新事業進出補助金の第2回公募の採択率は35.4%と前回よりも採択率が低くなる結果となりました。応募件数は2350件、そのういち832件が採択されています。
本記事では、業種や申請額ごとの採択率や、他の補助金との採択率を比較し、検証していきます。申請前に確認しておきたいポイントについても解説します。
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・中小企業新事業進出補助金【2026年】要件・スケジュール・実際の活用事例を紹介
・新事業進出補助金の賃上げに関する3つの要件とは?
・新事業進出補助金の審査基準と加点項目 オンライン審査について
・新事業進出補助金の「新事業進出指針」とは?
この記事の目次
新事業進出補助金の第2回公募の採択結果
令和7年9月12日(金)から令和7年12月19日まで行われた、新事業進出補助金の第2回公募の採択結果は以下のとおりです。
| 申請者数 | 2,350 |
|---|---|
| 採択者数 | 832(うち、関税加点対象は446者) |
| 採択率 | 35.4% |
新事業進出補助金の第1回公募の採択結果
令和7年4月22日から令和7年7月15日まで行われた、新事業進出補助金の第1回公募の採択結果は以下のとおりです。| 申請者数 | 3,006 |
|---|---|
| 採択者数 | 1,118(うち、関税加点対象は590者) |
| 採択率 | 37.2% |
第1回公募は7月10日までの予定でしたが、途中で締切が7月15日まで延長されました。その結果、3者に1者が採択される割合となっています。
業種ごとの応募件数・採択結果
第2回公募の申請事業者の主たる業種別件数

画像元:新事業進出補助金第2回公募の採択結果について
応募件数・採択件数ともに、製造業、建設業、卸売業・小売業の順に多い結果となっています。
| 業種 | 申請者数 | 採択者数 | 採択率 |
|---|---|---|---|
| 製造業 | 453 | 219 | 48.3% |
| 建設業 | 402 | 156 | 38.8% |
| 卸売業、小売業 | 312 | 109 | 34.9% |
| 宿泊業、飲食サービス業 | 231 | 66 | 28.6% |
| 学術研究、専門・技術サービス業 | 173 | 54 | 31.2% |
| サービス業(他に分類されないもの) | 157 | 46 | 29.3% |
| 不動産業、物品賃貸業 | 156 | 44 | 28.2% |
| 情報通信業 | 147 | 44 | 29.9% |
| 生活関連サービス業、娯楽業 | 124 | 25 | 20.2% |
| 医療、福祉 | 55 | 20 | 36.4% |
今回は前回225件も申請があった情報通信業の申請が少なく、前回はなかた医療、福祉系からの申請がありました。
また製造業・宿泊業・生活関連サービス業で下落幅が目立つ結果となっています。
第1回公募の申請事業者の主たる業種別件数
応募件数・採択者数ともに多いのは製造業で、次いで卸売業・小売業、建設業となっています。製造業に関しては、応募件数が617件、採択者数が320者であり、採択される割合が他業種に比べやや多い傾向にあります。
また、業種ごとの採択率を調べた結果、以下のようになりました。
| 業種 | 申請者数 | 採択者数 | 採択率 |
|---|---|---|---|
| 製造業 | 617 | 320 | 51.9% |
| 卸売業、小売業 | 458 | 166 | 36.2% |
| 建設業 | 433 | 158 | 36.5% |
| 宿泊業、飲食サービス業 | 316 | 77 | 24.4% |
| 情報通信業 | 225 | 71 | 31.6% |
| 学術研究、専門・技術サービス業 | 193 | 66 | 34.2% |
| サービス業(他に分類されないもの) | 183 | 65 | 35.5% |
| 不動産業、物品賃貸業 | 160 | 41 | 25.6% |
| 生活関連サービス業、娯楽業 | 138 | 45 | 32.6% |
| その他 | 283 | 109 | 38.5% |
申請額ごとの応募件数・採択結果
第2回公募:申請額ごとの応募件数・採択結果
応募件数は、2,500万以上~3,000万未満が480件と最も多く、次いで1,000万以上~1,500万、 2,000万以上~2,500万の順で多いという結果でした。申請金額ごとの採択率は以下のとおりです。
| 申請金額 | 応募件数 | 採択件数 | 採択率 |
|---|---|---|---|
| 500万円未満 | 1 | 0 | 0% |
| 500万以上~1,000万未満 | 271 | 58 | 21% |
| 1,000万以上~1,500万未満 | 378 | 119 | 31% |
| 1,500万以上~2,000万未満 | 284 | 99 | 35% |
| 2,000万以上~2,500万未満 | 295 | 112 | 38% |
| 2,500万以上~3,000万未満 | 480 | 177 | 37% |
| 3,000万以上~3,500万未満 | 228 | 89 | 39% |
| 3,500万以上~4,000万未満 | 49 | 22 | 45% |
| 4,000万以上~4,500万未満 | 156 | 56 | 36% |
| 4,500万以上~5,000万未満 | 21 | 11 | 52% |
| 5,000万以上~5,500万未満 | 60 | 31 | 52% |
| 5,500万以上~6,000万未満 | 50 | 23 | 46% |
