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小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉第20回|第19回からの変更点と申請のポイントを解説

公開日:2023/5/1 更新日:2026/5/28
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2026年5月27日、小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉第20回公募の公募要領(第7版)が公開されました。申請受付開始は2026年11月5日(木)、申請受付締切は2026年12月15日(火)17:00です。

第20回では、賃金引上げ特例の要件や広報費・ウェブサイト関連費の取扱いなど、第19回(公募要領第6版)から大きく変わった点が複数あります。過去に申請したことがある方も、以前の知識のままでは要件を読み違えるおそれがあるため、変更点を中心に最新の内容を確認しておきましょう。

この記事では、これから申請を検討している小規模事業者の方に向けて、〈一般型・通常枠〉に絞って制度の概要・変更点・申請のポイントを解説します。

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この記事の目次

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小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉とは

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者等が経営計画にもとづいて行う販路開拓や、それとあわせて行う業務効率化(生産性向上)の取組にかかる経費の一部を補助する制度です。物価高騰・賃上げ・インボイス制度といった制度変更に対応しながら、地域の雇用や産業を支える小規模事業者の持続的発展を後押しすることを目的としています。

まずは第20回〈一般型・通常枠〉の基本情報を一覧で確認しましょう。

補助上限額50万円(特例により最大250万円まで上乗せ)
補助率2/3(賃金引上げ特例の赤字事業者は3/4)
対象経費機械装置等費/広報費/ウェブサイト関連費/展示会等出展費/旅費/新商品開発費/借料/委託・外注費
申請受付開始2026年11月5日(木)
事業支援計画書(様式4)発行受付締切2026年12月4日(金)
申請受付締切2026年12月15日(火)17:00
採択発表予定2027年3月頃
補助事業実施期限2028年3月31日(金)
申請方法電子申請システムのみ(郵送不可・GビズIDプライムが必要)

この記事は〈一般型・通常枠〉を対象としています。創業後間もない事業者向けの〈創業型〉とは要件や補助額が異なり、両者の併願はできません。

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【第20回の最重要ポイント】第19回からの主な変更点

第20回では制度の細部が幅広く見直されています。なかでも賃金引上げ関連は、判定の考え方そのものが変わった重要な変更です。以下、影響の大きい順に解説します。

賃金引上げ特例が「給与支給総額」方式に変更

最大の変更点です。第19回までの賃金引上げ特例は、補助事業実施期間に事業場内最低賃金(事業所で最も低い賃金)を+50円以上とすることが要件でした。第20回では、補助事業実施期限日を終点とする連続12か月と、その前年同月の12か月を比較し、従業員1人あたりの給与支給総額を年平均3.0%以上増加させることが要件に変わりました。

「特定の最低賃金者をいくら上げるか」ではなく、「従業員全体の給与の伸び率」を見る方式へと転換した点が大きな違いです。これにともない、提出する賃金台帳も従来の直近1か月分から連続12か月分へと変わっています。

賃金引上げ特例の赤字事業者は補助率が3/4に

第20回から、賃金引上げ特例に申請する事業者のうち、直近1期または直近1年間の課税所得金額がゼロ以下の赤字事業者については、補助率が2/3から3/4へ引き上げられます。さらに「赤字賃上げ加点」が自動的に適用され、優先採択の対象となります。賃上げに取り組む厳しい状況の事業者を、より手厚く支援する仕組みです。

賃金引上げ加点も年平均2.0%方式に

特例とは別の「賃金引上げ加点」も見直されました。第19回までは事業場内最低賃金を+30円以上とする要件でしたが、第20回では1人あたり給与支給総額を年平均2.0%以上増加させる方式に変わり、特例と同じ考え方に統一されています。

広報費・ウェブサイト関連費に30万円の上限と単独申請の禁止

広報費とウェブサイト関連費に、それぞれ補助金交付申請額の上限30万円(税込)が新たに設けられました。あわせて、どちらの経費も単独での申請ができなくなり、必ず他の補助対象経費と組み合わせる必要があります。

