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人材開発支援助成金「人材育成支援コース」とは?経費最大75%助成・令和8年度の改正点を解説【2026年度】

公開日:2025/11/26 更新日:2026/10/7
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「社員研修を増やしたいが、受講料と、研修中に支払う給料の二重負担が重い」——人材育成を先送りにしている中小企業は少なくありません。

厚生労働省の人材開発支援助成金「人材育成支援コース」は、その負担を直接軽くする制度です。10時間以上のOFF-JT(業務から切り離して行う研修)を計画どおり実施すれば、経費助成率は中小企業45%、非正規社員向けなら70%。正社員転換を目的とした有期実習型訓練では経費助成率75%(賃金要件を満たせば100%)まで引き上がります。

2026年度は改正が続いた年でもあります。令和8年4月8日に45歳以上向けの「中高年齢者実習型訓練」が新設され、同日にeラーニングの経費助成上限が引き下げられました。さらに令和8年8月3日からは、不正受給の企業名公表ルールが厳格化されています。

本記事では、厚生労働省の令和8年8月3日版パンフレットをもとに、4つの訓練メニューの助成額・限度額・対象になる研修・申請手順を整理して解説します。

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この記事の目次

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人材開発支援助成金の人材育成支援コースとは?対象と助成内容

人材育成支援コースは、職務に関連した知識・技能を習得させる職業訓練を計画に沿って実施した事業主に対し、訓練経費と訓練期間中の賃金の一部が助成される制度です。厚生労働省の人材開発支援助成金にある6コースのひとつで、申請先は都道府県労働局になります。

制度名人材開発支援助成金「人材育成支援コース」
所管厚生労働省(申請先は都道府県労働局)
対象事業主雇用保険適用事業所の事業主(中小企業・大企業とも対象)/事業主団体等
対象労働者雇用保険被保険者
経費助成率30〜75%(訓練メニュー・企業規模により異なる)
賃金助成額1人1時間あたり800円(中小企業)/400円(大企業)
訓練メニュー①人材育成訓練 ②認定実習併用職業訓練 ③有期実習型訓練 ④中高年齢者実習型訓練

最大の特徴は、対象となる研修の幅広さです。OFF-JTだけで完結する10時間以上の研修も、OJTと組み合わせた長期の育成プログラムも、同じコースの中でカバーされます。新卒者の育成、非正規社員の正社員転換、45歳以上のリスキリングまで、目的に応じてメニューを選べます。

2026年度(令和8年度)の主な改正点は?

2026年度は、令和8年4月8日・5月14日・8月3日の3回にわたって改正が行われました。特に申請実務に影響が大きいのは次の4点です。

改正日変更内容
令和8年4月8日45歳以上を対象とする「中高年齢者実習型訓練」を新設
令和8年4月8日申請事業主と密接な関係にある者との訓練に係る経費(講師謝金・施設借上費・受講料等)を経費助成の対象外に
令和8年5月14日支給申請時に「受講料等の価格設定に関する疎明書」(様式第28号)の提出が必要に
令和8年8月3日不正受給の企業名公表に特例を新設。支給決定前であっても、自主申告をしていない場合は原則公表の対象

人材育成支援コースの助成率・助成額はいくら?4メニューを比較

助成率と助成額は、訓練メニューと企業規模で決まります。経費助成率が最も高いのは有期実習型訓練の75%、次いで人材育成訓練(有期契約労働者等)の70%です。

訓練メニュー経費助成率賃金助成額(1人1時間)OJT実施助成額(1人1コース)
①人材育成訓練正規雇用労働者等45%(大企業30%)800円(大企業400円)-
有期契約労働者等70%800円(大企業400円)-
②認定実習併用職業訓練45%(大企業30%)800円(大企業400円)20万円(大企業11万円)
③有期実習型訓練75%800円(大企業400円)10万円(大企業9万円)
④中高年齢者実習型訓練60%(大企業45%)800円(大企業400円)10万円(大企業9万円)

