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子育てパパ支援助成金は1人最大30万円|出生時両立支援コースの要件【2026年度】

公開日:2025/10/16 更新日:2026/4/30
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男性の育児休業取得は、いまや人材の確保・定着に欠かせない経営課題です。2025年4月からは「育児休業取得率の公表義務」が従業員300人超の企業に拡大され、多くの中小企業も自社の取り組みを見直し始めています。

そんな企業の取り組みを後押しするのが、厚生労働省「両立支援等助成金 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)」です。男性労働者が産後パパ育休(出生時育児休業)を取得した場合や、自社の男性育休取得率を上昇させた場合に、1人最大30万円の助成を受けられます。

本記事では、2026年度(令和8年度)の最新情報をもとに、出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)の対象事業主・助成額・支給要件・申請の流れを解説します。

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両立支援等助成金とは【2026年・令和8年】各コースを徹底解説

この記事の目次

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出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)とは

出生時両立支援コースは、男性労働者の育児休業取得を進める事業主を支援する助成金です。「子育てパパ支援助成金」とも呼ばれており、男性が産後パパ育休(出生時育児休業)を取得しやすい職場環境を整えた中小企業事業主や、男性の育児休業取得率を引き上げた特定事業主が対象となります。

2026年度(令和8年度)の制度では、以下の3つの区分で構成されています。

区分 内容 助成額
男性労働者の育児休業取得
(旧:第1種)
男性労働者が産後8週間以内に育児休業を取得 1人目:20万円
(雇用環境整備措置を4つ以上実施で30万円)
2人目:10万円
3人目:10万円
男性労働者の育児休業取得率の上昇等
(旧:第2種)
男性の育児休業取得率を一定以上引き上げ 60万円
(プラチナくるみん認定事業主は+15万円)
育児休業等に関する情報公表加算 自社の育児休業等取得状況をサイトで公表 +2万円

「男性労働者の育児休業取得」は1事業主あたり3人目まで、「男性労働者の育児休業取得率の上昇等」と「情報公表加算」はそれぞれ1事業主1回限りの支給です。

2026年度(令和8年度)の改正ポイント

2026年度の出生時両立支援コースは、前年度から大きな変更はありませんが、以下のポイントを押さえておく必要があります。

・「第1種・第2種」という呼称が公式から外れ、「男性労働者の育児休業取得」「男性労働者の育児休業取得率の上昇等」と正式名称で呼ぶようになっている

・令和5年度以前に第1種を受給した事業主は、当該対象労働者を1人目とカウントし、令和6年4月以降に育児休業を開始した労働者について2人目・3人目の申請が可能(カウントはリセットされない)

・電子申請対応(令和5年6月26日から)

対象となる事業主

本制度では、区分によって対象となる事業主の範囲が異なります。

区分 対象事業主
男性労働者の育児休業取得 中小企業事業主のみ
男性労働者の育児休業取得率の上昇等 特定事業主(中小企業より広い範囲)
情報公表加算 上記いずれかの区分の支給対象事業主

特定事業主とは、資本金の額または出資の総額が3億円(小売業・サービス業は5,000万円、卸売業は1億円)以下の事業主、または常時雇用する労働者数が300人以下の事業主をいいます。中小企業事業主の範囲よりも広く設定されています。

共通の支給要件

「男性労働者の育児休業取得」「男性労働者の育児休業取得率の上昇等」のどちらの区分に申請する場合でも、共通して必要な要件が4つあります。事前準備に時間がかかるため、早めにチェックしておきましょう。

育児休業制度・短時間勤務制度を就業規則に規定する

育児休業(出生時育児休業を含む)と、育児のための短時間勤務制度について、就業規則や労働協約に内容を定めておく必要があります。対象となる労働者が育児休業を始める前に、規定が整っている状態にしておかなければなりません。

注意したいのは、就業規則に「育児・介護休業法に準拠する」と書いただけでは要件を満たさない点です。制度の内容を具体的に記載し、現行の法律水準を満たした内容になっている必要があります。

一般事業主行動計画を策定し、届出・公表・周知する

次世代育成支援対策推進法に基づく「一般事業主行動計画」を策定し、都道府県労働局へ届け出ることが必要です。一般事業主行動計画とは、従業員の仕事と子育ての両立を進めるために、企業が取り組む内容や目標をまとめた計画書のことです。

策定・届出のあとは、計画の公表と社内への周知もあわせて行いましょう。なお、プラチナくるみん認定を受けている事業主は、行動計画の策定・届出がなくても支給対象となります。

