長く続いた不安定な情勢はようやく落ち着きを見せ始め、人の動きも活発になってきました。休止状態にあった文化イベントや芸術活動も、少しずつ正常化しつつあります。
神奈川県では、文化芸術の力で地域のにぎわいをつくり出す「マグネット・カルチャー(マグカル)」の取組を推進し、「マグカル事業」としてさまざまな取り組みを行っています。
「神奈川県マグカル展開促進補助金」は、文化・芸術に関わる事業を行う民間団体を支援し、マグカル展開促進を目指す取り組みです。今回は令和5年6月8日 (木) からはじまる神奈川県マグカル展開促進補助金2次募集の概要や申請の方法についてお伝えします。
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この記事の目次
マグカル展開促進補助金の目的
神奈川県は「神奈川文化プログラム」として、文化芸術の魅力で人を惹きつける「マグカル」を推進しています。神奈川県マグカル展開促進補助金は新たに文化芸術の事業に取り組む民間団体に対し、その費用を最大300万円補助するものです。
マグカル展開促進補助金の対象者
補助の対象となるのは、任意団体を含む民間団体です。個人での申請は対象になりません。
そのほか、補助対象者となるための主な要件は以下の通りです。
補助対象者 |
(1)団体または構成員が、指定の分野における公演等の実績を有する |
(2)任意団体の場合は、次の要件を満たしている ・団体としての組織を備えている ・組織において多数決の原則が行われている。 ・構成員の変更にもかかわらず団体そのものが存続する ・代表の方法等、団体としての主要な点が確立している |
(3)団体の意思を決定し、執行する体制を確立している |
(4)団体自ら経理し、監査する会計組織を有する |
(5)県に対する金銭債務の支払に滞納がない |
(6)暴力団等でないこと |
マグカル展開促進補助金の対象事業
補助の対象となる事業は、神奈川県内で実施する、不特定多数の者に公開する文化芸術の新たな事業に限られます。
事業実施期間は、以下のとおりです。
令和5年8月28日から令和6年3月29日までの間
【文化芸術とは】
また、「文化芸術」とは以下の(1)~(6)を指します。
(1)芸術 ・文学、音楽、美術、写真、演劇、舞踊等 |
(2)メディア芸術 ・映画、漫画等 |
(3)伝統芸能 ・能楽、文楽、歌舞伎等 |
(4)芸能 ・講談、落語、歌唱等 |
(5)生活文化 ・茶道、華道、書道、食文化等 |
(6)国民娯楽 ・囲碁、将棋等 |
マグカル展開促進補助金の対象経費
補助対象経費の例は、以下の(1)~(15)です。
補助対象経費 | |
(1)会場費 | 会場使用料等 |
(2)設営費 | 会場設営費、展示工作・撤去費等 |
(3)舞台費 | 大道具費、小道具費、衣裳費等 |
(4)出演費 | 俳優出演料、指揮料、ソリスト料等 |
(5)音楽費 | 作曲料、楽器借料等 |
(6)文芸費 | 著作権使用料、演出料、台本料等 |
(7)配信費 | 映像制作費、映像編集費、翻訳費 |
(8)謝金 | 審査委員謝金、原稿執筆料等 |
(9)通信費 | 案内状発送費等 |
(10)宣伝費 | 広告宣伝費、立看板費等 |
(11)印刷費 | 無料配付するプログラム印刷費、ポスター印刷費等 |
(12)旅費 | 交通費、宿泊費等 |
(13)記録費 | 録画費、録音費等 |
(14)消耗品費 | マスク、フェイスシールド、消毒用品等の購入費等 |
(15)手数料 | チケット販売手数料 |
なお、以下の経費は対象外です。
■役務等への対価としての必要性が認められないもの
■行政機関への許可申請等に必要な経費等
■団体運営の経常的経費
■市場価格と比較して著しく高いと認められるもの
■有償で頒布するプログラム・図録等の作成経費
■自ら管理する施設等において活動を行う場合の会場使用料
■食糧費
■原則として取得価格が単価10万円以上の備品の購入費
■原則として10万円以上の修繕費
マグカル展開促進補助金の補助率・上限額
基本的な補助率は1/3、上限額は100万円です。ただし、以下の5区分は重点事業です。補助率や上限額に特認を設けられています。