これに加えて、賃金要件または資格等手当要件を満たすと助成が上乗せされます。要件の内容は次のとおりです。

賃金要件訓練終了日の翌日から1年以内に、対象労働者全員の毎月決まって支払われる賃金を5%以上増加させること(改定後3か月と改定前3か月の賃金総額を比較)
資格等手当要件資格等手当を就業規則等に規定したうえで訓練修了後に支払い、その手当により賃金を3%以上増加させること(支払後3か月と支払前3か月を比較)

いずれかを満たすと、経費助成率は+15%(有期実習型訓練は+25%で最大100%)、賃金助成額は+200円(大企業+100円)が加算されます。加算分は通常分の支給決定後に別途申請する仕組みで、要件を満たす賃金または手当を3か月継続して支払った日の翌日から5か月以内が申請期限です。個別の案内は届かないため、申請忘れに注意してください。

①人材育成訓練とは?OJTなしで使える基本メニュー

人材育成訓練は、10時間以上のOFF-JTを実施するだけで申請できる、最もシンプルなメニューです。OJTは不要で、通学制・同時双方向型の通信訓練・eラーニング・通信制のいずれの方法でも実施できます。

対象労働者は雇用保険被保険者で、有期契約労働者等の場合は訓練の終了日または支給申請日に被保険者であることが必要です。従来から雇用している人だけでなく、新たに雇い入れた有期契約労働者も対象になります。経費助成率が70%(賃金要件等を満たせば85%)まで上がるため、非正規社員のスキルアップに使いやすいメニューです。

通学制・同時双方向型の場合は1コースあたりの実訓練時間数が10時間以上、eラーニング・通信制の場合は1コースあたりの標準学習時間が10時間以上または標準学習期間が1か月以上であることが要件です。なお、eラーニングと通信制は経費助成のみで、賃金助成の対象外です。事業内訓練(自社が企画・主催する研修)をeラーニングで行う場合も助成対象になりません。

②認定実習併用職業訓練とは?新卒者向けの長期育成プログラム

認定実習併用職業訓練は、主に新規学校卒業者を対象に、OFF-JTとOJTを組み合わせた訓練を6か月以上実施する場合に活用できます。対象は訓練開始日において15歳以上45歳未満の雇用保険被保険者です。

対象となるには、次の要件をすべて満たしたうえで、事前に厚生労働大臣の認定(実践型人材養成システム)を受ける必要があります。

①企業内のOJTと教育訓練機関で行われるOFF-JTを効果的に組み合わせて実施する訓練であること
②訓練実施期間が6か月以上2年以下であること
③総訓練時間数が1年当たりの時間数に換算して850時間以上であること
④総訓練時間数に占めるOJTの割合が2割以上8割以下であること
⑤訓練終了後にジョブ・カード様式3-3-1-1により職業能力の評価を実施すること

大臣認定の申請は、訓練開始日の30日前までに実践型人材養成システム実施計画を提出して行います。申請が1〜3月に集中するため、厚生労働省は早期の申請を呼びかけています。新規学卒予定者以外を対象とする場合は、キャリアコンサルタント等によるジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングを受け、訓練への参加が必要と認められた人が対象です。

③有期実習型訓練とは?正社員転換で経費助成率75%

有期実習型訓練は、正社員経験の少ない有期契約労働者等を正社員に転換させるために、OFF-JTとOJTを組み合わせた訓練を2か月以上実施する場合のメニューです。経費助成率75%はコース内で最も高く、賃金要件等を満たせば100%に達します。

ただし支給申請日までに正規雇用労働者等への転換等を実施した場合に限り助成対象となる点が、他のメニューとの決定的な違いです。転換が実現しなかった場合でも、職業能力開発推進者の選任、事業内職業能力開発計画の策定・周知、定期的なキャリアコンサルティングの機会の確保を定めていれば、「人材育成訓練」として助成対象になる場合があります(この場合OJT実施助成は対象外)。

