ビジネスに特化したコミュニケーションツールである「Slack」は、デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)を活用して導入可能です。通常枠での申請となり、補助率は1/2~2/3、補助額は最大450万円です。
最大2年分のクラウド利用料や導入関連費用の一部が補助されるため、初期費用の負担を大きく軽減できます。
ただし、Slack単体では申請できないという重要な注意点があります。本記事では、Slack導入にデジタル化・AI導入補助金を活用する方法を紹介します。Slackの導入を検討している事業者の方は、本記事を参考に、自社に適した申請方法を確認してみてください。
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・デジタル化・AI導入補助金とは?【2026年・令和8年度】補助率や申請枠・変更点についても解説
・デジタル化・AI導入補助金はパソコン購入に対応!補助額や申請手順・注意点も解説
・デジタル化・AI導入補助金の公募スケジュール一覧
・【2026年】デジタル化・AI導入補助金で2回目以降の申請要件が追加
・デジタル化・AI導入補助金のインボイス枠を解説!導入できるツールも紹介
この記事の目次
Slackとは?デジタル化・AI導入補助金の対象になる理由
Slack(スラック)は、世界中の企業で利用されているビジネスチャットツールです。プロジェクトやテーマごとに「チャンネル」を作成して会話を整理できるため、メールよりもスピーディーに情報共有ができ、社内のコミュニケーションコストを大幅に削減できます。
主な機能は以下のとおりです。
・ハドルミーティング:ワンクリックで始められる音声・ビデオ通話
・canvas:チャンネル内でドキュメントを作成・共有
・アプリ連携:Google ドライブやSalesforceなど外部ツールと接続
・AI機能:AI検索・要約・翻訳(対応プランのみ)
こうした機能により業務の生産性向上に寄与するツールとして、SlackはIT導入支援事業者を通じてデジタル化・AI導入補助金の対象ITツールに登録されています。そのため、要件を満たせば補助金を使って導入コストを抑えることが可能です。
Slackはデジタル化・AI導入補助金の通常枠で申請可能
デジタル化・AI導入補助金には複数の申請枠がありますが、Slackはその中の「通常枠」で申請可能です。通常枠の補助率・補助額
通常枠の具体的な補助率と補助額は、以下のとおりです。
| プロセス | 選択するプロセス数 | 補助額 |
| ●顧客対応・販売支援 ●決済・債権債務・資金回収管理 ●供給・在庫・物流 ●会計・財務・経営 ●総務・人事・給与・教育訓練・法務・情シス・統合業務 ●その他業種固有のプロセス ●汎用・自動化・分析ツール | 1プロセス以上 | 5万円以上150万円未満 |
| 4プロセス以上 | 150万円以上450万円以下 | |
| 補助率:1/2以内 ※令和6年10月から令和7年9月の間で3か月以上、令和7年度改定後の最低賃金未満で雇用していた従業数が全体の30%以上なら2/3以内 | ||
Slackが該当するプロセスは「汎用・自動化・分析ツール」
通常枠では合計7種類のプロセスがあり、1種類以上の業務プロセスを保有するソフトウェアを申請する必要があります。Slackはその中で「汎用・自動化・分析ツール」に該当します。
補助率は対象経費の1/2以内ですが、令和6年10月から令和7年9月の間で3か月以上、令和7年度改定後の最低賃金未満で雇用していた従業数が全体の30%以上である場合は、2/3以内に引き上げられます。また、4プロセス以上4プロセス以上選択した場合に限り、補助額が最大450万円となります。
本補助金を利用すると、Slackの最大2年分のクラウド利用料に加え、導入にかかる費用についても補助を受けられます。デジタル化・AI導入補助金の通常枠について、詳しくは以下の記事で解説しています。
合わせて読みたい:デジタル化・AI導入補助金の通常枠を徹底解説!インボイス枠との違いとは
【注意】Slackのみではデジタル化・AI導入補助金を申請できない
注意点として、Slackはデジタル化・AI導入補助金の対象となりますが、Slackのみの導入では申請できません。Slackの該当するプロセスである「汎用・自動化・分析ツール」は単体では補助対象とならず、4プロセス以上他のプロセスと一緒に申請する必要があるためです。
通常枠の他のプロセスについては、以下の表をご覧ください。
| 種別 | プロセス | |
| 業務プロセス | 共通プロセス | ① 顧客対応・販売支援 |
| ② 決済・債権債務・資金回収管理 | ||
| ③ 供給・在庫・物流 | ||
| ④ 会計・財務・経営 | ||
| ⑤ 総務・人事・給与・教育訓練・法務・情シス・統合業務 | ||
| 業務特化型プロセス | ⑥ その他業種固有のプロセス | |
| 汎用プロセス | ⑦ 汎用・自動化・分析ツール(業種・業務が限定されないが生産性向上への寄与が認められる業務プロセスに付随しない専用のソフトウェア) | |
⑦の汎用・自動化・分析ツールは①~⑥のいずれかのツールと一緒に導入する必要があります。
組み合わせ申請の具体例
では、実際にどのようなツールと組み合わせればよいのでしょうか。自社の課題に合わせた組み合わせの例を紹介します。
| 自社の課題 | 組み合わせ例 | 該当プロセス |
| 経理業務を効率化したい | Slack+会計ソフト | ④会計・財務・経営 |
| 勤怠管理・給与計算を自動化したい | Slack+勤怠管理システム | ⑤総務・人事・給与など |
| 顧客情報を一元管理したい | Slack+顧客管理(CRM)ツール | ①顧客対応・販売支援 |
| 在庫管理をデジタル化したい | Slack+在庫管理システム | ③供給・在庫・物流 |
