ユースエール認定とは、企業が若者の採用や育成、雇用管理を積極的に行っていることを認める制度です。ユース認定を受けた企業は、若者の採用に関する支援だけでなく資金調達や助成金利用など、さまざまなシーンでメリットを享受できます。
本記事では、ユースエール認定の概要やメリット、申請手順をわかりやすく解説します。また、ユースエール認定によって加算が受けられる助成金の情報もご紹介しますので、ぜひお役立てください。
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この記事の目次
ユースエール認定とは
ユースエール認定とは、若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を、厚生労働大臣が「ユースエール認定企業」として認める制度です。
ユースエール認定を受けた企業は、「ユースエール」の認定マークを使用できます。ユース(youth)は「若者」、エール(yell)は「応援する」という意味合いがあり、「若者を応援する企業」というイメージで名付けられています。ユースエールの認定マークには、認定年度が記載されており、いつから認定されているかがわかるようになっている点が特徴です。
ユースエール認定では、企業に対する若者の採用支援や企業と求職者のマッチング向上を促進します。ユースエール認定されることで、企業にはさまざまなメリットがある制度といえるでしょう。
若者雇用促進法
ユースエール認定は、「青少年の雇用の促進等に関する法律(以下、若者雇用促進法)に基づいて実施されています。
若者雇用促進法の目的は、企業による若者の雇用を促進したり、若者が能力を発揮できる環境を整備したりすることです。日本では、高齢化社会による労働人口減少が懸念されており、若者の就労支援や不安定な雇用の防止などを目指しています。
ユースエール認定を取得するメリットは?
中小企業は「ユースエール認定企業」になることで、以下のようなさまざまなメリットがあります。以下のようなさまざまなメリットがあります。
- ハローワークで重点的PRができる
- 認定企業限定の就職面接会などへの参加が可能
- 自社の商品、広告などに認定マークの使用が可能
- 若者雇用促進総合サイトなどで認定企業として掲載される
- 日本政策金融公庫による低利融資を受けることができる
- 公共調達で加点評価される
- 一部の地方公共団体による事業で優遇措置を受けられる
また、求職中の若者とのマッチング向上を図ることで優秀な人材確保や、企業のイメージアップが期待されています。
ここでは、企業がユースエール認定を受けるメリットについて、ご紹介します。
ハローワークで重点的PRができる
ユースエール認定を受けることで、「わかものハローワーク」や「新卒ハローワーク」などの支援拠点で積極的にPRできるため、若者からの応募増が期待できます。

認定企業限定の就職面接会などへの参加が可能
各都道府県労働局・ハローワークが開催する就職面接会などで積極的に案内されることで、求職者と接する機会が増えて、より適した人材の採用を期待できます。
自社の商品、広告などに認定マークの使用が可能
自社の商品や広告などに認定マークの使用が可能になることで、ユースエール認定を受けた「優良企業」であることを対外的にアピールできます。

