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【令和8年度】受動喫煙防止対策助成金とは?飲食店の喫煙専用室・喫煙ブース設置に最大100万円

公開日:2017/9/14 更新日:2026/8/26
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2020年4月1日、健康増進法の一部を改正する法律が全面施行となりました。これに伴い、飲食店などの施設には、原則として屋内禁煙とすることが義務付けられています。喫煙を認める場合には、受動喫煙防止のための喫煙専用室などの設置が必要です。

厚生労働省では、中小企業事業者がこうした設備を設置する際、その費用の一部を助成する「受動喫煙防止対策助成金」を設けています。今回は受動喫煙防止対策助成金の内容や申請方法などをまとめました。

令和8年度の申請受付は開始されています。申請期日は令和9年1月31日ですが、申請額が予算に達した場合、申請期日より前に受付を締め切る予定となっていますのでご注意ください。

この記事の目次

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受動喫煙防止対策が必要な理由

たばこを吸わない人が、意図せずに煙を吸い込んでしまう「受動喫煙」は、健康に悪影響を与えることが知られています。特に妊婦や幼い子どもにとっては、大きなリスクとなりかねません。

また、世界保健機関(WHO)は各国に受動喫煙防止を求める勧告を行っています。国内外で高まる受動喫煙防止へのニーズに応えるため、健康増進法の改正が行われました。改正法の全面施行から5年が経過した現在では、厚生労働省の専門委員会で「施行5年後の見直し」の議論も始まっており、受動喫煙対策の重要性は今後さらに高まっていくと考えられます。

一方この法改正では、施設における事業の内容や経営規模への配慮から、喫煙のための各種喫煙室の設置が認められました。喫煙専用室等でのたばこの煙の流出防止基準は、下記のとおりです。

・出入口において、室外から室内に流入する空気の気流が毎秒0.2m以上であること
・たばこの煙が室内から室外に流出しないよう、壁、天井等によって区画されていること
・たばこの煙が屋外または外部に排気されていること

なお、各喫煙室は、それぞれ設置可能となる条件が異なります。主な区分と各条件については、以下の図も参照してください。

出典:厚生労働省 法改正のポイント

こうした基準に準じた設備を設置するためには、助成金などの活用が大きな支えとなります。

受動喫煙防止対策助成金とは

受動喫煙防止対策助成金は、中小企業事業者が受動喫煙防止対策を実施するために必要な経費の一部を助成する制度です。一定の基準を満たす喫煙専用室等の設置などにかかる工費、設備費、備品費、機械装置費などの経費が対象となります。

実施主体は厚生労働省で、申請窓口は事業場所在地の都道府県労働局(労働基準部健康安全課または健康課)です。

対象事業主

対象となるのは、以下の要件のすべてに該当する中小企業事業者です。

・労働者災害補償保険(労災保険)の適用事業者であること
・健康増進法で定める既存特定飲食提供施設(※)を営む事業者であること
・事業場の室内およびこれに準ずる環境において、措置を講じる区域以外を禁煙とすること

※要件の「既存特定飲食提供施設」健康増進法に規定する第二種施設のうち、飲食店、喫茶店その他設備を設けて客に飲食をさせる営業が行われる施設で、以下の3つの要件をすべて満たすものです。
・2020年4月1日時点で現に存する飲食店であること
・資本金または出資の総額が5,000万円以下であること(大規模会社が株式の2分の1以上を保有する場合などを除く)
・客席面積が100平方メートル以下であること

このほか、常時雇用する労働者数または資本金のどちらか一方が、業種ごとに定められた中小企業事業者の基準(例:小売業・飲食店は労働者50人以下または資本金5,000万円以下)を満たす必要があります。

出典:受動喫煙防止対策助成金の手引き

なお、労災保険の適用を受けない一人親方(従業員を雇わない個人事業主)は本助成金の対象外ですが、代わりに全国生活衛生営業指導センターが実施する「生衛業受動喫煙防止対策助成金」を利用できる場合があります。

