人あたりの支給額は次のとおりです。

対象人数支給額
1人目20万円(雇用環境整備措置を4つ以上実施した場合は30万円)
2人目10万円
3人目10万円

同一の男性労働者の同一の子に係る育児休業については1回限りの支給です。1人目の20万円と30万円は、1事業主につきいずれか1回のみ。3人目まで申請すれば、通算で最大50万円の受給が可能です。

なお「1〜3人目」は、実際に助成金の支給対象となった労働者のみをカウントします。先行する申請が不支給となった場合、後続の申請が何人目に当たるかは、その時点で支給対象となった労働者数に基づいて改めて判断されます。

必要な雇用環境整備措置の数は?

何人目の対象労働者かによって、実施が必要な雇用環境整備措置(5項目)の数が変わります。

対象人数申出期限が2週間前まで申出期限が2週間前より長い
1人目2つ以上3つ以上
2人目3つ以上4つ以上
3人目4つ以上5つすべて

産後パパ育休の申出期限を「休業開始予定日の2週間前」を超えて設定している場合は、実施数が1つ増える点に注意してください。法定内容を一定程度上回る出生時育児休業制度を労使協定で定める事業主に限り、申出期限を最長1か月前まで設定できる特例が適用されるためです。この場合、申請時に労使協定の添付も必要になります。

育児休業の日数要件は?1人目は連続5日以上

男性労働者は、子の出生後8週間以内に開始する一定日数以上の育児休業を取得する必要があります。産後パパ育休(出生時育児休業)も含まれますが、複数回に分割取得した場合は、連続して取得した期間が要件を満たさなければなりません。

対象人数必要な連続育児休業日数うち所定労働日数
1人目連続5日以上4日以上
2人目連続10日以上8日以上
3人目連続14日以上11日以上

見落とされやすいのが、育児休業中に労働者が就業した日は、育児休業日数にカウントされないというルールです。産後パパ育休は労使協定を結べば休業中の就業が可能ですが、就業日を含めると日数要件を満たさなくなる恐れがあります。助成金の活用を前提とするなら、対象期間中は就業を入れない設計が無難です。

「出生後8週間以内」はいつまで?予定日とずれた場合の扱い

「出生後8週間以内」とは、子の出生日当日を含む57日間を指します。出産が予定日とずれた場合は、次のように取り扱われます。

・出産予定日より前に生まれた場合:出生日から「出産予定日の8週間後」までに育児休業を開始したものが対象
・出産予定日より後に生まれた場合:出産予定日から「出生日の8週間後」までに育児休業を開始したものが対象

同一の子について複数回の育児休業を取得している場合でも、この期間内に開始していれば、初回に取得した育児休業に対象が限られるわけではありません。

申請期限は?育休終了日の翌日から2か月以内

対象育児休業の終了日の翌日から起算して2か月以内が申請期間です。育児休業を複数回に分割取得した場合、分割した休業のうち1つが終了した時点で、その翌日から申請期間が開始します。すべての育児休業が終わるまで待つ必要はなく、逆に待っていると期限を過ぎてしまう点に注意してください。

出生時育児休業と通常の育児休業を連続する形で取得した場合は、「出生時育児休業のみ」「通常の育児休業のみ」「両者を一体の休業として」のいずれで申請するかを事業主が選べます。選んだ休業の終了日の翌日から2か月以内が申請期間です。

男性労働者の育児休業取得率の上昇等(旧・第2種)はいくら?要件は?

男性労働者の育児休業取得率を大幅に引き上げた特定事業主に支給される区分で、1事業主1回限りの支給です。令和8年度から対象が常時雇用労働者300人以下の企業全体に拡大され、活用できる企業が大きく広がりました。

支給額は?60万円+プラチナくるみんで15万円加算

1事業主あたり60万円が支給されます。申請日までにプラチナくるみん認定を受けている場合は、15万円を加算して75万円となります。

男性育休取得率の計算方法は?

男性労働者の育児休業取得率は、次の計算式で算出します。

男性育児休業取得率 = ある事業年度において育児休業を取得した男性労働者数 ÷ ある事業年度において配偶者が出産した男性労働者数
※小数第1位以下切り捨て

計算上の注意点は以下のとおりです。

  • 対象となる男性労働者は雇用保険の被保険者に限る
  • 「配偶者」には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者(事実婚)も含む
  • 育児目的休暇など、育児休業(産後パパ育休含む)以外の休暇のみを取得した労働者は分子に含まない
  • 育児休業を分割して2回取得した場合でも、同一の子についての取得なら1名と数える
  • 複数の事業年度にまたがって育児休業を取得した場合は、育児休業を開始した日を含む年度の取得として扱う
  • 配偶者が出産した男性労働者が0人の事業年度は、取得者0人なら0%、1人以上なら100%として取り扱う
  • 養子や里親委託された子に係る育児休業を取得した男性労働者も、育児・介護休業法上の対象者であれば分母・分子に含める
  • 算定対象の事業年度内に、育児休業を取得または配偶者が出産した男性労働者が退職・転籍した場合は、分母・分子の双方から除外する

