
▼更新情報
第8回公募の申請受期間は2022/12/16(金)〜2023/1/13(金)となっています。
第9回公募の公募開始については1月中下旬となっております。
事業再構築補助金は、新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編など思い切った事業再構築をしようと試みる中小企業の手助けをする補助金のことで、中小企業の方であれば1度は聞いたことがあるのではないでしょうか?この記事では事業再構築補助金の条件やどれくらい補助してくれるのかなど詳しい情報をわかりやすくご紹介します。
令和4年度第2次補正予算における事業再構築補助金の申請類型および補助金上限額、補助率一覧
申請類型 | 補助上限額 (※1) | 補助率 |
---|---|---|
成長枠 | 2,000万円、4,000万円、 5,000万円、7,000万円(※2) | 中小1/2 中堅1/3 |
グリーン成長枠 | <エントリー> 中小:4,000万円、6,000万円、 8,000万円(※2) 中堅1億円 | 中小1/2 中堅1/3 |
<スタンダード> 中小:1億円、中堅:1.5億円 | ||
産業構造転換枠 | 2,000万円、4,000万円、 5,000万円、7,000万円(※2) 廃業を伴う場合2,000万円上乗せ | 中小2/3 中堅1/2 |
サプライチェーン強靱化枠 | 5億円 | 中小1/2 中堅1/3 |
物価高騰対策・回復再生応援枠 | 1,000万円、1,500万円、 2,000万円、3,000万円 (※2) | 中小2/3(一部3/4) 中堅1/2(一部2/3) |
最低賃金枠 | 500万円、1,000万円、 1,500万円(※2) | 中小3/4 中堅2/3 |
(※1)補助下限額は100万円、(※2)従業員規模により異なる

この記事の目次
事業再構築補助金とは
事業再構築補助金とは冒頭でもお伝えした通り、思い切った事業再構築をしようと試みる中小企業の手助けをするための補助金です。
経済産業省のHPでは以下のようなパンフレットが展開されています。
出典:経済産業省「事業再構築補助金」
経済産業省が実施する補助金となっていて「新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等を目指す企業・団体等の新たな挑戦を支援」することが目的となっています。令和2年度第3次補正予算に「中⼩企業等事業再構築促進事業」として1兆1,485億円という大規模な予算で組み込まれたことで話題となったので、当時補助金を調べた機会がある方は記憶がある方もいらっしゃるかと思います。
事業継続が難しくなったコロナ禍において、新しい事業展開を検討する中小・中堅企業向けの補助制度として注目されている補助金の1つです。
申請類型 | 補助金額 | 補助率 |
---|---|---|
通常枠 | 中小企業者等、中堅企業等ともに 【従業員数20人以下】100万円~2,000万円 【従業員数21~50人】100万円~4,000万円 【従業員数51~100人】100万円~6,000万円 【従業員数101人以上】100万円~8,000万円 | 中小企業者等 2/3 (6,000万円を超える部分は1/2) 中堅企業等 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3) |
大規模賃金引上枠 | 中小企業者等、中堅企業等ともに 【従業員数101人以上】8,000万円超~1億円 | 中小企業者等 2/3 (6,000万円を超える部分は1/2) 中堅企業等 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3) |
回復・再生応援枠 | 中小企業者等、中堅企業等ともに 【従業員数5人以下】100 万円 ~ 500 万円 【従業員数6~20 人】100 万円 ~ 1,000 万円 【従業員数21人以上】100万円 ~ 1,500万円 | 中小企業者等 3/4 中堅企業等 2/3 |
最低賃金枠 | 中小企業者等、中堅企業等ともに 【従業員数5人以下】100 万円 ~ 500 万円 【従業員数6~20 人】100 万円 ~ 1,000 万円 【従業員数21人以上】100万円 ~ 1,500万円 | 中小企業者等 3/4 中堅企業等 2/3 |
グリーン成長枠 | 中小企業者等:100万円~1億円 中堅企業等 :100万円~1.5億円 | 中小企業者等 1/2 中堅企業等 1/3 |
緊急対策枠 | 中小企業等、中堅企業等ともに 【従業員5人以下】100万円~1,000万円 【従業員6~20人】100万円~2,000万円 【従業員21~50人】100万円~3,000万円 【従業員51人以上】100万円~4,000万円 | 中小企業等 3/4(※1) 中堅企業等 2/3(※2) (※1)従業員数5人以下の場合500万円を超える部分、 従業員数6~20人の場合1,000万円を超える部 分、従業員数21人以上の場合1,500万円を超える 部分は2/3) (※2)従業員数5人以下の場合500万円を超える部分、 従業員数6~20人の場合1,000万円を超える部 分、従業員数21人以上の場合1,500万円を超える 部分は1/2) |
事業再構築補助金の申請要件

事業再構築補助金は具体的にどのような場合に申請ができるのでしょうか?
