小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)は、小規模事業者の販路開拓や事業の見直しを後押しする補助金です。商工会・商工会議所と連携して経営計画を作成し、その計画にもとづく販路開拓などの取組にかかる経費の一部を支援します。
なかでも一般型・通常枠は、2026年5月27日に第20回公募の公募要領が公開され、第19回から制度内容が大きく変わりました。賃金引上げ特例の考え方や、広報費・ウェブサイト関連費の取扱いなどが見直されており、過去に申請した方も最新の内容を確認しておく必要があります。
この記事では、2026年度の持続化補助金の全体像、類型、対象者、補助額、第20回のスケジュールまで解説します。
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・小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉前回からの変更点も解説
・小規模事業者持続化補助金〈創業型〉とは?最大250万円!一般型との違いも解説
・小規模事業者持続化補助金「共同・協業型」最大5000万円で地域連携を支援
・小規模事業者持続化補助金の採択率まとめ!採択の傾向と申請のポイント
この記事の目次
小規模事業者持続化補助金(持続化補助金)とは
持続化補助金は、小規模事業者が経営計画にもとづいて行う販路開拓や、それとあわせて行う業務効率化(生産性向上)の取組にかかる経費の一部を補助する制度です。物価高騰・賃上げ・インボイス制度といった環境変化に対応しながら、地域の雇用や産業を支える小規模事業者の持続的発展を後押しすることを目的としています。
特徴は、申請にあたって商工会・商工会議所の支援を受けながら経営計画を作成する点です。計画にもとづき、機械装置等費・広報費・展示会等出展費などの経費の一部が補助されるため、事業者は自己負担を抑えつつ取組を進められます。補助の基本上限額は50万円で、特例を活用すると最大250万円まで引き上げられます。
なお、本補助金は経費の一部を後払いで支援する「補助金」であり、かつて新型コロナ対策として支給された「持続化給付金」とは別の制度です。名称が似ており混同しやすいため注意してください。
【2026年度】一般型・通常枠 第20回の主な変更点
2026年5月27日に公開された一般型・通常枠の第20回公募では、第19回(公募要領第6版)から次のような変更がありました。
・賃金引上げ特例に申請する赤字事業者は、補助率が2/3から3/4へ引き上げられ、優先採択の対象になった
・広報費とウェブサイト関連費に、それぞれ上限30万円(税込)が設けられ、単独での申請ができなくなった
・2者以上の相見積が必要となる発注総額の基準が、100万円超から50万円超(税込)へ引き下げられた
・健康経営優良法人加点、地域別最低賃金引上げ加点が新設された
特に賃上げ関連は判定の考え方そのものが変わっているため、過去の知識のままでは要件を読み違えるおそれがあります。変更点の詳細や申請のポイントは、以下の個別記事で解説しています。
・小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉第20回|第19回からの変更点と申請のポイントを解説
小規模事業者持続化補助金の4つの類型
持続化補助金は、複数あった特別枠の整理(卒業枠・後継者支援枠の廃止)を経て、現在は次の4類型に整理されています。一般型は「通常枠」と「災害支援枠」の2つの枠で構成されます。それぞれ対象や補助額が異なるため、自社に合う類型を選びましょう。
一般型・通常枠
経営計画にもとづいて販路開拓や事業拡大を目指す、小規模事業者向けの基本的な枠組みです。最も多くの事業者が利用する、持続化補助金の中心となる類型です。
| 対象 | 販路開拓・事業拡大を目指す小規模事業者(基本の枠) |
|---|---|
| 補助上限 | 50万円(特例の活用で最大250万円) |
| 補助率 | 2/3(賃金引上げ特例の赤字事業者は3/4) |
| 特例 | インボイス特例で+50万円 賃金引上げ特例で+150万円 両方を満たすと+200万円 |
第20回から、賃金引上げ特例の考え方や広報費・ウェブサイト関連費の取扱いなど制度内容が大きく変わっています。申請を検討する方は、変更点もあわせて確認してください。
詳しくはこちら:小規模事業者持続化補助金〈一般型・通常枠〉第20回|第19回からの変更点と申請のポイントを解説
一般型・災害支援枠
令和6年能登半島地震・令和6年奥能登豪雨の被害を受けた小規模事業者を対象とした枠です。被害の種類によって補助上限額が異なります。
| 対象 | 石川・富山・福井・新潟に所在し、令和6年能登半島地震・奥能登豪雨の被害を受けた小規模事業者 |
|---|---|
| 補助上限 | 直接被害200万円/間接被害100万円 |
| 補助率 | 2/3(一定の条件で定額支給) |
| 備考 | 第9次公募をもって原則終了。今後は通常枠による優先採択支援へ移行する見通し |
詳しくはこちら:持続化補助金(小規模事業者持続化補助金)<一般型・災害支援枠>対象は?要件や採択率もチェック!
