先日新型コロナの影響による公演中止などによって、カナダを拠点に活動する世界最高峰のエンターテインメント集団シルク・ドゥ・ソレイユが破産の申請を行いました。
緊急事態宣言が解除された国内でも、団体での活動が中心となる劇団や楽団などは従来のような活動形態はいまだ難しく、こうした中で事業を継続するためICTを活用した新たな活動形態を模索する団体も多くあります。
そこで、今回は文化庁(文部科学省)が令和二年度二次補正予算で実施する「文化芸術活動の継続支援事業」について紹介します。
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この記事の目次
文化芸術活動の継続支援事業
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で活動自粛を余儀なくされた文化芸術関係団体等が取り組む、活動の再開・継続に向けた感染防止対策や直面の課題の解決への積極的な取り組みに対し、必要な経費の一部を補助する制度です。
支援対象は異なるものの、制度内容は経産省の「持続化補助金」と同様になりますので、事業形態により持続化補助金にも申請が可能な場合は、そちらを優先的に活用するよう求められています。※同時に両方申請することはできません。
補助対象者
過去3年間で複数回の文化芸術活動を行う、以下の個人又は文化芸術団体
【個人について】
フリーランスを含む個人事業者
・不特定多数の観客に対し対価を得て公演・展示等を行う者及び当該公演・展示等の制作 に携わっている者(例:実演家、技術スタッフ等)
※常時雇用による収入のみを得ている者は除く
【文化芸術団体について】
常時使用する従業員の数がおおむね20人以下の団体
※労働時間や賃金体系が特殊な雇用契約を結んでいる専門スタッフ等を除きます。
①法人格を有する団体
・一般社団法人、公益社団法人 ・一般財団法人、公益財団法人 ・会社及び会社に準ずる営利法人・特定非営利活動法人
※文化芸術の公演・制作に直接携わることを目的とすることが、定款等及び活動 実績により明らかな団体であること
②法人格を有さない団体
令和2年6月1日現在、団体設立後1年以上の文化芸術活動の実績を有する団体で、下記の内容が明記されている定款もしくは規約等の定めがあること。
・団体の意思を決定し、執行する組織が確立されていること
・自ら経理し、監査する等の会計組織を有すること
・団体活動の本拠としての事務所を有すること
対象となる文化芸術分野
以下の3つの要件を満たす様々な文化芸術活動が対象です。
①不特定多数に公開することによってチケット収入等をあげることを前提としたものであること
②新型コロナウイルス感染症によるイベント等の自粛によって大きな影響を受けていること
③今後の再開に当たって複数の者の参加が必要であったり、稽古が必要などの理由など 何らかの事情がありすみやかな再開が困難であったり、 新型コロナウイルス感染拡大予防のために従来と同様の収入が確保できない可能性があるなどの事情があること
【文化芸術分野とは?】
具体的には下記の分野を対象範囲として想定しています。
音楽、演劇、舞踊、映画・アニメーション コンピュータその他の電子機器等を利用した芸術 伝統芸能(雅楽、能楽、文楽、歌舞伎、組踊、その他) 大衆芸能(講談、落語、浪曲、漫談、漫才、歌唱、その他)
また、下記の分野についても、個展の開催や対局の公開で収入を得るなど、「補助の対象 となる条件①②③」を満たす場合は対象となります。
美術、写真、茶道・華道、書道、国民娯楽(囲碁・将棋・その他)
申請区分
申請区分は下記の4種類が用意されています。
【活動継続・技能向上等支援A-①】
対象事業:個人事業者等の標準的な取り組み
支給上限:20万円
プロの実演家・技術スタッフ等を対象に、練習のための稽古場の確保、技能向上のための 研修資料等の購入、調査・制作準備等の活動費を支援
【活動継続・技能向上等支援A-②】
対象事業:個人事業者等のより積極的な取組み
支給上限:150万円
感染症対策を踏まえた新たな練習方法の確立、動画収録・配信による活動の発信、会計処理に関する講習の参加等、発展的取り組みを行う活動費を支援
※A-①とA-②の重複申請はできません。
【活動継続・技能向上等支援B】
対象事業:小規模団体による取り組み
支給上限:150万円
新型コロナウイルス感染症に対応した新たな公演・制作の企画等(動画等による公演等の収録・配信、広報コンテンツの作成、感染症防止に対応した集団練習の実施等を含みます)の活動費を支援
【共同申請】
対象事業:複数の小規模団体・個人事業者による共同申請
支給上限:1500万円(一者あたり150万円まで)
