玉掛け、足場の組立て、車両系建設機械の運転——現場に必要な資格は年々増える一方で、受講料と、受講させた日の給料の二重負担が重くのしかかります。技能継承を進めたくても後回しになっている、という中小建設事業主は少なくありません。
人材開発支援助成金の建設労働者技能実習コースは、その負担を直接軽くする制度です。雇用保険被保険者数20人以下の中小建設事業主なら、受講料などの経費を4分の3、さらに受講日1日あたり9,500円の賃金助成を受けられます。受講者が建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能者情報登録者であれば、賃金助成は1日10,450円に上がります。
令和8年4月8日付けで支給要領が改正され、同日以降に開始する技能実習から新しい取り扱いが適用されています。同日より前に開始した技能実習には、原則として改正前の取り扱いが適用されます。
本記事では、厚生労働省の支給要領(令和8年4月8日版)をもとに、経費助成・賃金助成・賃金向上助成の助成額、対象になる講習、申請手順、見落としやすい要件を整理して解説します。
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・建設労働者認定訓練コース
・【★本記事】建設労働者技能実習コース
・障害者職業能力開発コース
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この記事の目次
建設労働者技能実習コースとは?3つの助成の全体像
建設労働者技能実習コースは、建設労働者の技能の向上のための実習(技能実習)を実施した建設事業主等に対し、経費と賃金の一部を助成する制度です。厚生労働省が所管し、申請先は雇用保険の適用事業所ごとに、その所在地を管轄する都道府県労働局になります。
| 制度名 | 人材開発支援助成金「建設労働者技能実習コース」 |
|---|---|
| 所管 | 厚生労働省(申請先は都道府県労働局) |
| 対象事業主 | 中小建設事業主・中小建設事業主団体(女性建設労働者に係る技能実習の場合は中小以外の建設事業主・建設事業主団体も対象) |
| 対象労働者 | 雇用保険被保険者である建設労働者 |
| 助成の種類 | 経費助成/賃金助成/賃金向上助成・資格等手当助成 |
| 支給上限 | 3つの助成の合計で、1事業所(1事業主団体)につき1年度500万円 |
| 根拠 | 支給要領(令和8年4月8日版) |
3つの助成は、それぞれ支給対象と算定方法が異なります。
| 助成の種類 | 対象になるもの | 助成額の目安 | 1人あたりの上限 |
|---|---|---|---|
| 経費助成 | 受講料・テキスト代・指導員謝金など技能実習に要した経費 | 経費の20分の9〜5分の4(雇用保険被保険者数などで変動) | 1技能実習につき10万円 |
| 賃金助成 | 技能実習を受講した日の賃金 | 1日9,500円(21人以上は8,550円)/CCUS登録者は1日10,450円(同9,405円) | 1技能実習につき20日分 |
| 賃金向上助成・資格等手当助成 | 訓練後に賃金を5%以上引き上げた場合などの上乗せ | 経費助成分は20分の3/賃金助成分は1日2,000円(21人以上は1,750円) | 経費助成分は1技能実習につき2万円 |
3つの助成を合計した1年度あたりの支給上限は、1事業所につき500万円です。年度は支給申請日を基準に、4月1日から翌年3月31日までで判定されます。
対象になる「中小建設事業主」とは?
本コースの中小建設事業主とは、資本金または出資の総額が3億円以下、もしくは常時雇用する労働者数が300人以下の中小企業事業主であって、建設労働者を雇用して建設事業を行い、雇用保険に加入し、建設労働者の雇用の改善等に関する法律第5条第1項に定める雇用管理責任者を選任している事業主を指します。
雇用保険料率の区分によって、支給要領上は次の2つに分けられています。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| Aの建設事業主 | 「建設の事業」としての雇用保険料率が適用されている建設事業主 |
| Bの建設事業主 | 建設業法第3条第1項の建設業の許可を受けて建設業を営みながら、「一般の事業」または「農林水産清酒製造の事業」の雇用保険料率が適用されている建設事業主 |
兼業などの理由でBに区分されている場合も対象になりますが、経費助成では追加の要件があります。技能実習の受講者の3分の2以上がAの事業所に雇用される建設労働者等であること、かつBの中小建設事業主に雇用され勤務場所がAの事業所である建設労働者が1名以上受講することの2点をいずれも満たす必要があります。
対象にならない事業主・労働者は?