対象労働者は、訓練修了日または支給申請日時点で雇用保険被保険者であり、正規雇用として採用することを約して雇い入れられた人でないことが要件です。あわせて、キャリアコンサルタント等により職業能力形成機会に恵まれなかった者と認められ、ジョブ・カードを作成している必要があります。総訓練時間数は6か月あたりに換算して425時間以上、OJTの割合は1割以上9割以下で、OJTは原則として対面で行います。支給申請回数は、同一の事業主が同一の労働者に対して年度を問わず1回までです。

正社員化とあわせてキャリアアップ助成金(正社員化コース)も活用できます。職業訓練実施計画届に所定事項を追記することで、キャリアアップ計画書の届出を兼ねることも可能です。

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④中高年齢者実習型訓練とは?2026年4月新設の45歳以上向けメニュー

中高年齢者実習型訓練は、45歳以上の従業員が実践的なスキルを習得するために、OFF-JTとOJTを組み合わせた訓練を2か月以上実施する場合に活用できる、令和8年4月8日新設のメニューです。正社員転換ではなく、在職者のキャリアアップが目的です。経費助成率は中小企業60%・大企業45%で、賃金要件等を満たせば中小企業75%になります。

対象となる訓練は、次の要件をすべて満たす必要があります。

①OJTとOFF-JTを効果的に組み合わせて実施する訓練であること
②訓練実施期間が2か月以上であること
③総訓練時間数が6か月当たりの時間数に換算して425時間以上であること
④総訓練時間数に占めるOJTの割合が1割以上9割以下であること
⑤OFF-JTは通学制または同時双方向型の通信訓練であり、1コースの実訓練時間数が10時間以上であること
⑥OJTは原則、対面で行うこと
⑦訓練終了後にジョブ・カード様式3-3-1-1により職業能力の評価を実施すること

対象労働者は訓練開始日において45歳以上の雇用保険被保険者であることに加え、事前にキャリアコンサルタント等によるジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングを受け、本訓練への参加が必要と認められていることが条件です。厚生労働省は活用例として、基幹システム刷新にあわせて中高年の事務スタッフにAIツール活用講座やセキュリティ研修(OFF-JT)と新システムの操作習得(OJT)を組み合わせるケースなどを示しています。

人材育成支援コースの助成限度額はいくらまで?

経費助成の限度額は、支給申請時点の実訓練時間数に応じて3段階で設定されています。1労働者1訓練あたりの上限は次のとおりです。

企業規模10時間以上100時間未満100時間以上200時間未満200時間以上
中小企業15万円30万円50万円
大企業10万円20万円30万円

区分の判定には例外が2つあります。専門実践教育訓練の指定講座は一律「200時間以上」の区分となり、eラーニング・通信制による訓練等(標準学習時間が定められているものを除く)は一律「10時間以上100時間未満」の区分となります。

回数と総額にも上限があります。

賃金助成の対象時間数(1労働者1訓練)通常1,200時間/専門実践教育訓練1,600時間
支給申請回数(1労働者・1年度)3回まで(有期実習型訓練は同一労働者に1回まで)
支給限度額(1事業所・1年度)1,000万円

1,000万円は労働者1人あたりではなく、1事業所・1事業主団体等の1年度あたりの上限です。賃金要件等による割増分の追加申請や、共同事業主として申請した分も合算して判定されます。

対象になる研修・ならない研修の違いは?OFF-JTの要件

対象になるOFF-JTは、対象労働者の職務に直接関連する専門的な知識・技能を習得させる訓練で、訓練時間数が10時間以上のものです。訓練開始日の6か月前から1か月前までに労働局へ計画届を提出し、その計画どおりに実施することが前提となります。

厚生労働省は職務関連訓練の例として、建設業の土木施工管理技士取得訓練、運輸業の大型自動車運転免許取得訓練、営業企画担当者へのWebマーケティング研修、人事・労務担当者への法改正研修などを挙げています。

