人材確保等支援助成金の「若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)」は、若い人や女性が働きやすく、長く続けられる職場づくりに取り組む建設事業者を支援する制度です。技術研修や体験学習のほか、キャリアパスの作成、就労前の準備から長く働くための環境整備まで、幅広い事業が助成対象となります。
今回は、若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)の概要や対象事業、支給額、申請手続きを解説します。
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・【★本記事】若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)
・作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)
・外国人労働者就労環境整備助成コース
・テレワークコース
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この記事の目次
若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)とは?
本コースは、人手不足が深刻化する建設業において、若年者や女性の入職・定着促進に向けて建設業の魅力向上のための取組を行う事業主を支援する制度です。事前に計画を提出し、計画に沿って講習会等の若年者や女性の入職・定着を図るための取組を行うものが対象となります。
具体的には「事業主経費等助成」「事業主団体経費助成」「推進活動経費助成」「賃金向上助成」以下の4つの区分があり、それぞれの対象者や内容は以下のとおりです。
| 区分 | 助成率・支給額 | 内容 | 対象者 |
|---|---|---|---|
| 事業主経費等助成 | 中小:経費の3/5 中小以外:経費の9/20 *上限200万円 | ・啓発活動(インターンシップ等) ・技能向上研修 ・安全管理の普及 ・女性の定着促進事業 等 | 建設事業主 |
| 事業主団体経費助成 | 中小団体:経費の2/3 中小以外:経費の1/2 *上限 全国:3,000万円 都道府県:2,000万円 地域:1,000万円 | ・雇用管理改善のための調査入職・定着事業(合同説明会、広報活動、表彰制度の普及等) | 建設事業主団体 |
| 推進活動経費助成 | 実施費用の2/3 *上限4,500万円〜1億500万円 | ・職業訓練の広報・啓発、調査研究 ・技能照査、建設事業主への指導・援助 等 | 職業訓練法人 |
| 賃金向上助成 | 上記「事業主経費等助成」の決定を受け、全建設労働者の賃金を1年以内に5%以上増加させること | ・事業主経費等助成で算定された額の3/20(上乗せ支給) | 建設事業主 |
事業実施期間は最大1年間です。
その他、若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)の概要をまとめました。
対象事業者
支給の対象となる事業主は、以下のいずれかです。
■中小建設事業主
■建設事業主団体
■中小建設事業主団体
■要件を満たした以下のもの
・協同組合連合会
・商工組合および商工組合連合会
・職業訓練法人
・一般社団法人または一般財団法人
・その他事業を的確に遂行できると認められる団体
ただし一人親方および同居の親族のみを使用して建設事業を行っている者は、支給対象とはなりません。
主な要件
支給対象となるには、雇用管理責任者を選出する必要があります。
そのほか、「事業主経費等助成」では以下の要件が設けられています。
■1日の研修の時間は、3時間以上とすること
■研修を受ける者の数が事業計画期間中において延べ10人以上であること
■研修の内容に関して、指定のテーマ等から選択されていること
また、労働者から費用を徴収するものでないことも要件のひとつです。
なお「賃金向上助成」を受けるには、さらに以下の要件を満たす必要があります。
なお、かつて設けられていた生産性向上要件による助成額の加算制度は現在は廃止されていますが、令和4年度までに計画届を提出した事業については経過措置が設けられています。経過措置の対象となるためには、3年前に比べて、生産性が以下のいずれかの状態になっていることが求められます。
・1%以上(6%未満)伸びている
いずれも算定の対象となった期間中に、事業主都合による離職者を発生させていないことが必要です。併せて、金融機関から一定の「事業性評価」を得ていることも必要になります。
対象となる事業
対象となる事業は種類ごとに異なりますが、「事業主経費等助成」では以下のように決められています。
| ■建設業の役割や魅力を伝えるための事業 |
|---|
| ・講習会 ・加工技術等の体験会 ・現場見学会 ・体験学習 ・インターンシップ 等 |
| ■従業員の技能向上のための事業 |
| ・新規入職者への研修会 ・従業員への公的資格の取得に関する講習会 等 |
| ■労働災害予防等のための事業 |