次に該当する場合は、助成金の支給対象になりません。
・同居の親族のみを使用して建設事業を行っている事業主
・雇用保険被保険者でない受講者
・日常の職場で業務に就かせたまま行う技能実習、営業活動の一環として行う技能実習
また、経費助成で算定対象となる建設労働者は、訓練期間を通して雇用保険の被保険者であり、かつ訓練の受講時間数が総訓練時間数の7割以上である人に限られます。
経費助成はいくらもらえる?助成率と上限額
経費助成の助成率は、技能実習の開始日時点における企業全体の雇用保険被保険者数と、受講者の年齢・性別、事業主か事業主団体かで決まります。最も高いのは被保険者数20人以下の中小建設事業主の4分の3です。
| 区分 | 助成率 |
|---|---|
| 雇用保険被保険者数20人以下の中小建設事業主 | 4分の3 |
| 雇用保険被保険者数21人以上の中小建設事業主が35歳未満の若年建設労働者に実施する場合 | 10分の7 |
| 雇用保険被保険者数21人以上の中小建設事業主が35歳以上の建設労働者に実施する場合 | 20分の9 |
| 女性建設労働者に技能実習を行う中小建設事業主以外の建設事業主 | 5分の3 |
| 中小建設事業主団体 | 5分の4 |
| 女性建設労働者に技能実習を行う中小建設事業主団体以外の建設事業主団体 | 3分の2 |
1つの技能実習について、建設労働者1人あたり10万円が上限です。なお、中小企業でない建設事業主は、女性建設労働者に係る技能実習を実施する場合に限り支給対象となります。この場合、経費を男女で分けることが困難なときは、経費総額を人数で按分して女性分のみを算出します。
対象になる技能実習の種類は?
助成対象になる技能実習の範囲は、支給要領で次の8種類に整理されています。
| ①建設工事における作業に直接関連する訓練科、技能の範囲、指導員免許職種および技能検定職種(別表4) |
| ②労働安全衛生法に基づく特別教育(別表5) |
| ③労働安全衛生法に基づく安全衛生教育(別表5-2) |
| ④労働安全衛生法に基づく教習および技能講習(別表6) |
| ⑤技能検定の事前講習(別表7の建設関連技能検定職種) |
| ⑥登録基幹技能者講習(更新講習を含む) |
| ⑦技能継承に係る指導者養成講習 |
| ⑧建設労働者認定訓練コースの助成を受けない認定訓練 |
このほか、建設業法第27条第1項の技術検定に関する講習で、受講開始日において教育訓練給付金の指定教育訓練であり、指定教育訓練実施者が実施する講座も対象になります。

出典:建設労働者技能実習コース 支給要領(令和8年4月8日版)
玉掛けや車両系建設機械の技能講習は自社で実施しても対象になる?
