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人材確保等支援助成金 若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)について

公開日:2026/1/20 更新日:2026/6/23
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人手不足、採用難、せっかく採った若手がすぐ辞めてしまう——建設業の現場では、こうした悩みが年々深刻になっています。国土交通省の調査によれば、建設業就業者の約3人に1人が55歳以上、29歳以下は1割程度にとどまっており、若年・女性人材の確保は業界全体の課題です。

そこで活用したいのが、人材確保等支援助成金の「若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)」です。若い人や女性が「ここで長く働きたい」と思える職場づくりに取り組む建設事業者を、国が費用面でサポートしてくれる制度で、令和8(2026)年4月の改正で定着助成(1人42万円)が新設され5区分体制になりました。

現場見学会や技術研修の開催費用、女性向けキャリアパスの作成など、幅広い取り組みが助成対象です。今回は本コースの概要、対象事業、支給額、申請手続きを2026年最新情報をもとに解説します。

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この記事の目次

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人材確保等支援助成金とは?2026年度の概要と7つのコース一覧

人材確保等支援助成金は、事業主や事業主団体が雇用管理改善や人材の確保・定着に向けた取り組みを行った際に、その費用の一部を支援する厚生労働省の助成金です。令和8(2026)年度も全7コースが継続実施されており、業種・対象者ごとに使い分けができます。

建設業向けには3つのコース(本コース、建設キャリアアップシステム等活用促進コース、作業員宿舎等設置助成コース)が用意されており、それぞれ目的や対象が異なります。

人材確保等支援助成金の7つのコース一覧

2026年度に実施されている7コースの概要は次のとおりです。

コース名主な対象主な助成額の目安
雇用管理制度・雇用環境整備助成コース全業種の中小企業最大287.5万円
中小企業団体助成コース事業協同組合等の事業主団体最大1,000万円
建設キャリアアップシステム等活用促進コース中小建設事業主年度あたり最大160万円
若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)(本記事)建設事業主・建設事業主団体・職業訓練法人事業主向けは上限200万円ほか
作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)建設業経費の2/3等
外国人労働者就労環境整備助成コース外国人を雇用する事業主最大80万円
テレワークコース全業種最大200万円

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人材確保等支援助成金2026 全コースの助成内容を解説

若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)とは?

本コースは、人手不足が深刻化する建設業で、若年者や女性の入職・定着促進に向けた取り組みを行う事業主等を支援する制度です。事前に計画を提出し、計画に沿って講習会等の若年者や女性の入職・定着を図るための取り組みを行うことで助成金が支給されます。

2026年度(令和8年度)の主な変更点

2026年4月の改正で、本コースは大きく3つのポイントが変わりました。特に「定着助成」の新設は、採用した新規入職者の早期離職を防ぐ取り組みを評価する仕組みとして注目されています。

① 定着助成の新設
魅力発信から教育訓練まで一体的に取り組み、採用した新規入職者が6か月定着すると、1人あたり42万円が上乗せ支給されます。

② 研修受講の支給単価引き上げ
雇用管理研修等を受講させた場合の支給額が、1人1日あたり8,550円から9,500円に増額されました。

③ コース区分が4区分から5区分に
従来の「事業主経費等助成」「事業主団体経費助成」「推進活動経費助成」「賃金向上助成」の4区分に、「定着助成」が加わり5区分体制となりました。

若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)はいくらもらえる?5区分の支給額一覧

本コースは「事業主経費等助成」「事業主団体経費助成」「推進活動経費助成」「賃金向上助成」「定着助成」の5区分に分かれており、それぞれ対象者・支給額が異なります。事業実施期間は最大1年間です。

区分対象者助成率・支給額主な内容
事業主経費等助成建設事業主中小:経費の3/5/中小以外:経費の9/20(上限200万円)啓発活動(インターンシップ等)、技能向上研修、安全管理の普及、女性の定着促進事業 など
事業主団体経費助成建設事業主団体中小団体:経費の2/3/中小以外:経費の1/2(全国3,000万円/都道府県2,000万円/地域1,000万円)雇用管理改善のための調査、合同説明会、広報活動、表彰制度の普及 など
推進活動経費助成職業訓練法人実施費用の2/3(上限4,500万円〜1億500万円)職業訓練の広報・啓発、調査研究、技能照査、建設事業主への指導・援助 など
賃金向上助成建設事業主事業主経費等助成で算定された額の3/20(上限200万円・事業主経費等助成等との合計)全建設労働者の賃金を1年以内に5%以上増加させる取り組み
定着助成(2026年4月新設)建設事業主1人あたり42万円(上限126万円・年度あたり3名まで)魅力発信から育成・定着までの一体的事業で採用した新規入職者が6か月定着した場合

