地域の環境問題を解消し住みやすい場所へ改善するには、「地域住民による積極的な活動」が重要です。住民が率先してゴミ拾いや植栽活動などの活動に取り組むことで、自然豊かで魅力的な街を実現できます。こうした活動をスムーズに進めるには、助成金を活用することも重要です。とくにNPOなど非営利団体にとって、資金面の問題を解消できるのは大きなメリットでしょう。
本記事では、そうした地域の環境問題解消に取り組む非営利団体を支援する、セブンイレブン記念財団の「活動助成」という助成金制度を紹介します。自身の団体で使えるかをチェックし、ぜひ活用してみてください。
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この記事の目次
地域の環境問題を解決するには「地域住民」による活動が重要!
誰もが住みやすい地域環境を整備するには、地域住民による積極的な活動が欠かせません。
もちろん、「ゴミの処理施設を建てる」「地域全体へ環境問題解決への協力を呼びかける」といった規模が大きい活動は、市区町村レベルが主導して進める必要があります。しかし、「食品ロス削減などのエコ活動をすすめる」「体験型の環境学習に取り組む」といった活動は、地域住民レベルでも十分取り組めます。こうした小さな取り組みを積み重ねることで、時間をかけて住みやすい環境へ生まれ変わるのです。
とはいえ、実際にこうした活動を行う際は資金面の問題が発生します。とくに、NPOや自治会など非営利で活動している団体は使えるお金が限られるため、「備品などの購入が十分にできない」といったこともあるでしょう。
こうした場合は、助成金などを活用し必要な資金を支援してもらうことが有効です。資金サポートがあれば備品調達などがスムーズになり、団体の活動を妨げることもありません。
今回紹介するセブンイレブン記念財団の「活動助成」は、地域環境の整備に向けて大いに活用できます。詳細な要件を確認し、自分たちの団体で使えるかどうかを調べてみましょう。
セブンイレブン財団の活動助成とは?
本記事で紹介する「活動助成」について解説する前に、まずはセブンイレブン記念財団で実施している「環境市民活動助成」について確認しましょう。
出典:2025年 環境市民活動助成募集のご案内
「環境市民活動助成」とは、各地域の環境問題解決に向けて、住民がメインとなり積極的に活動している団体をサポートする助成金制度です。セブンイレブンの店頭募金で集まったお金を活用しています。
この環境市民活動助成は、以下4種類に分けられます。
- 未来へつなごう助成
- 地域美化助成
- 活動助成
- NPO基盤強化助成
今回紹介する「活動助成」とは、地域住民が主体となって行う環境活動を1年間支援する制度です。
それでは具体的に、「活動助成」の募集要件や助成金額、申請時のポイントなどを確認しましょう。
活動助成の要件
■募集要件
募集要件には「全助成制度で共通の要件」「活動助成向けの要件」の2つがあります。両方を抜け漏れなくチェックしてください。
【全助成制度で共通の要件】
- 日本国内で環境活動を実施している
- 地域住民が積極的に参加している
- 非営利目的の活動である
- NPO法人・一般社団法人・自治会などの任意団体である
【活動助成向けの要件】
- 翌年度以降につながる継続的な活動である
- 自然環境保護・保全活動を行っている
- エコ活動の推進(食品ロス削減、3R活動など)に取り組んでいる
以下に該当する団体は支援対象外となるため、ご注意ください。
- 活動助成による助成金を3年連続して受けている
活動助成の助成金額と対象経費
■助成金額
最大100万円/団体
■対象経費および対象外経費
対象経費の項目 | 具体的な例 |
---|---|
苗木・花苗代 | 苗木や草花の種苗、球根、培養土、腐葉土、有機肥料 |
備品費 | 機械や道具、倉庫、参考図書 |
電子機器備品費 | PCやタブレット、デジカメ、プリンター、プロジェクター、スクリーン *各品目、1団体あたり1回まで |
消耗品費 | 文具や材料、資材、機械燃料、替刃、ゴミ袋、応急手当用品、虫除け |
ゴミ運搬・処理費 | ゴミ運搬用レンタカーやゴミ運搬時のガソリン代、ゴミ処理費、マニフェスト費 |
保険料 | ボランティア保険やレクリエーション保険など |
広告費 | 参加者募集用チラシ・ポスター・会報の作成費や活動PR用のぼり・横断幕・パンフレット・パネルの作成費、ホームページ作成・リニューアル費 |
通信費 | 切手やハガキ、レターパック、封筒、宅配便 |
賃借料 | 会場費や機械、倉庫の年間使用料 |
旅費交通費 | 公共交通機関・有料道路の利用費や車両ガソリン費、レンタカー代、宿泊費 *旅費交通費を除く「申請金額合計の30%以下」まで |
資料作成費 | 参加者配布資料やテキストブック、報告資料 |
外部講師謝金 | 外部講師・専門家への謝金 *外部講師謝金を除く「申請金額合計の30%以下」まで |
調査費 | 専門家によるデータ収集・分析 |
建築工事費 | 専門業者による建築設備工事 |
以下は、全助成制度共通の内容です
【金額に上限がある経費】
項目 | 金額の上限 |
---|---|
刈払機 | 5万円以下 |
倉庫 | 設置費込みで10万円以下 |
デジカメ | 5万円以下 |
PC | 10万円以下 |
タブレット | 8万円以下 |
【対象外経費】
- 持ち帰り用レジ袋
- 飲食代や食材、飲料の購入費
- 日用品など団体事務所の経費
- 整備活動やイベント運営などの外部委託費