会計ツールや人事管理システム等、自社に必要なツールを選んでみてください。なお、組み合わせるツールもデジタル化・AI導入補助金の対象として登録されている必要があります。対象となるITツールについては、以下の記事で詳しく解説しています。
Slackの料金プラン
Slackでは全部で3種類の有料プランがあり、それぞれのプランごとに機能が異なります。
| プロ | ビジネスプラス | Enterprise+ | |
| 料金(年払い) | 11,100円 | 23,040円 | 非公開 |
| 無制限のメッセージとファイルの履歴 | 〇 | 〇 | 〇 |
| チャンネル | 〇 | 〇 | 〇 |
| ハドルミーティング | 〇 | 〇 | 〇 |
| canvas | 〇 | 〇 | 〇 |
| AI 検索 | ー | 〇 | 〇 |
| AI 言語翻訳 | ー | 〇 | 〇 |
| カスタマーサポート | 24 時間年中無休 | 年中無休の24時間体制で4時間以内の初回対応を保証 | 年中無休の24時間体制で4時間以内の初回対応を保証する優先対応 |
チームの規模や業務内容に応じて選べる3つの有料プランが用意されているため、自社に合ったプランを選べます。ただし、「Enterprise+」プランは料金が個別見積もりとなっており、対応しているIT導入支援事業者が今のところ確認できませんでした。
そのため、Slackの導入時にデジタル化・AI導入補助金を活用する場合、「プロ」又は「ビジネスプラス」のいずれかを選ぶ必要があります。「Enterprise+」の導入を検討している事業者の方はご注意ください。
なお、Slackには無料のフリープランもありますが、無料プランは補助金の対象外です。補助対象となるのは有料プランの利用料であり、費用が発生しない導入には補助金を適用できません。
Slack導入で補助金を使う申請の流れ
デジタル化・AI導入補助金の申請は、IT導入支援事業者と協力して進めます。大まかな流れとスケジュールを確認しておきましょう。
申請の流れ5ステップ
申請から補助金交付までの流れは、以下のとおりです。
| ステップ | 内容 |
| ①IT導入支援事業者・ITツールの選定 | Slackに対応したIT導入支援事業者を選び、組み合わせるツールを含めて相談する |
| ②gBizIDプライムの取得 | 電子申請に必須のアカウントを取得する。発行までに時間がかかるため早めの取得がおすすめ |
| ③SECURITY ACTIONの宣言 | 申請の要件である情報セキュリティ対策の自己宣言を行う |
| ④交付申請 | IT導入支援事業者と共同で、事業計画を含めた交付申請を電子申請で行う |
| ⑤交付決定後に契約・導入・支払い | 交付決定の通知後にツールを契約・導入する。事業実績報告の提出後に補助金が交付される |
とくに注意したいのが、交付決定前の契約・発注・支払いは補助対象外になる点です。「先にSlackを契約してしまった」というケースでは補助金を受けられないため、必ず交付決定を待ってから契約してください。
2026年度の公募スケジュール
2026年度のデジタル化・AI導入補助金は、年間を通じて複数回の締切が設定されています。現時点では第4次締切(2026年8月25日)分までが公表されています。
締切ごとの詳細なスケジュールは、以下の記事で随時更新しています。
合わせて読みたい:デジタル化・AI導入補助金の公募スケジュール一覧
Slackに対応したIT導入支援事業者の探し方
デジタル化・AI導入補助金では、あらかじめ登録されているIT導入支援事業者と協力してツールを導入する必要があります。確認したところ、2026年8月時点で登録されている、Slackに対応したIT導入支援事業者は、以下のとおりです。
| 事業者名 | 対応プラン | 対応地域 | 詳細 |
| ユナイテッド・アドバイザーズ株式会社 | ・プロ ・ビジネスプラス | 全国 | 公式サイト https://www.united-advisers.com/ |
| 株式会社CAREARC | ・プロ ・ビジネスプラス | 全国 | 公式サイト http://carearc.co.jp/ |
IT導入支援事業者は、公式サイトの「ITツール・IT導入支援事業者検索」で検索できます。なお、IT導入支援事業者により導入費用が異なるため、詳しい費用に関しては、各事業者に直接お問い合わせください。
よくある質問
Slackの無料プランでも補助金は使える?
いいえ、無料プランは補助対象外です。補助金の対象となるのは、プロまたはビジネスプラスの有料プラン利用料です。
有料プランへの切り替えも補助対象になる?
交付決定前に契約・支払いを済ませたものは対象外です。切り替えを検討している場合は、契約前にIT導入支援事業者へ相談してください。
TeamsやChatworkも補助金の対象?
はい、TeamsやChatworkなどの他のビジネスチャットツールも対象です。いずれも「汎用・自動化・分析ツール」に該当するため、Slackと同様に単体では申請できません。
補助金はいつ受け取れる?
補助金は後払いです。交付決定後にツールを導入・支払いし、事業実績報告が確定した後に交付されるため、導入時にはいったん全額を自己資金で支払う必要があります。
Enterprise+プランは申請できる?
現時点でEnterprise+プランに対応するIT導入支援事業者が確認できないため、実質的に申請は難しい状況です。プロまたはビジネスプラスから選びましょう。
まとめ
デジタル化・AI導入補助金を活用すれば、Slackの導入にかかる初期コストを抑えられます。ポイントは以下の3点です。
・Slack単体では申請不可。会計ソフトや勤怠管理システムなど、他のプロセスを満たすツールとの組み合わせが必要
・交付決定前の契約・支払いは補助対象外。必ず交付決定を待ってから契約する
対象プランは「プロ」または「ビジネスプラス」の2択です。自社の業務規模や目的に応じて適切なプランと組み合わせツールを選び、補助金の活用を検討してみてください。
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