事業内訓練の講師要件は?部内講師は要件が厳しい

自社が企画・主催する事業内訓練では、講師が要件を満たす必要があります。部内講師(自社の役員や従業員)と部外講師では要件が異なります。

部外講師部内講師OFF-JTの講師要件
◯ー公共職業能力開発施設、職業能力開発総合大学校、認定職業訓練を行う施設、学校教育法による大学等または各種学校等に所属する指導員等
◯◯当該職業訓練の内容に直接関係する職種に係る職業訓練指導員免許を有する者
◯◯当該職業訓練の内容に直接関係する職種に係る1級の技能検定に合格した者
◯ー専門的な知識・技能を有する指導員または講師(当該分野の指導員・講師経験が3年以上の者)
◯◯専門的な知識・技能を有する指導員または講師(実務経験(講師経験を含まない)が10年以上の者)

部内講師で申請する場合、職業訓練指導員免許か1級技能検定、または実務経験10年以上のいずれかが必要です。ベテラン社員に研修を任せるだけでは要件を満たさないケースがあるため、計画届の提出前に確認してください。

助成対象にならないOFF-JTは?

次のような訓練は助成対象になりません。カリキュラムの一部に含まれる場合、その時間は実訓練時間数から除外して10時間以上を判定します。

・普通自動車運転免許の取得講習など、職務に間接的にしか必要とならないもの
・接遇・マナー講習など、職種を問わず職業人として共通して必要となるもの
・日常会話程度の語学習得、話し方教室など趣味教養を目的とするもの
・コンサルタントによる経営改善指導、自社の経営方針説明、QCサークル活動など通常の事業活動として遂行されるもの
・研究会、座談会、見学会、ビジネス交流会、オンラインサロンなど職業能力開発に直接関連しないもの
・法令等で事業主に実施が義務付けられている講習(労働安全衛生法に基づく特別教育など)
・意識改革研修、モラール向上研修など知識・技能の習得を目的としないもの
・専らビデオのみを視聴して行う講座、定額制サービスによるeラーニング等
・海外・洋上で実施するもの、営業中の生産ラインや就労の場で行われるもの

2026年度に特に注意したい経費助成の落とし穴

経費助成を受けるには、訓練に要した経費を支給申請までに申請事業主が全額負担していることが必要です。令和8年4月8日以降は、この「全額負担」の判定がより厳格になりました。

まず、申請事業主と密接な関係にある者・事業主・教育訓練機関に支払う経費は、経費助成の対象になりません。代表者の配偶者や3親等以内の親族、自社の親会社・子会社、自社が雇用する者が代表者を務める教育訓練機関などが該当します。

次に、訓練経費の返金や協力金の受け取りも対象外の要因になります。厚生労働省は、次のようなケースを支給対象経費に該当しないものとして明示しています。

・教育訓練機関等からの入金額と助成金支給額の合計が訓練経費と同額になる場合
・受講レビューやインタビューへの協力の対価として金銭を受け取った場合
・「研修費用の負担がかからない」という提案を受け、営業協力費・協賛金などの名目で金銭を受け取った場合
・AI研修とAIツール導入をセットで契約し、ツール導入費用まで研修費用として申請する場合(AI研修費用は対象、AIツール導入費用は対象外)

さらに、助成金を申請する場合のみ受講料が著しく高く設定されているときは、通常の受講料との差額が支給対象外になります。令和8年5月14日以降は、支給申請時に「受講料等の価格設定に関する疎明書」(様式第28号)の提出が必要です。

令和8年8月3日からは公表ルールも変わりました。支給決定前であっても、自主申告をしていない場合は原則として事業主名が公表されます(支給申請額の合計が100万円未満の場合等を除く)。逆に、労働局の調査より前に自主申告し、受給済みの金額・違約金・延滞金を速やかに返還した場合は、原則として公表されません。手続きを訓練機関やコンサルタントに任せていても、不正受給の責任を負うのは助成金を受け取る事業主です。

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人材育成支援コースの申請手順と必要書類は?

