人材確保等支援助成金の「建設キャリアアップシステム等活用促進コース」は、若年者等の建設業への入職・定着の促進や、魅力ある労働環境づくりに向けた基盤整備等に取り組む建設事業者を助成する制度です。
本制度では、建設キャリアアップシステムの活用と賃上げにより、労働環境の改善と建設技能者のキャリア構築支援を図ります。今回は人材確保等支援助成金「建設キャリアアップシステム等活用促進コース」の概要や申請方法をまとめました。
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この記事の目次
建設キャリアアップシステム等活用促進コースについて
本コースは、建設技能者の処遇改善やキャリアパスの明確化を図るための制度です。建設キャリアアップシステム等を活用した雇用管理改善に取り組む中小建設事業主や、建設キャリアアップシステム等の普及促進に取り組む建設事業主団体に対して助成を行います。
「雇用管理改善促進事業」では、雇用する全ての建設技能者を建設キャリアアップシステムに技能者登録し、レベル判定でレベルが上がった者の賃金を5%以上増加させた場合が対象です。建設キャリアアップシステム等活用促進コースの概要を紹介します。
対象となる事業者
本コースには「雇用管理改善促進事業」「普及促進事業」の2区分があり、それぞれ対象となる事業者が異なります。
| 区分 | 対象者 | 対象となる取組 |
|---|---|---|
| 雇用管理改善促進事業 | 中小建設事業主 | 建設キャリアアップシステム等を活用した雇用管理改善に関する取組 |
| 普及促進事業 | 建設事業主団体 | 建設キャリアアップシステム等の普及促進に関する取組 |
中小建設事業主の場合、雇用管理責任者を選任しており、同時に以下のいずれかの要件を満たしている必要があります。
・国土交通大臣又は都道府県知事から建設業の許可を受けて建設業を営む者で、「一般の事業」又は「農林水産清酒製造の事業」としての雇用保険料率が適用されている
また、建設事業主団体の場合、以下の要件を満たしている必要があります。
①構成員のうちに占める建設事業主の割合が50%以上
②構成員となっている建設事業主のうち、雇用保険の適用事業所となっている建設事業主が全体の50%以上
③以下のいずれにも該当すること
・団体の目的、組織、運営及び事業内容を明らかにする規約、規則等を有すること
・代表者が置かれているほか、事務を行うのに必要な体制が整備されていること
・会計経理の独立性が担保されていること
それぞれの区分の要件は、以下のとおりです。
雇用管理改善促進事業
雇用管理改善促進事業は、CCUS等を活用して建設技能者のキャリアパスを明確化し、技能や経験を客観的に評価したうえで、処遇改善につなげる取組を支援する事業です。助成を受ける場合、以下の要件を満たす必要があります。
■本事業の開始日の前日6か月前から申請までの間に、雇用する雇用保険被保険者を事業主都合により離職させていない
■賃金が、昇格評定を受けた日以降に5%以上増加している
ただし、賃金増額後に合理的な理由なく賃金や諸手当等の額を引き下げた場合には、5%の賃上げとして認められません。なお、一人親方や同居の親族のみを使用して建設事業を行っている場合は、支給対象外です。
普及促進事業
普及促進事業は、建設キャリアアップシステムの普及を進める事業主団体を支援する事業です。事業主団体が構成員等に対し、建設キャリアアップシステム等の登録に要する費用の全額または一部を補助する場合に対象となります。
主に以下のいずれかに該当する建設事業主団体が対象となります。
・全国団体
・地域団体
・協同組合連合会
・商工組合および商工組合連合会
・一般社団法人または一般財団法人
・その他事業を的確に遂行できると認められる団体
いずれも規定の条件を満たしたものであることが必要です。また事業の円滑な推進を図るため、事業推進委員会および事業推進員を設置してください。
対象となる「建設キャリアアップシステム等」について
本コースで対象となる「建設キャリアアップシステム等」とは、以下の3つを指します。
| ■建設キャリアアップシステム(CCUS) |
|---|
| 一般財団法人建設業振興基金が提供するサービスで、当該サービスを利用する工事現場における建設工事の施工に従事する者や建設業を営む者に関する情報を登録・蓄積し、これらの情報について当該サービスを利用する者の利用に供するもの |