| 6,000万以上~6,500万未満 | 8 | 5 | 63% |
| 6,500万以上~7,000万未満 | 5 | 0 | 0% |
| 7,000万以上~7,500万未満 | 47 | 25 | 53% |
| 7,500万円以上 | 17 | 5 | 29% |
前回と今回のどちらのデータでも「申請金額が高いほど採択率が高くなる」という傾向が見られます。低額帯(500万~1,000万円)は採択率20~28%にとどまるのに対し、高額帯(5,000万円以上)では48~51%に達しています。
また今回は500万~1,000万円の区分で、前回が28%なのに対し今回は21%と、7ポイントの差があります。今回の方が低額帯での競争が厳しかったことが予想されます。
第1回公募:申請額ごとの応募件数・採択結果

補助金申請額は、2,000万以上~2,500万未満が763件と最も多く、次いで1,000万以上~1,500万未満、500万以上~1,000万未満という結果でした。申請金額ごとの採択率は以下のとおりです。
| 申請金額 | 申請者数 | 採択者数 | 採択率 |
|---|---|---|---|
| 0以上~500万未満 | 0 | 0 | 0 |
| 500万以上~1,000万未満 | 411 | 117 | 28% |
| 1,000万以上~1,500万未満 | 510 | 154 | 30% |
| 1,500万以上~2,000万未満 | 397 | 148 | 37% |
| 2,000万以上~2,500万未満 | 763 | 283 | 37% |
| 2,500万以上~3,000万未満 | 298 | 121 | 41% |
| 3,000万以上~3,500万未満 | 62 | 32 | 52% |
| 3,500万以上~4,000万未満 | 263 | 113 | 43% |
| 4,000万以上~4,500万未満 | 18 | 9 | 50% |
| 4,500万以上~5,000万未満 | 75 | 35 | 47% |
| 5,000万以上 | 209 | 106 | 51% |
採択結果を調べたところ、申請金額が多いほうが採択率が高い傾向にあることがわかりました。その理由については資料では言及されていませんが、高額な設備投資を伴う製造業が採択者の多くを占めており、業種の特性として申請金額が上がりやすい傾向があります。
また、多額の自己資金を投じる事業者は事業計画の緻密さや本気度も高いと考えられるため、結果として実現可能性が正当に評価され、高い採択率に繋がっている可能性もあります。
他の補助金との採択率の比較
新事業進出補助金の採択率は、他の補助金と比較してどのくらいの水準なのでしょうか。ここでは、新事業進出補助金とコンセプトが似ている、「ものづくり補助金(製品・サービス高付加価値化枠)」と、「小規模事業者持続化補助金(創業型 第1回)」の採択率を比較してみました。
| 制度名 | 採択率 |
|---|---|
| 中小企業新事業進出補助金(第1回) | 37.2% |
| ものづくり補助金 (製品・サービス高付加価値化枠 21次) | 34.8% |
| 小規模事業者持続化補助金 (創業型 第1回) | 37.9% |
新事業進出補助金の採択率は37.2%でしたが、ものづくり補助金(製品・サービス高付加価値化枠)は34.8%、小規模事業者持続化補助金(創業型 第1回)は37.9%という結果でした。販路開拓や新規事業への挑戦をコンセプトとする補助金の中では、同程度の水準と言えます。
そのため、どの補助金が採択されやすいといったことはなく、同じ成長投資系の補助金として同程度の範囲に収まっていると言えるでしょう。
申請前に確認しておきたいポイント
新事業進出補助金は、単に「新しいことを始める」だけでなく、数値目標や新規性の定義が定められています。計画段階で、以下の点を確認しておきましょう。
「新事業」の定義に沿っているか
新事業進出補助金の「新事業」とは、「製品等の新規性」「市場の新規性」「新事業売上高」の3つを満たしている必要があります。新事業進出指針で3つの定義を確認し、自社の事業が定義に沿っているかご確認ください。
あわせて読みたい:中小企業新事業進出補助金の「新事業進出指針」とは?わかりやすく解説
審査基準と加点項目を満たしているか
新事業進出補助金では、「新製品等のジャンル・分野と比較し高付加価値化を図るか」「補助事業として費用対効果が高いか」等、計7つの観点から書面審査が行われます。また、えるぼし等の優良企業認定を受けると、審査に有利になる可能性もあります。
あわせて読みたい:中小企業新事業進出補助金の審査基準と加点項目 オンライン審査についても解説
賃上げ要件を満たしているか
物価高への対応や人材確保の観点から、近年では多くの補助金で賃上げが求められる傾向にあります。新事業進出補助金でも、補助事業終了後3~5年の事業計画期間で一定基準の賃上げを求められます。
具体的な賃上げの金額については、以下の記事でご確認ください。
あわせて読みたい:中小企業新事業進出補助金の賃上げに関する3つの要件とは?未達の場合どうなるかも解説
まとめ
新事業進出補助金の第1回公募の採択率は37.2%となり、同様に成長投資を支援する補助金と比較してもおおむね近い水準です。制度の要件となる、新規性や賃上げ等の要件を踏まえた事業計画を策定することで、採択の可能性を高められる可能性もあります。
同業種の採択率も参考にしながら、審査基準に沿った計画を進めてみましょう。
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