事業主経費等助成(中小事業主は経費の3/5・上限200万円)

事業主経費等助成は、中小建設事業主が対象経費の3/5、中小以外は9/20を受け取れる柱となる助成です。「建設の事業」としての雇用保険料率が適用されている建設事業主が対象となります。

対象となる事業は次のとおりです。

・建設業の役割や魅力を伝える事業(講習会、現場見学会、体験学習、インターンシップ等)
・従業員の技能向上のための事業(新規入職者への研修会、公的資格取得に関する講習会等)
・労働災害予防等のための事業(安全衛生管理計画の作成、工事現場の巡回、期間雇用労働者の健康診断等)
・技能向上や雇用改善の取組を奨励する事業(優良な技術者・技能者への表彰制度等)
・雇用管理研修・職長研修の実施・受講
・女性の入職・定着促進のための事業(女性向けキャリアパスの作成、男性の育児休業取得促進の取組等)
・魅力発信から入職後の育成・定着まで一体的に行う事業(定着助成の申請にはこの事業の実施が必要)

支給額の詳細は次のとおりです。

区分支給額
中小建設事業主対象経費の3/5(60%)
中小でない建設事業主対象経費の9/20(45%)
雇用管理研修等を受講させた場合労働者1人につき研修を受けた日数×9,500円(最大6日分)

上限は事業所あたり年度200万円(賃金向上助成・定着助成との合計)です。

賃金向上助成(事業主経費等助成の3/20を上乗せ)

賃金向上助成は、事業主経費等助成の支給決定を受けた建設事業主が、全建設労働者の賃金を1年以内に5%以上増加させた場合に、事業主経費等助成で算定された額の3/20が追加支給される制度です。

上限は事業主経費等助成・定着助成との合計で年度200万円となります。

定着助成(1人42万円・2026年4月新設)

定着助成は、魅力発信から育成・定着までの一体的事業を通じて採用した新規入職者が、雇い入れ日から6か月以内に離職しなかった場合に、1人あたり42万円が支給される新設区分です。

事業主経費等助成(一体的事業)の支給決定を受けている建設事業主が対象で、上限は年度あたり3名・126万円(事業主経費等助成・賃金向上助成との合計で200万円)です。

事業主団体経費助成(中小団体は経費の2/3・最大3,000万円)

事業主団体経費助成は、建設事業主団体が傘下企業を対象に若年者や女性の入職・定着支援を行う場合に、中小団体は経費の2/3、それ以外は1/2が助成される制度です。

対象事業の例は次のとおりです。

・雇用管理改善のための調査・事業計画の策定
・建設業の魅力を伝えるための啓発活動(合同説明会、広報活動等)
・技能向上のための事業(研修会、視聴覚教材の作成等)
・評価・処遇制度の普及、キャリアパスのモデル作成等
・労働安全管理の普及、健康づくり制度の普及
・雇用改善の取組についての表彰制度
・雇用管理研修・職長研修の実施
・女性の入職・定着促進のための事業

支給上限額は団体の規模により異なります。

団体の種類助成率支給上限額
中小建設事業主団体対象経費の2/3全国団体:3,000万円/都道府県団体:2,000万円/地域団体:1,000万円
中小でない建設事業主団体対象経費の1/2全国団体:3,000万円/都道府県団体:2,000万円/地域団体:1,000万円

推進活動経費助成(職業訓練法人向け・最大1億500万円)

推進活動経費助成は、建設工事における作業に係る職業訓練を実施する職業訓練法人を対象とし、対象経費の2/3が支給される制度です。

対象事業は次のとおりです。

・職業訓練の広報・啓発・情報提供
・職業訓練に関する調査・研究
・技能照査の実施
・建設事業主・建設事業主団体への指導・援助
・職業訓練施設の利用促進

支給上限額は年間訓練人日数(受講者数×訓練日数)の規模で決まります。

規模(年間訓練人日数)支給上限額
50,000人日以上1億500万円
40,000人日以上50,000人日未満9,000万円
30,000人日以上40,000人日未満7,500万円
20,000人日以上30,000人日未満6,000万円
20,000人日未満4,500万円

