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助成金をもらうための要件とは?助成金申請前に見ておきたい共通要件について調べてみた

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雇用系の公的助成金は、企業の経営を助け、雇用の維持・促進を目的として、主に厚生労働省が中心となって行っています。雇用関係の助成金とは、「雇用維持」「新規雇用」「人材育成」などが一般的ですが、労働環境を整えること(就業規則の変更、ストレスチェック制度実施、保育・介護労働者の処遇改善)などの助成もあります。

雇用系の公的助成金は、各助成金の受給要件のほかに、共通した要件を満たした上で申請を行う必要があります。融資とは異なり、要件を満たせばもらえる助成金は、大変魅力的な制度ですよね。
今回は、これから助成金を申請する、または申請を検討している方が参考にして頂ける、助成金の共通要件についてご紹介していきたいと思います。

この記事の目次

1.まずココは要チェック!


雇用系の公的助成金の要件を確認する前に、チェックすべきところは、

“労働時間を、適切に記録・把握できているか”
“給与計算で時間外労働などの割増賃金を、適切に計算・支給されているか”

など、日々の労務管理が正しく行われているどうかが重要になってきます。
そのため、正しい企業運営を行っているかどうか、申請を検討する際にはきちんと確認しておきましょう。

労働時間はどのように把握、管理していけばいいの?

労働時間を適正に把握していくために、使用者が日々行うべき措置のうち、大まかに次の4つの要件について見ていきましょう。

①使用者は、労働者の日ごとの始業・就業時刻を確認し、適正に記録すること

確認方法は、原則として次の2点のうち、いずれかを行うことが必要です。

ア)使用者自ら、あるいは労働時間管理を行う者が、直接始業時刻や終業時刻を確認し記録する
イ)タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し記録する


②労働時間の記録に関する書類は、労働基準法第109条に基づき、3年間保管すること

具体的には、使用者が自ら始業・就業時間を記録したもの、タイムカード等の記録、残業命令書およびその報告書、労働者が自ら労働時間を記録した報告書などの書類が該当します。

③使用者は、労働基準法第108条において、賃金台帳を作成すること

賃金台帳への記載事項としては、労働日数、労働時間数、残業時間数、休日労働時間数、深夜労働時間数が掲げられています。そのため、賃金台帳にも労働時間の記録を行うことが必要です。

参考:厚生労働省:労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準

2.助成金をもらうための共通要件とは?


助成金をもらうための事業主の要件は、次の(1)~(3)すべてを満たす必要があります。

(1)雇用保険適用事業所の事業主であること

助成金の財源は、企業が支払っている雇用保険の一部が財源になっています。
労働者を1人でも雇っている事業主の方は、個人法人関係なく、雇用保険の加入手続きが必要です。
そのため、新たに労働者の雇入れを行った場合には、雇用保険の被保険者資格取得の届出を事業所所在地が管轄するハローワークへ必ず手続きを行いましょう。

(2)支給のための審査に協力すること

公的なお金を使うため、申請した内容で適切に実施されているかの実地審査が行われる場合があります。申請したからといって気を緩めたりすることなく、書類管理は適切な運用を行いましょう。
具体的には、次の3点について対応ができるようにする必要があります。

①支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等を整備、保管していること
②支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等の提出を、管轄労働局から求められた場合に応じること
③管轄労働局等の実地調査を行うこと

(3)申請期間中に申請を行うこと

当たり前ですが、申請期間をすぎて申込をしても受付はしてもらえません。助成金によっては、時間指定で受付を締め切る事業もあります。
自治体毎の助成事業には、書類提出方法が「郵送」のみ、または「持参」のみという場合もあります。また、持参のための事前受付予約が必要な場合もあるため、万が一不備等がある場合に備えて、申請書類は余裕を持って提出しましょう。

3.受給ができない事業主の要件とは?

次の(1)~(9)いずれかに当てはまる事業主の方は、雇用関係の助成金受給ができません。

(1)平成31年4月1日以降に雇用関係助成金を申請し、不正受給による不支給決定又は支給決定の取り消しを受けた場合、当該不支給決定日又は支給決定取消日から5年を経過していない事業主

なお、支給決定取消日から5年を経過した場合であっても、不正受給による請求金を納付していない事業主は、時効が完成している場合を除き、納付日まで申請できません。

不正受給とは、もともと存在しなかった書類や、実態と異なる書類を作成して提出を行い、助成金を受けようとした場合のことを言います。不正受給は助成金がもらえないだけでなく、特に悪質な場合には刑事告発が行われることもあります。

不正受給についてわかりやすくまとめた記事があるので、ぜひ読んでみてくださいね。
◆関連記事:その申請方法で大丈夫?不正受給にならないために確認しておきたい項目とは?


(2)平成31年4月1日以降に申請した雇用関係助成金について、申請事業主の役員等に他の事業主の役員等として不正受給に関与した役員等がいる場合

この場合、他の事業主が不支給決定日又は支給決定取消日から5年を経過していない場合や支給決定取消日から5年を経過していても、不正受給に係る請求金を納付していない場合(時効が完成している場合を除く)は、申請できません。

(3)支給申請日の属する年度の前年度より前の、いずれかの保険年度の労働保険料(雇用保険料)を納入していない事業主

保険料はきちんと納入していないと、助成金を受け取ることができません。
ただし、支給申請日の翌日から起算して2カ月以内に、滞納分が精算されれば問題ありません。

(4)支給申請日の前日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間に、労働関係法令の違反があった事業主

(5)性風俗関連営業、接待を伴う飲食等営業またはこれら営業の一部を受託する営業を行う事業主

(6)事業主又は事業主の役員等が、暴力団と関わりのある場合

(7)事業主又は事業主の役員等が、破壊活動防止法第4条に規定する暴力主義的破壊活動を行った又は行う恐れのある団体に属している場合

公的なお金を使うため、反社会的勢力(暴力団関係)は、助成金を受け取ることはできません。

(8)支給申請日、または支給決定日の時点で倒産している事業主

(9)不正受給が発覚した際に都道府県労働局等が実施する事業主名等の公表について、あらかじめ同意していない事業主

上記は事業主の共通の要件ですが、そのほかにも、助成金ごとに「就業規則に新たな規定を盛り込み、労働基準監督署へ提出すること」「対象者を社会保険(雇用保険)被保険者として適用させていること」など、個別要件がある場合もあるため、募集要項は細部まで読みこみましょう。

参考:厚生労働省:各雇用関係助成金に共通の要件等

4.まとめ


助成金の要件は、「不正受給をしない」「必要な書類の整備・保管を行う」など、事業主として当たり前にすべきことが申請要件になっています。
そのため、労働環境の整備を進めていくということは、おのずと助成金の要件を満たすための近道でもあります。

これから助成金を申請する、または申請を検討している方は、まずは社内の労働環境を整えた上で、うまく助成金の活用を進めてみてはいかがでしょうか。

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