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下町のモノづくり応援します!「大田区ものづくり工場立地助成事業」について調べてみた

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大田区には、鉄道や飛行機・ロケットなど最新技術が必要な製品の部品製作や、設計に関わる約3,500の町工場があり、「ものづくりの達人が集まるまち」として知られてきました。

今回は、大田区が区内で操業を希望する製造業の方を応援する助成金に関してご紹介します。

この記事の目次

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1. 大田区における産業の実態とは?

大田区の中心的な産業である製造業は、グローバル化など環境変化の進展で、1980年代前半以降、事業所数・従業員数が年々減少を続け、1980年代前半の半分以下まで減少しています。

大田区製造業の事業所数、従業員数の推移


参考:大田区産業の現状と課題

大田区の製造業は、金属製品をはじめとする機械金属型製造業を主体としていて、約8割が従業員9名以下の小規模事業所が中心です。事業所数・従業員の減少による廃業や転業の他に、都市化の進展や、取引先の区外または海外移転により地方や海外へ工場を展開し、区内事業所の規模を縮小しているケースも多くみられています。
また、工場跡地が住宅・商業施設などへ用途変更が進むことで、住宅の中に工場が点在する地区への環境変化も規模縮小のケースの一つです。この問題は、近隣への配慮や騒音問題による操業時間の制約、高賃料での操業(賃貸借の場合)など、区内事業の継続や拡大、新事業進出等を妨げ区内ものづくり企業の競争力に対して大きな支障をきたす問題とされています。

そのため、大田区ではものづくり産業の維持、発展にむけて製造業者たちが安心して操業を続けられる環境整備のため、新規立地や事業拡大の用地確保・操業環境の整備を目的とした支援をがあります。
実際にどんな事業が対象なのか、詳しくみていきましょう。

2.大田区ものづくり工場立地助成事業とは


この事業は、大田区内におけるものづくり業績の維持・強化のために、区内での操業を希望し、ものづくりを担う事業者の立地や操業環境を支援することを目的としてできた助成事業です。

太田区内で3年以上継続して事業を営む中小企業が対象で、1,000万円を上限(対象経費の3分の1)に支給されます。

3.申請資格をもつ対象者は?

受給対象は、大田区内で事業を営む中小企業が対象で、次の①~③要件を満たす必要があります。

①大田区内で3年以上継続して同一の業種(製造業)を営む中小企業
②大田区内で3年以上継続して区が定める業種を営む※中小企業
③区内の貸工場所有者
※区が定める業種とは以下の通りです


中小企業の定義(製造業の場合)

中小企業基本法に規定する中小企業者のうち、製造業に属する事業を主たる事業として営む、
資本金の額3億円以下、または、常時雇用する労働者の数300人以下のことを指します。

4.助成対象となる事業は?

助成対象となる事業は、次の要件1~4をすべて満たしている事業が対象です。

要件1:事業計画が以下(1)~(4)のいずれかに該当すること


要件2:要件1に定める(1)~(4)の事業経費の合計が500万円以上の事業であること

要件3:事業にかかる契約の締結の1日前までに事業計画書を提出できること

要件4:計画認定の日から2年以内に工事竣工し、操業開始できること

5.助成対象経費

1.移転費用

・工場の設備の運送経費および設置経費
・関連施設の運送経費および設置経費
・移転元の区内民間貸工場の原状回復費用

2.新増築等費用

・工場の新築、増築、改築、改修等にかかる費用
・解体にかかる経費
・付随する設計監理費(設計料、工事監理費および諸経費等)

3.建物付帯設備および関連施設の設備費用

・建物付帯設備
(1)壁補強等、操業時の騒音・振動対策に必要な設備
(2)生産事業の工程上必要な設備
(3)排煙設備、空調設備
(4)門、塀、緑化施設等の外構工事
(5)機械式駐車設備(ターンテーブルを含む)
(6)省エネルギー設備の導入(太陽光発電システム、太陽熱システム、ガス発電給油器等)
・関連施設
事務所、研究室、倉庫、休憩室、ロッカー室、食堂等
※関連施設は、当該工場または貸工場の床面積を超えないこと、関連施設のみの工事は助成対象外です。

4.コーポラティブファクトリー(工場集合化事業)・工場アパート(基盤施設整備事業)の整備にかかる上記1~3の費用

※対象外経費
・工作機械などの「生産設備等機械及び装置の購入」
・土地の測量、取得等にかかる経費、公租公課、賃借料および消費税など
・住宅部分は助成対象外ですが、工場と住宅を併設する場合、工場部分にかかる経費のみ助成対象

6.申請受付期間


各事業において、限度額に達するまで、複数回申請可能です。
また、事業計画が認定される前に、当該事業にかかる契約締結および工事着手が可能です。
※事業にかかる契約締結の1日前までに、事業計画書提出が必要です。

審査会開催予定時期と事業計画書提出締切


7.申請先・受付期間

申請先は、一般社団法人日本立地センターです。
〒101-0062
東京都千代田区神田駿河台1-18-11
電話番号:03-3518-8966

平成28年度より、申請相談窓口が大田区から日本立地センターに変更になりました。
従来の申請は、申請者が窓口に直接行き申請を行う必要がありましたが、現在は日本立地センターの担当者が直接現場に訪問し対応を行うため、より細やかな相談が可能になりました!

8.申請から助成金交付までの流れ

①事業計画書の提出(契約締結の1日前までに提出)
※現場訪問などの事前調査・審査、事業計画の認定・通知が必要です
契約締結

工事着工

工事竣工

操業開始(事業計画認定後の翌日から2年以内に事業は完了させること)

②交付申請書の提出

③助成金請求(工事完了後、完了届提出で助成金交付決定)

④(2年度目)操業状況の報告

⑤助成金請求(操業状況を審査した上で、2度目の助成金交付決定)

⑥(3年目)操業状況の報告

⑦助成金請求(操業状況を審査した上で、3度目の助成金交付決定)

交付方法

上記流れで決定した助成金は、予算の範囲内で3年間または10年間で交付します。
また、2年目以降については操業状況報告に基づき、助成金の交付決定を行います。
操業報告がない場合は、助成金が交付されませんので気を付けてください。

提出書類 (事業にかかる契約締結の1日前までに提出)

・誓約書
・事業計画書、資金計画および経営計画書、企業概要書(第1~3号様式)

そのほか、法人の確定申告書全部の写し等が含まれています。
※各申請様式や細かい書類内容については、ものづくり工場立地助成のご案内からダウンロードしてください。

9.まとめ


東京下町にある町工場は年々減りつづけています。

今回の大田区の助成事業は、他のものづくり助成事業とは異なり、計画認定前に助成事業にかかる契約、および工事着手が可能です。
助成認定を受けた後は、「10年以上工場として操業を継続すること」、「工業見学等、区の事業に協力すること」「外注先、調達先は区内企業の活用を検討すること」など、助成事業を通じて区と企業が協力して区内の製造業を盛り上げていくための条件があります。
また、大田区にはものづくり企業で働きたい若者にPRする展示会や、子供を対象にした産業まち発見隊など、ものづくりの楽しさを体験できるイベントも数多くあります。
ものづくりは、日本の大きな特徴のひとつであり、世界にほこれる技術です。
助成事業だけではなく、ものづくりを盛り上げる区内の取組みも盛んなので、活用を検討してみてください。

今回の助成事業のほかにも、大田区が行う助成金・補助金制度をご紹介しています。
ぜひご確認下さい。
https://hojyokin-portal.jp/ota/

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