少なくとも以下の3つに該当する必要があるのでご確認ください。

出典:経済産業省「事業再構築補助金の概要」
①売上が減っている
②事業再構築に取り組む目途が立っている
③認定経営革新等支援機関と策定した事業計画がある
1つずつ内容を確認していきます。
①売上が減っている
事業再構築補助金を申請するには「売上が減っている」必要があります。
そのため、どんなに事業を再構築しようと考えていても売上が減っていなければ申請が出来ません。
令和3年7月に経済産業省から発表されている内容は以下のようになっています。
・2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること。
・売上高に代えて、付加価値額を用いることも可能です。
※詳しくは公募要領をご参照ください。
②事業再構築に取り組む目途が立っている
事業再構築補助金を申請するには「事業再構築指針」に則った「新分野展開」「事業転換」「業種転換」「業態転換」「事業再編」のいずれかに取り組む必要があります。
「取り組む姿勢」だけだと通らない可能性が高いです。
理由は③にあります。
③認定経営革新等支援機関と策定した事業計画がある
事業再構築補助金を申請するには、認定経営革新等支援機関と策定した事業計画がある必要があります。
そのため、既に実現可能性が高い事業再構築でないものは申請ができないので「姿勢」だけでは難しいです。
また、採択されるには合理的で説得力のある事業計画を策定することが重要です。
そのため、認定支援機関に相談し、もらったアドバイスなどは事業計画に反映した方が採択率が上がるかと思います。
補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関(銀行、信金、ファンド等)も参加して策定する必要があります。
※金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は金融機関だけで問題ありません。
加えて、事業計画の内容は、補助事業終了後3~5年で「付加価値額の年率平均3.0%(グリーン成長枠は5.0%)以上増加」又は「従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(同5.0%)以上の増加」の達成を見込む必要があります。
【補足】認定経営革新等支援機関とは
認定経営革新等支援機関とは、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として、国の認定を受けた支援機関(税理士、税理士法人、公認会計士、中小企業診断士、商工会・商工会議所、金融機関等)です。
平成24年に中小企業庁が創設しました。
付き合いのある機関があったり、紹介してもらえそうであればそちらに依頼するのでも問題ございません。
ただ、伝手がないという場合でも中小企業庁のHPから探すことができます。
→中小企業庁 認定支援機関検索システム
事業再構築指針とは?