詳しくは以下の記事をご覧ください。

詳しくはこちら:飲食店の一人親方に最大100万円!喫煙専用室の設置を支援する「生衛業受動喫煙防止対策助成金」

【2026年度】飲食店の一人親方に最大100万円!喫煙専用室の設置を支援する「生衛業受動喫煙防止対策助成金」を解説

助成の対象となる措置・助成対象経費

助成対象となる措置は、以下の2つです。

措置喫煙以外での使用
①喫煙専用室の設置・改修不可(飲食などはできません)
②指定たばこ専用喫煙室の設置・改修可(加熱式たばこ専用。飲食等が可能)

いずれも、前述したたばこの煙の流出防止基準に適合していることが条件です。なお、いわゆるブース型の市販製品を喫煙専用室・指定たばこ専用喫煙室として設置する場合も、基準を満たせば助成対象になります。この場合、そのブースと同じ規模・性能の材料や機械装置を用いて喫煙室を設置することを仮定した見積書を、別の1社から取得する必要があります。

助成の対象となる経費の例は、以下のとおりです。

【経費として認められるもの】
・電気工事、建築工事、配管工事等に関わる人件費、材料費、運搬費、設計費、管理費
・喫煙区域と非喫煙区域を隔てるためのパーティション、ドア、エアカーテン
・換気装置、空気清浄装置、人感センサー
・ガラリ、給気扇、差圧式吸気口
・照明機器
・消防法等の他法令で設置が義務づけられている機械装置
・灰皿、出入口に取り付けるのれん(喫煙室に据え付けて使用するものに限る)

【経費として認められないもの】
・喫煙専用室の外観や内装などのデザイン料
・助成金の申請書作成や見積書作成のための費用
・申請の代行のための費用(社会保険労務士への報酬等)
・受動喫煙の防止効果に寄与しないパーティション、ドア、エアカーテン
・消耗品
・映像機器、音響機器、絵画、観葉植物、本棚
・机、椅子
・喫煙専用室の出入口前に設ける、いわゆる前室に係る費用

なお、助成対象は、喫煙専用室等が機能を発揮するために必要な範囲に限定されます。極端に高価なものなどは助成の対象とならず、備品・設備はメーカー希望小売価格、人件費は国土交通省の公共工事設計労務単価を参考に減額査定が行われる場合があります。詳しくは、申請する都道府県労働局にご相談ください。

助成率・上限額

助成率と上限額は、以下のとおりです。

助成率3分の2(主たる産業分類が飲食店以外の中小企業事業者の場合は2分の1)
上限額100万円

なお、喫煙室等の単位面積あたりの助成対象経費には「60万円/㎡」の上限があります。計算例は以下のとおりです。

例)主たる産業分類が飲食店以外の事業場が、3㎡の喫煙専用室の設置に300万円かかる場合
単位面積当たりの経費は100万円/㎡となり上限を超えるため、合理的な理由が認められない限り
助成対象経費は3㎡×60万円=180万円まで(助成額は最大90万円)

受動喫煙防止対策助成金の申請手続の流れ

申請は、書類の提出をもって行われます。工事の発注・施工は、原則として交付決定通知書を受領後に行ってください。そのほか、申請の詳細を確認しましょう。

申請の流れ

申請から助成金交付までの大まかな流れは、以下のとおりです。

ステップ内容
①提出書類準備手引き・交付要綱等を確認し、書類を準備する
②交付申請申請書類(正副2部)を都道府県労働局に提出する(審査期間はおおむね1か月以内)
③工事の発注・施工交付決定通知書の受領後、交付決定の内容に従って工事を実施する
④助成事業の完了工事を完了し、完了日までに費用の全額を支払う
⑤事業実績報告指定期日までに報告書類(正副2部)を提出する(審査期間はおおむね20日)
⑥支払請求書の提出交付額確定通知書の受領後、振込先を記載した請求書を提出する
⑦助成金の受領指定口座に助成金が振り込まれる
⑧消費税仕入控除税額の確定に伴う助成金の返還仕入控除税額が確定した場合、報告書を提出する

申請期間

令和8年度の申請期日は、令和9年1月31日です。ただし、助成事業は毎年度の予算の範囲内で行われるため、申請額が予算に達した場合は期日前に受付が締め切られる予定です。

また、交付決定を受けた年度内に工事を完了し、当該年度の3月31日までに事業実績報告を行えない場合は、助成金の交付を受けられません。審査期間(交付決定までおおむね1か月)も考慮し、余裕を持ったスケジュールで申請しましょう。