主な要件は?雇用管理責任者の選任が前提

本コースの支給対象となるには、雇用管理責任者の選任が前提です。建設事業を行う事業場ごとに、雇用管理に関する相当の実務経験を有する者を選任する必要があります。

「事業主経費等助成」では、上記に加え以下の要件が設けられています。

■研修の時間が、雇用管理研修については6時間以上、職長研修については18時間以上であること
■1日の研修の時間は、3時間以上とすること
■研修を受ける者の数が、事業計画期間中において延べ10人以上であること
■研修の内容に関して、指定のテーマ等から選択されていること

労働者から費用を徴収するものでないことも要件のひとつです。なお「賃金向上助成」「定着助成」を申請する場合は、それぞれ追加要件があります。

賃金向上助成の追加要件
■賃金を1年以内に5%以上増加させ、算定対象となる建設労働者に支払うこと

定着助成の追加要件
■事業主経費等助成(魅力発信から育成・定着までの一体的事業)の支給決定を受けていること
■採用した対象者が、雇い入れた日から起算して6か月以内に離職していないこと

対象となる経費

本コースで対象となる経費は、講師謝金、コンサルティング料、賃金、旅費など幅広く認められています。

■講師謝金
■コンサルティング料
■賃金
■旅費
■バス等借上料
■印刷製本費
■施設借上費
■機械器具等借上料
■教材費
■厚生経費
■通信運搬費
■会議費
■受講参加料
■傷害保険料

その他、必要と認められる経費も対象になります。

若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)の申請手続きの流れ

申請は計画届の提出→事業の実施→支給申請書の提出の3ステップで進みます。定着助成を申請する場合は、対象者の雇い入れ日から6か月経過後に追加の申請が必要です。

手順詳細
①計画届の提出事業を実施しようとする日の原則2か月前までに「計画届」と添付書類を提出
②事業の実施計画に沿って事業を実施
③支給申請書の提出(事業主経費等助成)事業終了後、定められた期限までに「支給申請書」と添付書類を提出
④支給申請書の提出(定着助成)対象者の雇い入れ日から6か月経過後、定められた期限までに「支給申請書」と添付書類を提出(定着助成を申請する場合のみ)

支給申請書の提出期限は、事業終了月ごとに異なります。

事業終了月支給申請書提出期限
4月、5月、6月7月1日〜8月末日まで
7月、8月、9月10月1日〜11月末日まで
10月、11月、12月翌1月1日〜2月末日まで
1月、2月、3月3月1日〜5月末日まで

計画届は事業開始の2か月前まで、支給申請書も上記期限内の提出が必要です。

申請に必要な書類

事前計画の届け出に必要な書類は、以下のとおりです。

■人材確保等支援助成金(若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)(事業主経費等助成))計画届
■事業計画内訳書
■共催する場合は、事業計画書

計画変更時には別途書類提出が必要です。また支給申請時に必要な主な書類は次のとおりです。

■人材確保等支援助成金(若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)(事業主経費等助成))支給申請書
■事業報告書
■支給対象費用別の内訳のわかる所要費用の領収書
■その他

定着助成を申請する場合は、雇い入れ後6か月間の出勤簿(写し)またはタイムカード(写し)、賃金台帳(写し)も追加で必要となります。

申請でつまずきやすい3つのポイント

本コースは「計画届の提出時期」「研修時間・人数要件」「定着助成の追加申請タイミング」の3点で不備が起きやすい制度です。事前に整理しておきましょう。

① 計画届の「2か月前」を逃して申請できない
計画届は事業実施日の原則2か月前までに提出する必要があります。「研修を実施してから申請」では要件を満たせないため、事業計画段階から逆算したスケジュール設計が不可欠です。

② 研修時間・受講人数の要件を満たしていない
事業主経費等助成では、雇用管理研修6時間以上・職長研修18時間以上、1日3時間以上、事業計画期間中の延べ10人以上、という研修の数量要件があります。短時間研修や少人数研修が複数回でも、これらを満たさないと不支給となります。

③ 定着助成の申請タイミングを忘れる
定着助成は、事業主経費等助成(一体的事業)の支給申請とは別に、対象者の雇い入れ日から6か月経過後に追加申請が必要です。事業終了月の申請期限と混同しないよう、雇用開始日からの6か月経過日を別途管理しましょう。


若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)に関するよくある質問

ここでは厚生労働省Q&A等をもとに、本コースに関するよくある質問と回答をまとめました。


若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)はいくらもらえる?


