東京都が平成29年度から実施している「BCP実践促進助成金」に、感染症対策を踏まえたBCPの実践に取り組む事業者への助成率の引き上げ措置が設けられました。
来年1月28日まで申請が可能となっていますので、これからBCP計画の策定、実践に取り組む都内中小事業者の方には特におすすめの事業です。
今回のコラムでは東京都の「BCP実践促進助成金」について紹介します。
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この記事の目次
BCP実践促進助成金
BCP実践促進助成金は、都内の中小企業者等が公的機関の認定などを受けて策定したBCPを実践する場合に、必要な設備・物品の購入、設置に係る費用を対象に最大1500万円(助成率1/2~2/3以内)の助成が受けられる東京都(窓口:東京都中小企業振興公社)の助成金制度です。
BCPとは?
BCPとは(Business Continuity Plan=事業継続計画)の頭文字を取った言葉で、企業が大規模災害や、テロ、パンデミックなど、様々な要因で危機的な状況下に置かれた場合に、重要な業務が継続できるように定めておく計画のことを指します。
2001年に発生した同時多発テロで世界的に関心が高まり、国内では2011年に発生した「東日本大震災(東北地方太平洋沖地震による災害およびこれに伴う福島第一原子力発電所事故による災害)」で、その必要性が本格的に認知されるようになりました。
国内では主に自然災害などへの備えとして発展してきたものですが、今般のコロナウイルス感染症の影響によって、その対策の範囲をパンデミックまで拡大する動きが国内では急速に広がっています。
BCPの事例(/h4)
・交通インフラ断裂に備えた寝具や、食料の備蓄
・長期停電に備えた発電設備の設置
・ウイルス感染症に備えた衛生用品(マスクやアルコール等)の備蓄
・火災による事業所の消失に備えた、重要データーのクラウドバックアップ
・国外サプライチェーンの毀損に備えた、国内取引先の確保
・耐震工事や、耐震診断 など
対象事業者
都内に所在する中小企業・小規模企業者及び中小企業団体
※中小企業の範囲
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対象事業
下記のいずれかの要件を満たして策定したBCPの実践
①東京都中小企業振興公社が平成29年以降に実施した「BCP策定支援講座(ステージ1)」に基づいて策定したBCP
②中小企業強靱化法に基づく「事業継続力強化計画」の認定に基づき策定したBCP
③東京都又は公社が平成28年度以前に実施した「BCP策定支援事業」等の活用により策定したBCP
BCP策定支援事業(BCP策定講座)とは?
BCP策定支援事業とは、都内中小企業のBCP策定を推進するために実施されている短期集中型の支援プログラムで、具体的には下記のような事業が実施されています。
1.普及啓発セミナー
BCPに取り組む重要性等についての理解を深めるための啓発セミナー
2.BCP策定講座(ステージ1)
BCP策定に関する基礎知識の習得とBCPの策定演習を行う講座です
3.BCP策定コンサルティング(ステージ2)
現地に専門コンサルタントを派遣し、自社に合ったBCPの策定を行います
4.フォローアップセミナー
訓練企画、模擬訓練、BCM(事業継続マネジメントシステム)の構築の方法に関するセミナーを実施します
【事業の特徴】
・中小企業へのBCP策定の支援実績が豊富なコンサルタントが担当
・業種や規模等、各社の実情に合わせた個別のコンサルティング
・最短1.5日でBCP策定を実現
・訓練の実施を通して、社内への着実な定着を後押し
BCP策定支援事業 東京都中小企業振興公社HP
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/shien/bcp/sakutei.html
事業継続力強化計画の認定とは?
中小企業が策定した防災・減災の事前対策に関する計画を経済産業大臣が認定する制度です。
申請のハードルは高いですが、認定を受けた事業者には税制措置や金融支援、補助金の加点などの様々なメリットがあります。
【事業継続力強化計画の記載項目】
・事業継続力強化に取り組む「目的」の明確化
・自社拠点の自然災害リスク認識と被害想定策定
・発災時の初動対応手順(安否確認、被害の確認・発信手順等)策定
・「ヒト、モノ、カネ、情報」を災害から守るための具体的な対策
・計画の推進体制(経営層のコミットメント)
・訓練実施、計画の見直し等、取り組みの実効性を確保する取組
・連携体制(連携する場合)と取組、取り組みに向けた関係社の合意
【認定のメリット】
・低利融資、信用保証枠の拡大等の金融支援
・防災・減災設備に対する税制措置
・補助金(ものづくり補助金等)の優先採択
・連携する企業や地方自治体等からの支援措置
事業継続力強化計画 中小企業庁HP
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/bousai/keizokuryoku.htm
対象経費
策定されたBCPを実践するために必要な設備・物品の購入、設置に係る費用
(1)自家発電装置、蓄電池
(2)安否確認システム(クラウドサービスの含む)
(3)データ管理用サーバー、データバックアップシステム(クラウドサービス含む)
(4)制震・免震ラック、飛散防止フィルム、転倒防止装置等
(5)従業員用の非常食(水・食料等)、簡易トイレ、毛布、浄水器等の備蓄品
(6)水害対策用物品設備(土嚢、止水板等)の購入、設置
(7)感染症を想定したもの(マスク、消毒液等)
(8)耐震診断 など
助成率
中小企業等:助成対象経費の1/2以内
小規模企業者:助成対象経費の2/3以内
※感染症対策を含むBCPを実践する場合は4/5以内(共通)
助成額
助成上限額:1500万円(下限額:10万円)
申請方法
事前予約による対面での受付
申請書類一式をご準備の上、令和2年5月7日(木)~令和3年1月28日(木)の期間内に電話にてご予約ください。(平日 9:00~17:00)
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【問合せ先】
東京都中小企業振興公社企画管理部 設備支援課
〒101-0025 東京都千代田区神田佐久間町1-9 東京都産業労働局秋葉原庁舎
TEL:03-3251-7889
まとめ
今回は東京都が実施している「BCP実践促進助成金」について紹介しました。
本年度は新型コロナウイルス感染症への対応として、「感染症を想定したBCP計画」に係る対策を実施する場合には、助成率が4/5まで引き上げられる措置が設けられています。
事業者の方は感染症対策として新たにリモートワークの導入や業態転換をする場合に必要なBCP計画の見直しに向けて、是非「BCP実践促進助成金」の活用をご検討ください。
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