創業型
創業から1年以内の小規模事業者を対象とした枠です。通常枠より補助上限額が大きく、設備導入や販路開拓に取り組む創業期の事業者を支援します。
| 対象 | 創業から1年以内の小規模事業者 |
|---|---|
| 補助上限 | 200万円(インボイス特例で最大250万円) |
| 補助率 | 2/3 |
| 主な要件 | 特定創業支援等事業による支援を受けた日と開業日が、公募締切から起算して過去1か年以内であること |
詳しくはこちら:小規模事業者持続化補助金 創業型とは?最大250万円!一般型との違いも解説
共同・協業型
商工会・商工会議所などの地域振興機関が主体となり、複数の小規模事業者が連携して販路開拓を進める類型です。補助上限額が最大5000万円と大規模なのが特徴です。
| 対象 | 地域振興機関と、連携する10者以上の小規模事業者 |
|---|---|
| 補助上限 | 最大5000万円 |
| 補助率 | 参画事業者は2/3/地域振興機関は定額補助 |
| 主な取組 | 展示会・商談会型/催事販売型/マーケティング拠点型 |
詳しくはこちら:小規模事業者持続化補助金「共同・協業型」最大5000万円で地域連携を支援
ビジネスコミュニティ型
商工会・商工会議所の青年部・女性部など、地域の小規模事業者で構成される内部組織を対象とした類型です。
| 対象 | 小規模事業者で構成される法人の内部組織(青年部・女性部など) |
|---|---|
| 補助上限 | 50万円(2者以上の共同実施で100万円) |
| 補助率 | 定額 |
| 主な対象経費 | 専門家謝金・専門家旅費・一般旅費・資料作成費・借料・雑役務費・広報費・委託費 |
要件としては、地域の相当数の小規模事業者が構成員となっている法人の内部組織であること、若手経営者等または女性経営者等で構成され、創業・事業承継の推進や女性活躍などの取組を行う小規模事業者5者以上が参画していることなどが求められます。
詳しくはこちら:小規模事業者持続化補助金「ビジネスコミュニティ型」とは?対象・補助額・申請方法をわかりやすく解説
補助額・補助率はいくら?