第19回まではウェブサイト関連費の上限が「補助金交付申請額の1/4(最大50万円)」でしたが、第20回からは定額の30万円(税込)に変更されています。また、SNS広告やインターネット広告などは広報費として整理されました。

相見積が必要な金額基準の引き下げ

発注先の選定にあたって2者以上の見積(相見積)が必要となる基準が、第19回の「発注総額100万円超(税込)」から、第20回は「発注総額1件あたり50万円超(税込)」へと引き下げられました。機械装置等費の購入でも同様に、50万円超(税込)で2者以上の見積が必要です。見積を取るべき範囲が広がっているため、調達計画の段階から注意しましょう。

新商品開発費はテストマーケティング・市場調査が前提に

新商品開発費について、テストマーケティングまたは市場調査の結果を踏まえたもの、もしくはそれらをともなうものが補助対象となることが明記されました。実施した調査の内容と結果を補助事業計画(様式2)または実績報告書に記載できない場合は、当該経費は補助対象外となります。

「売上高・売上総利益の増加」が審査の軸に

補助対象事業の要件に、事業効果報告書の提出時の売上高・売上総利益が補助事業終了時と比較して増加する見込みであることが追加されました。審査の観点でも、客観的なデータにもとづき売上高・売上総利益の増加を目指す計画であるかが繰り返し問われます。

申請時には、市場や顧客ニーズの分析、営業方針、新規取引や値上げの見込みなどの根拠とともに、定量的な成果を計画に示すことが求められます。

加点項目の新設

新たに2つの加点が設けられました。1つは健康経営優良法人の認定を受けた事業者を対象とする「健康経営優良法人加点」、もう1つは地域別最低賃金の改定前後で対象となる従業員がいた事業者を対象とする「地域別最低賃金引上げ加点」です。

再申請までの期間が延長

過去に〈一般型・通常枠〉などで採択され補助事業を実施した事業者は、これまで「事業効果および賃金引上げ等状況報告書」の提出を完了していれば再申請できましたが、第20回からは提出完了後さらに1年が経過してからでないと再申請できなくなりました。

補助対象者

補助対象となるのは、日本国内に所在する小規模事業者等です。業種ごとに、常時使用する従業員の数で小規模事業者かどうかを判断します。

商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)常時使用する従業員 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業常時使用する従業員 20人以下
製造業その他常時使用する従業員 20人以下

常時使用する従業員には、会社役員や個人事業主本人、同居の親族従業員、日雇労働者、2か月以内の期間を定めて雇用される者などは含まれません。法人の場合は、資本金または出資金が5億円以上の法人に直接・間接に100%の株式を保有されていないこと、確定した直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超えていないことも要件です。

対象とならない事業者

次のような事業者は補助対象外です。

・一般社団法人・公益社団法人、一般財団法人・公益財団法人
・医療法人、宗教法人、学校法人、社会福祉法人、農事組合法人
・系統出荷による収入のみの個人農業者(林業・水産業者も同様)
・協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)
・申請時点で開業していない創業予定者(開業届を提出済みでも、申請時点で事業を開始していない場合は対象外)
・任意団体 など

なお、法人税法上の収益事業を行っているなど一定の要件を満たす特定非営利活動法人(NPO法人)は、補助対象となりえます。

過去の採択者の再申請制限

前述のとおり、過去に〈一般型・通常枠〉や〈創業型〉などで採択・実施した事業者は、「事業効果および賃金引上げ等状況報告書」を提出し、その完了からさらに1年が経過していないと申請できません。また、〈創業型〉と〈一般型・通常枠〉を同時に申請することもできません。

補助対象経費|何に使えるか

〈一般型・通常枠〉の補助対象経費は、次の8種類です。経営計画にもとづく取組に要する費用が対象で、交付決定日以降に発生し補助事業期間中に支払いが完了した経費に限られます。