支給要件は?AまたはBのいずれかを満たすこと

取得率について、以下のAまたはBのいずれかに該当する必要があります。

区分要件
A男性労働者の育児休業取得率が、前事業年度と比較して30ポイント以上上昇し、50%以上となっていること
B支給申請日の属する事業年度の前々事業年度において配偶者が出産した男性労働者が5人未満である場合に、直前の2事業年度における男性育休取得率がいずれも70%以上であること

Aの場合、前事業年度の取得率が40%だったなら、70%以上に上昇していれば対象です。Bは小規模な事業主向けの規定で、対象となる男性労働者が少なく取得率が大きく変動しやすい実情に配慮した要件といえます。

なお「男性労働者の育児休業取得(旧・第1種)」の支給対象となった男性労働者の同一の子に係る出産・育児休業は、取得率の算出から除外されます。

雇用環境整備の措置は2つ以上必要

取得率の上昇等でも、雇用環境整備の措置の実施が必須です。2つ以上(産後パパ育休の申出期限を2週間前より長く設定している事業主は3つ以上)を実施している必要があります。

実施時期は、要件を満たす事業年度に育児休業を取得した男性労働者いずれかの雇用契約期間中かつ申請日から概ね3年以内で、その労働者の育児休業開始日の前日まで。業務代替者の業務見直しに関する規定も、同じタイミングまでに策定しておく必要があります。取得率という結果だけを満たしても、これらの整備が抜けていると不支給になる点に注意してください。

申請期限は?翌事業年度開始日から6か月以内

要件を満たす事業年度の翌事業年度の開始日から起算して6か月以内が申請期間です。3月決算の企業であれば、4月1日から9月30日までが申請可能期間となります。事業年度をまたぐ申請となるため、決算スケジュールと合わせて計画的に準備しましょう。

第1種との申請順序に注意

2つの区分には、申請順序に関する制約があります。順序を誤ると片方が申請できなくなるため、活用計画の段階で確認しておきましょう。

  • 取得率の上昇等を申請した(申請中を含む)事業主は、その後に男性労働者の育児休業取得を申請できない
  • 男性労働者の育児休業取得を申請した日の属する事業年度中は、取得率の上昇等を申請できない
  • 新設1年目の事業主は前事業年度との比較ができないため、取得率の上昇等の対象外

男性労働者の育児休業取得を先に活用し、翌事業年度以降に取得率の上昇等へ進む順序が基本形です。

育児休業等に関する情報公表加算とは?「両立支援のひろば」で2万円

自社の育児休業等の利用状況を対象サイトで公表すると、育児休業等に関する情報公表加算として2万円が加算されます。育児休業等支援コース・育休中等業務代替支援コース・柔軟な働き方選択制度等支援コースで同加算を受給している場合も、本コースで1回に限り支給を受けられます。

加算を受けるには、支給申請日までに「両立支援のひろば」の「一般事業主行動計画公表サイト」で以下①〜③を公表している必要があります。

①雇用する男性労働者の育児休業等の取得割合
②雇用する女性労働者の育児休業の取得割合
③雇用する労働者(男女別)の育児休業の平均取得日数

①は「育児休業のみの割合」か「育児休業+育児目的休暇(小学校就学前の子に限る)の割合」のいずれかを選んで記載できます。公表対象は原則として支給申請日の属する事業年度の直前の事業年度の情報ですが、直前事業年度の終了日から3か月以内に申請する場合で集計に時間を要するときは、2事業年度前の情報でも認められます

また、公表内容は支給申請日から支給決定日までの間サイト上で継続して公表する必要があり、支給決定後も少なくとも申請事業年度の終了まで公表を続けることへの同意が求められます。申請にあたっては、他区分とは別に様式第3号の提出が必要です。

合計いくらまでもらえる?最大127万円の試算

複数の区分と加算を組み合わせることで、1事業主あたり最大127万円の受給が可能です。内訳は以下のとおりです。

最大支給額の試算
・男性労働者の育児休業取得(1人目/雇用環境整備4つ以上):30万円
・男性労働者の育児休業取得(2人目):10万円
・男性労働者の育児休業取得(3人目):10万円
・男性労働者の育児休業取得率の上昇等:60万円
・プラチナくるみん認定加算:+15万円
・育児休業等に関する情報公表加算:+2万円
合計:最大127万円

ただし、男性労働者の育児休業取得を申請した事業年度中は取得率の上昇等を申請できず、取得率の上昇等を申請した後は育児休業取得を申請できません。複数年度にわたる計画として組み立てることが、最大受給への近道です。

申請の流れと必要書類は?