業務の引き継ぎ・見直しに関する規定を作る

育児休業を取得する労働者の業務を、誰がどのように引き継ぐかを社内ルールとして整備する必要があります。具体的には、以下の2点を盛り込んだ規定の作成が求められます。

・育児休業取得者の業務の整理・引継ぎに関する事項
・引継ぎ対象となった業務の見直し検討に関する事項

規定の置き場所は、就業規則・労働協約・労使協定・関連する内規のいずれでも構いません。対象労働者ごとに作成する「育休復帰支援プラン」に書き込む形でも認められます。

策定のタイミングは、育児休業の開始日の前日まで。実際の業務体制整備(業務分担の変更や効率化など)も、育児休業の終了日までに完了させてください。

雇用環境整備の措置を実施する

男性が育児休業を取得しやすい職場づくりのために、以下の5つの取り組みが定められています。

①育児休業に関する研修の実施
②育児休業に関する相談窓口の設置
③社内の育休取得事例の収集・提供
④育休制度や取得促進方針の社内周知
⑤育休を取得する労働者の業務配分・人員配置の見直し

これらは、対象労働者の雇用期間中かつ申請日から概ね3年以内、さらに育児休業の開始日の前日までに完了させる必要があります。②の相談体制の整備のみ、3年以上前に実施したものでも対象となります。

何個実施すれば要件を満たすかは、何人目の支給を受けるかによって異なります。詳しくは「男性労働者の育児休業取得(旧:第1種)」のセクションで解説します。

男性労働者の育児休業取得(旧:第1種)

男性労働者が子の出生後8週間以内に育児休業を開始し、一定日数以上の連続休業を取得した場合に支給される区分です。中小企業事業主のみが対象となります。

支給額

対象労働者1人あたりの支給額は以下のとおりです。

対象人数 支給額
1人目 20万円
(雇用環境整備措置を4つ以上実施した場合は30万円)
2人目 10万円
3人目 10万円

同一の男性労働者の同一の子に係る育児休業については1回限りの支給です。

必要な雇用環境整備措置の数

何人目の対象労働者かによって、共通要件で解説した「雇用環境整備の措置(5項目)」のうち実施が必要な数が異なります。

対象人数 申出期限が2週間前まで 申出期限が2週間前より長い
1人目 2つ以上 3つ以上
2人目 3つ以上 4つ以上
3人目 4つ以上 5つ全て

産後パパ育休(出生時育児休業)の申出期限を「休業開始予定日から2週間前」を超えるものに設定している場合は、雇用環境整備に関する労使協定の締結も必要です。

育児休業の日数要件

男性労働者は、子の出生後8週間以内(出生日当日を含む57日間)に開始する一定日数以上の育児休業を取得する必要があります。産後パパ育休(出生時育児休業)も含まれますが、複数回に分割取得した場合は連続して取得した期間が要件を満たす必要があります。

対象人数 必要な育児休業日数 うち所定労働日数
1人目 連続5日以上 4日以上
2人目 連続10日以上 8日以上
3人目 連続14日以上 11日以上

申請期限

対象育児休業の終了日の翌日から起算して2か月以内です。育児休業を複数回に分割取得した場合、最初に終了した休業の翌日から申請期間が開始します。

男性労働者の育児休業取得率の上昇等(旧:第2種)

男性労働者の育児休業取得率を大幅に引き上げた特定事業主に支給される区分です。1事業主1回限りの支給となります。

支給額

助成額1事業主あたり60万円
※くるみん認定を受けている場合75万円

1事業主あたり60万円が支給されます。申請日までにプラチナくるみん認定を受けている場合は、15万円を加算して75万円となります。

取得率の計算方法

男性労働者の育児休業取得率は、以下の計算式で算出します。

ある事業年度において育児休業を取得した男性労働者数 ÷ ある事業年度において配偶者が出産した男性労働者数 = 男性労働者の育児休業取得率(%、小数第1位以下切り捨て)

計算上の注意点は以下のとおりです。

・対象となる男性労働者は雇用保険被保険者に限る
・育児目的休暇など、育児休業(産後パパ育休含む)以外の制度を利用した労働者は分子に含まない
・育児休業を分割して2回取得した場合でも、同一の子について取得した労働者は1名と数える
・配偶者が出産した男性労働者が0人である事業年度については、取得者0人なら0%、1人以上なら100%として取り扱う
・養子や里親委託された子に係る育児休業を取得した男性労働者も、育児・介護休業法上の対象者であれば分母・分子に含める

支給要件

以下のAまたはBのいずれかに該当する必要があります。

区分 要件
A 男性労働者の育児休業取得率が、前事業年度から30ポイント以上上昇し、50%以上となっていること
B 申請事業年度の前々事業年度において配偶者が出産した男性労働者が5人未満かつ、申請事業年度の直前2事業年度における男性育休取得率がいずれも70%以上

例えばAの場合、前事業年度の取得率が40%だった場合、70%以上に上昇していれば対象となります。Bは小規模な事業主向けの規定で、対象男性労働者が少ない場合に取得率が大きく変動することへの配慮がなされています。