上記の「②事業再構築に取り組む目途が立っている」でご説明した「事業再構築指針」についてご説明をします。
事業再構築補助金を申請する場合、上記の通り事業再構築に取り組む必要性があります。
何が事業再構築に当たるのかを定めているのがこの「事業再構築指針」です。
簡単に説明すると、「事業再構築補助金」はやろうとしている事業再構築が、「新分野展開」「事業転換」「業種転換」「業態転換」「事業再編」の5分野のどれかに当てはまらないと申請が出来ません。
どの分野に該当するのかで、利用できる補助対象経費も変わってきますのであらかじめ確認が必要です。
出典:経済産業省「[事業再構築指針の手引き]
「新分野展開」「事業転換」「業種転換」で必須の条件
まず最初に、「新分野展開」「事業転換」「業種転換」では、上記の「①製品等の新規性要件」「②市場の新規性要件」を満たす必要がありますのでそちらからご紹介します。
「①製品等の新規性要件」について
①製品等の新規性要件は、中小企業庁「事業再構築指針の手引き」にもあるように、手引きの記載にもある通り3つあります。
1,過去に製造等した実績がないこと
2,製造等に用いる主要な設備を変更すること
3,定量的に性能又は効能が異なること(製品等の性能や効能が定量的に計測できる場合に限る。)
この「新規性」の意味は「その中小企業にとって」の新規性であり、「世界初」、「日本初」といったレベルまでは求められません。
簡単に説明します。
【過去に製造等した実績がないこと】が必要要件のため、いつも作っているものはもちろんのこと、過去に製造したことがあるものもNGです。
自社にとって全く新しいチャレンジングな内容でなければ認められません。
※例:過去に1度だけ製造したことがある部品と同じものはもう一度製造する。
また、新しく製造等するものが優れていることを証明しなければなりません。
その証明方法については「定量的」であることが求められます。【定量的に性能又は効能が異なること(製品等の性能や効能が定量的に計測できる場合に限る。)】
つまり、「既製品よりも○○%生産性が向上する」、「既製品よりも○○だけ早くなる」といった説明が求められます。
なので定量的に説明ができない、もしくはそこまで向上しない新製品ではNGです。
加えて、その製造等をする設備は新しく導入する必要があります。【製造等に用いる主要な設備を変更すること】ただし、回復・再生応援枠は本要件を満たしていなくても申請可能です。例えば、備品の導入や広告宣伝を行い、ホテルの空き室をワーケーション施設にする(建物の改修等主要な設備の変更は伴わないが、新分野の事業を開始する)ような場合も支援対象となります。
出典:経済産業省「[事業再構築指針の手引き]
「②市場の新規性要件」について
こちらも新規性について求められる要件ですが、これは「既存製品等と新製品等の代替性が低いこと」が求められます。
つまり、既製品でまかなえてしまうようなものはNGです。
さらに、新規製品をつくることで既製品の売上が減ってしまうのではNGで、むしろ相乗効果で売上が増大するものであることが求められます。
OK例:日本料理店が、新たにオンラインの料理教室を始める場合、オンライン料理教室を始めたことにより、日本料理店の売上は変わらない(むしろ宣伝による相乗効果により上がる)と考えられることから、市場の新規性要件を満たすと考えられる。
NG例:アイスクリームを提供していた事業者が、新たにかき氷を販売するが、単純に従来の顧客がアイスクリームの代わりにかき氷を購入することを
想定する事業計画を策定した場合、市場の新規性要件を満たさないと考えられる。
出典:経済産業省「[事業再構築指針の手引き]
売上高と売上構成比から「新分野展開」「事業転換」「業種転換」のどれに当たるか判断する
見事に「①製品等の新規性要件」「②市場の新規性要件」と認められれば、次に「売上高」と「売上構成比」に着目しましょう。
事業再構築補助金申請において作成する3~5年間の事業計画期間終了後の売上高がどうなるかで分類が変わってきます。
■新たな製品の売上高が総売上高の10%以上となる計画が策定できた場合(又は総付加価値額の15%)
→「新分野展開」
■新たな製品等の属する事業が、売上高構成比の最も高い事業となることが策定できた場合
→「事業転換」
■新たな製品の属する業種が、売上高構成比の最も高い業種となることが策定できた場合
→「業種転換」
「新分野展開」に当たるかの判断は比較的簡単で、新規事業が会社全体の売上の10%(又は総付加価値額の15%)以上となることが策定できた場合です。
