両立支援等助成金「介護離職防止支援コース」とは

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厚生労働省の「両立支援等助成金」は、仕事と家庭の両立支援に関する取り組みを助成する制度です。その中で介護離職防止支援コースは、従業員の介護離職防止医のための取り組みを行った事業主に対して、助成金が交付されます。

令和7年度以降は、介護休業が「合計5日」から「連続5日以上」に変更されるなど、一部の要件が改正されています。本記事では介護離職防止支援コースについて、わかりやすく解説します。

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この記事の目次

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両立支援等助成金について

両立支援助成金は、仕事と育児・介護等を両立できる職場環境づくりを支援する、中小企業者向けの助成金です。介護・育児・男性の育児休業といった目的に応じて、以下の6つのコースがあります。


両立支援助成金の全体像については、以下の記事で詳しく解説しています。

両立支援等助成金とは【2025年・令和7年】各コースを徹底解説

介護離職防止支援コースとは

介護離職防止支援コースは、従業員の介護離職を防ぐための制度を整備した事業主を助成するコースです。具体的には、労働者の円滑な介護休暇の取得・復帰への取り組みや、仕事と介護の両立のための制度導入、介護休業中や時短勤務時の業務を代替する体制を整備した場合に対象となります。

具体的な制度内容と補助額は、以下の表をご覧ください。

区分詳細助成額(労働者一人あたり)
①介護休業介護支援プランに基づき介護休業の取得・職場復帰を促進40万円~60万円
②介護両立支援制度介護支援プランに基づき介護のための短時間勤務制度や介護休暇制度等を導入制度1つ導入・利用:20万円~30万円
制度2つ導入・利用:25万円~40万円
③業務代替支援代替要員の新規雇用又は業務を代替する労働者への手当支給等を行う3万円~最大30万円
環境整備加算雇用環境整備の取り組みを行う
(①~③の申請と同時に申請が必要)
10万円

①~③はそれぞれ1事業者あたり労働者5人まで、環境整備加算については1回までとなります。それぞれの区分と助成額について、詳しく解説します。

①介護離職防止支援コース【介護休業】

介護離職防止支援コースの介護休業は、介護支援プランを作成し、プランに沿って労働者が介護休業を連続5日以上取得した上で職場復帰させた場合に対象となります。介護支援プランとは、労働者ごとに事業主が作成する計画書で、以下の様式のものです。

出典:仕事と介護の両立支援 面談シート 兼 介護支援プラン

介護休業取得・職場復帰を円滑にするため、業務の整理や引き継ぎの実施方法などを盛り込む必要があります。

支給要件

介護離職防止支援コースの介護休業の詳しい要件は、以下のとおりです。

①介護支援プランにより労働者の介護休業等取得・職場復帰を支援するという方針を周知していること
②対象労働者と面談等を行い、「面談シート兼介護支援プラン」に記録した上で、介護支援プランを作成すること
③介護支援プランに基づき、業務の整理、引き継ぎを実施していること
④対象労働者が連続5日以上の介護休業を取得したこと
⑤介護休業制度及び所定労働時間の短縮等の措置を労働協約または就業規則に定めていること
⑥職場復帰後に介護休業取得者とフォロー面談を行い記録すること
⑦介護休業取得者を原職等に復帰させる旨を労働協約または就業規則に規定していること
⑧介護休業終了後、対象労働者を原則として原職等に復帰させ、3か月以上継続して雇用していること
⑨対象労働者を介護休業の開始日から支給申請日までの期間について、雇用保険被保険者として継続して雇用していること

職場内の介護休業制度の周知や、労働者の雇用保険等が要件として求められます。なお、⑤の介護休業制度等の就業規則に関しては、④の介護休業開始前に実施している必要があります。

また、⑦の復帰については、規定の整備は対象労働者が職場復帰するまでに、就業規則に規定することが必要です。

助成金額

介護離職防止支援コースの介護休業の助成金額は、対象となる従業員一人あたり40万円です。連続15日以上の休業の場合は、60万円に引き上げられます。

申請期間・申請方法

介護離職防止支援コースの介護休業は、介護休業終了日の翌日から3か月後の翌日から2か月以内に申請が必要です。申請期限のイメージは、以下のとおりです。

出典:両立支援等助成金支給申請の手引き(2025(令和7)年度版)(パンフレット)

申請先は、各自治体の労働局雇用環境・均等部(室)です。支給申請書や、支給要件確認申立書、面談シート兼介護支援プラン等の書類の提出が求められます。

詳しい様式については、両立支援等助成金の公式サイトの<介護離職防止支援コース>(令和7年4月1日時点)で公開されています。郵送で申請する場合は、配達記録が残る方法で送付してください。

