新型コロナウイルス感染症の影響から依然として中止を望む声もある今夏の東京2020大会(オリンピック・パラリンピック)ですが、3月25日には福島県から聖火リレーもスタートし、各関係団体は大会の開催に向けて最終的な調整を進めているようです。
IOC(国際オリンピック委員会)は東京2020大会の延期、中止の可能性を完全否定
IOCは去年決定した大会延期の声明で「WHOから提供された情報をもとに、アスリート、オリンピックの関係者全員、国際社会の健康を守るため、IOC会長と日本の首相(安倍晋三首相/当時)は東京で行われる第32回オリンピック競技大会が2020年以降、ただし2021年夏を過ぎない日時でスケジュールを変更すべきという結論に至った。」と説明、今年IOCの代表に再選したトーマス・バッハ会長はIOCの理事会において、オリンピックに向けて準備している全てのアスリートとの調整はもはや不可能であることから、現在決定している今夏の開催については再度の延長や中止の可能性がないことを明言しています。
政府は5者協議で海外観客の受け入れを断念、購入済みチケットは払い戻しの対応
しかし、国内では3月に入ってもなお変異株の出現や、新たなクラスター感染等も確認されており、3月に行われた5者協議(東京2020組織委員会、国際オリンピック委員会※IOC、国際パラリンピック委員会※IPC、東京都、国が参加)では「今年の夏に海外からの自由な入国を保証することは困難」という判断がなされ、海外在住のチケット購入者に対しては払い戻し等による対応が決定しました。
コロナの影響による経済的な損失は非常に大きなものとなりますが、組織委員会は「東京2020大会のすべての参加者及び日本の国民にとって、一層確実に、安全で安心な大会を実現するための結論」であると強調しています。
東京都は感染防止対策を更に加速、宿泊施設の非接触化に最大200万円の補助
こうした状況のなか、東京都は大会開催時の感染拡大を最大限防止するため、宿泊施設における業務の非接触化に対し支援を行う「宿泊施設非接触型サービス等導入支援補助金」の締め切りを令和3年4月30日から6月30日まで2ヵ月延長し、大会開催の直前まで感染防止対策の促進に取り組みます。
「宿泊施設非接触型サービス等導入支援補助金」の制度内容について下記で紹介致します。
この記事の目次
宿泊施設非接触型サービス等導入支援補助金
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するため、宿泊客・従業員の双方にとって有効な感染症対策を講じ、宿泊施設における安全・安心を確保することを目的に、都内宿泊事業者が3密の回避など「新しい日常」への対応に向けて「非接触型サービスの導入等」に取り組む場合に、その経費への支援を行う東京都の補助金制度です。
設備の導入に係る経費への補助だけでなく、希望者は専門家の無料相談(最大5回まで)を利用して、サービスの非接触化についてアドバイスを受ける事も可能です。
補助対象者
都内の宿泊施設を運営する者
【対象となる施設】
東京都内において旅館業法の許可を受けて営業を行っている宿泊施設。
※ただし、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に規定する「店舗型性風俗特殊営業」を行っている施設及びこれに類するものは除く。
支援内容
都内宿泊施設における感染拡大防止策に対する支援
◆アドバイザー派遣
宿泊事業者が3密の回避など「新しい日常」への対応に向けて取り組む際、希望者は専門家によるアドバイスを受ける事が出来ます。
費用対効果を踏まえた非接触化に資する機器導入やそれに伴う官公庁への手続き等、相談内容に応じて、中小企業診断士や行政書士等の専門家が派遣されます。
【補助内容】
5回を上限に無料で専門家を派遣
◆施設整備等に対する補助
都内宿泊施設において、感染症の拡大防止のために行う非接触型サービスの導入費用や感染症防止策に係る費用を補助します。
【補助率・補助限度額】
補助対象経費の2/3以内(補助限度額:1施設あたり200万円)
(1)宿泊客・従業員双方の安全・安心を確保するための非接触型サービスの導入
・モバイルによるプリチェックインの導入
・自動チェックイン機の導入
・宿泊カードのオンライン化
・生体認証やモバイル端末によるキーレスシステムの導入
・受付や荷物運搬のロボットの導入 など
(2)宿泊客・従業員双方にとって有効な感染防止策
・フロントのアクリル板、透明ビニールカーテンの購入
・非接触式体温計、サーモグラフィー
・自動消毒液噴射器(手をかざすと消毒液を自動で噴射するもの)
※噴射器のみ対象。消毒液は対象外。
・感染症対策マニュアルの作成
・安全・安心を周知するために必要な広告宣伝に係る経費
申請期間
令和2年6月18日から令和3年6月30日まで (消印有効)
※事業実施期間は令和2年5月14日から令和3年8月31日まで
申請方法
下記のHPで「募集要領」をご確認の上、必要書類を郵送(簡易書留)により以下宛先まで提出します。
TCVB(公益財団法人 東京観光財団)HP
https://www.tcvb.or.jp/jp/project/infra/covid19-measures-yado/
【申請先】〒162-0801 東京都新宿区山吹町346番地6 日新ビル5階
(公財)東京観光財団 地域振興部観光インフラ整備課 宿泊事業者向け緊急支援担当
まとめ
今回は東京2020大会の成功に向け東京都が実施している「宿泊施設非接触型サービス等導入支援補助金」について紹介しました。
宿泊施設における新型コロナウイルス感染症への対応については、「宿泊施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン」が全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本旅館協会、全日本シティホテル連盟の連名にて発出されています。
これから対策に取り組む際はこちらの資料を参考に、対応する国や自治体の補助金・助成金などの活用もご検討ください。
宿泊施設における新型コロナウイルス対応ガイドライン 日本旅館協会HP
https://www.ryokan.or.jp/top/news/detail/298