機械装置等費販路開拓に必要な機械装置等の購入費。発注総額1件あたり50万円超(税込)の場合は2者以上の見積が必要。単なる取替え更新は対象外
広報費チラシ・ポスター・看板・インターネット広告・SNS広告などの費用。上限30万円(税込)、単独申請は不可
ウェブサイト関連費ウェブサイト・ECサイト・システム等の開発、構築、更新等の費用。上限30万円(税込)、単独申請は不可
展示会等出展費展示会・商談会への出展料等(オンライン開催を含む)
旅費販路開拓のための出張にかかる交通費・宿泊費等
新商品開発費試作品や包装パッケージの開発にともなう原材料・デザイン費等。テストマーケティングまたは市場調査が前提
借料補助事業に直接必要な機器・設備等のリース料・レンタル料
委託・外注費自ら実行することが困難な業務の委託・外注費。店舗改装工事などが該当

事務所家賃や通常の事業活動の経費、自動車等車両、消耗品、汎用性が高く目的外に使えるもの(パソコン・タブレット等)などは対象外です。

補助率・補助上限額と特例|いくらまで増やせるか

補助率・補助上限額

通常枠の基本は補助率2/3、補助上限額50万円です。さらに、要件を満たすと以下のとおり上乗せされます。

通常枠補助率2/3
補助上限50万円
+インボイス特例50万円上乗せ(最大100万円)
+賃金引上げ特例150万円上乗せ(最大200万円)
+両方の特例200万円上乗せ(最大250万円)
賃金引上げ特例のうち赤字事業者補助率が3/4に引き上げ

いずれの特例も、補助事業終了時点で要件を満たす必要があります。要件を1つでも満たさない場合は、上乗せ部分だけでなく補助金全体が交付対象外となるため注意が必要です。

インボイス特例

免税事業者から適格請求書発行事業者へ転換する事業者を支援する特例です。補助事業終了時点で適格請求書発行事業者の登録を受け、かつ、2021年9月30日から2023年9月30日を含む課税期間で一度でも免税事業者であった、または2023年10月1日以降に創業した、のいずれかに該当する事業者が対象です。

賃金引上げ特例

従業員1人あたりの給与支給総額を年平均3.0%以上増加させる事業者を支援する特例です。前述のとおり第20回から判定方式が変わり、補助事業実施期限日を終点とする連続12か月とその前年同月の12か月を比較します。赤字事業者は補助率が3/4に引き上げられ、赤字賃上げ加点による優先採択の対象にもなります。

加点項目

採択審査では、政策的な観点から加点が行われます。第20回では、健康経営優良法人加点と地域別最低賃金引上げ加点が新設されました。このほか、賃金引上げ加点、経営力向上計画加点、事業承継加点、後継者支援加点、小規模事業者卒業加点、令和6年能登半島地震等に伴う加点などがあります。自社が該当する加点がないか、申請前に確認しましょう。

申請の流れとスケジュール

第20回公募の主なスケジュールは以下のとおりです。予定は変更される場合があります。

公募要領公開2026年5月27日(水)
申請受付開始2026年11月5日(木)
事業支援計画書(様式4)発行受付締切2026年12月4日(金)
申請受付締切2026年12月15日(火)17:00
採択発表予定2027年3月頃
補助事業実施期限2028年3月31日(金)
実績報告書提出期限2028年4月10日(月)

注意したいのは、申請に必要な事業支援計画書(様式4)の発行受付締切(12月4日)が、申請受付締切(12月15日)より前に設定されている点です。様式4の発行には時間がかかる場合があるため、早めに商工会・商工会議所へ相談しましょう。

申請の手順

申請は電子申請システムでのみ受け付けられ、郵送は受け付けられません。おおまかな流れは次のとおりです。

GビズIDプライムのアカウントを取得する(取得まで数週間かかる場合があります)
・電子申請システムに「経営計画」「補助事業計画」を入力し、希望する特例や加点に関する書類を準備する
・地域の商工会・商工会議所に「事業支援計画書(様式4)」の発行を依頼し、発行を受ける
・受付締切までに必要書類をそろえて申請する
・採択後、計上したすべての経費の見積書等を提出し、審査を経て交付決定を受ける
・交付決定日以降に補助事業を開始し、終了後に実績報告書を提出する