労働安全衛生法に基づく教習および技能講習(別表6)は、登録教習機関が実施する講座を受講させた場合に限り助成対象です。玉掛け技能講習、車両系建設機械(整地・運搬・積込用および掘削用)運転技能講習、高所作業車(10m以上)運転技能講習などがこれにあたり、自社で実施しても経費助成の対象にはなりません。
実施方法による対象・対象外の関係は、支給要領の表1に整理されています。要点は次のとおりです。
| 技能実習の内容 | 助成対象となる実施方法 |
|---|---|
| 建設工事に直接関連する実習、特別教育、安全衛生教育、技能検定の事前講習 | 自社実施、登録教習機関への委託・受講、登録基幹技能者講習実施機関、所属する中小建設事業主団体の実施分 |
| 労働安全衛生法に基づく教習および技能講習(別表6) | 登録教習機関の実施する講習を受講する場合のみ |
| 登録基幹技能者講習 | 登録基幹技能者講習実施機関の実施する講習を受講する場合のみ |
| 技能継承に係る指導者養成講習 | 職業訓練法人の実施する講習を受講する場合のみ |
対象になる講習の具体例
実務でよく利用される助成対象講習には、次のようなものがあります。
■玉掛け技能講習
■足場の組立て等作業主任者技能講習
■車両系建設機械(整地・運搬・積込用および掘削用)運転技能講習
■車両系建設機械(解体用)運転技能講習
■高所作業車(10m以上)運転技能講習
■地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習
■石綿作業主任者技能講習
■小型移動式クレーン(1t以上5t未満)運転技能講習
■ガス溶接技能講習
■フルハーネス型墜落制止用器具を用いた業務の特別教育
■足場の組立て等の作業に係る業務の特別教育
■小型車両系建設機械(整地・運搬・積込用および掘削用)の運転特別教育
■ローラーの運転特別教育
■ロープ高所作業に係る業務の特別教育
■アーク溶接の特別教育
■石綿等が使用されている建築物に係る業務の特別教育
特別教育については、別表5に定める教育時間(厚生労働省労働基準局長の通知により別に定められている場合を含む)を満たしていることが必要です。
訓練時間のルールは?1日1時間以上・合計10時間以上
技能実習の時間には、次のルールがあります。
| 1日の実習時間 | 1時間以上であること(通信制・eラーニングを除く)。学科試験・実技試験の時間も実習時間に含めます |
|---|---|
| 実習の1時間の数え方 | 1時間は60分。ただし45分以上60分未満の実習は1時間とみなして差し支えありません |
| 実技と学科の割合 | 割合は問いませんが、1時間以上は実技の時間を設け、合計10時間以上とすること |
| 合計時間 | 合計10時間以上(特別教育、安全衛生教育、教習・技能講習、登録基幹技能者講習を除く) |
| 実習の期間 | 6か月以内(技術検定に関する講習を除く) |
1日の実習時間が1時間以上であっても、訓練と直接関連のない開講式・閉講式やオリエンテーションのみの日は、助成の対象になりません。また、実技または実技試験の時間は通学制で行う必要があります。
助成対象になる経費・ならない経費は?
事業主が自ら技能実習を実施する場合と、外部の講習を受講させる場合で、対象経費が異なります。
| 自ら実施する場合 | 部外指導員への謝金(直接支払ったものに限る)、指導員旅費(交通費に限る)、技能実習場所の借上料、建設機材の借上料、教材費・消耗品代、一部を委託した場合の委託費 |
|---|---|
| 外部の講習を受講させる場合 | 所属する建設事業主団体等が実施する技能実習の受講料 |
指導員旅費は部外・部内を問わず対象ですが、グリーン料金、船賃の特1等、航空賃のファーストクラス・ビジネスクラスは対象外です。建設機械の借上料は対象になる一方、その運搬費は対象になりません。教科書は、算定対象者の数と指導員の数を合計した部数が上限です。なお、消費税相当額も支給対象経費に含まれます。
一方、次の経費は対象になりません。
・受講料等が、同じ機関の同内容の他の講座と比べて著しく高額に設定されている場合の当該経費
・助成金の対象者とそれ以外の者で異なる受講料が設定されている場合の、高い方との差額(安価な方が上限)
・受講する労働者から費用を徴収している場合(徴収額を差し引いて算定)
非対面で実施する場合は、受講管理システムで進捗を確認できるeラーニング、添削指導や質疑応答を伴う通信制、同時双方向型の通信訓練のいずれかであることが必要です。定額制サービスによる通信訓練、非対面で行う実技・修了試験は対象外で、教材を送付するだけで質疑応答等が行われないものも助成されません。
賃金助成はいくらもらえる?1日9,500円・CCUS登録で10,450円
賃金助成は、建設労働者に技能実習を受講させる中小建設事業主が対象です。技能実習を受講した日数に、次の金額を乗じた額が支給されます。
| 企業全体の雇用保険被保険者数 | 通常 | 受講者がCCUS技能者情報登録者の場合 |
|---|---|---|
| 20人以下 | 1日9,500円 | 1日10,450円 |
| 21人以上 | 1日8,550円 | 1日9,405円 |
建設キャリアアップシステムの技能者情報登録者であれば、賃金助成が10%上乗せされます。支給申請時点で登録申請中(登録未了)の人も助成対象で、登録申請書の写しなど申請中であることを証する書面を提出します。原則として、登録日が支給申請日以前であることが必要です。
賃金助成の対象になるのは、通学制または同時双方向型の通信訓練で、1日の訓練時間が3時間以上の訓練日のみです。2時間45分以上3時間未満の実習は3時間として扱えます。eラーニングと通信制は賃金助成の対象外ですが、要件を満たせば経費助成は受けられます。1つの技能実習について、1人につき20日分が限度です。
なお、登録教習機関等に委託して実施する場合は、当該機関により実際に通学したことが証明される日に限り助成対象となります。
休日や時間外に受講させた場合、賃金はいくら支払えばいい?
