「NPO基盤強化助成」は、一般財団法人セブン-イレブン記念財団が、環境分野で3年以上活動してきた既存のNPO法人を対象に、組織と事業の基盤づくりを原則3年間・最大1200万円(年最大400万円)で支える助成制度です。
単年度の活動費ではなく、団体が自分の力で活動を続けていける「自走化」を中期で後押しするのが、この制度の最大の特徴です。本記事では、対象になる団体・ならない団体、助成金額と対象経費、申請方法と必要書類、そして直近の採択実績までをまとめて解説します。
なお、本助成金はNPO団体向けです。事業者向けの補助金をお探しの方は、以下の記事も参考にしてください。
関連記事:2026年 補助金まとめ!中小企業向け主要補助金のポイント解説
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この記事の目次
NPO基盤強化助成の概要
まずは制度の全体像を表で確認しましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施団体 | 一般財団法人セブン-イレブン記念財団 |
| 助成の名称 | 環境市民活動助成「NPO基盤強化助成」 |
| 対象団体 | 環境分野で活動し、登記から3年以上の実績があるNPO法人 |
| 助成金額 | 1団体あたり年最大400万円/原則3年間で最大1200万円 |
| 支援期間 | 原則3年間(複数年継続支援) |
| 対象地域 | 全国(日本国内で環境活動を行っていること) |
| 申請方法 | Web申請システム |
| 募集時期 | 例年9月中旬〜10月末ごろ(年度により変動/後述) |
ポイントは、「環境」「登記3年以上」「複数年での基盤強化」の3つです。1つでも当てはまらない場合は、ほかの助成も含めて検討するのがおすすめです。
NPO法人が使える助成金・補助金一覧も参考にしてください。
対象団体/対象にならない団体
NPO基盤強化助成を受けるには、活動分野として「環境の保全を図る活動」の認証を受けていることが前提です。そのうえで、主に以下の条件を満たす必要があります。
・地域住民が主体的に活動していること
・NPO法人として3年以上の活動実績があること
・「環境の保全を図る活動」が定款上の活動分野として認証されていること
・3年後に目指す姿が明確であること
・次のいずれかにあてはまる活動であること
・自然環境の保護・保全活動
・希少な野生動植物種の保護・保全活動
・エコ活動の推進(食品ロス削減、3R活動など)
・体験型の環境学習
加えて、プレゼンテーションによる審査を受けること、外部専門家によるコンサルティングを受けること、助成報告会で活動成果を報告することが条件となります。単にお金を受け取って終わり、ではなく「3年で組織を強くする」プロセスに伴走してもらう制度だと理解しておきましょう。
対象にならない団体
以下に該当する団体は対象外です。
・政治活動・宗教活動を目的とする団体
・反社会的勢力と関わりがある団体
・子どもへの性犯罪歴のある会員が含まれる団体
・設立前、または登記から3年未満で活動実績が浅い団体
セブン-イレブン記念財団「環境市民活動助成」の全体像
NPO基盤強化助成は、セブン-イレブン記念財団が実施する「環境市民活動助成」という大きな枠組みの中の1つです。同財団は1993年に設立され、2023年に設立30周年を迎えた、環境をテーマに社会貢献活動へ取り組む財団です。
この助成は、お客様がセブン-イレブンの店頭募金を通じて地域の環境活動を支える、市民参加型の仕組みです。集まった募金をもとに、次の4つの助成が行われています。
| 助成の種類 | 支援内容 | 支援期間 |
|---|---|---|
| NPO基盤強化助成(本記事) | 地域の環境課題解決のための、革新的で持続可能な自主事業の構築・確立を目指すNPO法人を支援 | 原則3年間 |
| 未来へつなごう助成 | 大学生・大学院生が主体となって取り組む環境活動を支援 | 1年間 |
| 地域美化助成 | ごみのない、緑と花咲く街並みをつくる活動を支援 | 1年間 |