本補助金は、事業者自身が商工会・商工会議所の支援を直接受けながら取り組む制度です。社外の代理人のみで相談や様式4の発行依頼を行うことはできません。第20回の電子申請システムの申請先URLは、本記事公開時点では調整中とされています。

申請に必要な主な書類

申請内容によって異なりますが、主な提出書類は次のとおりです。

・経営計画兼補助事業計画(様式2・様式3)
・事業支援計画書(様式4)
・直近の貸借対照表および損益計算書(法人)、または確定申告書(個人事業主)等
・宣誓・同意書
・特例や加点を希望する場合の追加書類(賃金台帳、適格請求書発行事業者の登録通知書の写しなど)

採択されるための注意点

採択の可能性を高めるために、次の点を押さえておきましょう。

・売上高・売上総利益の増加を、客観的なデータと根拠とともに計画に示す
・自社の取組として具体的に検討した内容を記載する(検討の跡が見られない計画は不採択・取消の対象)
・商工会・商工会議所を除く第三者の支援を受けた場合は、相手方と支援金額を必ず申告する(虚偽の場合は不採択・取消)
・対象外経費を計上しない(計上した経費の大半が対象外の場合は不採択・取消の対象)
・交付決定日より前に発注・契約・支払いをしない(事前の着手は補助対象外)

本補助金は不正受給に対して厳格に対応しており、虚偽申請や目的外利用などには交付決定の取消・返還命令などの処分が科されます。

よくある質問

第19回から変わった?

大きく変わりました。最大の変更は賃金引上げ特例で、事業場内最低賃金+50円方式から、従業員1人あたり給与支給総額を年平均3.0%以上増やす方式になりました。このほか、広報費・ウェブサイト関連費の上限30万円(税込)と単独申請の禁止、相見積が必要な基準の引き下げ(100万円超→50万円超)、加点項目の新設などがあります。

窓口はどこ?

事業を営む地域で分かれます。商工会地区の方は商工会地区の事務局、商工会議所地区の方は商工会議所地区の事務局が窓口です。なお、第20回の電子申請システムの申請先URLは現在調整中です。

最大いくらもらえる?

通常枠は補助率2/3・上限50万円です。インボイス特例で+50万円、賃金引上げ特例で+150万円、両方を満たせば+200万円で最大250万円になります。賃金引上げ特例を使う赤字事業者は、補助率が3/4へ上がります。

締切はいつ?

申請受付は2026年11月5日(木)開始、締切は12月15日(火)17:00です。ただし、先に必要な事業支援計画書(様式4)の発行受付締切が12月4日(金)なので、商工会・商工会議所への相談は早めがおすすめです。

広報費だけで申請できる?

いいえ、できません。広報費・ウェブサイト関連費はどちらも単独申請が不可で、必ず他の補助対象経費と組み合わせる必要があります。上限もそれぞれ30万円(税込)です。


まとめ

小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉第20回は、2026年11月5日に申請受付が始まり、12月15日17:00に締め切られます。補助上限額は50万円で、特例の活用により最大250万円まで上乗せが可能です。

第19回からは、賃金引上げ特例が給与支給総額の年平均3.0%増という方式に変わったほか、赤字事業者の補助率引き上げ、広報費・ウェブサイト関連費の上限設定と単独申請の禁止、相見積基準の引き下げなど、実務に直結する変更が数多くあります。過去の知識のままでは要件を読み違えるおそれがあるため、必ず最新の公募要領をご確認ください。

申請には事前準備が欠かせません。GビズIDプライムの取得、事業計画の作成、商工会・商工会議所への早めの相談を進め、余裕をもって申請に臨みましょう。

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