日本の国策によるインバウンド観光客は年々増え続けており、JTBの調べでは昨年度の訪日外客数は3100万人以上にのぼります。増え続けるインバウンド観光客に対して
昨年から始まった京都市観光協会から出されている外国人観光客受入環境整備助成金について、今年も6月11日に応募が開始されましたので、ご紹介しようと思います。
この記事の目次
わずか半月で締め切られる程、人気の助成金の募集がスタート
この助成金は昨年度よりはじまったばかりですが、昨年の予算は800万円で実施だったそうです。その際の採択補法は、先着順で業者を決定していたため約半月で募集は締め切られるほどの人気の助成金だったようです。
ちなみにこの時に交付が決定した業者は全部で47社64件でした。その結果を受け、今回からは審査を設けたうえかつ予算は倍の1600万円まで引き上げられ2回にわけて募集されるようです。
募集期間は令和元年6月12日(水曜日)~7月5日(金曜日)までとのことですので、京都市のインバウンド対策をしたい店舗さんには見逃せない助成金です。
助成金額は、事業実施に係る経費の2分の1以内で助成上限額は1件当たり20万円となり、複数の受け入れ環境整備を行う場合には、同じく事業経費の1/2の範囲内ですが最大40万円まで助成されます。(1期・2期合計でという形になります。)
助成金を申請および利用できる対象事業者
この助成金は、大企業は利用することができず京都市内に事業所をもつ中小企業が対象となります。具体的には、
・観光施設・宿泊施設・飲食店・小売店・医療機関・理容院・美容院・銭湯・商店街・交通機関・寺院・神社・美術館・博物館・その他公益財団法人京都市観光協会が外国人観光客の受入環境整備が必要とみとめる事業所
参考:https://www.kyokanko.or.jp/kaiin/news/20190611_3/
となっておりますのでご確認ください。
助成対象事業と昨年に採択された助成金事業を比較
対象の事業としては、最近外国人観光客の決済として利用されているQR決済サービスといったいわゆるキャッシュレス対応をはじめ、免税対応やWi-Fi対応、多言語整備、外国語研修などがあげれます。
また洋式トイレ整備も歴史のある街ならではかもしれませんが、外国人の方向けにはかなり重要かもしれません。和式トイレも日本の文化ですが、あまり外国の人にとってフレンドリーではありませんので変えておきたいポイントの一つです。
その他には、祈りのスペースやハラール対応といったムスリムの対応やLGBTの方への配慮するダイバーシティ(多様性)対応なども対象とされています。またマナー啓発、マーケティング推進事業なども挙げられています。
今回追加となったものとしては、自然災害等に対応する災害対応の取り組みについても助成対象となっているようです。
キャッシュレス対応、免税対応、Wi-Fi整備、洋式トイレ整備、多言語整備、外国語研修開催、ダイバーシティ対応(ムスリム・LGBTなど)、マナー啓発、マーケティング推進(予約システム構築、売上データ分析など)災害対応(しあ外事に多言語で情報発信するための機材など)
※新規開業する施設におけるキャッシュレス対応、Wi-Fi設備、多言語整備は対象外となっています。
担当者の方に今回話をうかがったところ、もっとも多かった事業としては各事業者の事業における多言語整備にかんするものだったそうです。具体的には飲食店におけるメニュー表や看板、そして英語研修セミナー等だったようです。
申請に必要な書類一式と取得方法
助成金の申請は下記の書類最低三つを用意する必要があります。
- 交付申請書(第1号様式)
- 事業計画書(第2号様式)
- 収支予算書(第3号様式)
必要書類一式の取得場所
まず資料は京都市観光協会のオフィシャルページよりダウンロードすることができます。
https://www.kyokanko.or.jp/kaiin/news/20190611_3/
まずは必要事項にチェックをすることでダウンロード画面へ遷移しますので、そちらから各書類を確認してください。
ちなみに中身は、パンフレットと要項、申込用紙と記入例があります。それでは実際どのような形式になっているかをこちらで必要書類の紹介をしていきます。
助成金交付申請書の書き方(第1号様式)
まず交付申請書(第1号様式)ですが、こちらには上記にあるようにまずは申請する事業者の情報を記入します。そして、下部部分の申請する対象事業の選択とそれに係る予定経費を記載していただき助成金交付申請額を記入します。
ここで事業予定経費(税別)の右にある事業番号というのが気になりますが、この事業番号とは、助成対象事業に割り振ってある番号になります。例えばWi-Fi整備であれば、事業番号は3となります。
事業計画書の書き方(第2号様式)
続いて事業計画書の作成ですが、ここで必要な情報としては、
- 施設等の住所
- 施設の名称
- 外国人の来客数およびそう来客数に占める比率
- 施設において市民生活と観光の調和(マナー啓発、混雑解消)や伝統産業の振興に資する点ん
- 事業の目的・内容
- スケジュール
以上の6項目になります。項目3に関しては、申請するまえに来店するお客様の外国人比率を調べておきます。
3~6はしっかりと採択時における加点部分を考慮したうえで記載します。まず自身の施設そのものが市民生活と環境の調和や伝統産業品の振興に資する点、役立っていることを明確にします。またこの時に資料(写真等)が別途添付されているとよいかもしれません。
この事業計画書に関しては、事業数に合わせてそれぞれ必要になりますのでご注意ください。
収支予算書の書き方(第3号様式)
ここでは、事業に係る経費の項目と支払先と税抜きの金額を記載します。この時に他団体からの助成金。補助金等があれば記載し、事業経費から他団体の助成金・補助金を引いた自己負担額を記入します。各経費の見積書類または写しを添付します。
まとめ
外国人観光客が訪れている都道府県ランキングTOP10にランクインしている京都市の事業者は、このインバウンド対策助成金をつかって今まで二の足を踏んでいたサイトの多言語化やメニュー表の多言語化、看板などの多言語化をすすめるチャンスです。
さらに今、全国的に広がりを見せているPayPayをはじめとするQR決済といったキャッシュレス対応なども対象事業となっています。インバウンド観光客の売上活性化だけでなく事業全体の売上を上げるきっかけにもなるこの助成金ぜひ申請してみてはいかがでしょうか。
問合せ窓口はこちらになります。
公益社団法人 京都市観光協会 受入環境整備課 インバウンド助成金係
〒604-8005 京都市中京区河原町通三条上ル恵比須町427
京都朝日会館3階
電話:075-213-0070(平日 午前9時~午後5時)
E-mail: joseikin@kyokanko.or.jp