| ■建設技能者の能力評価制度(能力評価) |
| CCUSに登録・蓄積される情報を用いて、建設技能者の技能や経験を四段階で評価すること |
| ■専門工事企業の施工能力等の見える化評価制度(見える化評価) |
| CCUSに登録・蓄積される情報を用いて、専門工事企業の施工能力、基礎情報およびコンプライアンスのそれぞれを、四段階で評価すること |
雇用管理改善促進事業の場合、以下の雇用する全ての建設技能者を、「建設キャリアアップシステム(CCUS)」に技能者登録することが求められます。また、「能力評価」と「見える化評価」は、いずれも国土交通大臣の認定を受けた基準で評価される必要があります。
支給額
支給額は、それぞれ以下のとおりです。
【雇用管理改善促進事業】
雇用管理改善促進事業では、対象となる建設技能者の数ごとに助成金が支給されます。
| 支給額 | 対象となる建設技能者の数×16万円 |
|---|---|
| 上限額 | 一事業年度あたり160万円 |
なお、「対象となる建設技能者」とは、レベル判定で昇格評定を受け、賃金が5%以上増加した技能者を差します。
【普及促進事業】
普及促進事業では経費の区分ごとに、算出方法が定められており、それぞれの経費の合計の2/3(中小建設事業主団体以外は1/2)が支給額です。上限額については、以下のとおりです。
| 全国団体 | 3,000万円 |
|---|---|
| 都道府県団体 | 2,000万円 |
| 地域団体 | 1,000万円 |
建設キャリアアップシステム等活用促進コースの申請手続きの流れ
申請には、事前に計画届と支給申請書の提出が必要です。手続きの大まかな流れは、以下のとおりです。

出典:厚生労働省
| ①計画届の提出 | 賃上げする月の6か月前から2か月前までに提出 |
| ②技能者登録 | 雇用する全ての技能者の、技能者登録を完了する |
| ③昇格の評定 | 能力評価制度のレベル判定を行い、レベルを上げる |
| ④賃金の改定 | レベルが上がった技能者の賃金を5%以上増加させて支給 |
| ⑤賃金の比較 | 12か月間の賃金を比較し、5%以上増加していることを確認 |
| ⑥支給申請・支給 | 取組終了後に支給申請書を提出 |
なお「技能者登録」や「昇格の評定」が、「計画届の提出」より前に行われた場合でも、助成の対象になります。
建設キャリアアップシステム等活用促進コースのよくある質問
ここでは人材確保等支援助成金(建設キャリアアップシステム等活用促進コース)に関するよくある質問と回答をまとめました。建設キャリアアップシステムって何?
建設技能者の保有資格や社会保険加入状況、就業履歴などを蓄積していく仕組みのことです。能力・経験等に応じた適切な処遇改善につなげることを目的にしています。
技能者登録って何?
「簡略型登録」と「詳細型登録」があり、それぞれ以下の違いがあります。■簡略型登録:就業履歴の蓄積、建退共の掛金充当、社会保険加入の確認のみ可能。レベル判定は不可■詳細型登録:簡略型登録で活用できる項目のほか、レベル判定が可能助成金を利用するためには、詳細型登録を行ってください。
同一事業主団体が複数年にわたって事業を計画することはできる?
普及促進事業の事業実施期間は最大1年間です。複数年にわたる場合には、当初の事業開始から1年が経過した後に、再び計画届を提出する必要があります。
ただし、ひとつの中小構成員等を対象にした計画の認定は1回限りです。
出典:建設キャリアアップシステム等活用促進コース助成金(人材確保等支援助成金) の運用等に関するQ&A
まとめ
人材確保等支援助成金(建設キャリアアップシステム等活用促進コース)は、建設キャリアアップシステム等を活用した雇用管理改善を支援する助成金制度です。中小建設事業主が雇用する全ての建設技能者を建設キャリアアップシステムに詳細型登録し、能力評価制度のレベル判定で昇格した技能者の賃金を5%以上増加させた場合、対象技能者1人につき16万円が支給されます。
建設技能者の処遇改善とキャリアパスの明確化を進めたい中小建設事業主は、活用できるかどうかを確認しておくとよいでしょう。
あわせて読みたい:人材確保等支援助成金2026 全コースの助成内容を解説
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