補助率や補助額は、類型によって異なります。
たとえば、一般型・通常枠の基本は補助率2/3、補助上限額50万円です。さらに、要件を満たすと以下のとおり上乗せされます。
| 通常枠 | 補助率2/3(賃金引上げ特例の赤字事業者は3/4) 補助上限50万円 |
|---|---|
| +インボイス特例 | 50万円上乗せ(最大100万円) |
| +賃金引上げ特例 | 150万円上乗せ(最大200万円) |
| +両方の特例 | 200万円上乗せ(最大250万円) |
いずれの特例も、補助事業終了時点で要件を満たす必要があります。要件を1つでも満たさない場合は、上乗せ部分だけでなく補助金全体が交付対象外となる点に注意してください。なお、創業型は補助上限200万円(インボイス特例で250万円)、共同・協業型は最大5000万円など、類型によって上限が異なります。
小規模事業者持続化補助金の対象者
本補助金の対象は、業種ごとに定められた従業員数の要件を満たす小規模事業者です。
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 常時使用する従業員 5人以下 |
| 宿泊業・娯楽業 | 常時使用する従業員 20人以下 |
| 製造業その他 | 常時使用する従業員 20人以下 |
また、一部の法人や職種は補助対象外です。主な区分は次のとおりです。
| 補助対象となり得る者 | 補助対象にならない者 |
|---|---|
| ・会社および会社に準ずる営利法人(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、特例有限会社、企業組合・協業組合、士業法人など) ・個人事業主(商工業者であること) ・一定の要件を満たした特定非営利活動法人 | ・医師、歯科医師、助産師 ・系統出荷による収入のみの個人農業者(林業・水産業者も同様) ・協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く) ・一般社団法人、公益社団法人、一般財団法人、公益財団法人 ・医療法人、宗教法人、学校法人、農事組合法人、社会福祉法人 ・申請時点で開業していない創業予定者 ・任意団体 など |
個人事業主・フリーランス・一人親方も申請できる?
個人事業主やフリーランス、一人親方も、小規模事業者に該当すれば申請できます。ただし、対象となるのはあくまで事業性が認められる場合で、次のような点に注意が必要です。
・申請時点で開業し、事業者として稼働していること(将来開業予定のみは原則対象外)
・補助金を使う取組が、販路開拓や業務効率化(生産性向上)に資する内容であること
・商工会・商工会議所の支援を受け、経営計画を策定すること
単なる個人の活動や趣味、事業性が認められないものは対象外となる場合があります。なお、商工会・商工会議所に入会していない個人事業主でも申請は可能ですが、事業支援計画書(様式4)の発行依頼など、商工会・商工会議所の支援を受ける手続きは必要です。
小規模事業者持続化補助金の採択率
採択率は、公募回や類型によって大きく異なります。直近の主な採択率は以下のとおりです。
| 区分 | 公募回 | 申請者数 | 採択者数 | 採択率 |
|---|---|---|---|---|
| 一般型・通常枠 | 第18回 | 17,318 | 8,329 | 48.1% |
| 一般型・災害支援枠 | 第8回 | 340 | 311 | 91.5% |
| 創業型 | 第2回 | 3,220 | 1,226 | 38.1% |
| 共同・協業型 | 第1回 | 211 | 93 | 44.1% |
| ビジネスコミュニティ型 | 第8回 | 173 | 149 | 86.1% |
通常枠は回によって3〜9割と変動が大きく、創業型はやや厳しめ、災害支援枠は毎回8割超で推移しています。公募回ごとの詳しい採択率は、下記の記事で解説しています。
詳しくはこちら:小規模事業者持続化補助金の採択率まとめ!採択の傾向と申請のポイント
小規模事業者持続化補助金のスケジュール
スケジュールは、4つの類型ごとに異なります。一般型・通常枠の第20回に関しては、以下のスケジュールで公募を実施しています。
| 公募要領公開 | 2026年5月27日(水) |
| 申請受付開始 | 2026年11月5日(木) |
| 事業支援計画書(様式4)発行受付締切 | 2026年12月4日(金) |
| 申請受付締切 | 2026年12月15日(火)17:00 |
| 採択発表予定 | 2027年3月頃 |
| 補助事業実施期限 | 2028年3月31日(金) |
注意したいのは、申請に必要な事業支援計画書(様式4)の発行受付締切(12月4日)が、申請受付締切(12月15日)より前に設定されている点です。様式4の発行には時間がかかる場合があるため、実質的な準備期限は12月4日と考え、早めに商工会・商工会議所へ相談しましょう。
なお、一般型・通常枠の公募はおおむね年1〜2回のペースで実施されています。今回の申請期間に間に合わない場合は、次回公募に向けて準備を進めるのも一つの方法です。
小規模事業者持続化補助金の申請の流れ
申請前の準備から事業終了後の報告まで、全体の流れは次のとおりです。申請は電子申請システムのみで受け付けられ、郵送はできません。
・電子申請システムに経営計画・補助事業計画を入力し、必要書類を準備する
・地域の商工会・商工会議所に事業支援計画書(様式4)の発行を依頼し、発行を受ける
・受付締切までに必要書類をそろえて電子申請する
・採択後、計上した経費の見積書等を提出し、審査を経て交付決定を受ける
・交付決定日以降に補助事業を開始し、終了後に実績報告書を提出する
・補助金の請求・交付を受け、事業終了の1年後に事業効果報告書を提出する
GビズIDの取得方法は、下記の記事で詳しく解説しています。
申請の窓口は、事業を営む地域によって分かれます。商工会の管轄地域の方は商工会地区の事務局、商工会議所の管轄地域の方は商工会議所地区の事務局が窓口です。
よくある質問
どんな制度?