②介護離職防止支援コース【介護両立支援制度】

介護離職防止支援コースの介護両立支援制度は、介護支援プランを作成し、プランに基づき介護のための短時間勤務制度や介護休暇制度等の制度を労働者に利用させた場合に対象となります。対象となる制度と利用要件は、以下の表のとおりです。

制度名内容利用要件
①所定外労働の制限制度所定労働時間を超えて労働させない制度合計20日間以上
②時差出勤制度1日の所定労働時間を変更せず始業又は終業時刻を1時間以上繰り上げまたは繰り下げる制度合計20日間以上
③深夜業の制限制度深夜時間帯(午後10時から午前5時まで)に労働させない制度
※深夜業がありうる労働者のみ
合計20日間以上
④短時間勤務制度1日の所定労働時間を1時間以上短縮する制度合計20日間以上
⑤介護のための在宅勤務制度介護のため、情報通信技術等を活用して在宅勤務を利用できる制度合計20日間以上
⑥介護休暇制度労働基準法上の年次有給休暇とは別に、時間単位(時間未満単位も可)で取得できる有給制度10時間以上
⑦介護のためのフレックスタイム制度介護のため、労働者の申出によりフレックスタイムを利用できる制度合計20日間以上
⑧介護サービス費用補助制度労働者が利用する介護サービスの費用の全部または一部を事業主が補助する制度6か月間に5割に相当以上または10万円以上

上記の制度を1つ以上導入し、対象となる労働者が利用した場合に助成金の対象となります。

支給要件

介護両立支援制度の詳しい支給要件は、以下のとおりです。

①介護支援プランにより労働者の仕事と介護の両立を支援するという方針を周知していること
②対象労働者と面談等を行い、「面談シート兼介護支援プラン」に記録した上で、介護支援プランを作成すること
③介護両立支援制度などを労働協約または就業規則に定めていること
④対象労働者が介護両立支援制度を利用したこと
⑤介護両立支援制度利用終了後、1か月以上継続して雇用していること
⑥対象労働者を介護両立支援制度利用開始日から申請日まで雇用保険被保険者として雇用していること

③の就業規則は、対象労働者の制度利用開始前に実施している必要があります。

助成金額

介護両立支援制度の助成金額は、導入する制度の数と、労働者の制度利用期間によって異なります。詳しくは、以下の表をご覧ください。

要件助成額合計60日以上の制度利用の場合
制度を1つ導入し対象労働者が制度を利用20万円30万円
制度を2つ導入し、対象労働者が制度を利用25万円40万円

いずれの場合も、労働者が導入した制度を利用することが要件となります。支給人数は1事業者あたり5人まで、同一労働者への支給は1回限りです。

申請期間・申請方法

介護両立支援制度の申請期間は、導入した制度の種類によって異なります。

導入した制度申請期間
①所定外労働の制限制度
②時差出勤制度
③深夜業の制限制度
④介護のための短時間勤務制度
⑤介護のための在宅勤務制度
⑦介護のためのフレックスタイム制度
制度を合計20日(または60日)利用した翌日から1か月経った後の2か月間
⑥(法を上回る)介護休暇制度
⑧介護サービス費用補助制度
制度を6か月利用した翌日から1か月経った後の2か月間

各制度を要件に達する期間まで利用した翌日を起算日として、起算日から1か月間が経過する日の翌日から2か月以内に申請してください。

申請時には、支給申請書や支給要件確認申立書、利用した制度に応じた書類の提出が求められます。書類の様式は、公式サイトの<介護離職防止支援コース>(令和7年4月1日時点)で公開されています。

③介護離職防止支援コース【業務代替支援】

業務代替支援は、介護休業や短時間勤務を利用する人の代わりに新しく人を雇うか(派遣含む)、代わりに働く人に手当の支給等をした場合が対象となります。詳しい要件は以下のとおりです。

<新規雇用の場合>

①対象労働者(介護休業取得者)の代替要員を、新たな雇い入れまたは新たな派遣受入れにより確保したこと
②対象労働者に連続5日以上の介護休業を取得させたこと
③対象労働者を介護休業開始日から支給申請日まで雇用保険被保険者として継続して雇用していること
④介護休業制度及び所定労働時間の短縮等の措置を労働協約または就業規則に定めていること