残りの2つ「事業転換」、「業種転換」は会社の売上構成比の中で「事業」または「業種」が最も高くなる必要があります。
「事業転換」とは新たな製品等を製造等することにより、主たる業種を変更することなく、主たる事業を変更することを指します。
もう一方の「業種転換」は、新たな製品等を製造等することにより、主たる業種を変更することを指します。
経済産業省「[事業再構築指針の手引きより]
つまり、それぞれが既存の事業、業種よりも大きな事業、業種を作る必要があるということになります。
以上のことから3つの中では「新規分野展開」が最も容易に計画が策定可能かと思われます。
※ここで言う「主たる事業」とは「直近決算期における売上高構成比率の最も高い事業が属する、総務省が定める日本標準産業分類に基づく大分類の産業」のことを指しています。
※ここで言う「主たる業種」とは「直近決算期における売上高構成比率の最も高い事業が属する、総務省が定める日本標準産業分類に基づく中分類、小分類又は細分類の産業」のことを指しています。
「業態転換」とは
ここまでで、5分類の中の「新分野展開」「事業転換」「業種転換」についてご説明してきました。
「業態転換」については4つ目です。
「業態転換」は今までご説明してきた「新分野展開」「事業転換」「業種転換」とは違い、全く新しいビジネスを始める必要はありません。
要件としては、「製品等の製造方法等を相当程度変更する」と定義されているので、既存のものをある程度変更すれば認められます。
具体的には以下の4つの要件があります。
①業態転換に該当するためには、製品等の製造方法等が新規性を有するものである必要があります。
→【製造方法等の新規性要件】
②新たな方法で製造される製品が新規性を有するものである必要があります(製品の製造方法を変更する場合に限ります)。
→【製品の新規性要件】
③新たな方法で提供される商品若しくはサービスが新規性を有するもの又は既存の設備の撤去や既存の店舗の縮小等を伴うものである必要があります。(商品又はサービスの提供方法を変更する場合に限ります)。
→【商品等の新規性要件】又は【設備撤去等要件】
④これらを通じて、3~5年間の事業計画期間終了後、新たな製品等の製造方法等による売上高が、総売上高の10%(又は総付加価値額の15%)以上を占める計画を策定することが必要です。
→【新事業売上高10%等要件】
出典:経済産業省「[事業再構築指針の手引き]
②については、新分野展開における【製品等の新規性要件】と同義です。
また、③のうち【商品等の新規性要件】については、新分野展開における【製品等の新規性要件】と同義です。
そのため以下より①の【製造方法等の新規性要件】と③のうち【設備撤去等要件】をご説明します。
「製造方法等の新規性要件」と「設備撤去等要件」
「製造方法等の新規性要件」については以下の3つが要件になっています。
①過去に同じ方法で製造等していた実績がないこと
②新たな製造方法等に用いる主要な設備を変更すること(※回復・再生応援枠は除く)
③定量的に性能又は効能が異なること(製造方法等の性能や効能が定量的に計測できる場合に限る。)
1つずつご説明します。
【過去に同じ方法で製造等していた実績がないこと】については、過去にやったことが無い方法で製造等をする必要があります。
※例:
これは、やり方を変更するだけという意味では「新分野展開」「事業転換」「業種転換」の製品等の新規性要件に比べると緩い要件になります。
【新たな製造方法等に用いる主要な設備を変更すること】については「新分野展開」「事業転換」「業種転換」の製品等の新規性要件とほぼ同義です。
【定量的に性能又は効能が異なること(製造方法等の性能や効能が定量的に計測できる場合に限る。)】についても製品等の新規性要件とほぼ同義です。
「事業再編」とは
事業再編とは、「会社法上の組織再編行為等」を伴い、事業再構築を行うものとなりますので、「合併、会社分割、株式交換、株式移転又は事業譲渡」を行った上で、新たな事業形態のもとに、新分野展開、事業転換、業種転換又は業態転換のいずれかを行うことが必要です。
出典:経済産業省「[事業再構築指針の手引き]
事業再構築補助金の事前着手承認制度について
事業再構築補助金の補助事業の着手は基本的に交付決定後です。
不採択の場合は支援を受けることは出来ません。
事業再構築補助金の申請の準備
それでは事業再構築補助金の申請をするにはどのようなことをすればいいのでしょうか?
