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キャリアアップ助成金に最大60万円の上乗せ!「正規雇用等転換安定化支援事業」とは

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総務省統計局の労働力調査によると、2021年非正規雇用者の割合は、役員を除く雇用者全体の36.7%に上ることが報告されました。こうした非正規雇用者のうち、正規雇用を目指しながらも労働条件などの要因で叶わずにいる労働者を支援するため、国はキャリアアップ助成金制度を実施しています。

東京都ではこれに上乗せして、さらに対象労働者1人につき20万円の助成金を支給しています。今回はこの、東京都の正規雇用等転換安定化支援事業について紹介します。

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この記事の目次

キャリアアップ助成金とは

キャリアアップ助成金とは、有期契約労働者等の正規雇用労働者等への転換や派遣労働者の直接雇用化等を行う事業主に対して国が助成するものです。有期契約労働者等が、より安定度の高い雇用形態等へ転換することでのキャリアアップを促進することを目的としています。

キャリアアップ助成金の支給を受けるためには、都道府県労働局よりキャリアアップ計画の認定を受けるなど、所定の手続が必要です。正規雇用等転換安定化支援事業ではこの助成を受けた事業所・労働者を対象に、東京都からも上乗せで助成金を支給しています。

正規雇用等転換安定化支援事業とは

正規雇用等転換安定化支援事業は、パートや派遣社員などの非正規雇用者を正規雇用へ転換する場合、その育成計画の策定や退職金制度の整備などを行った企業に対して助成金が支給される制度です。
まずはその目的や対象企業や労働者の要件について、みていきましょう。

【目的】
東京都は国が実施するキャリアアップ助成金(正社員化コース)と連携し、質の良い転換等の促進および労働者の雇用安定を図ることを目的として、正規雇用等転換安定化支援事業を行っています。また新たに退職金制度を整備した事業主には助成金を加算し、雇用環境整備の促進を目指します。

対象事業者・対象労働者

助成の対象となる事業者・労働者の要件は以下のとおりです。

【事業主】
①中小企業等
②東京労働局管内に雇用保険適用事業所がある
③平成31年4月1日以降に対象労働者を転換等し、正社員化コースの支給が決定している
④交付申請日時点および支援期間終了時点で対象労働者が在籍し、支援可能な状況である
⑤規定する東京都政策連携団体、事業協力団体または法人でない
⑥法人都民税及び法人事業税の未納がない
⑦過去5年間に重大な法令違反等がない
⑧労働関係法令について以下のすべてを満たしている

  • 従業員に支払われる賃金が、最低賃金額を上回っている
  • 固定残業制度を取り入れている場合、時間外労働の割増賃金に違反していない、また固定残業時間を超えて残業を行った場合は、その超過分について追加で割増賃金が支給されている
  • 法定労働時間を超えて労働者を勤務させる場合は36協定を締結し、上限時間を超える時間外労働をさせていない
  • みなし労働時間制において、法定労働時間を超える場合は月80時間以下である
  • 過去6か月の時間外労働の平均が月80時間を超える労働者がいない
  • 令和2年4月1日から労働基準法に定める時間外労働の上限規制を順守している
  • セクシュアルハラスメント等の防止措置を取っている
  • 年次有給休暇については年5日を取得させている
  • その他賃金や労働時間等に関する労働関係法令を遵守している

⑨風俗営業等の事業を行っていない
⑩企業内に暴力団員等に該当する者がいない

【労働者】
①正社員化コースの支給対象となった労働者である
②平成31年4月1日以降に都内事業所において転換または直接雇用された労働者である
③転換・直接雇用後の雇用区分の状態が1年以上継続し、都内の事業所に継続して勤務している労働者のうち、有期雇用労働者ではない

【支援事業の実施】
申請事業主は、支給対象労働者に対して、支援期間(3か月間)のうちに以下の支援事業を行う必要があります。
①3年間の指導育成計画の策定
②指導育成者(メンター)の選任及びメンターによる3回・3日以上の指導
③指導育成計画に基づく研修の実施

