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人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」とは?企業の変革を後押しする人材育成制度

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人材開発支援助成金の「事業展開等リスキリング支援コース」は、企業が新規事業等を展開するために必要な人材育成を支援するための助成です。

経営状況の変化やビジネス競争の激しい現代において、企業は既存事業だけでなく、新たな分野で事業を展開していく必要があります。新規事業を展開し、軌道に乗せるためには、従業員の人材育成が欠かせません。

そこで厚生労働省は、令和4年12月から令和8年までの時限措置として、本コースを新設しました。

本記事では、「事業展開等リスキリング支援コース」の概要を解説します。対象企業や助成額、申請方法までわかりやすく解説します。新たな事業展開を検討している企業や新規事業を立ち上げる予定の企業は、ぜひ参考にしてください。

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この記事の目次

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事業展開等リスキリング支援コースとは

「事業展開等リスキリング支援コース」は、厚生労働省の「人材開発支援助成金」におけるコースのひとつです。令和4年12月から新設、令和8年までの時限措置とされています。

制度名人材開発支援助成金「事業展開等リスキリング支援コース」
目的新規事業等に伴い必要な人材育成を支援
対象企業中小、大企業

本コースでは、企業の新規事業展開等に伴い、必要な知識やスキルを習得するための訓練にかかる費用や賃金の一部助成を行います。また、成長分野であるDXやグリーンカーボンニュートラルへの取り組みに必要な人材育成も支援対象です。

具体的なイメージとしては、以下のような取り組み例に対する人材育成(訓練)が対象となります。

事業展開新サービスの開始、新商品の製造や販売開始など
(※事業展開=3年以内に実施予定もしくは6か月以内に実施した事業)
DX化電子システムなどを導入し、業務効率化や生産性向上を進めた取り組みなど
グリーン・カーボンニュートラル化販売などで使用する容器などを環境に配慮した素材に一新、温室効果ガスを削減する取り組みなど

事業展開等リスキリング支援コースの対象要件

「事業展開等リスキリング支援コース」の対象要件は、以下のとおりです。

【対象要件】

区分要件
企業• 雇用保険適用事業所の事業主である
• 社内の職業能力開発推進者の選任をしている
• 事業内職業能力開発計画の作成と従業員への周知をしている
• 助成金の支給等に関する審査で必要な書類を整備し5年間保存している事業主である。また、必要な求めに応じて提出や提示、調査に協力する事業主である
• 事業展開等実施計画を作成する事業主
• 雇用保険料や訓練受講料、訓練受講中の賃金を適正に払って訓練を行う事業主である
• 指定期間などにおいて離職した支給対象労働者の割合が50%以上になったことが2回未満の事業主である
対象労働者• 訓練実施期間中に雇用保険被保険者である
• 職業訓練実施計画届時に提出した「対象労働者一覧」に記載されている
• 次のいずれかに該当する
1. 通学や双方型の通信訓練による訓練等の受講時間数が実訓練時間数の8割以上
2. e-ラーニングや通信制の訓練実施期間中に訓練等を修了している
3. 定額サービスによる訓練では、サービスに含まれる教育訓練を修了し、合計訓練時間数が1時間以上である

特に注意したい点は、人材開発支援助成金では訓練経費などをあらかじめ企業側がすべて負担することが要件である点です。たとえば、返金を受け取って等の場合は助成対象外として扱われます。

そのほか、必要な手続きを期日までに行わない場合や支給要件を満たしていない場合は、助成対象外となります。細かい要件等は、必ず厚生労働省が公表している情報を確認しましょう。

【対象となる訓練の要件】

1企業活動とは区別して行われるOFF-JTである
2訓練時間が10時間以上である
3職務に対して直接的に関連した訓練であり、以下のどちらかに該当する内容である
• 新規事業展開などで必要な知識やスキルを習得するための訓練
• 新規事業展開はしないが、企業のDX化やグリーン・カーボンニュートラル化を推進するための業務に必要な知識やスキルを習得するための訓練
4「職業訓練実施計画届」の内容に沿った訓練である