大きく分けて以下の3つの準備が必要です。
①電子申請の準備
②事業計画策定の準備
③認定経営革新等支援機関との相談
それぞれご説明します。
①電子申請の準備
事業再構築補助金の申請はすべて「jGrants」という電子申請システムで受け付けが行われます。
そのため、こちらのIDを発行しておく必要があります。
このjGrantsのID「GビズIDプライムアカウント」は発行までに時間がかかるため、お早目に申請しておくことをおススメします。
以下のHPより必要事項を記載して、必要書類を郵送することでやっと作成ができます。
https://gbiz-id.go.jp/top/
ホームページの手続きだけでは申請が完了しませんのでご注意ください。
②事業計画策定の準備
申請には事業計画書が必須となりますので、事前に作成をしておきましょう。
どの程度のものを作成すべきかですが、「できる限り詳細に」すべきです。
最終的には他社と比較される可能性もあるので、少なくとも以下のa~cはやっておくべきです。
a,現在の企業の強みと弱みの分析と新しい事業の市場分析
b,自社の優位性の確保に向けた課題設定と解決方法の提示
c,優位性の確保するための資金計画
③認定経営革新等支援機関との相談
②で作成する事業計画は認定経営革新等支援機関が認めたものである必要があります。
そのため、事業計画がある程度出来たら認定経営革新等支援機関に相談しておきましょう。
事業再構築補助金の補助上限額と補助率について
事業再構築補助金の補助上限額と補助率は、あなたがどの枠で応募したかによってかなり違いが出てくるのでご注意ください。
以下にそれぞれの枠に対する補助上限額と補助率を記載します。
事業再構築補助金の補助上限額
・[通常枠] 中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数20人以下】100万円~2,000万円
【従業員数21~50人】100万円~4,000万円
【従業員数51~100人】100万円~6,000万円
【従業員数101人以上】100万円~8,000万円
・[大規模賃金枠] 中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数101人以上】 8,000万円超 ~ 1億円
・[回復・再生応援枠] 中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数5人以下】100 万円 ~ 500 万円
【従業員数6~20 人】100 万円 ~ 1,000 万円
【従業員数21人以上】100万円 ~ 1,500万円
・[最低賃金枠] 中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数5人以下】 100 万円 ~ 500 万円
【従業員数6~20 人】 100 万円 ~ 1,000 万円
【従業員数21人以上】 100万円 ~ 1,500万円
・[グリーン成長枠]
中小企業者等:100万円~1億円
中堅企業等 :100万円~1.5億円
・[緊急対策枠] 中小企業等、中堅企業等ともに
【従業員5人以下】100万円~1,000万円
【従業員6~20人】100万円~2,000万円
【従業員21~50人】100万円~3,000万円
【従業員51人以上】100万円~4,000万円
事業再構築補助金の補助率
・[通常枠] 中小企業者等 2/3(6,000万円を超える部分は1/2)
中堅企業等 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3)
・[大規模賃金枠] 中小企業者等 2/3(6,000万円を超える部分は1/2)
中堅企業等 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3)
・[回復・再生応援枠] 中小企業者等 3/4 中堅企業等2/3
・[最低賃金枠] 中小企業者等 3/4 中堅企業等2/3
・[グリーン成長枠] 中小企業者等 1/2 中堅企業等1/3
・[緊急対策枠] 中小企業者等 3/4(※1) 中堅企業等2/3(※2)
(※1)従業員数5人以下の場合500万円を超える部分、
従業員数6~20人の場合1,000万円を超える部分、
従業員数21人以上の場合1,500万円を超える部分は2/3)
(※2)従業員数5人以下の場合500万円を超える部分、
従業員数6~20人の場合1,000万円を超える部分、
従業員数21人以上の場合1,500万円を超える部分は1/2)
都度変更になる部分はございます。詳しくは最新の概要をご確認ください。
【補足】中小企業の範囲
中小企業の範囲は中小企業法で定められている範囲と同等ですが、業種によって若干の違いがあります。
出典:経済産業省「[公募要領]
製造業その他: 資本金3億円以下の会社 又は 従業員数300人以下の会社及び個人
卸売業: 資本金1億円以下の会社 又は 従業員数100人以下の会社及び個人
小売業: 資本金5千万円以下の会社 又は 従業員数50人以下の会社及び個人
サービス業: 資本金5千万円以下の会社 又は 従業員数100人以下の会社及び個人
【注1】 大企業の子会社等の、いわゆる「みなし大企業」は支援の対象外です。
【注2】 確定している(申告済みの)直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超える場合は、中小企業ではなく、
中堅企業として支援の対象となります。
【注3】 企業組合、協業組合、事業協同組合を含む「中小企業等経営強化法」第2条第1項が規定する「中小企業者」や、収益事業を行う一般社
団法人、一般財団法人、NPO法人等も支援の対象です。
過去事例
事業再構築補助金の補助対象経費
事業再構築補助金ではどのようなものが申請できるのでしょうか?