技能実習を受講させる日にも、所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金の額以上を支払うことが要件です。実施のタイミングによって、支払うべき賃金は次のように異なります。
| 所定内労働時間外かつ法定労働時間内 | 通常の賃金以上(就業規則等で割増が規定されている場合は割増後の額以上) |
|---|---|
| 法定労働時間外・深夜・所定労働日以外の休日 | 労働基準法に基づく割増後の賃金以上 |
| 技能実習の前後に年次有給休暇を取得させた場合 | 所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金額以上 |
見落としやすいのが年次有給休暇の扱いです。1つの技能実習で一部の期間でも年次有給休暇を使って受講させた場合、その技能実習の期間中のすべての日が支給対象外になります。実習日程と有給取得が重ならないよう、事前に確認してください。
また、最低賃金法第7条の規定により最低賃金の減額の特例を適用する場合は、通常の賃金を支払う中小建設事業主にあたらないものとして扱われます。
賃金向上助成・資格等手当助成とは?賃上げで上乗せ
賃金向上助成・資格等手当助成は、経費助成または賃金助成の支給決定を受けた建設事業主が、訓練後に賃上げを行った場合に上乗せされる助成です。次のいずれかの要件を満たす必要があります。
| 賃金要件 | 算定対象となるすべての建設労働者の毎月決まって支払われる賃金を、訓練終了日の翌日から起算して1年以内に5%以上増加させ、支払っていること |
|---|---|
| 資格等手当要件 | 資格等手当の支払について就業規則・労働協約または労働契約等に規定したうえで、訓練修了後の翌日から起算して1年以内に建設労働者に対して当該手当を支払い、賃金を3%以上増加させていること |
賃金の増加は、賃金改定後3か月間の賃金総額と改定前3か月間の賃金総額を比較して判断されます。合理的な理由なく賃金を引き下げたり、資格等手当の支払いをやめたりした場合は、要件を満たしたものと認められません。あわせて、訓練開始日の前日から起算して6か月前の日から支給申請書の提出日までの間に、事業主都合による離職者を発生させていないことも必要です。
支給額は次のとおりです。
| 区分 | 支給額・支給率 | 上限 |
|---|---|---|
| 経費助成の支給決定を受けている場合 | 経費助成の算定額の20分の3 | 1技能実習につき1人あたり2万円 |
| 賃金助成の支給決定を受けている場合(被保険者数20人以下) | 1日2,000円 | 1人につき20日分 |
| 賃金助成の支給決定を受けている場合(被保険者数21人以上) | 1日1,750円 | 1人につき20日分 |
実際いくらもらえる?支給額の計算例
雇用保険被保険者数20人以下の中小建設事業主が、対象となる技能講習を従業員1人に3日間受講させ、受講料・テキスト代として5万円を負担したケースで試算します。各日の訓練時間は3時間以上あり、賃金助成の要件を満たしているものとします。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 経費助成 | 50,000円×4分の3 | 37,500円 |
| 賃金助成 | 9,500円×3日 | 28,500円 |
| 合計 | 37,500円+28,500円 | 66,000円 |
受講者がCCUS技能者情報登録者であれば賃金助成は1日10,450円となり、3日分で31,350円、経費助成との合計は68,850円です。さらに訓練終了後1年以内に賃金を5%以上引き上げれば、賃金向上助成として経費助成分5,625円(37,500円×20分の3)と賃金助成分6,000円(2,000円×3日)が上乗せされます。
受講料の大部分に加えて実習期間中の賃金までカバーされるため、実質負担を大きく抑えられます。実際の助成額は、受講料、受講者の年齢や登録状況、講習時間、雇用保険被保険者数によって変わります。
建設労働者技能実習コースの申請手順と期限は?
