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若者の採用・育成に積極的な中小企業を応援!「ユースエール認定」と加算される助成金制度について調べてみた

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この記事の目次

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1.自社PRのための有効な情報発信源として活用!


少子高齢化により労働人口が減少していくなかで、多様な働き方の実現と働きがいを持って仕事に取り組める環境を整備することが、企業にとって重要な事柄のひとつであると考えられています。今後の社会を担う若者の雇用については、就職前に会社に入って仕事をする「インターンシップ」や、先輩社員がマンツーマンで指導する「OJT」などで、若者の就職活動時や就業後のトラブルを防止するための制度を雇用定着化の一環として行っているところも多いのではないでしょうか。

採用活動の中で、大企業に比べて中小企業は求職者に対して自社をPRするための有効な情報発信源が少ないと言われていました。
今回は、人材育成方針を策定することや所定外労働時間の抑制に努めるなど、中小企業が求職者に対して労働環境面でアピールできる制度としてできた「ユースエール認定制度」についてご紹介します。
この制度導入によって、自社のPRや多くの求職者が興味をもつ糸口にもなるので、一度導入を検討してみてはいかがでしょうか。

2.若者の雇用促進マーク、ユースエール認定とは?

ユースエール認定とは、若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業(常時雇用者300人以下)を、厚生労働大臣が「ユースエール認定企業」として認めている制度のことを言います。
「ユースエール」とは、この認定企業が取得・使用できる認定マークの愛称で、若者(youth)を応援する(yellを送る)事業主、というイメージで名づけられています。

以下「ユースエール認定企業」マークの説明です。


【参照】厚生労働省 若者雇用促進法に基づく認定制度(事業主向け)

3.ユースエール認定を取得するメリットは?

中小企業は「ユースエール認定企業」になることで、
・ハローワークの重点的PR
・各種助成金の加算
などの支援を受けることができます。

また、求職中の若者とのマッチング向上を図ることで優秀な人材確保や、企業のイメージアップが期待されています。中小企業にとっては、採用・広告・資金調達などの面でメリットが期待できます。
ここでは、認定を受けることで期待できる支援とメリットについて、以下4点の紹介をします。

1.ハローワークなどで重点的PRの実施

「わかものハローワーク」や「新卒ハローワーク」などの支援拠点で積極的にPRすることで、若者からの応募増が期待できる


2.認定企業限定の就職面接会などへの参加が可能

各都道府県労働局・ハローワークが開催する就職面接会などで積極的に案内されることで、求職者と接する機会が増えて、より適した人材の採用を期待できる

3.自社の商品、広告などに認定マークの使用が可能

自社の商品や広告などに認定マークの使用が可能になることで、対外的にアピールできる


4.若者の採用・育成を支援する関係助成金を加算

若者の採用育成を支援する各種助成金(キャリアアップ助成金、キャリア形成促進助成金、トライアル雇用奨励金、三年以内既卒者等採用定着奨励金)を活用する際、一定額が加算される
【参照】厚生労働省(ユースエール認定企業のメリット)

4.加算措置を受けることができる助成金の種類は?

ユースエール制度を認定された企業は、「若者」をキーワードに採用育成を支援する助成金から加算が受けられますが、加算措置の対象は35歳未満のため注意が必要です。

1.キャリアアップ助成金


この助成金は、若者に多い非正規雇用労働者の減少を目的として、厚生労働省が中心となって、雇用維持や促進を目的としてつくられた助成金です。
認定企業が35歳未満の有期契約労働者を正規雇用などへ転換する場合、1人当たり最大72万円のところ12万円を加算し、最大84万円が支給されます
※支給額は企業規模や生産性の向上が認められる場合などにより異なります


【参照】厚生労働省:キャリアアップ助成金
分かりやすく記載してあるのでこちらの記事も合わせてご確認ください!
補助金ポータル:キャリアアップ助成金の「正社員化コース」について調べてみた。

2.キャリア形成促進助成金


この助成金は、従業員に対して行う職業能力開発のための訓練など、教育投資を国が一部補助してくれる制度です。認定企業が「若年人材育成コース」を活用した場合、経費助成率が最大で60%から75%に引き上げられます。


※助成率は企業規模などにより異なります
【参照】厚生労働省(平成29年度人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金)