概要は以下です。
建物費
①専ら補助事業のために使用される事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫その他事業計画の実施に不可欠と認められる建物の建設・改修に要する経費
②補助事業実施のために必要となる建物の撤去に要する経費
③補助事業実施のために必要となる賃貸物件等の原状回復に要する経費
➃貸工場・貸店舗等に一時的に移転する際に要する経費(貸工場・貸店舗等の賃借料、貸工場・貸店舗等への移転費等)
機械装置・システム構築費
①専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)の購入、製作、借用に要する経費
②専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システム等の購入・構築、借用に要する経費
③①又は②と一体で行う、改良・修繕、据付け又は運搬に要する経費
技術導入費
本事業遂行のために必要な知的財産権等の導入に要する経費
専門家経費
本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費
運搬費
運搬料、宅配・郵送料等に要する経費
クラウドサービス利用費
クラウドサービスの利用に関する経費
外注費
本事業遂行のために必要な加工や設計(デザイン)・検査等の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費
知的財産権等関連経費
新製品・サービスの開発成果の事業化にあたり必要となる特許権等の知的財産権等の取得に要する弁理士の手続代行費用や外国特許出願のための翻訳料など知的財産権等取得に関連する経費
広告宣伝・販売促進費
本事業で開発又は提供する製品・サービスに係る広告(パンフレット、動画、写真等)の作成及び媒体掲載、展示会出展(海外展示会を含む)、セミナー開催、市場調査、営業代行利用、マーケティングツール活用等に係る経費
研修費
本事業の遂行のために必要な教育訓練や講座受講等に係る経費
※すべて中古品を対象として申請する場合は3社以上の見積が必須。
一部補足説明をします。
①建設費
まず建設費に関しては以下の4つが申請できます。
・専ら補助事業のために使用される事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫その他事業計画の実施に不可欠と認められる建物の建設・改修に要する経費
・補助事業実施のために必要となる建物の撤去に要する経費
・補助事業実施のために必要となる賃貸物件等の原状回復に要する経費
・貸工場・貸店舗等に一時的に移転する際に要する経費(貸工場・貸店舗等の賃借料、貸工場・貸店舗等への移転費等)
今回、「事務所」や「倉庫」といった大きな枠組みで認められたというのはうれしいポイントです。「事業計画の実施に不可欠と認められる建物の建設・改修」記載がありますので、飲食店がお弁当の持ち帰り用の受付を置くなどは申請が通るかと思います。
建物費で注意すべきポイントは、「建物の撤去や賃貸物件の原状回復の費用のみを申請することはできない」点です。どちらも「補助事業実施のため...」という文言が付いているため、撤去や原状回復を申請仕様とする場合は、「事業計画に則った事業拡大に必要な新たな事業資産を申請する前提ですよ」という考えとなります。
また、土地や建物購入費用、物件の賃借料は申請できません。
②機械装置・システム構築費
機械装置・システム構築費では以下のような項目が申請できます。
・専ら補助事業のために使用される機械装置、工具・器具(測定工具・検査工具等)の購入、製作、借用に要する経費
・専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システム等の購入・構築、借用に要する経費
・上記と一体で行う、改良・修繕、据付け又は運搬に要する経費
コロナ禍で店舗の売上が減ってしまった店舗が、ECサイトを導入する場合のシステム構築費、サービス利用料を申請することが出来ると考えられます。
ただし、システム構築をしたエンジニアの人件費は申請対象とならないので注意が必要です。
⑨広告宣伝・販売促進費
広告宣伝・販売促進費では以下の内容が対象となります。
