この記事の目次
1.少子化なのに、待機児童が多いのはなぜ?
“いまは働いているけど、近いうちに子供が欲しいな”
“子供が生まれても、仕事は続けたい!”
“子供を産んだら、預ける保育所を見つけられるかどうか不安・・・”
こんな想いや悩みを抱えている女性にとって不安の種は、昨今数多く取り上げられている
「待機児童問題」ですよね。
内閣府は、国として解決に向けた「待機児童解消加速化プラン」という対策を掲げ、保育所の整備などによる受入児童数の拡大と、保育士の確保を図っている状況です。
参考:内閣府 平成29年度の企業主導型保育事業について
しかし、そもそも少子化は進んでいるのに、なぜ待機児童問題は解決しないのでしょうか。
それは、女性の社会進出のよる共働き世代の増加により、保育所を利用したいという親が増えたことにあります。特に都市部では核家族化が進み、子育てで頼れる身内が近くにいないという点も原因の一つだと考えられます。こうした現状もあり、子供を預けて働く必要がある家庭が増えています。しかし、その需要人数に対して保育関連施設や保育士が不足しているため受け入れることが出来ず、待機児童として入園待ちをする子供が増えているのです。
待機児童問題とは
待機児童とは、子育て中の親や保護者が認可保育所などの施設に入所希望を出しても、入所出来ずに順番待ちをしている子供の事です。とくに0歳児から3歳児の児童に関してや、4月ではなく途中入園の場合は入所困難であるとされています。
法改正により「育児休業が2歳まで再延長可能」という記事を紹介しています!是非読んでみて下さい。
補助金ポータル:父親も子育て(育児休業)ができる働き方を実現!「出生時両立支援コース」について調べてみた
2.企業主導型保育事業とは?
「企業主導型保育事業」は、従業員のための保育園の設置・運営の費用を助成する国の事業です。
会社と同じ建物でなくても、駅の近くや住宅街などに設置できるもので、自社の従業員だけでなく、他の企業との共同利用や、地域に住む方の利用枠も設定できる保育施設です。
また、(延長・夜間・土日保育)など、働き方に応じて柔軟な保育サービスを提供することができます。
参考:公益財団法人 東京しごと財団「企業主導型保育事業とは」
3.企業主導型保育施設促進助成金とは?
今回は、企業主導型保育施設設置を促進する目的で出来た事業をご紹介します。
施設開設にあたり国の助成対象外となる、備品等の購入費用に対して、最大300万円が助成されます。
働くママにとって、子育てをしながら働きやすい職場環境整備や、待機児童の改善など、仕事と子育ての両立がしやすくなることが期待されています。
4.対象事業者
今回の助成事業は、国(内閣府)が実施する、企業主導型保育事業(設置整備費)の助成決定を受けて、都内に企業主導型保育施設を設置する事業者が対象です。
※その他詳細要件は、募集要項をご確認ください。
5.対象助成事業
保育事業を運営するにあたり、開設時に必要とされる、備品の整備が対象事業です。
具体的には、次の(1)~(3)が当てはまります。
(1)事故防止に資する備品の整備
安全柵、室内用安全マット、防犯カメラ など
(2)保育室等において使用する室内遊具
すべり台、クッション遊具、玩具 など
(3)その他保育活動に必要な備品の整備
什器類(テーブル、イス、ベビーベット)、厨房用品類(調理器具、冷蔵庫) など
上記整備にかかる備品購入費や、備品の設置やデザイン、輸送にかかる経費が対象です。
6.助成対象外経費
(1)単価10,000円未満のもの
(2)消耗品、生理用品(おむつなど)
(3)助成の決定前に助成対象物を購入している場合
(4)間接経費(税金、振込手数料など)
7.助成限度額
設置する保育施設の定員数によって、受給できる助成金の限度額が異なります。
平成30年31日までに支給決定した事業は、次の表の助成限度額および助成率で支給します。
(1)限度額上乗せ要件
多摩産材製の備品※を購入した場合、通常の限度額に多摩産材製備品購入による上乗せ額を加えた額が上限になります。
※多摩産材製の備品とは
多摩地域で生産された木材のうち、多摩産材認証協議会によって産地証明された「認証材」を使用して制作された備品のこと。
8.申請方法
(1)申請受付期間
平成29年5月1日(月)~平成30年3月30日(金)
ただし、予算が終了次第、受付は修了となるため気をつけて下さい。
(2)申請受付場所
申請書類は、持参または郵送にて受け付けています。
(公団)東京しごと財団 雇用環境整備課
「企業主導型保育施設設置促進助成金」担当 が窓口です。
〒102‐0072
東京都千代田区飯田橋2‐6‐6ヒューリック飯田橋ビル4階
電話:03‐5211‐2171
受付時間:午前9時から正午、午後1時から午後5時(土日祝日・年末年始は除きます)
※持参での書類提出の際は、事前に電話予約の上で提出をお願いします。
※郵送での書類提出の際は、記録が残る簡易書留などの方法で送付して下さい。
申請様式
(公団)東京しごと財団雇用環境整備課ホームページよりダウンロードして下さい。
9.手続きの流れ
この事業は、「企業主導型保育事業(運営費)」を活用して、保育施設を設置している企業が対象、というのが前提です。「企業主導型保育施設設置促進事業(施設整備費)」単独では申請できませんので、注意してください。
要点①企業主導型保育事業(施設整備費)の助成申込・決定
この手続きは、事業者と(公団)児童育成協会との手続きが必要です。
(1)手続き期限
平成29年企業主導型保育事業助成金(第二次募集)
平成29年8月17日(木)~9月29日(金)17時30分まで
(2)手続き方法
(公団)児童育成協会の手続きは、電子申請で行うため、下記リンクからご確認ください。
参考:公益財団法人 児童育成協会
要点②交付申請
原則として、保育施設の開設予定日の3か月前までに申請書類の提出が必要です。
“書類の提出漏れで申請が間に合わなかった!“といった悔しい思いをしない様に、
提出前に「助成金申請チェックリスト」で提出書類の内容を確認してから提出してくださいね。
要点③実績報告
助成額確定通知を受けてから30日以内に、実績報告書(様式第6号)の提出が必要です。
10.まとめ
いかがでしたか?
子育て中の方が安心して働ける職場環境の実現は、社会的にも広がりつつあります。今回の助成事業は、国が施設立上にかかる運営費の助成を行うことに対して、立ち上げにかかる必要な備品にも支援を!という東京都独自の支援です。こうした助成金があるのは、とても心強いことですよね。
近年では育児休暇制度の充実など、社会情勢を反映した助成金も増えてきています。待機児童の解消は、女性の就業機会を増やす方法の一つとして考えられています。長時間労働や働き方の見直しなどとあわせて行っていきたいですね。
今回は「企業主導型保育事業」について触れませんでしたが、次回ご紹介予定なので楽しみにしていただけると嬉しいです!