| ・安全衛生管理計画の作成 ・工事現場の巡回 ・期間雇用労働者の健康診断 等 |
| ■技能向上や雇用改善の取組を奨励する事業 |
| ・優良な技術者・技能者の表彰制度 ・雇用改善について優れた取組を行う者への表彰制度 |
| ■雇用管理に関する知識の習得のための事業 |
| ・雇用管理研修や職長研修の実施・受講 |
| ■女性の入職・定着促進のための事業 |
| ・女性向けのキャリアパスの作成 ・男性の育児休業取得促進の取組 等 |
建設業での就労を希望する若年者や女性のためのスキルアップ支援や、働きやすくなる環境整備が求められます。
支給額
支給額は事業の種類ごとに異なりますが、一例として「事業主経費等助成」では以下のように助成率が定められています。
■中小建設事業主
3/5
■中小でない建設事業主の場合
9/20
■雇用管理研修等を受講させた場合
労働者1人につき、研修を受けた日数×8,550円(最大6日分)
また賃金要件を満たした場合は、支給対象費用の3/20が加算されます。ただし上限は、あわせて200万円です。
若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)の対象経費
対象となる経費は、以下のとおりです。
■賃金
■旅費
■バス等借上料
■印刷製本費
■施設借上費
■教材費
■厚生経費
■通信運搬費
■会議費
■受講参加料
■傷害保険料
その他、必要と認められる経費が対象です。
若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)の申請手続きの流れ
申請手続きの流れは、以下のとおりです。
| 手順 | 詳細 |
|---|---|
| ①計画届の提出 | 事業を実施しようとする日の原則2か月前までに「計画届」と添付書類を提出 |
| ②事業の実施 | 事業を実施する |
| ③支給申請書の提出 | 事業終了後、定められた期限までに「支給申請書」と添付書類を提出 |
支給申請書の提出期限は、事業終了月ごとに異なるためご注意ください。
| 事業終了月 | 支給申請書提出期限 |
|---|---|
| 4月、5月、6月 | 7月1日~8月末日まで |
| 7月、8月、9月 | 10月1日~11月末日まで |
| 10月、11月、12月 | 翌1月1日~2月末日まで |
| 1月、2月、3月 | 3月1日~5月末日まで |
計画届は、事業開始の2か月前までに提出が必要です。また支給申請書には提出期限があります。必ず期限を確認し、期限内に提出してください。
必要な書類
事前計画の届け出に必要な書類は、以下のとおりです。
■事業計画内訳書
■共催する場合は、事業計画書
計画変更時には別途書類提出が必要です。
また支給申請時に必要な主な書類は、以下のとおりです。
■事業報告書
■支給対象費用別の内訳のわかる所要費用の領収書
■その他
健康診断や研修等を実施した場合、賃金要件を満たした場合には、別途書類が必要になります。
若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)のよくある質問
厚生労働省は、若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)のよくある質問と回答を公表しています。ここではそのうち、主なものをいくつかまとめました。雇用管理責任者は、どのような人を選べば良い?
特に資格は必要ではありませんが、建設労働者の雇用管理について責任を持つという雇用管理責任者の性格から、事業所内において一定程度の地位にある者であって、雇用管理に関する相当の実務経験を有する者を、建設事業を行う事業場ごとに選任してください。
小・中学生等を対象とした講習会や体験学習も助成対象?
小・中学生等を必ずしも事業対象から除外するものではありませんが、本助成金は、雇用保険の被保険者、被保険者であった者や被保険者になろうとする者の雇用安定事業として実施しています。高校生以上を主な対象としてください。
団体で設置している既存の委員会等を事業推進委員会にしていい?
団体で設置している既存の委員会等を事業推進委員会として位置づけることは可能ですが、事業推進委員会の設置要件や実施回数を満たし、かつ年間事業計画の策定、効果検証等が当委員会で議論されることが必要です。
まとめ
若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)は、建設業における若年者や女性の入職・定着を促進するための助成金制度です。事業主経費等助成、事業主団体経費助成、推進活動経費助成、賃金向上助成の4つのコースがあり、建設業の魅力を伝える講習会、技能向上研修、女性向けキャリアパス作成といった幅広い取り組みが対象となります。
建設業では需要の高まりに対し、人材不足が深刻化しています。若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)をはじめとする支援を上手に活用し、建設業への就業を希望する人が働きやすい環境を整えていきましょう。
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