OFF-JTによる訓練の実施方法は、以下のいずれかの方法で行われるものが対象です。

  • 通学制
  • 同時双方型の通信訓練
  • eラーニング
  • 通信制
  • 定額サービスによる訓練

定額サービスによる訓練については、各支給対象労働者の受講時間数を合計した時間数が10時間以上であり、訓練期間が1年以内でなければなりません。なお、労働者側が自発的に訓練を受講した場合は、助成対象外と判断されます。つまり、本コースは、企業側が業務命令として訓練を義務付け、労働時間内に実施されたものが助成対象ということです。

事業展開等リスキリング支援コースの助成額や上限額

「事業展開等リスキリング支援コース」の助成金額や上限について確認してみましょう。

経費助成の助成率と1人あたりの賃金助成額

区分経費助成(研修費)賃金助成
中小企業75%1人1時間あたり1000円
大企業60%1人1時間あたり500円

賃金助成額は、2025年4月より改正されました。改正内容は、中小企業は980円から1000円に、大企業は480円から500円への拡大です。具体的には、2025年4月1日以降に「職業訓練実施計画届」が提出されたものを対象として適用されます。

助成率や助成額は上記を原則としていますが、経費助成と賃金助成はそれぞれ助成額の上限を定めています。

経費助成と賃金助成額の上限額

経費助成の上限額(1人1訓練あたり)は以下のとおりです。

区分10時間以上100時間未満100時間以上200時間未満200時間以上
中小企業30万円40万円50万円
大企業20万円25万円30万円

※訓練の種類によって、一律で時間区分が決まっている場合があります。
※育成計画の審査や事業展開内容によって金額変動あり

賃金助成の上限額(1人1訓練あたり)においては、1,200時間(専門実践教育訓練は1,600時間)を限度時間として計算します。また、1事業所における1年度の上限額は1億円です。
なお、通信やeラーニング、定額制サービスによる訓練は経費のみが対象とされるため、賃金助成はされません。

「事業展開等リスキリング支援コース」の申請スケジュール・流れ

「事業展開等リスキリング支援コース」における申請手続きの大まかな流れを解説します。

社内で能力開発推進者の選任と事業内職業能力開発計画の策定

事業展開等リスキリング支援コースの前提となるステップです。自社の従業員への周知もおこなっておきましょう。

「職業訓練実施計画届」の作成と提出

企業は、訓練開始日から起算して6か月前から1か月前以内に管轄の労働局へ「職業訓練実施計画届」を提出します。たとえば、訓練を7月1日から開始する場合は、1月1日から6月1日までに提出しなければなりません。提出方法には、窓口と郵送、電子申請があります。また、職業訓練実施計画書の提出時は、そのほか必要書類があります。訓練の内容に応じて、適切に用意しましょう。

訓練の実施

職業訓練実施計画の内容に沿って訓練を実施します。訓練終了後に支給申請書を提出するまでに訓練費用の全額を支払います。割引や返金を受けたり、費用の一部でも従業員に負担させたりすると、助成対象外となりますので、適正な支払いをしましょう。

支給申請書の作成と提出

企業は、訓練終了日から起算して2か月以内に管轄の労働局へ申請書と必要書類を提出します。たとえば、訓練が8月31日に終了した場合は、10月31日までに提出しなければなりません。ただし、訓練の内容や条件によっては訓練終了日よりも前に提出できるケースもあります。
支給申請書の提出時には、そのほか提出書類があります。こちらも訓練の内容に応じて正しく提出しましょう。

助成金の支給または不支給の決定

労働局が申請書類に基づき、助成金の支給可否を決定します。人材開発支援助成金では、確認項目が多いため、審査には時間がかかります。企業が申請後、すぐに助成金の支給可否がわかるわけではない点を理解しておきましょう。