申請は「計画届の提出→訓練の実施→支給申請」の3ステップです。前提として、職業能力開発推進者の選任と事業内職業能力開発計画の策定・周知を、計画届の提出日までに済ませておく必要があります(有期実習型訓練を除く)。

ステップ内容と期限
①事前準備職業能力開発推進者の選任、事業内職業能力開発計画の策定・周知、就業規則等への定期的なキャリアコンサルティングの規定
②計画届の提出訓練開始日の6か月前から1か月前までに、職業訓練実施計画届(様式第1-1号)・対象労働者一覧(様式第3-1号)・事前確認書(様式第11号)・訓練カリキュラム等を労働局へ提出
③訓練の実施計画に沿って実施。OJTがあるメニューは訓練終了後にジョブ・カードで職業能力の評価を実施
④支給申請訓練終了日の翌日から起算して2か月以内に、支給申請書(様式第4-1号)と必要書類を提出
⑤支給決定審査のうえ支給・不支給を決定

見落としやすいのが、就業規則・労働協約・事業内職業能力開発計画のいずれかに「定期的なキャリアコンサルティングの機会の確保」を対象時期まで明記しておく要件です。「入社から3年ごとに行う」のように時期を特定して定める必要があります。

訓練が長期の場合、終わるまで助成金は受け取れない?

訓練期間が6か月を超える場合は、訓練終了を待たずに分割して支給申請ができます。訓練開始日から6か月ごとに区分した分割訓練期間ごとに、その期間の受講時間数が実訓練時間数の8割以上であれば、その期間に支払った訓練経費と賃金分を申請できる仕組みです。対象は通学制または同時双方向型の通信訓練に限られ、申請期限は分割訓練期間の最終日の翌日から2か月以内です。

eラーニングの場合も、訓練の実施期間の最終日より前に対象労働者全員が訓練を修了すれば、修了日の翌日から申請できます。ただし最終的な申請期限は、いずれも訓練終了日の翌日から2か月以内で変わりません。

なお、訓練全体で支給要件を満たさず不支給となった場合、それ以前の同一訓練に係る支給決定も取り消されます。訓練終了後は必ず支給申請を行ってください。提出書類の様式は人材開発支援助成金の公式ページから確認できます。

人材育成支援コースに関するよくある質問

最後に、人材育成支援コースに関するよくある質問を紹介します。

訓練機関やコンサルタントから「申請手続きはすべてこちらでやります」と言われたけど、任せていいの?

助成金を受け取る事業主自身が支給要件を把握したうえで申請してください。手続きを委任した第三者が不正を行った場合でも、助成金を受け取った事業主が不正受給と認められます。不正受給に該当すると、受給額に年3%の延滞金と20%の違約金を加えた返還が求められ、5年間は他の雇用関係助成金も申請できなくなります。また、社会保険労務士法第27条により、社会保険労務士以外の者が報酬を得て支給申請手続きを代行することは禁止されています。

「この訓練機関のこの訓練を受講すれば助成対象となる」と厚生労働省が認めた訓練はある?

そのような訓練はありません。業種や受講者の職務と訓練内容との関連性、実際に行われた訓練内容、経費や賃金の支払い状況などさまざまな要件を審査し、個々のケースごとに助成の可否を判断します。計画届を提出したことをもって、助成金の支給が確約されるものでもありません。

運送会社が従業員に中型免許や大型免許を取得させる教習は助成対象になる?

受講する労働者の職務との関連性が認められ、申請するコースの要件を満たせば助成対象になります。厚生労働省も、運輸業で集荷・配送等に従事する労働者への大型自動車運転免許取得訓練を職務関連訓練の例として示しています。ただし普通自動車運転免許の取得訓練は、職務に間接的にしか必要とならない訓練として助成対象外です。

大企業でも人材育成支援コースは使える?

使えます。雇用保険適用事業所の事業主であれば企業規模を問わず対象です。ただし助成率・助成額は中小企業より低く設定されており、人材育成訓練の経費助成率は30%、賃金助成額は1人1時間あたり400円、経費助成限度額は10万円〜30万円となります。中小企業に該当するかは主たる事業ごとに資本金額または常時雇用する労働者数で判定し、支給申請時点の規模で決定されます。

eラーニングだけの研修でも助成される?