申請は、計画届の提出から支給申請まで4ステップで進みます。
| 手順 | 内容と期限 |
|---|---|
| ①計画届の提出 | 技能実習を実施しようとする日の3か月前から原則1週間前までに「計画届」(建技様式第1号)を管轄労働局へ提出 |
| ②技能実習の実施 | 計画に沿って技能実習を実施 |
| ③支給申請書の提出 | 技能実習が終了した日の翌日から起算して2か月以内に「支給申請書」(建技様式第3号)と添付書類を提出 |
| ④助成金の支給 | 労働局での審査後、支給・不支給が決定 |
天災など事業主・労働者のいずれの責にも帰することができない理由で提出期間内に計画届を出せなかった場合は、理由を記した書面を添えて随時提出できます。ただしこの場合も、訓練開始日の前日までに提出する必要があります。
計画届が不要になるケースは?
登録教習機関、登録基幹技能者講習実施機関、職業訓練法人または指定教育訓練実施者が実施する技能実習を受講させる場合、計画届の提出は不要です。外部の登録教習機関で玉掛け技能講習を受講させるようなケースは、支給申請だけで完結します。
ただし、1つの技能実習に「委託して実施する部分」と「事業主自ら実施する部分」の両方がある場合(アーク溶接特別教育など)は、計画届の提出が必要です。
計画の内容を変更する場合は?
実習内容、実施日、講習実施機関名(主催者名)、実施場所に変更が生じた場合は、変更届(建技様式第2号)の提出が必要です。提出期限は、原則として当初計画していた訓練実施日か変更後の訓練実施日のいずれか早い方の前日までです。4月5日の訓練を4月10日に変更するなら4月4日まで、4月3日に前倒しするなら4月2日までとなります。
支給申請の期限で注意すべき点は?
支給申請は、技能実習が終了した日の翌日から起算して2か月以内が原則です。ただし、技能実習の期間に係る賃金の支払日から申請期限まで2週間に満たない場合は、その賃金支払日から2週間以内が申請期限になります。給与の締め日と支払日の関係によっては期限が前倒しになるため、注意が必要です。
賃金向上助成・資格等手当助成は、経費助成・賃金助成とは別に申請します。算定対象となるすべての建設労働者に対して、要件を満たす賃金または資格等手当を支払った日(3か月目の支払日)の翌日から起算して5か月以内が申請期限です。
なお、令和8年4月8日より前に技能実習を開始した場合は、原則として改正前の支給要領が適用されます。申請様式は建設事業主等に対する助成金申請様式ダウンロードから入手できます。
建設労働者技能実習コースに関するよくある質問
最後に、建設労働者技能実習コースに関するよくある質問を紹介します。外部の登録教習機関の講習を受講させる場合も、計画届は必要?
登録教習機関、登録基幹技能者講習実施機関、職業訓練法人または指定教育訓練実施者に委託して実施する場合、計画届の提出は不要です。技能実習が終了した日の翌日から起算して2か月以内に支給申請を行います。ただし、1つの技能実習に委託部分と自社実施部分の両方がある場合(アーク溶接特別教育など)は計画届が必要です。
玉掛け技能講習を自社で実施した場合も経費助成の対象になる?
対象になりません。労働安全衛生法に基づく教習および技能講習(支給要領別表6)は、登録教習機関が実施する講座を受講させた場合に限り助成対象です。玉掛け技能講習のほか、車両系建設機械運転技能講習、高所作業車運転技能講習、小型移動式クレーン運転技能講習なども同様の扱いになります。一方、特別教育や技能検定の事前講習は、自社で実施した場合も対象になります。
一人親方は建設労働者技能実習コースの対象になる?