申請先は、人事労務管理の機能を有する部署が属する事業所(本社等)の所在地を管轄する都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)です。本社等は登記上の本店と異なる場合があります。対象労働者が生じた事業所にかかわらず、申請は本社等が行います。

令和5年6月26日から電子申請にも対応しており、雇用関係助成金ポータルから手続きが可能です。郵送の場合は簡易書留など配達記録が残る方法で送付してください。

男性労働者の育児休業取得を申請する際の主な提出書類は次のとおりです。

書類内容
支給申請書(様式第1〜4号)電子申請の場合は専用フォームで代替
支給要件確認申立書共通要領様式第1号(電子申請では不要)
労働協約または就業規則育児休業・短時間勤務制度を規定した部分
雇用環境整備の措置に関する書類研修案内、相談窓口の案内、取得事例資料、周知資料等と実施日が分かるもの
業務見直しに係る規定等業務の整理・引継ぎと見直し検討の両方を含むもの
育児休業申出書申出日が明記されたもの
出勤簿・タイムカード・賃金台帳対象期間の休業実績が確認できるもの
労働条件通知書等雇用契約期間・所定労働時間・所定労働日が確認できるもの
子の出生を確認できる書類母子健康手帳の該当部分、住民票等
一般事業主行動計画策定届の写しプラチナくるみん認定事業主は不要

過去に同コースへ申請したことがある事業主は、「提出を省略する書類についての確認書」(様式第4号)により、内容に変更がない書類の提出を省略できます(電子申請を除く)。

申請時のよくある落とし穴

不支給や受理されない事例には共通したパターンがあります。以下の点を事前に確認しておきましょう。

・就業規則に「育児・介護休業法に準拠する」と書いただけでは制度を規定したことにならず、不支給となる
・雇用環境整備の措置や業務見直し規定の策定が、育児休業の開始日の前日までに完了していないと対象外
・育児休業中に就業した日は育休日数にカウントされず、連続日数要件を満たせなくなる
・対象労働者を育児休業開始日から申請日まで雇用保険被保険者として継続雇用していないと不支給
・申請期限は労働局への到達日基準のため、消印が期限内でも不受理となる
・取得率の上昇等を申請した後は男性労働者の育児休業取得を申請できず、順序を誤ると損をする

育児・介護休業法・雇用保険法の2025年改正まとめ|就業規則の見直しから助成金活用まで

子育てパパ支援助成金に関するよくある質問

最後に、本コースに関してよく寄せられる質問をまとめました。

子育てパパ支援助成金はいくらもらえる?

男性労働者の育児休業取得で1人目最大30万円・2〜3人目各10万円(通算50万円)、男性労働者の育児休業取得率の上昇等で60万円(プラチナくるみん認定は+15万円で75万円)、情報公表加算で+2万円が受けられます。すべての要件を満たした場合、1事業主あたり最大127万円の受給が可能です。

育児休業給付金と子育てパパ支援助成金は何が違う?

育児休業給付金は男性労働者本人がハローワークから受け取る休業中の所得補償です。一方、子育てパパ支援助成金は男性育休に取り組んだ企業が都道府県労働局から受け取る事業主向けの助成金です。受給者も支給機関も異なる別制度で、併用できます。

令和8年度の改正で何が変わった?

最大の変更点は、「男性労働者の育児休業取得率の上昇等(旧・第2種)」の対象が「中小企業」から「常時雇用労働者300人以下の企業全体(特定事業主)」に拡大された点です。これまで中小企業の定義から外れて対象外だった事業主も申請できるようになりました。「男性労働者の育児休業取得(旧・第1種)」は引き続き中小企業事業主のみが対象です。

事実婚のパートナーが出産した場合も対象になる?

対象となります。支給要領上の「配偶者」には、婚姻の届出をしていないものの事実上婚姻関係と同様の事情にある者が含まれます。したがって、事実婚のパートナーが出産した男性労働者も、育児休業取得率の計算における分母・分子に含めて算定します。

育児休業を年次有給休暇として処理した場合、支給対象になる?

対象外です。本助成金は育児・介護休業法に基づく育児休業の取得が前提のため、年次有給休暇として処理した日は育児休業日数にカウントされません。育児休業として取得・管理することが必要です。

育児休業期間中の給与は有給にする必要がある?