<手当支給等(介護休業・短時間勤務)の場合>

①対象労働者の業務を、事業主が雇用する労働者に代替させていること
②業務の見直し・効率化のための取り組みを、いずれも対象労働者の介護休業(または短時間勤務)開始日の前日までに実施すること
③代替業務に対応した賃金制度を労働協約または就業規則に定め、制度に基づき業務代替期間における業務代替者の賃金が増額されていること
④対象労働者が連続5日以上の介護休業を取得したこと。または合計15日以上の介護のための短時間勤務制度を利用したこと
⑤対象労働者を休業開始日(または利用開始日)から支給申請日まで雇用保険被保険者として継続して雇用していること
⑥介護休業制度及び所定労働時間の短縮等の措置を労働協約または就業規則に定めていること

新規雇用と介護休業の助成金は、対象労働者が連続5日以上の介護休業を取得した場合に対象となります。また、短時間勤務の場合、対象労働者が介護のために合計15日以上の短時間勤務制度を利用した場合が対象です。

代替要員は介護休業取得者の業務を代替し、同じ事業所・部署で勤務している必要があります。

助成金額

業務代替支援の助成金額は、新規雇用と手当の支給で分けられます。詳しくは、以下のとおりです。

区分助成額連続15日以上の休業の場合
新規雇用20万円30万円
手当支給等(介護休業)5万円10万円
手当支給等(短時間勤務)3万円

新規雇用と介護休業の助成金は、対象労働者が連続5日以上の介護休業を取得した場合に対象となります。また、短時間勤務の場合、対象労働者が介護のために合計15日以上の短時間勤務制度を利用した場合が対象です。

代替要員は介護休業取得者の業務を代替し、同じ事業所・部署で勤務している必要があります。

申請期間・申請方法

業務代替支援の申請期間は、新規雇用と手当支給等(介護休業・短時間勤務)で異なり、詳しくは以下のとおりです。

区分申請期間
新規雇用対象となる介護休業終了日の翌日から2か月以内
手当支給等(介護休業)対象となる介護休業終了日の翌日から2か月以内
手当支給等(短時間勤務)対象となる短時間勤務制度終了日の翌日から2か月以内

それぞれ対象となる介護休業または時短勤務の終了日の翌日から、2ヶ月以内に申請が必要です。助成金は、「新規雇用」「手当支給等(介護休業)」「手当支給等(短時間勤務)」合わせて5人まで支給されます。

申請時は、支給申請書や支給要件確認申立書、対象労働者の介護休業申出書・短時間勤務申出書等の提出が必要です。書類の様式は、公式サイトの<介護離職防止支援コース>(令和7年4月1日時点)で公開されています。

環境整備の取り組みで10万円加算

介護離職防止支援コースの対象となる事業主が、 仕事と介護を両立しやすい雇用環境整備の取り組みを行った場合、1事業者あたり1回まで10万円の環境整備加算が支給されます。対象となるには、以下のすべての要件を満たす必要があります。

①雇用する労働者に対する介護休業および介護両立支援制度に係る研修の実施
②介護休業及び介護両立支援制度に関する相談体制の整備
③介護休業および介護両立支援制度の取得・利用に関する事例の収集および提供
④雇用する労働者に対する介護休業および介護両立支援制度に関する制度、介護休業等の取得・利用の促進に関する方針の周知

取り組みに必要な資料等は、「両立支援等助成金 支給申請の手引き」(P78~P80)で確認できます。

環境整備加算は、別途支給申請が必要です。介護離職防止支援コースの申請時に、支給申請書と雇用環境整備の措置を4つすべて実施していることが確認できる書類を提出してください。

介護離職防止支援コースに関するよくある質問

最後に、介護離職防止支援コースに関するよくある質問を紹介します。

介護休業で一度助成金の対象になった労働者が、別の家族が新たに要介護状態となった場合、対象となる?

別の家族が新たに要介護認定になった場合は、新たな介護支援プランを作成した場合、支給対象となります。

支給要件となる日数の算定方法は?

介護休業・介護両立支援制度ともに、所定労働日数ベースで連続の合計日数となります。

父・母の2人を介護しており、二人の介護のための短時間勤務をあわせて20日間利用しても対象になる?

対象となりません。父・母での合算はできず、対象家族1人につき要件の日数を満たす必要があります。
出典:両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)Q&A 2025年度版


まとめ

両立支援等助成金の「介護離職防止支援コース」は、介護と仕事の両立を支える職場づくりを進める事業者にとって、大きな支えとなる制度です。介護休業や短時間勤務制度の利用に応じて助成金が支給されるため、代替要員の確保や環境整備にかかるコストを抑えることができます。

制度を整えることで、従業員が安心して働き続けられる環境が生まれ、離職防止や人材の定着にもつながります。申請時期が各区分によって異なるため、あらかじめ確認したうえで活用しましょう。

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