申請時の注意点・落とし穴

「事業展開等リスキリング支援コース」を申請する際に企業が注意すべき点をご紹介します。あらかじめ注意点を把握し、支給対象外にならないよう意識しましょう。

支給対象にならない訓練に注意する

本コースは、OFF-JTによる訓練が前提です。ただし、支給対象にならないOFF-JTもあるため、理解しておくことが大切です。

【対象外になるOFF-JTの例】

OFF-JTの内容具体例
実施目的が、職業や職務に間接的に必要な知識や能力を得るための内容事業や職務には直接関係しないマネジメント研修など
社会人として共通で必要な知識や能力を得るための内容接遇、ビジネスマナー、コミュニケーション講習など
趣味や教養のための内容日常会話レベルの英会話講習、パソコン操作の初歩講座
通常の事業活動で必要な内容社内制度や人事制度、経営戦略等の説明、経営改善や既存事業拡大を目的としたコンサルタントの指導など
法令等でもともと義務付けられている内容労働安全衛生法や道路交通法に基づく講習など
職務における知識やスキル向上を目的としない内容モラール研修、ビジネスマインド講習など
実施目的が従業員の能力開発に直接関係しない内容オンラインサロン、異業種交流会、視察旅行など
訓練を受けなくても単独で受験して取得できる資格や検査タイピング技能検定、マナー検定など

※職種や職務、事業展開の内容によって対象外となる訓練は異なります。

訓練は所定労働時間内での実施を厳守する

本コースでは、所定労働時間内で実施した訓練のみを対象としています。所定労働時間外や所定休日におこなった訓練は賃金助成の対象外として扱われますので注意しましょう。ただし、あらかじめ所定休日を別日に振り替える対応をしていた場合は、助成対象となります。

計画届の提出前に実施した訓練は対象外

本コースでは、訓練開始日の1か月前までに「職業訓練実施計画届」をしなければなりません。そのため、計画届を提出する前に実施した研修等は助成対象外となりますので注意しましょう。

よくある質問

最後に、事業展開等リスキリング支援コースに関するよくある質問を紹介します。

絶対に補助対象になる訓練はある?

そのような訓練はありません。業種や受講者の職務と訓練の内容との関連性、実際に行われた訓練内容、経費や賃金の支払い状況などさまざまな要件を審査し、個々のケースごとに助成の可否を判断します。

過去に人材開発支援助成金の他コースを活用した訓練と同じ訓練を、前回とは別の労働者に受講させてもいい?

過去に人材開発支援助成金を活用して実施した訓練と同じ内容の訓練であっても、事業展開や企業内のデジタル・デジタルトランスフォーメーション( DX)、グリーン・カーボンニュートラル化につながる訓練等については、本コースの対象となり得ます。

すでに契約して利用を開始している定額制サービスでも助成の対象になる?

契約期間の初日が令和4年12月2日以後の定額制サービスは助成対象となります。すでに契約済みで利用を開始している定額制サービスの場合、助成の対象期間は、計画届の提出日から1か月後を契約期間の開始日とみなして計算されます。


出典:令和6年10月版 人材開発支援助成金事業主様向けQ&A

まとめ

企業が成長し続けるためには、ビジネスにおける競争優位性を確保しなければなりません。そのためには、既存事業だけでなく、社会や技術の変化に対応し、新規事業展開も進めていく必要があるでしょう。

新規事業展開を成功させるためには、必要な知識やスキルをもった従業員の人材育成が欠かせません。

本記事でご紹介した「事業展開等リスキリング支援コース」は、新規事業等の展開に必要な人材育成を支援する内容です。最大1億円もの助成を受けられる手厚い助成制度といえます。本コースの内容を正しく理解した上で、積極的な人材育成と企業のさらなる成長を目指してみてはいかがでしょうか。

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