申請に必要な書類

申請に必要な主な書類は、以下のとおりです。

・受動喫煙防止対策助成金交付申請書
・受動喫煙の防止に係る事業計画
・交付要件に該当する旨および不交付要件には該当しない旨の申立書
・該当の場所の、工事前の写真(申請日から3か月以内に撮影したもの)
・事業の詳細を確認できる資料(平面図・立面図、換気扇等の性能資料など)
・要件を満たして設計されていることが確認できる資料
・措置を講じる区域以外での喫煙を禁止する旨を説明する書類
・施工業者からの見積書の写し(2社以上)
・助成金の振込先を申し出る書類
・既存特定飲食提供施設の要件を確認できる資料(登記簿、飲食店の営業許可等)
・その他都道府県労働局長が必要と認める書類

なお、事業実績報告には別途書類の提出が必要です。申請様式は厚生労働省のホームページからダウンロードできます。窓口への持参のほか、jGrantsによる電子申請にも対応しています(GビズIDが必要。2026年8月時点ではシステム上の問題により電子申請は利用できない旨が告知されているため、最新の状況は公式ページでご確認ください)。

交付決定前に契約・着工が必要な場合は「事業開始の特例」

本助成金は工事の実施前に申請が必要で、交付決定前に工事の発注・施工や施工業者との契約を行うと、原則として助成を受けられません(契約解除に伴う違約金等も助成対象外です)。

ただし、施工業者の資材準備のために先に契約・支払いが必要な場合や、喫煙室を除く建物全体の工事に着工する必要がある場合など、特段の事情があるときは、「事業開始の特例に係る申請書」を提出して事前に都道府県労働局の承認を得ることで、交付決定前の契約・支払い・基礎工事等(助成対象である喫煙室工事以外への着手)が認められます。該当しそうな場合は、早めに所轄の労働局に相談しましょう。

申請時・受給後の注意点

このほか、次の点にも注意が必要です。

工事費用は助成事業の完了日までに全額を支払う必要があります。リース契約による支払いは、いかなる理由でも認められません。見積書は喫煙室の機能に影響する部分について同等の構造・性能で2社以上から取得し、原則として低い額の業者を選定します。

また、「国の助成金を使えば無料で喫煙室が設置できる」と業者から勧誘されたという情報が厚生労働省に寄せられています。本制度は工事費の一部を補助するもので、全額を補助するものではありません。不審な点があれば所轄の都道府県労働局に連絡してください。

よくある質問

「喫煙専用室」とは?

他の部屋から空間的に分離された部屋で、健康増進法における基準に適合したものをいいます。室内では飲食など喫煙以外のことはできず、休憩室や応接室としての使用も不可です。

「指定たばこ専用喫煙室」とはどのようなもの?

健康増進法に規定する基準に適合した部屋のことです。室内での喫煙は加熱式たばこのみが認められ、紙巻たばこは吸えません。なお、室内では飲食等を行うことができます。

市販の喫煙ブースを設置する場合も助成対象になる?

はい、ブース型製品でも、たばこの煙の流出防止基準を満たして喫煙専用室等として設置する場合は助成対象です。同等の規模・性能で喫煙室を設置する場合を仮定した見積書を別の1社から取る必要があります。

複数の喫煙室を設置する場合、すべて助成の対象になる?

助成金の交付は1事業場当たり1回に限られますが、複数の喫煙専用室について同時に交付申請を行えば、すべてが助成の対象になります。ただし、交付額の上限は申請全体で100万円です。


まとめ

受動喫煙は、たばこを吸わない人の健康を害する問題です。一方で、たばこを吸う人には嗜好品を楽しむ権利があり、飲食店等の店舗にとっても、喫煙者の顧客を失うことは大きな痛手です。

すべての人が快適に過ごせる空間を確保するためには、基準を満たした喫煙環境の整備が欠かせません。受動喫煙防止対策助成金は、喫煙専用室や喫煙ブースの設置に最大100万円が交付される制度です。令和8年度の申請期日は令和9年1月31日ですが、予算に達し次第締め切られるため、検討中の方は早めに準備を進めましょう。

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