建設事業主の場合、事業主経費等助成・賃金向上助成・定着助成の合計で年度200万円が上限です。事業主団体は最大3,000万円(全国団体)、職業訓練法人は最大1億500万円が上限となります。中小建設事業主の場合、事業主経費等助成は対象経費の3/5、賃金向上助成は事業主経費等助成額の3/20が支給されます。




2026年4月からどう変わりましたか?


3つの大きな改正がありました。1つ目は定着助成(1人あたり42万円)の新設、2つ目は雇用管理研修等の支給単価が1人1日あたり8,550円から9,500円に増額、3つ目はコース区分が従来の4区分から5区分(定着助成の追加)に変更された点です。




定着助成と他区分との関係はどうなっていますか?


定着助成は単独では申請できません。事業主経費等助成のうち「魅力発信から育成・定着までの一体的事業」の支給決定を受けることが前提です。そのうえで、採用した新規入職者が6か月以内に離職していなければ、1人あたり42万円が上乗せで支給されます。年度あたり3名・126万円が上限です。




雇用管理責任者は、どのような人を選べばよいですか?


特に資格は必要ありませんが、建設労働者の雇用管理について責任を持つという雇用管理責任者の性格から、事業所内において一定程度の地位にある者で、雇用管理に関する相当の実務経験を有する者を、建設事業を行う事業場ごとに選任してください。




小・中学生等を対象とした講習会や体験学習も助成対象になりますか?


小・中学生等を必ずしも事業対象から除外するものではありませんが、本助成金は、雇用保険の被保険者、被保険者であった者や被保険者になろうとする者の雇用安定事業として実施しています。そのため、高校生以上を主な対象としてください。




団体で設置している既存の委員会等を事業推進委員会にすることはできますか?


団体で設置している既存の委員会等を事業推進委員会として位置づけることは可能ですが、事業推進委員会の設置要件や実施回数を満たし、かつ年間事業計画の策定、効果検証等が当委員会で議論されることが必要です。




研修時間や受講人数の要件はどうなっていますか?


事業主経費等助成における研修は、雇用管理研修は6時間以上、職長研修は18時間以上が必要です。また、1日の研修時間は3時間以上、事業計画期間中の研修受講者は延べ10人以上を満たす必要があります。研修内容も指定テーマから選択する必要があるため、計画段階で要件確認をしておきましょう。




他の建設業向け助成金と併用できますか?


同一の取組や同一経費について他の助成金等と併給を受けることは原則できません。ただし、内容や費用区分が異なれば、トライアル雇用助成金(若年・女性建設労働者トライアルコース)、人材開発支援助成金の建設労働者技能実習コース・建設労働者認定訓練コースなどとの組み合わせ活用が可能な場合があります。詳細は管轄労働局に事前確認しましょう。




計画届と支給申請書の提出先はどこですか?


原則として本社の所在地を管轄する都道府県労働局に提出します。事業主団体や職業訓練法人の場合は、主たる事業所の所在地を管轄する労働局が提出先となります。様式や提出方法の詳細は管轄労働局のウェブサイトで最新版を確認してください。




賃金向上助成の「5%以上の増加」はどう判定されますか?


事業終了日の翌日から1年以内に、雇用するすべての建設労働者の賃金を5%以上引き上げることが要件です。判定は賃金台帳ベースで行うため、引き上げ前と引き上げ後の賃金額を正確に記録しておく必要があります。手当の組み替えで一時的に増えただけ、合理的な理由なく後で引き下げた、といったケースは要件を満たさないと判断されます。



参考:建設事業主等に対する助成金 Q&A

まとめ

若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)は、建設業における若年者や女性の入職・定着を促進するための助成金制度です。令和8(2026)年4月の改正で定着助成(1人42万円)が新設され、事業主経費等助成・事業主団体経費助成・推進活動経費助成・賃金向上助成・定着助成の5区分体制となりました。建設業の魅力を伝える講習会、技能向上研修、女性向けキャリアパス作成といった幅広い取り組みが対象です。

建設業では需要の高まりに対し人材不足が深刻化しています。本コースをはじめとする支援を上手に活用し、若年者・女性が「ここで長く働きたい」と思える職場づくりを進めていきましょう。

なお、建設業の若年・女性人材確保には、トライアル雇用助成金(若年・女性建設労働者トライアルコース)や、人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース・建設労働者認定訓練コース)など、別系統の助成金も整備されています。組み合わせ活用も視野に入れて検討してみてください。

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