| 活動助成 | 自然環境保護、生物多様性の保全、気候変動対策、体験型環境学習などの環境活動を支援 | 1年間 |
このうち、「環境の保全を図る活動」の認証が必須なのはNPO基盤強化助成だけで、他の3つの助成は認証がなくても応募できます。自団体の状況に合わせて、応募先を選びましょう。なお地域美化助成についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
出典:一般財団法人 セブン-イレブン記念財団 募金と寄付金の流れ
助成金額と対象経費
・1団体あたり 年最大400万円
・原則3年間で最大1200万円
単年度の助成が多い民間財団の中で、複数年・まとまった金額を継続して受けられるのは大きな魅力です。
対象経費
助成の対象になる経費は幅広く、活動に直接かかわる費用のほか、人件費や事務所家賃、ホームページ作成費なども対象に含まれます。
| カテゴリ | 主な対象項目 |
|---|---|
| 苗木・花苗代 | 苗木、草花の種苗、球根など |
| 備品費 | 機械、道具、倉庫、参考図書 |
| 電子機器備品費 | パソコン、デジタルカメラなど |
| 消耗品費 | 文具、材料、資材、機械燃料、替刃、ごみ袋など |
| ごみ運搬・処理費 | レンタカー、ガソリン費、ごみ処理費、マニフェスト費 |
| 保険料 | ボランティア保険、レクリエーション保険など |
| 広告費 | 参加者募集チラシ・ポスター、ホームページ作成・リニューアル費 |
| 通信費 | 切手、ハガキ、レターパック、封筒、宅配便 |
| 賃借料 | 会場、機械、倉庫の年間使用料 |
| 旅費交通費 | 公共交通機関・有料道路利用費、ガソリン費、レンタカー代、宿泊費 |
| 資料作成費 | 参加者配布資料、テキスト、報告資料 |
| 外部講師謝金 | 外部講師・専門家への謝金 |
| 調査費 | 専門家によるデータ収集・分析 |
| 建築工事費 | 専門業者による建築設備工事 |
| 事務所家賃 | 団体事務所の家賃および共益費 |
| 人件費 | 常勤専従職員1名の基本給 |
広報・組織づくりにも使えるのが、この助成の強みです。ホームページの作成・リニューアル費や、常勤職員の人件費・事務所家賃まで対象になるため、「活動を続けるための土台づくり」に充てられます。広報を強化したいNPOにとっては、特に使い勝手のよい制度です。
金額に上限がある項目
対象経費のうち、一部の項目には次のような上限が設けられています。
・倉庫:10万円以下
・デジタルカメラ:5万円以下
・パソコン:10万円以下
・タブレット:8万円以下
・プリンター:5万円以下
・ガソリン代:走行距離km × 20円
・宿泊費:1泊9,000円以下
・外部講師謝金:1日2万円以下
・事務所家賃:1か月あたり10万円以下
・人件費:1か月あたり20万円以下
対象外の経費
以下の経費は、本助成金の対象外となります。
・飲食代、食材・飲料の購入費
・日用品など団体事務所の経費
・レンタル機材の補償、オプション保険
・個人に帰属する物品
・化学肥料、除草剤、殺虫剤、農薬
・外来生物法で特定外来生物・未判定外来生物などに指定された植物の種苗
・保守修繕費
・そのほか、財団が不適当と判断した経費 など
申請方法・必要書類・スケジュール
募集時期は年度により変わるため、最新情報の確認が必要です。前回(2026年度)の募集は2025年9月15日〜10月31日で受付を終了しました。次回の募集要項はまだ発表されていません。財団は例年、7月ごろにパンフレットを公開し、9月中旬ごろから受付を開始しています。
応募を検討している場合は、財団の公式ページで最新の募集状況を確認してください。
なお、助成の採否は、例年3月下旬ごろにWeb申請システムのメールで通知されます(採択・不採択にかかわらず連絡があります)。
申請の流れ
申請はWebで行います。まずWeb申請システムに団体情報を登録し、募集期間中に同システムから必要書類を提出します。
必要書類
提出が必要な主な書類は、以下のとおりです。
