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事業再構築補助金 不採択または交付取消となるケース15選

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事業再構築補助金の不採択、交付取消となるケースにはどのような例があるのでしょうか。また、補助金交付候補者として採択された場合であっても、交付審査において採択取消となるのはどのような場合でしょうか。

今回は、事業再構築補助金の第11回公募要領から、不採択または交付取消、採択取消となる15のケースを確認します。

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この記事の目次

事業再構築補助金の注意事項【不正受給】

補助金は多くの事業者にとって貴重な支援となりますが、申請の大前提として、不正受給は決して許されるものではありません。まず、その点を理解しましょう。

正当な手続きを経て受け取るものである補助金において、虚偽や目的外の利用などの不正行為は深刻な結果を招く可能性があります。具体的には、補助金の申請時に不正行為が見つかった場合、交付が取り消され、既に交付されている場合は加算金とともに返還を求められます。特に悪質な不正があった場合、事業者の名前や不正内容が公にされる恐れがあります。また、不正を行った者は最大で5年の懲役もしくは100万円の罰金が課される可能性もあります。

不正受給のリスクは、意図しない間違いからも生じることが考えられます。そのため、事業者としては補助金の要件や手続きを十分に理解し、慎重に申請を進めることが求められます。

事業再構築補助金 不採択または交付取消となるケース15選

間違いのない申請を通じて、正当に補助金を受け取り事業の発展に役立てるためにも、どのような場合に不採択または交付取消、さらには採択取消となってしまうのか、しっかり確認しておきましょう。ここから、公募要領に記載されたケースの内容をみていきます。

1.具体的な事業再構築の実施の大半を他社に外注又は委託し、企画だけを行う事業

事業の再構築や実際の実施作業の大部分を別の会社に依頼して行わせ(外注や委託として)、自社では主にその企画段階だけを担当するような事業では、不採択や採択取消の対象となる可能性が示唆されています。

2.グループ会社が既に実施している事業を実施するなど、再構築事業の内容が、容易に実施可能である事業

ある企業が補助金を申請する際の再構築事業として提案する内容が、その企業の関連するグループ会社(「みなし同一法人」として定義される会社)がすでに行っている事業である場合、その事業は独自の再構築とは言えず、容易に実施できるものと見なされる可能性があります。つまり、補助金の趣旨に沿わない、既存の事業や他社が既に行っているような簡単に行える事業を提案すると、補助金の採択が難しくなる、または取消となるリスクがあることを示唆しています。

3.事業承継を行った上で事業を実施する場合に、承継以前の各事業者が既に実施している事業を実施するなど、再構築事業の内容が、容易に実施可能である事業

事業承継した場合、その承継した企業が以前にもすでに行っていた事業を新たな「再構築事業」として補助金申請すると、その事業は容易に実施可能であるとみなされてしまいます。

また、公募開始日時点で事業承継が確定している場合は、2020年4月時点からその事業承継先と事業承継元を一体の事業者とみなし、両方の事業を「既存事業」として審査するとされています。これにより、事業承継が行われた場合でも、既存の事業をそのまま継続するだけの案件は補助金の対象になりにくいという趣旨が示されています。

4.不動産賃貸(寮を含む)、駐車場経営、暗号資産のマイニング等、実質的な労働を伴わない事業又は専ら資産運用的性格の強い事業

このケースは、労働を伴わない、または主に資産を増やす目的で行われる事業は、補助金の対象にならないということを意味しています。例として、賃貸不動産や駐車場経営は一度設備を整えた後は、定期的な収入があるものの、日々の労働は少ない事業とされています。また、暗号資産のマイニングも、初期の設備投資が必要ですが、労働を伴わないとみなされる可能性があります。

これらの事業は、資産を効果的に運用することで収益を上げることが主目的となるため、補助金の対象としては適さないとされています。

5.建築又は購入した施設・設備を自ら占有し、事業の用に供することなく、特定の第三者に長期間賃貸させるような事業

企業が建築や購入した施設や設備を、自らの事業のために使用するのではなく、特定の第三者に長期間賃貸するような事業は、補助金の対象として適さないとしています。言い換えると、企業が資産を所有し、それを他者に長期間賃貸するだけの事業は、補助金の対象とは認められないということです。

ただし、中小企業とリース会社が共同で申請を行い、リース会社が機械装置やシステムを購入する場合には、この制限は当てはまらないとされています。この例外についての詳細は、公募要領の「補助対象経費・リース会社との共同申請について」で確認できると説明されています。