・本事業で開発又は提供する製品・サービスに係る広告(パンフレット、動画、写真等)の作成及び媒体掲載の経費
・展示会出展(海外展示会を含む)、セミナー開催、市場調査、営業代行利用、マーケティングツール活用等に係る経費
広告宣伝・販売促進費については、数字で説明出来る部分が大きいため事業計画に入れやすく、「合理的で説得力のある事業計画を策定」しやすいので、どの企業でも検討すべき申請費用の1つです。
利益追及するには宣伝・販促はセットです。当然ですが、どんなに良いものを作れても世間に知られていないと利益は出ません。
そんな、広告宣伝・販売促進費が補助対象経費に含まれているのは非常に有用です。新規事業で事業計画を立てる際はこの項目を検討するのを忘れずに検討したほうが良いでしょう。
注意すべき点は、広告宣伝・販売促進費は今回申請する補助事業に関わる経費のみです。通常業務で行っている販促費を申請することが出来ないところです。
⑩研修費
最後に「研修費」です。以下の内容が経費として申請出来るとしています。
・本事業の遂行のために必要な教育訓練や講座受講等に係る経費
主に新事業にかかるノウハウや実務上の研修を行う場合に活用できる経費です。組織力の底上げを図ることもできるため、使い方次第では広告宣伝・販売促進費と同じくメリットの大きい経費区分となります。
こちらについても、補助事業以外の研修は対象外となります。
申請する際は対象の事業であることは明記した上で事業計画書で「①研修名、②研修実施主体、③研修内容、④研修受講費、⑤研修受講者」の5つを記載する必要があります。
事業再構築補助金の対象外の経費の例
それでは、補助対象にならない経費にはどんな例があるのでしょうか?
質問が多いような例の一部をご紹介します。
・事業に係る自社の人件費、旅費
・汎用性があり、目的外使用になり得るものの購入費(パソコン、スマートフォン、車両、家具などの購入にかかった費用)
・事務所等に係る家賃、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費
・販売する商品の原材料費
第8回公募について
第8回公募は、令和4年度最後の公募となる予定です。
【公募期間】
第8回の公募スケジュールは以下のとおりです。
公募開始:令和4年10月3日(月)
応募締切:令和5年1月13日(金)18:00
申請期間:令和4年12月16日(金)12:00〜令和5年1月13日(金)18:00
採択発表は、令和5年3月中旬~下旬頃を予定しています。
事業再構築補助金の過去採択率
- 1回目55.32%
- 2回目 44.88%
- 3回目 44.42%>
- 4回目 44.78%
- 5回目 46.15%
- 6回目 49.99%
- 7回目 51.18%
申請者数 | 採択者数 | 採択率 | |
---|---|---|---|
第1回公募 | 5,181 | 2,866 | 55.32% |
第2回公募 | 20,800 | 9,336 | 44.88% |
第3回公募 | 20,307 | 9,021 | 44.42% |
第4回公募 | 19,673 | 8,810 | 44.78% |
第5回公募 | 21,035 | 9,707 | 46.15% |
第6回公募 | 15,340 | 7,669 | 49.99% |
第7回公募 | 15,132 | 7,745 | 51.18% |
事業再構築補助金に関するお問合せについて
事業再構築補助金の公式のお問合せ先は以下になります。
■事業再構築お問い合わせ先
・事業再構築補助金事務局コールセンター
【受付時間】
9:00~18:00(日祝日を除く)
【電話番号】
0570-012-088
03-4216-4080
・事業再構築補助金事務局システムサポートセンター
【受付時間】
9:00~18:00(土日祝日を除く)
【電話番号】
050-8881-6942
まとめ
事業再構築補助金は補助額が高く、売上が減ってしまっている企業にとっては魅力的な補助金の1つですが、条件と事前の準備が多い補助金です。
本記事の内容を確認してあらかじめ準備を進めてみてください。
不明点があれば事業再構築事務局または依頼しようとしている認定支援機関に聞いてみることをおすすめします。