小規模団体が主体となり、複数の個人事業者と共同して取り組む公演の開催に向けた検討会の開催、トライアル公演等(本事業の趣旨・目的に沿うものであ れば、その他申請者の主体的な判断で実施されるものも対象になりえます)の活動費を支援
補助対象となる取り組み
下記のいずれかに該当する取り組みが補助対象です。
(補助率:2/3~3/4※ICT投資を一定額組み込むことで引上げ)
①国内外の観客、参加者等の回復・開拓
・過去の公園の動画配信
・活動実績をまとめた冊子の作成、配布
・CMやPR動画等の制作、配信 ・公演、展示のチラシの作成、配布
・展示のギャラリートークや講演会の開催
・美術家の制作活動を紹介するウェブサイトの制作、更新
・制作した作品をまとめた図録の作成、配布 等
② 活動の継続・再開のための公演・制作方法等の検討・準備・実施
・技芸の研鑽のための自主稽古
・技能向上を目的としたリサーチ
・技能向上に関係する資格取得
・活動再開のトライアル公演
・動画配信サイト等を通じた無観客等公演
・インターネットを活用した技芸の研鑽のための共同稽古
・会員向け相談窓口の設置、HPの開設等
・美術関係者向けワークショップの開催 等
③ 雇用契約の明文化等の経営・ガバナンスの近代化
・雇用契約案の作成、電子化
・会計処理に関する講習会の参加
・会計システムの近代化
・行政手続き等に係る書類作成のノウハウ習得 等
さらに、上記の取組と併せて、業種ごとの新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインに基づいた感染拡大防止の取組を行う場合には、その取組に要する費用を別枠で補助します。
④感染拡大防止の取り組み
・感染症対応のための研修会
・新型コロナ感染拡大予防対策の新たな座席配置に応じた作品、演出
・公演実施に係るマニュアルの作成
・感染症対応のトライアル公演 ・消毒その他感染症対策のための取組 等
対象経費
【賃金】
事業遂行に必要な業務・事務を補助するために、補助事業期間中に雇用した者の 人件費
【諸謝金】
事業の遂行に必要な指導・助言を受けるために依頼した専門家等に謝礼として支払わ れる経費
【旅費】
補助事業の遂行に必要な移動・宿泊に係る経費
【借損料】
事業遂行に直接必要な機器・設備等のリース・レンタル料として支払われる経費や トライアル公演の開催や自らの練習のための施設利用料
【消耗品費】
事業を遂行する上で必要不可欠な物品の購入費
【会議費】
補助事業で開催する会議の場で提供する飲料
【通信運搬費】
補助事業実施に必要な電子機器、機材・機械等の運搬のために支払われる発送費又は 運搬費
【雑役務費】
事業遂行に必要な、専門的な知識、技能等に基づく業務その他の業務を第三者が行う (外注する)ために支払われる経費
事業実施期間
令和2年2月26日から令和2年10月31日までの事業に発生した経費が補助対象経費として認められます。
※ただし、団体が行うトライアル公演については、事業実 施期間を12月6日まで延長することを可能とします。
申請期間
第1次募集: 令和2年7月10日 ~ 令和2年7月31日
第2次募集: 令和2年8月 8日 ~ 令和2年8月28日
第3次募集: 令和2年9月12日 ~ 令和2年9月30日(予定)
※第3次募集は、行わない場合があります。
申請方法
補助金申請システム等による電子申請での受付となります。
申請についての詳細はこちらから
https://keizokushien.ntj.jac.go.jp/
【申請の流れ】
フリーランスなどで自分が申請対象になるかどうかわからない場合には事務局に事前に確認してもらうことが出来ますので、そちらもご利用ください。
※事前確認は必須ではありませんが、利用することで一部書類の提出が不要になります。
お問合せ
令和2年度「文化芸術活動の継続支援事業」事務局
〒105-8335
東京都港区芝3-23-1 セレスティン芝三井ビルディング 13階
電話番号 0120-620-147 ※営業時間 10:30~17:00
まとめ
今回は文化庁(文部科学省)が令和二年度二次補正予算で実施する「文化芸術活動の継続支援事業」について紹介しました。
国内でも徐々に事業活動の制限が緩和されてきていますが、都内では一日当たりの新規感染者数がいよいよ緊急事態宣言発令以降最大の水準に達しており、今後も多くの人が集まるイベントの開催には大きなハードルが残ります。
利用者にとっても、ICTを活用した新たな形態でのエンターテイメントは感染リスクのない魅力あるコンテンツとして認知が広まっていますので、こうした活動に取り組む際には是非「文化芸術活動の継続支援事業」をご活用ください。
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