- 役員や会員、スタッフへの日当
- 講師以外(司会や運営補助など)への謝金
- 団体役員や会員への謝金
- 個人の所有物を借りた際の謝金
- 参加者への景品 など
上記はあくまでも一例です。その他、金額上限がある経費項目や対象経費外経費などについては「2025年度環境市民活動助成募集のご案内p.5〜6」をご確認ください。
活動助成の申請方法・必要書類
■助成金申請方法
助成金は以下の手順で申請しましょう。
1.セブンイレブン記念財団の「助成申請システムページ」から、応募する団体の情報を登録する
2.システムページから申請書を記入して提出する
■申請時の必要書類
申請書と合わせて以下の書類をPDFで提出しましょう。
必要な書類 | 詳細 |
---|---|
団体概要がわかる書類 | ①定款・規約・会則 ②役員名簿(役職・氏名・電話番号) ③設立経緯や活動理念、概要などがわかる資料 ④活動場所がわかる写真 ⑤活動中の様子がわかる写真(直近1年以内) *集合写真は除く ⑥活動場所の使用許可書(有効期間1年以上) ⑦団体として定めている学習要領やマニュアル ⑧2024年度の団体定期刊行物(会報や報告書など) ⑨直近1年以内の取材記事 |
団体全体の活動状況がわかる書類 | ①2024年度事業計画書 ②2023年度事業報告書 |
団体全体の財務状況がわかる書類 | ①2024年度収支計画書または活動予算書 ②2023年度収支報告書または活動計算書 |
法人登記の履歴事項全部証明書 | 2024年9月1日以降に発行されたもの *任意団体は不要 |
いずれも「手書きの書類」は受け付けていないためご注意ください。
■募集および申請書入力期間
募集および申請書入力期間は「2024年10月7日(月)~10月31日(木)」です。約3週間で締め切るため、募集期間前に必要な準備を揃え、スムーズに申請できるようにしましょう。
申請書提出時の注意点
- 「申請物品および価格の根拠」を具体的に知るために見積書を提出してください。
- 「単価が1万円以上」「複数購入によって合計金額が1万円以上」という場合は、必ず見積書を提出してください。
- 助成金額上限の50%以上の物品やホームページ作成・リニューアル費については、2社以上の見積書を提出してください。
- 見積書については、業者発行の見積書だけでなく、カタログやインターネット検索のコピーも可能です。
- 旅費交通費の公共交通機関・有料道路利用料、ガソリン代の見積書として、鉄道・バス料金や走行距離は「インターネットの経路検索結果」をもとに計算根拠を示しましょう。
- 申請団体作成の経費一覧表や過去の領収書は見積書と認められないためご注意ください。
- 求める品質を満たす場合は、可能な限り安価な物品を申請してください。
どんな活動が採択された?「活動助成」の採択事例
それでは実際に、2024年度に採択された団体の取り組み内容をみてみましょう。自身の団体と似ている事例がないかをチェックし、申請時の参考にしてください。
助成決定団体 | 活動場所 | 取り組み活動内容 | 助成金額 |
---|---|---|---|
22世紀の森づくり・神代 | 東京都調布市深大寺元町 | 「森の保全管理作業」「植物調査」「イベント」を通して、地域と交流を図っている | 19万4,832円 |
くずはの家ボランティアの会 | 神奈川県秦野市 | 自然観察施設「くずはの広場」内の環境整備や生物多様性の保全活動に取り組んでいる | 13万3,345円 |
津之江公園を活かす会 | 大阪府高槻市津之江公園自然再生エリア | 津之江公園自然再生エリアの維持管理や自然観察会を開催している | 8万3,638円 |
ウエットランドフォーラム | 福岡県福岡市東区和白干潟 | 干潟環境の保全に向けて、観察会や啓発活動、啓発資料作成などを行っている | 38万3,753円 |
阿蘇花野協会 | 阿蘇花野トラスト(熊本県高森町) | 阿蘇の草原生態系の再生および保全活動を行っている | 100万円 |
他にも全国の採択事例を知りたい方は、「セブンイレブン記念財団 | 助成決定団体」のページをご覧ください。
よくある質問
最後に、助成金の申請時によくある質問および回答をピックアップしました。疑問点がある方は、ぜひ確認してください。
(1)助成金の申請について疑問があるのだが、相談する場所はあるの?
定期的に開催されている「個別相談会」をご活用ください。
- 実施期間:2024年8月23日(金)~2024年10月25日(金)の毎週金曜14時~16時
- 実施方法:ZOOMを利用したオンライン個別相談会
- 相談時間:1枠15分~
- 予約リンク:オンライン個別相談会予約
予約は先着順となるため、申請を考えている方は早めに手続きしましょう。
(2)助成金は「2つ以上」に同時申請できる?
できません。団体の活動分野を踏まえて適切な助成金をひとつだけ選択しましょう。
(3)「Web申請」以外から応募できる?
できません。必ず「セブンイレブン記念財団 助成申請システム」から申請しましょう。
(4)活動助成は何年も連続して申請できる?
3年連続して助成を受けた場合、「その翌年」は申請できません。
その他、細かい疑問点への回答については、「助成に関してよくある質問」をご確認ください。
まとめ
セブンイレブン記念財団の「活動助成」では、地域の環境問題解消へ取り組むNPOなどの非営利団体を積極的にサポートしています。資金の心配をせず活動へ取り組みたい団体は、ぜひ今回の記事を参考に「自分の団体でも使えるか?」をチェックしてみてください。