■重点事業補助上限額
300万円
■事業ごとの補助率
(1)先駆的事業:1/2以内
(2)高齢者が行う文化芸術活動の充実を図るための事業:1/2以内
(3)障がい者が行う文化芸術活動の充実を図るための事業:1/2以内
(4)地域固有の伝統芸能及び民俗芸能に関する事業:1/3以内
(5)若年者を文化芸術に携わる人材として育成するための事業:1/3以内
補助を受ける場合の条件
補助を受けるためには、要件のほか、以下の条件に従う必要があります。
(1)補助事業の内容等に変更がある場合、それが軽微な物でない限りは、速やかに申請書を提出する。また、すでに補助金の支払いが行われている場合には、必要に応じて返還を行うこと。
(2)補助事業を中止または廃止する場合は、速やかに県の承認を受けること。
(3)法令を遵守し、入場者等の安全に配慮すること。
(4)県の広報活動に協力すること。
■補助金の交付を受けた事業は、当該事業の実施の際に作成するポスターやホームページ等に、神奈川県マグカル展開促進補助金の対象事業である旨を表示する
■印刷物等の広報では、施時期に応じて以下のマークを掲載する
出典:神奈川県マグカル展開促進補助金 募集要項・申請の手引き
なお補助事業に採択された場合、対象事業は「神奈川文化プログラム」として認証されます。
かながわ県民文化祭とは
神奈川県では、文化の日を中心とした9月から12月を「かながわ県民文化祭」と位置付けています。より多くの県民が県内各地の様々な文化芸術活動に参加し、楽しむことで地域のにぎわいやつながりを生むことが目的です。
この時期に補助事業が実施される場合、自動的に「かながわ県民文化祭」の参加プログラムとして位置づけられます。
マグカル展開促進補助金の募集期間・申請方法
それでは、神奈川県マグカル展開促進補助金の申請方法について見ていきましょう。
本事業は、すでに1次募集が締め切られました。1次募集に応募し、採択されなかった事業が再度応募する場合には申請書類が追加になります。また、既存の書類も書式が変更になっていますので、新たにダウンロードしてください。
申請に必要な書類は、以下の(1)~(3)です。
(1)神奈川県マグカル展開促進補助金交付申請書 ※1次募集に応募した団体は、追加提出資料として、1次募集からの改善点について書類にまとめる必要があります。 |
(2)団体または構成員が、補助事業と同一の分野における公演等の実績を有することを証する書類 チラシ、プログラムなどのほか、インターネット上の記事等も有効です。過去の実績が客観的に確認できるものを用意してください。 |
(3)団体の定款 |
2次募集の予算規模は、1次採択の執行残および辞退・廃止分などによるものです。予算は当初予算 (4,500万円)の1/5以下、採択数は最大でも10件未満の見込みとなります。
募集期間
申請期間は令和5年6月8日 (木) から7月11日 (火) 17時までです。
申請方法
申請は神奈川県の電子システムから行います。申請にはまず、利用者登録が必要です。申請後、書類の不備などがあった場合には県からメールが届きます。修正も電子システムから行いますので、ログインID等は申請後も保管しておいてください。
過去の採択状況
これまでの応募数や採択率は、以下の通りです。
応募数 | 採択数 | 採択率 | |
令和5年度1次募集 | 137件 | 38件 | 27.7% |
令和4年度2次募集 | 64件 | 12件 | 18.8% |
令和4年度1次募集 | 114件 | 30件 | 26.3% |
まとめ
コロナ禍において、文化芸術活動は縮小を余儀なくされていました。アーティストの中には、資金などの問題で活動から離れていた人も少なくないでしょう。そうしたアーティストたちの活躍を支え、盛り上げるのは、観客とのつながりです。マグカル事業は観客同士だけでなく、アーティストの支援にもつながります。
神奈川県マグカル展開促進補助金1次募集では、オペラや人形劇のほか、書道キッズコンクールやワークショップなど、県民参加型の事業も採択されています。人と人、そしてアートをつなぐ取組に、ぜひ神奈川県マグカル展開促進補助金を活用してください。