6.農業を行う事業者が単に別の作物を作る、飲食店が新しく漁業を始めるなど、新たに取り組む事業が1次産業(農業、林業、漁業)である事業

補助金の対象外となる条件として、事業者が新たに1次産業(農業、林業、漁業)に取り組むケースが挙げられます。例えば、元々の農業事業者が別の作物を作る場合や、飲食店が新しく漁業を始めるなどが該当します。事業者が自らの産出した原材料を主として使用して製造・加工を行う場合は1次産業として認識されます。

ただし、その製造・加工が特定の工場や作業所で専従の常用従業者によって実施される場合、2次または3次産業として認められることがあります。例えば農業に取り組む事業者が、同一構内の工場において専従の常用従業員を用いて、農作物の加工や農作物を用いた料理の提供を行う場合に必要な経費は、補助対象となります。しかし、こうした2次、3次産業の活動においても、農作物の生産自体の経費は補助対象外となります。

7.主として従業員の解雇を通じて付加価値額要件を達成させるような事業

付加価値額とは、営業利益、人件費、減価償却費を足したものをいいます。補助金の要件として、事業終了後の3~5年の間で、この付加価値額を年率平均3.0%~5.0%(事業類型により異なる)増加させること等が要求されています。それに対し、従業員の解雇を主な手段としてこの要件を満たそうとする事業は、補助金の対象から外れるとされています。

8.公序良俗に反する事業

「公序良俗」とは社会的に受け入れられた道徳や常識、価値観を指す言葉であり、これに反する事業とは、一般的な社会的規範や道徳に違反する、不適切な内容を含む事業を指します。このような事業は、補助金の採択対象から除外されると明記されています。

9.法令に違反する及び違反する恐れがある事業並びに消費者保護の観点から不適切であると認められる事業

法律や規則に明らかに反している、またはそのような違反の可能性がある事業や、消費者の権利や安全を守るための観点から、その事業が不適切または問題があると考えられる事業は、補助金の取得が難しくなるか、既に取得していた場合には取消の対象となる可能性があります。

10.風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条第5項及び同条第 13項第2号により定める事業

『風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律』に基づき定められた特定の風俗関連の事業は、補助金の採択対象から外れる可能性があります。ただし、該当する中小企業がその風俗関連の事業を停止し、新しい事業に取り組む際には、その新事業は補助金の支援対象として認められることを示しています。

11.暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成 3年法律第 77号)第2条に規定する暴力団又は暴力団員と関係がある中小企業等又はリース会社による事業

暴力団やその関連者と関わりを持つ中小企業やリース会社によって実施される事業は、補助金の採択対象から除外されます。「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」に基づいて、このような関連性が確認された場合には、不採択や採択取消の対象となると定められています。

12.重複案件

同じ公募で何度も申請を行ったり、他の法人・事業者とほとんど同じ内容の事業で申請を行ったりした場合、重複案件とみなされます。特に、他の法人・事業者と同一または酷似した内容の事業を意図的にまたは重過失により申請した場合、後の公募に申請することができなくなる可能性があると警告されています。また、認定支援機関が故意や大きな過失でこれらの行動を促進した場合、その機関が関与する今後の申請が受け付けられない可能性も指摘されています。

13.国庫及び公的制度からの二重受給

このケースは、国や公的制度からの「二重受給」を取り締まるものです。具体的には、国や独立行政法人などが支出する他の制度(例: 補助金、委託費、公的医療保険や介護保険からの診療報酬・介護報酬、固定価格買取制度など)と、そのテーマや事業内容が同じ、または非常に似ているとみなされた場合、二重に受給することを防ぐため不採択または交付取消となります。ただし、厚生労働省の「産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)」との併用は可能です。

14.申請時に虚偽の内容を含む事業

このケースは、補助金や支援を受けるための申請時に「虚偽の内容」を提出する事業に関するものです。事業者が真実ではない情報やデータを用いて申請を行い、それが発覚した場合、その事業は補助金の採択や支援を受けられなくなる、またはすでに受けていた場合でも取消されるということを示しています。

15.その他制度趣旨・本公募要領にそぐわない事業

事業再構築補助金の目的や意図(制度趣旨)や、公募要領に合致していない、あるいはそれらの基準から逸脱するような事業は不採択または交付取消となります。

まとめ

今回は、事業再構築補助金の交付対象として不適格となるケースを確認しました。

これには、虚偽の申請内容、制度の趣旨や公募要領に合致しない事業、さらには法令違反や公序良俗に反する事業など、さまざまなシチュエーションが考えられます。特に、採択後の交付審査段階でこれらの不適格な事項が明らかとなった場合、たとえ補助金交付候補者として選ばれていたとしても、採択が取消されるケースが発生します。

このような結果を避けるためにも、事前に公募要領等を十分に確認し、不明点や疑問点があれば、適切な申請手続きのために関連機関へ相談するようにしてください。

参考:事業再構築補助金 公募要領(第11回)

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