商工会・商工会議所と連携して経営計画を作成し、その計画にもとづく販路開拓などの取組を支援する補助金です。基本の補助上限は50万円で、特例を使うと最大250万円まで補助が受けられます。
個人事業主やフリーランスでも申請できる?
小規模事業者に該当すれば、個人事業主・フリーランス・一人親方も申請できます。一般型・通常枠の補助上限は50万円で、特例を満たせば最大250万円まで上乗せされます。ただし申請時点で開業して事業を行っていること、販路開拓や業務効率化の取組であることなどが必要です。
商工会に入っていなくても申請できる?
はい、商工会・商工会議所の会員でなくても申請できます。ただし、いずれの場合も事業支援計画書(様式4)の発行など、地域の商工会・商工会議所の支援を受ける手続きは必要です。
持続化給付金とは違う?
別の制度です。持続化給付金は新型コロナ対策として売上減少した事業者に支給された給付金で、すでに終了しています。持続化補助金は、経営計画にもとづく販路開拓の経費を後払いで支援する現行の補助金で、審査があり自己負担も必要です。
公募は年に何回ある?
一般型・通常枠は、おおむね年1〜2回のペースで公募が行われています。受付期間が限られているため、最新の公募スケジュールを事務局の公式サイトで確認しておきましょう。
第20回はいつから?締切は?
一般型・通常枠 第20回は、申請受付開始が2026年11月5日(木)、申請受付締切が2026年12月15日(火)17:00です。先に必要な事業支援計画書(様式4)の発行受付締切が12月4日(金)なので、商工会・商工会議所への相談は早めがおすすめです。
最大いくらもらえる?
一般型・通常枠は基本50万円で、インボイス特例で+50万円、賃金引上げ特例で+150万円、両方を満たせば+200万円で最大250万円です。賃金引上げ特例を使う赤字事業者は補助率が3/4に上がります。創業型は最大250万円、共同・協業型は最大5000万円です。
申請に必要な準備は?
申請は電子申請システムのみで、郵送はできません。利用にはGビズIDプライムのアカウントが必要で、取得まで数週間かかる場合があるため早めに準備しましょう。あわせて、経営計画の作成と事業支援計画書(様式4)の発行依頼を進めます。
まとめ
小規模事業者持続化補助金は、経営計画にもとづく販路開拓を支援する制度で、2026年度(令和8年度)も継続されています。一般型・通常枠の補助上限額は50万円、特例の活用で最大250万円まで上乗せが可能です。
これから申請する方は、2026年12月15日が締切の第20回公募が対象です。第20回は第19回から賃金引上げ特例や広報費・ウェブサイト関連費の取扱いなどが大きく変わっているため、必ず最新の内容を確認してください。
申請には、GビズIDプライムの取得や経営計画の作成、商工会・商工会議所への早めの相談が欠かせません。自社に合う類型を選び、計画的に準備を進めましょう。
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