若者雇用促進総合サイトなどで認定企業として掲載される
ユースエール認定を受けると、厚生労働省の「若者雇用促進総合サイト」に認定企業として計算されます。また、ハローワークの求人検索端末において、求職者がユースエール認定企業を検索できるようになります。
日本政策金融公庫による低利融資を受けることができる
ユースエール認定を受けると「働き方改革推進支援資金(企業活力強化貸付)」を利用する場合に基準金利から「-0.60%」の低金利で融資を受けられるようになります。通常の基準利率は「1.20%」であるため、半分の金利で融資を受けられるということです。資金調達の側面でも、リスクを抑えられる点は大きなメリットといえるでしょう。
参考:ユースエール認定企業は日本政策金融公庫が実施する融資において、金利の引き下げ対象となります!
公共調達で加点評価される
ユースエール認定を受けた企業は、公共調達においても加点評価対象です。具体的には、各府省が価格以外の要素を評価する調達において、加点評価を受けられます。
参考:ユースエール認定企業は公共調達において加点評価の対象となります!
一部の地方公共団体による事業で優遇措置を受けられる
ユースエール認定を受けた企業は、一部の地方公共団体が行う事業において、優遇措置を受けられる場合があります。優遇措置には、補助金や助成金の加算、低利率の融資など、さまざまな種類があるのも特徴です。
ユースエール認定で加算される助成金
ユースエール認定を受けた企業は、国や一部の地方公共団体による「若者の採用支援」をキーワードにした助成金などにおいて、優遇措置を受点が受けられる点が注目されています。2025年4月1日時点では、全国の53事業が優遇措置を実施しています。しかし、加算措置の対象は35歳未満である点には注意が必要です。
ユースエール認定を受けた企業に対して優遇措置を行う事業の分類は、以下のとおりです。
- 助成金
- 補助金
- 奨励金
- 融資
- その他
このように、さまざまな事業において、企業が優遇措置を受けられる点は、ユースエール認定の大きな魅力です。
参考:ユースエール認定企業への優遇措置が設けられている地方公共団体独自事業一覧表
若者正社員チャレンジ事業【東京都】
東京都では、未就職または非正規雇用が長いなど、正社員としての実務経験が十分でない若年求職者を対象にした支援事業を実施しています。本事業では、若年求職者の実習受け入れ企業を募集しており、具体的な優遇措置は以下のとおりです。
| 受け入れ準備金 | 6,000円/実習1日 ※実習終了後に支給 |
| 採用奨励金 | 通常:10万円/人 ユースエール認定企業:30万円/人 【条件】 ・ハローワーク飯田橋U-35 の紹介で実習参加者を正社員採用 ・6か月間の継続雇用 |
参考:若者正社員チャレンジ事業
企業立地促進補助金【千葉県我孫子市】
千葉県我孫子市では、地域経済の活性化や雇用拡大のため、事業拡大を図る企業を「企業立志促進補助金」で支援しています。本補助金の加算メニューである「雇用環境向上支援費」において、ユースエール認定企業に対、1認定につき10万円(上限:5認定まで50万円)の補助額を加算しています。
参考:企業立地促進補助金
ステップアップ貸付(7)事業活性化(雇用)【北海道】
北海道では、新たな雇用を創出する事業を行う中小企業向けの融資制度を設けています。ユースエール認定企業は、本融資制度の対象者です。
融資に関する具体的な内容は、以下のとおりです。
| 資金使途 | 事業資金(運転資金や設備資金) |
| 融資金額 | 1億円以内 |
| 融資期間 | 1年超10年以内(うち据置1年以内) |
| 金利 | 固定金利 3年以内:年1.4% 5年以内:年1.6% 7年以内:年1.8% 10年以内:年2.0% 変動金利 年1.4% ※変動金利は融資期間3年を超える取り扱いの場合のみ |
ユースエールの認定基準
ユースエール認定を受けられるのは、中小企業(常時雇用する労働者が300人以下の事業主)で、以下の認定基準をすべて満たす企業です。
| 1 | 若者対象の正社員求人申込み又は募集を行っていること |
| 2 | 若者の採用や人材育成に積極的に取り組む企業であること |
| 3 | 「人材育成方針」と「教育訓練計画」を策定していること |
| 4 | 直近3事業年度の新卒者などの正社員として就職した人の離職率が20%以下 |
| 5 | 前事業年度の正社員の月平均所定外労働時間が20時間以下かつ、月平均の法定時間外労働60時間以上の正社員が1人もいないこと |
| 6 | 前事業年度の正社員の有給休暇の年間付与日数に対する取得率が平均70%以上又は年間取得日数が平均10日以上 |
| 7 | 直近3事業年度で男性労働者の育児休業等取得者が1人以上又は女性労働者の育児休業等取得率が75%以上 |
| 8 | 以下の雇用情報について公表していること ・直近3事業年度の新卒者などの採用者数 ・離職者数 ・男女別採用者数 ・平均継続勤務年数 ・研修内容 ・メンター制度の有無 ・自己啓発支援 ・キャリアコンサルティング制度 ・社内検定等の制度の有無とその内容 ・前事業年度の月平均の所定外労働時間 ・有給休暇の平均取得日数 ・育児休業の取得対象者数 ・取得日数(男女別) ・役員、管理職の女性割合 |
| 9 | 認定申請日を起算日とした過去3年間に、認定企業の取消を受けていないこと |
| 10 | 認定申請日を起算日とした過去3年間に、認定基準を満たさなくなったことによって認定を辞退していないこと |
| 11 | 認定申請日を起算日とした過去3年間に、過去3年間に新規学卒者の採用内定取消しを行っていないこと |
| 12 | 過去1年間に事業主都合による解雇または勧奨退職を行っていないこと |
| 13 | 暴力団関係事業主でないこと |
| 14 | 風俗営業等関係事業主でないこと |
| 15 | 各種助成金の不支給措置を受けていないこと |
| 16 | 重大な労働関係等法令違反を行っていないこと |
認定基準は、若者がより働きやすい環境であることを示すためのに必要な内容であることがわかります。このように、ユースエール認定を受けるためには多くの認定基準を満たさなければならない点を把握しておきましょう。
求人募集する上で注意すること