有給・無給は問いません。ただし、有給とする場合は就業規則等にその旨を明記している必要があり、明記されていない場合は規定の改定が求められます。多くの企業では育休期間中を無給とし、育児休業給付金で所得を補う運用が一般的です。

産後パパ育休中に少しだけ就業した場合、育休日数にカウントされる?

カウントされません。本コースでは、育児休業中に労働者が就業した場合、その日は育児休業日数に算入されないと支給要領に明記されています。産後パパ育休は労使協定により休業中の就業が可能ですが、就業日を入れると1人目の「連続5日以上」などの日数要件を満たせなくなる恐れがあります。

出産が予定日とずれた場合、「出生後8週間以内」はどう数える?

原則は子の出生日当日を含む57日間です。出産予定日より前に生まれた場合は出生日から「出産予定日の8週間後」まで、出産予定日より後に生まれた場合は出産予定日から「出生日の8週間後」までに育児休業を開始したものが、出生後8週間以内の取得として扱われます。

新設1年目の事業主でも、男性労働者の育児休業取得率の上昇等は申請できる?

できません。育児休業取得率は事業年度で比較するため、新設1年目の事業主は取得率が50%以上であっても支給対象となりません。2事業年度目の取得率が出て初めて支給対象となりえます。新設事業主は、まず男性労働者の育児休業取得(旧・第1種)から活用しましょう。

過去に第1種を受給している事業主は、2人目・3人目の申請ができる?

できます。令和4年度・5年度の支給要領に基づき第1種を受給した事業主は、当該対象労働者を1人目と扱い、令和6年4月1日以降に育児休業を開始した労働者について2人目・3人目の受給が可能です。対象労働者数のカウントはリセットされず、2人目から続けてカウントします。

産後パパ育休と通常の育児休業を続けて取得した場合、どちらで申請する?

事業主が選べます。出生時育児休業と通常の育児休業を期間が連続する形で取得した場合、「出生時育児休業のみ」「通常の育児休業のみ」「両者を一体の休業として」のいずれでも申請可能です(時期や期間等が支給要件を満たす場合に限ります)。選んだ育児休業の終了日の翌日から2か月以内が申請期間となります。

養子や里親委託された子に係る育児休業も対象になる?

対象となります。育児・介護休業法上の育児休業の取得対象者であれば、男性労働者の育児休業取得率の計算における分母・分子の双方に含めて計算します。実子に限定されない点が本助成金の重要なポイントです。

取得率の上昇等を受給した後、男性労働者の育児休業取得は申請できる?

できません。男性労働者の育児休業取得率の上昇等を申請した(申請中を含む)事業主は、その後に男性労働者の育児休業取得を申請できない仕組みです。また、男性労働者の育児休業取得を申請した日の属する事業年度中は、取得率の上昇等を申請できません。第1種を先に活用し、翌事業年度以降に第2種へ進む順序で計画してください。

2025年4月から男性育休の取得状況の公表義務はどう変わった?

改正育児・介護休業法により、2025年4月1日から育児休業取得状況の公表義務が、従来の常時雇用労働者1,001人以上の企業から「301人以上の企業」に拡大されました。対象企業は男性労働者の育児休業等取得率を年1回以上公表する必要があります。本助成金の情報公表加算(+2万円)の対象となる「両立支援のひろば」での公表も、この義務に対応する形で活用できます。


まとめ

出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)は、男性が育児休業を取得しやすい環境を整える事業主にとって、実務負担に見合う後押しとなる助成金です。男性労働者の育児休業取得で1人最大30万円、取得率の上昇等で60万円(プラチナくるみん認定で+15万円)、情報公表加算で+2万円と、組み合わせ次第で最大127万円を受給できます。

令和8年度の最大の改正は、「男性労働者の育児休業取得率の上昇等」の対象が「常時雇用労働者300人以下の企業全体」に広がった点です。加えて、取得率の算定における「配偶者」に事実婚が含まれることも明確化されました。

男性育休取得率が50.9%と初めて5割を超え、2025年4月からは301人以上の企業に取得状況の公表義務が及んでいます。男性育休への取り組みは、もはや福利厚生ではなく採用力・定着率を左右する経営課題です。申請には就業規則の規定、一般事業主行動計画の届出、業務代替者の業務見直し規定の策定など、育児休業開始日の前日までに終えるべき準備が数多くあります。従業員から出産予定の報告を受けた段階で、社内体制の整備に着手しましょう。

【令和8年度】東京都 働く人の育業応援奨励金(旧パパママ育業)最大420万円|申請方法・対象・スケジュール

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