・定款または規約、会則
・役員名簿
・活動場所がわかる写真・資料
・活動場所の使用許可書
・活動中の様子がわかる写真・資料
・見積書
・今年度事業計画書・前年度報告書
・今年度収支計画書・前年度報告書
・前年度貸借対照表
・前年度財産目録
・法人登記の履歴事項全部証明書(発行日に指定あり。募集回ごとに確認)
【任意の書類】
・事務所の賃貸借契約書(事務所家賃を申請する場合)
・常勤専従職員の雇用契約書(人件費を申請する場合)
・団体として定めている学習要領・マニュアル
・団体の定期刊行物(会報・報告書など)
・直近1年以内の取材記事
申請書提出時の注意点
審査をスムーズに進めるため、見積書まわりのルールには特に注意しましょう。
・複数購入で合計1万円以上になる場合、または単価が1万円以上の場合は、見積書の提出が必要です
・ホームページ作成・リニューアル費、および助成金額上限の50%以上の物品は、2社以上の見積書を提出してください
・見積書は、業者発行のもののほか、カタログやインターネット検索結果のコピーでも認められます
・旅費交通費(公共交通機関・有料道路利用料)やガソリン代の見積書は、インターネットの経路検索結果をもとに計算根拠を示してください
・過去の領収書や、自分で作成した経費一覧表は、見積書として認められません
・購入物品は、可能な限り安価なものを選んでください
直近の採択実績(2025年度)
セブン-イレブン記念財団「環境市民活動助成」全体では、2025年度に408件の応募があり、252件・総額1億3,263万2,237円の助成が決定しました(2025年6月30日現在)。
このうちNPO基盤強化助成は、次のような実績でした。
| 区分 | 件数 | 金額 |
|---|---|---|
| 応募 | 39件 | 130,002,243円 |
| 単年度の助成決定 | 6件 | 20,957,972円 |
| 複数年継続を含む助成決定 | 12件 | 43,923,112円 |
財団の講評によると、NPO基盤強化助成は近年応募が増えており、活動の担い手をどう持続的に育てていくかが多くの団体に共通する課題になっているといいます。
多世代の参加や財源の多様化を含めた「基盤強化のモデル事例」が期待されています。また「エコ活動の推進」分野では、フードバンクに関連した活動の応募が増えていることも近年の特徴です。
採択された団体の活動分野は、里山の保全、体験型の環境学習、植栽など多岐にわたります。各年度・各地域の採択団体は、財団公式の助成決定団体ページで確認できます。
よくある質問
いくらもらえますか?
1団体あたり年最大400万円、原則3年間で最大1200万円です。実際の金額は審査により決まり、申請額から減額される場合もあります。
いつ募集していますか?
例年9月中旬〜10月末ごろに受付が行われます。次回の最新スケジュールは公式ページで確認してください。
設立したばかりのNPOでも使えますか?
使えません。この助成は登記から3年以上の活動実績が条件で、組織の「基盤強化」を目的としています。
環境以外の活動でも対象になりますか?
なりません。「環境の保全を図る活動」としての認証が前提です。福祉分野ならSOMPO福祉財団の助成など、分野に合った制度を検討しましょう。
ほかの財団・基金の助成と同時に受けられますか?
同時に受けることは可能です。ただし、併用する助成元(別の財団など)が、ほかの財団からの同時助成を認めているかは、各団体でご確認ください。
まとめ
NPO基盤強化助成は、環境分野で3年以上活動してきた既存NPOが、原則3年間・最大1200万円というまとまった支援を受けられる、貴重な制度です。人件費や事務所家賃、広報費まで対象になるため、活動の土台そのものを強くしたい団体に向いています。一方で、設立や設立直後の資金には使えない点には注意してください。
次回の募集に向けて、まずは自団体が対象になるかを確認し、早めに事業計画と必要書類の準備を進めましょう。
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