ユースエール認定企業の申請については、労働者の求人や募集を行っていることが必要です。
該当する求人としては、
①直接雇用で期間の定めがない正社員の求人であること
②就職年度に卒業予定の学生等に向けた求人であること
③35歳未満の若年求職者を対象とした求人であること
というものが挙げられますが、学生等に向けた求人は、既卒3年以内の方を対象として含んでいることも条件に含まれます。
ユースエール認定の申請

ユースエール認定を受けるためには、事業主の住所を管轄する労働局に申請書等を提出する必要があります。場合によってはハローワークを経由して申請できることもあるため、労働局に相談してみましょう。
申請書や記入例についてはこちらのページよりダウンロードしてください。
ユースエール認定の申請手順
ユースエール認定の申請は、以下の流れで行います。
| 内容 | 詳細 | |
| 1 | 書類入手 | ・申請書類をダウンロード |
| 2 | 申請書作成と必要書類の用意 | ・申請書類を作成し、添付書類を用意 |
| 3 | 労働局へ書類提出 | ・都道府県労働局へ提出(郵送または持参) |
| 4 | 審査・確認 | ・労働局側が申請書類の内容を審査・確認 |
| 5 | 審査結果の通知 | ・認定申請日から30日以内に結果通知 ・「認定通知書」の交付 |
認定の結果は、認定申請日から30日としています。ただし、書類等に不足があった場合は、不足書類の提出日から30日以内に結果が通知される点を把握しておきましょう。
なお、基準適合事業主は、ユースエール認定後も毎年認定基準の適合確認を受けなければならない点にご注意ください。
参考:ユースエール認定制度
ユースエール認定は自社PRとして活用できる
少子高齢化により労働人口が減少していくなかで、多様な働き方の実現と働きがいを持って仕事に取り組める環境を整備することが、企業にとって重要な事柄のひとつであると考えられています。今後の社会を担う若者の雇用については、就職前に会社に入って仕事をする「インターンシップ」や、先輩社員がマンツーマンで指導する「OJT」などで、若者の就職活動時や就業後のトラブルを防止するための制度を雇用定着化の一環として行っているところも多いのではないでしょうか。
採用活動の中で、大企業に比べて中小企業は求職者に対して自社をPRするための有効な情報発信源が少ないと言われていました。
「ユースエール認定」によって、自社のPRや多くの求職者が興味をもつ糸口にもなるので、申請を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ

今回は、若者の雇用や育成を応援する「ユースエール認定制度」についてご紹介しました。
この制度は、毎年度認定要件を満たしているかの成果報告が必要になるため、毎年認定され続けている企業が働きやすい環境づくりを努力している企業として、労働環境面での評価アップにもなります。
認定企業では、従業員への周知と制度維持に向けて「有休を積極的にとろう」「残業を減らそう」といった取り組みを推奨することにより、働きやすい環境作りの意識高まりを加速させる好循環が生まれることも期待できます。
若者の育成に力をいれている企業をとして認定を受けることで、これから採用を迎える若者に対して、企業の人材育成や働き方を十分に理解した上で応募までの段階を踏めるので採用のミスマッチ減少にも繋がりそうですね。
認定を受けることで若者だけでなく、全社員に向けて「ワークライフバランスを考えている会社」というメッセージ発信にも繋がるため、ユースエール認定制度をきっかけに雇用や教育体制についても再度考えてみてはいかがでしょうか。
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