退職金制度整備加算について

新たに退職金制度を整備した企業に関しては、助成金の加算が受けられます。加算の対象となるのは、以下の場合です。

①新たに退職金制度を整備(導入)し、改正後の就業規則等を労働基準監督署へ届出・施行した場合
②新たに中退共制度に事業主として加入した場合

支給金額

支給金額は対象労働者の人数によって、以下のように定められています。
1人…20万円
2人…40万円
3人以上…60万円

※退職金制度整備加算は、10万円です。

なお、申請1年度につき1回、事業者ごとに3回が上限です。また、交付上限額は1年度につき60万円です。

申請方法

続いて、申請の方法を確認しましょう。

正規雇用等転換安定化支援事業の申請は、原則郵送で行ってください。必要書類は、各回の交付申請期間までに提出します。
なお、やむを得ず窓口へ書類を持参する場合は、開庁時間のみの受付となります。

申請の流れ

申請の流れは以下のとおりです (太字部分が申請者の手続きです)。

①ハローワークへキャリアアップ計画の作成・提出
②ハローワークへキャリアアップ助成金(正社員化コース)支給申請
③東京労働局よりキャリアアップ助成金(正社員化コース)支給決定通知書を受領
④都へ正規雇用等転換安定化支援助成金事業実施計画書兼交付申請書を提出(加算含む)
⑤都より正規雇用等転換安定化支援助成金「交付決定通知書」を送付
⑥事業実施(3か月間の支援期間)
⑦都へ正規雇用等転換安定化支援助成金実績報告書を提出
⑧都より正規雇用等転換安定化支援助成金振込

公募期間

公募は第1回から第6回まで行われます。それぞれの期間は以下のとおりです。

申請回 交付申請受付期間 支援期間 実績報告受付期間
第1回 5月10日(火)~5月31日(火) 7月1日(金)~9月30日(金) 10月3日(月)~10月25日(火)
第2回 6月10日(金)~6月30日(木) 8月1日(月)~10月31日(月) 11月1日(火)~11月25日(金)
第3回 7月8日(金)~7月29日(金) 9月1日(木)~11月30日(水) 12月1日(木)~12月23日(金)
第4回 8月10日(水)~8月31日(水) 10月1日(土)~12月31日(土) 1月4日(水)~ 1月25日(水)
第5回 9月9日(金)~9月30日(金) 11月1日(火)~ 1月31日(火) 2月1日(水)~ 2月24日(金)
第6回 10月7日(金)~10月31日(月) 12月1日(木)~ 2月28日(火) 3月1日(水)~ 3月23日(木)

必要書類

申請に必要な書類は、次の①~⑩です。

・提出書類 セルフチェックリスト(任意)
①事業実施計画書兼交付申請書
②キャリアアップ助成金(正社員化コース)支給申請書の写し
・キャリアアップ助成金支給申請書
・正社員化コース内訳
・正社員化コース対象労働者詳細
③上記に係る正社員化コース支給決定通知書の写し
④誓約書
⑤印鑑証明書(原本)
⑥納税証明書(原本)
⑦会社概要がわかるもの
⑧支払金口座振替依頼書(新規・変更用)
⑨振込口座の通帳またはキャッシュカード等口座名義人が記載されているものの写し

【退職金制度整備の加算申請をする場合】
⑩申請時点で最新の就業規則全文

提出代行者が申請する場合は委任状も提出してください。
なお、事業の実施後には実績報告書の提出の提出が必要です。

正規雇用等転換安定化支援事業活用のメリット

厚生労働省の調査によると、令和2年度の「正社員・正職員」の賃金に対するそれ以外の労働者の賃金は平均66.3%に留まります。

出典:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」より抜粋

また新型ウイルスの流行による社会情勢の悪化による、いわゆる派遣切りの問題も話題となりました。

こうした状況を背景に、正規雇用への転換を望む労働者への支援が需要を増しています。一方で、非正規雇用者を正規雇用者として採用した企業は、その後の育成などにも費用がかかります。また退職金制度を整えることも、労働者が安心して働くためには必要不可欠です。

国のキャリアアップ助成金の交付が決定した事業者は、正規雇用等転換安定化支援事業を利用することで、こうした費用負担を軽減させることができるのです。

まとめ

正規雇用等転換安定化支援事業は国の支援に上乗せして、助成金を受け取ることのできる制度です。その両方を活用することで、予算的余裕の少ない中小企業でも雇用者のキャリアアップに貢献することができます。

労働環境を整えることは、従業員の就労意欲の向上や業績アップにもつながります。正規雇用等転換安定化支援事業は、労働者とともに成長を目指す企業にこそ、活用してほしい制度です。

参考:正規雇用等転換安定化支援事業(東京都正規雇用等転換安定化支援助成金)

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