申請期限

要件を満たす事業年度の翌事業年度の開始日から起算して6か月以内です。

第1種との関係(先後関係の注意点)

「男性労働者の育児休業取得(旧:第1種)」と「男性労働者の育児休業取得率の上昇等(旧:第2種)」の申請には以下の制約があります。

・男性労働者の育児休業取得率の上昇等を申請した(申請中も含む)事業主は、その後に男性労働者の育児休業取得を申請できない

・男性労働者の育児休業取得の支給対象となった男性労働者の同一の子に係る出産・育児休業は、男性労働者の育児休業取得率の上昇等の取得率算出から除外される

・新設1年目の事業主は前事業年度との比較ができないため、男性労働者の育児休業取得率の上昇等の対象外

育児休業等に関する情報公表加算

自社の育児休業等の利用状況に関する情報を、対象のサイトで公表した場合、育児休業等に関する情報公表加算として2万円の加算を受けられます。両立支援等助成金の他コースで「育児休業等に関する情報公表加算」を受給している場合も、本コースで加算を受けることが可能です。

加算の対象となるには、支給申請日までに「両立支援のひろば」の「一般事業主行動計画サイト」で以下①~③の情報を記載し、公表している必要があります。

①雇用する男性労働者の育児休業等の取得割合
②雇用する女性労働者の育児休業の取得割合
③雇用する労働者(男女別)の育児休業の平均取得日数

原則として、支給申請日の属する事業年度の直前の事業年度の情報の公表が必要です。支給申請より前に当該サイトへの掲載申請を完了しているものの、掲載手続きが完了していない場合も対象となります。

なお、申請する場合、男性労働者の育児休業取得や男性労働者の育児休業取得率の上昇等とは別で申請書を提出する必要があります。

申請の流れと注意点

本社等の所在地を管轄する都道府県労働局 雇用環境・均等部(室)に申請します。本社等とは、人事労務管理の機能を有する部署が属する事業所をいい、登記上の本店とは異なる場合があります。

郵送で申請する場合は簡易書留など配達記録が残る方法で送付してください。なお、電子申請にも対応しています。

申請時のよくある落とし穴

申請時によくある落とし穴です。以下の点に注意しましょう。

・就業規則に「育児・介護休業法に準拠する」と書いただけでは制度を規定したことにならず、不支給となる
・雇用環境整備の措置や業務見直し規定の策定が、育児休業の開始日の前日までに完了していないと対象外となる
・対象労働者を育児休業開始日から申請日まで雇用保険被保険者として継続雇用していないと不支給
・申請期限は到達日基準のため、消印が期限内でも不受理となるケースがある

よくある質問

育児休業を有給休暇の取得として処理した場合、支給対象になる?

対象外です。本助成金は育児・介護休業法に基づく育児休業の取得が前提のため、年次有給休暇として処理した日は育児休業日数にカウントされません。

育児休業期間中の給与は有給にする必要がある?

有給・無給は問いません。ただし、有給とする場合は就業規則等にその旨を明記している必要があり、明記されていない場合は規定の改定が求められます。

新設1年目の事業主でも、男性労働者の育児休業取得率の上昇等は申請できる?

できません。男性労働者の育児休業取得率の上昇等は事業年度間の比較が必要なため、2事業年度目の取得率が出て初めて支給対象となります。

過去に第1種を受給している事業主は、2人目・3人目の申請ができる?

できます。令和4年度・5年度の支給要領に基づき第1種を受給した事業主は、当該対象労働者を1人目と扱い、令和6年4月1日以降に育児休業を開始した労働者について2人目・3人目の受給が可能です。対象労働者数のカウントはリセットされず、2人目から続けてカウントします。

養子や里親委託された子に係る育児休業も対象になる?

対象となります。育児・介護休業法上の育児休業の取得対象者であれば、男性労働者の育児休業取得率の計算における分母・分子の双方に含めて計算します。

[男性労働者の育児休業取得率の上昇等]を受給した後、「男性労働者の育児休業取得」は申請できる?

できません。男性労働者の育児休業取得率の上昇等を申請した(申請中も含む)事業主は、その後に男性労働者の育児休業取得を申請することはできない仕組みです。第1種を先に活用してから第2種に進む順序で計画してください。


まとめ

出生時両立支援コースは、男性労働者が育児休業を取得しやすい環境を整える事業主にとって、強力な後押しとなる助成金です。

2026年度の制度では、最大1人30万円(男性労働者の育児休業取得・1人目)、取得率上昇で60万円、プラチナくるみん認定で+15万円、情報公表加算で+2万円と、複数の加算を組み合わせて活用できます。申請には共通要件や業務見直し規定の策定、一般事業主行動計画の届出など事前の準備が欠かせないため、早めに体制整備と申請準備を進めましょう。

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