対象になりません。建設労働者を雇用せずに自ら建設業を行う一人親方は、建設労働者の雇用の改善等に関する法律第2条第5項に規定する事業主に該当しないためです。同居の親族のみを使用して建設事業を行っている事業主も同じ理由で対象外です。受講者は雇用保険被保険者である必要があります。
休日に実施する技能実習を受講させた場合、支払うべき賃金は受講時間分だけでいい?
受講時間分の賃金を支払えば助成対象とすることができますが、所定労働日以外の休日に技能実習を受けさせた場合は、労働基準法に定める割増賃金を支払う必要があります。法定労働時間外や深夜に実施した場合も同様です。所定内労働時間外かつ法定労働時間内の場合は、通常の賃金以上(就業規則等で割増が規定されていればその額以上)を支払います。
受講者に年次有給休暇を取得させて技能実習を受けさせても対象になる?
1つの技能実習において一部の期間でも年次有給休暇を使って受講させる場合、その技能実習の期間中のすべての日が支給対象になりません。なお、技能実習の前後に時間単位の年次有給休暇を取得して受講させた場合は、所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金額以上を支払っていることが要件です。日程を組む段階で確認しておくことをおすすめします。
修了試験に合格できず修了証が発行されなかった場合は助成対象になる?
助成対象とすることができます。算定対象となる建設労働者は、雇用保険被保険者である建設労働者であって、実際に訓練を受けた時間数が総訓練時間数の7割以上の者とされているため、修了証が発行されなかった場合も対象になります。
対象労働者が修了試験で不合格となった場合、追加で発生した費用は助成対象になる?
事業主の責めによらない事情で不合格となった場合は、補習や再受験に要する費用も助成対象とすることができます。当初計画届を提出していた場合は、不合格が判明次第、補習等の開始日の前日までに変更届を提出する必要があります。不合格の翌日に補習が設定された場合など事前提出が困難なときは、補習後に速やかに変更届を提出してください。
建設キャリアアップシステムに登録申請中でも1日10,450円の賃金助成を受けられる?
受けられます。支給申請時点で登録申請を行っているものの登録が未了の人も助成の対象です。この場合、登録申請書の写しなど申請中であることを証する書面を提出します。登録済みの場合は、建設キャリアアップシステムから出力される技能者情報に係る書面や建設キャリアアップカードの写しを添付します。原則として、技能者情報に登録した日が支給申請日以前であることが必要です。
都道府県の職業能力開発施設の訓練を受講させた場合、受講料は経費助成の対象になる?
対象になりません。都道府県の職業能力開発施設および独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の職業能力開発施設が実施している訓練等の受講料・教科書代等は、支給対象費用から除かれています。また、受講料が同じ機関の同内容の他の講座と比べて著しく高額に設定されている場合も、その経費は支給対象になりません。
eラーニングで技能実習を受講させた場合、賃金助成は受けられる?
受けられません。賃金助成の対象は通学制または同時双方向型の通信訓練で、1日の訓練時間が3時間以上の訓練日に限られます。eラーニングと通信制は経費助成のみの対象です。また、定額制サービスによる通信訓練や、非対面で実施する実技・修了試験は経費助成の対象にもなりません。eラーニング・通信制で実施した場合は、支給申請時に修了証の提出が必要です。
まとめ
建設労働者技能実習コースは、玉掛けや足場の組立て、車両系建設機械の運転といった現場に不可欠な講習を、経費と賃金の両面から支える制度です。雇用保険被保険者数20人以下の中小建設事業主なら経費の4分の3、賃金助成は1日9,500円、CCUS技能者情報登録者なら1日10,450円。訓練後に賃金を5%以上引き上げれば、賃金向上助成としてさらに上乗せされます。
一方で、技能講習は登録教習機関で受講させなければ経費助成の対象にならない、年次有給休暇を一部でも使うと期間中の全日が対象外になるなど、実務で引っかかりやすい要件があります。計画届の提出期限は実施予定日の原則1週間前です。受講計画が固まったら、早めに管轄の都道府県労働局へ相談してください。
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