3.トライアル雇用奨励金


この助成金は、職業経験の不足などから就職困難な求職者を、原則3ヶ月間の試用雇用を行うことで適正や能力などを見極めて、常用雇用のきっかけとしてもらうことを目的をしてできた制度です。認定企業が35歳未満の対象者に対してトライアル雇用を実施する場合、月額最大4万円のところ最長3カ月間のあいだ、5万円支給します。


【参照】厚生労働省(トライアル雇用奨励金のご案内)

4.三年以内既卒者等採用定着奨励金

認定企業が、学校等の既卒者や中退者が応募可能な新卒求人の申込みまたは募集を新たに行い、既卒者や中退者を新卒枠で採用後一定期間定着させた場合に、1人当たり最大70万円のところ、10万円を加算し80万円を支給します。


【参照】厚生労働省(三年以内既卒者等採用定着奨励金のご案内)

5.認定企業の要件とは?


認定を受ける要件の大前提としては、常時雇用する労働者が300人以下の中小企業であることが必要です。
平成29年4月1日から「ユースエール認定制度」の認定基準のうち、離職率・労働時間・有給休暇の3つの認定基準について変更がありました。
今回は、変更になった基準についてご説明します。

【離職率】
・直近三事業年度の新卒者などの離職率が20パーセント以下であること
【労働時間】
・前事業年度の、正社員の月平均の所定労働時間が20時間以下、
かつ月平均の法定時間外労働時間60時間以上の正社員がゼロであること
【有休休暇】
・前事業年度の、正社員の有休休暇の年平均の取得日数が年10日以上
または、年平均取得率が70パーセント以上であること
このほかにも、
・若者の採用や人材育成に積極的に取り組む企業であること
・雇用情報項目(新卒者などの採用者数、離職者数、35歳未満の採用者数、有休休暇の平均取得日数など)を公表していること
・過去1年間に事業主都合による解雇または退職勧奨を行っていないこと
・過去3年間に新規学卒者の採用内定取り消しを行っていないこと
など、12個ある認定要件すべてを満たしていることが認定の条件にあげられます。

そのほか詳細要件については、こちらの厚生労働省サイトにてご確認ください。

6.求人募集する上で注意すること


ユースエール認定企業の申請については、労働者の求人や募集を行っていることが必要です。
該当する求人としては、
①直接雇用で期間の定めがない正社員の求人であること
②就職年度に卒業予定の学生等に向けた求人であること
③35歳未満の若年求職者を対象とした求人であること
というものが挙げられますが、学生等に向けた求人は、既卒3年以内の方を対象として含んでいることも条件に含まれます。

7.申請の流れ


事業主の住所を管轄するハローワーク、または労働局に申請書等を提出する必要があります。
申請書や記入例についてはこちらのページよりダウンロードしてください。

以下①~④が申請の流れです。
①認定基準を確認して、ハローワーク又は労働局へ申請書類の提出を行います
・申請書類(別添1~8)
・申請書類の内容を証明するための書類(添付書類1~6)
・企業情報報告書(別添9)+写真3枚添付
②審査(期間として1ヵ月かかります)
③認定
・「基準適合事業主認定通知書」の交付
・認定マークの交付
・若者雇用促進総合サイトへ「企業PRシート」公開
④認定後(毎年)
毎事業年度終了1ヵ月以内に「基準適合事業主確認書類」を提出
※認定取消について
認定を満たさなくなった、または違反をした場合は取消の申し出をする必要があります

【参照】厚生労働省(認定になるまでの流れ)
【参照】厚生労働省(認定申請に必要な様式および添付書類一覧表)

8.まとめ


今回は、若者の雇用や育成を応援する「ユースエール認定制度」についてご紹介しました。
この制度は、毎年度認定要件を満たしているかの成果報告が必要になるため、毎年認定され続けている企業が働きやすい環境づくりを努力している企業として、労働環境面での評価アップにもなります。
認定企業では、従業員への周知と制度維持に向けて「有休を積極的にとろう」「残業を減らそう」といった取り組みを推奨することにより、働きやすい環境作りの意識高まりを加速させる好循環が生まれることも期待できます。
若者の育成に力をいれている企業をとして認定を受けることで、これから採用を迎える若者に対して、企業の人材育成や働き方を十分に理解した上で応募までの段階を踏めるので採用のミスマッチ減少にも繋がりそうですよね。

認定を受けることで若者だけでなく、全社員に向けて「ワークライフバランスを考えている会社」というメッセージ発信にも繋がるため、ユースエール認定制度をきっかけに雇用や教育体制についても再度考えてみてはいかがでしょうか。

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