人材育成訓練であれば、外部の教育訓練機関が提供するeラーニングは助成対象になります。ただし助成されるのは経費のみで、賃金助成は受けられません。自社で企画・主催する事業内訓練をeラーニングで行う場合は対象外です。経費助成の上限は令和8年4月8日から訓練時間数にかかわらず中小企業15万円・大企業10万円に見直されました。また、定額制(サブスクリプション型)サービスによる訓練は人材育成支援コースの対象外で、人への投資促進コースの定額制訓練で扱われます。

「助成金で研修費用が実質無料になる」と勧誘されたけど本当?

本当ではありません。人材開発支援助成金は訓練経費の一部を助成する制度であり、支払った額を上回る利益が出ることは制度上あり得ません。訓練機関からの返金、アンケート協力の謝礼、営業協力金などを受け取った場合は「事業主が全額負担した」ことにならず、経費助成の対象外になります。厚生労働省はこうした勧誘への注意喚起を行っており、不審に思った場合は管轄の労働局へ情報提供するよう呼びかけています。

休日に研修を実施した場合も賃金助成の対象になる?

所定労働時間外や休日に実施した訓練は、割増賃金を支払っていても賃金助成の対象になりません。ただし就業規則等に規定があり、あらかじめ休日を振り替えていた場合(振替休日)は対象になります。事後に代休を付与した場合は対象外です。なお経費助成は賃金助成の有無にかかわらず申請できますが、休日出勤手当等を含む賃金が適正に支払われていないと助成金全体が不支給になります。

中高年齢者実習型訓練は、新しく採用した45歳以上の人も対象になる?

対象になります。訓練開始日において45歳以上の雇用保険被保険者であればよく、新たに雇い入れた被保険者(雇い入れ日から訓練開始日までが3か月以内の人)、短時間等労働者から通常の労働者に転換した人(転換日から3か月以内)、既に雇用している被保険者のいずれかに該当することが要件です。あわせて、事前にキャリアコンサルタント等によるジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングを受け、本訓練への参加が必要と認められている必要があります。

訓練内容を変更したい場合はどうすればいい?

変更届の提出が必要です。対象労働者を追加する場合は訓練開始日の前日まで、実施日時・実施内容・実施場所・実訓練時間数などを変更する場合は、当初計画していた訓練実施日か変更後の訓練実施日のいずれか早い方の前日までに提出します。期限までに変更届を出さずに変更後の訓練を実施すると、その部分は助成対象になりません。訓練開始日を1か月以上後ろ倒しにする場合は、変更届ではなく計画届を改めて提出します。

助成対象の社員以外も一緒に研修を受けさせた場合、経費助成額はどうなる?

助成対象労働者が受講した部分のみが経費助成の対象になります。外部講師の謝金や会場の借上費など一括でかかる経費は、助成対象労働者数を総受講者数で割った比率で按分し、経費助成の内訳(様式第6-1号)に助成対象経費を記載してください。


参考:令和8年度版 人材育成支援コースのご案内(令和8年8月3日版)

まとめ

人材育成支援コースは、10時間以上の研修から使える汎用性の高い制度です。経費助成率は中小企業45%、非正規社員向けなら70%、正社員転換を伴う有期実習型訓練なら75%。2026年4月には45歳以上向けの中高年齢者実習型訓練も加わり、若手からベテランまで一貫して育成コストを抑えられる設計になりました。

一方で、講師要件、計画届の提出時期、経費の全額負担といった細かいルールがあり、令和8年度は経費助成の判定と不正受給の公表ルールが厳しくなっています。特に「実質無料」を謳う勧誘には注意が必要です。計画届は訓練開始日の1か月前が締切です。研修の内容が固まったら、早めに管轄の労働局へ相談してください。

リスキリングで使える補助金・助成金まとめ【2026年・令和8年】個人向け制度も紹介

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